JPS6132156B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、屋内、屋外の広告、展示および装
飾に使用する、１枚で透過光と反射光のいづれに
よつても、きれいな画像が見られる透過光と反射
光兼用画像板に関する。

［従来の技術］ 従来、ポジフイルム、又は透明プラスチツク板
の上に印刷物の画像を２回重ねて転写した画像板
は透過光で見る、つまり背後よりの照明で見ると
きは鮮明な画像が見られるが、背後の照明を消す
と暗くなつて見えなくなる。

又、たとえ背後の照明をつけても外側、つまり
正面が明るいと、やはり画像がほとんど見えなく
なる。従つて透過光で見る、従来の画像は、夜
か、又は室内でしか見えない。明るい外側ではよ
く見えないので、昼間の明るい屋外では使えない
大きな欠点がある。

又、従来の反射光で見る画像、つまり正面より
の光線で見る画像、例えばポスターのような印刷
画像は反射光によつて、きれいな画像が見られる
がこれを透過光によつて見ることは出来ない。つ
まり従来の技術においては透過光で見る画像は反
射光で見ることが出来ない。又、反射光で見る画
像は、透過光でみることが出来ない。それ故に、
１枚の画像で透過光と反射光両方を兼用すること
が出来ないのである。

［発明が解決しようとする問題点］ この発明は透過光と反射光の兼用出来ない従来
の画像板の欠点を解決して、１枚の画像板で夜間
は背後よりの照明で鮮明な画像が見られ、昼間は
照明がなくても正面の太陽光線だけできれいな画
像がみられる目的でなされたのである。

［問題点を解決するための手段］ 特許請求の範囲記載の第１の発明の透過光と反
射光兼用画像板は透明画像板Ａを表側に半透明白
色画像板Ｂを内側に、かつ、半透明白色プラスチ
ツク板４の両側に画像があるようにして、この両
画像板を接着固定したものよりなるものである。

特許請求の範囲記載の第２の発明は、上記第１
の発明の透過光と反射光兼用画像板を製造する方
法の発明である。

従来の技術では１枚の画像板で透過光と反射
光、両方を兼用出来る画像板が出来ない理由は、
透過光で見る画像は反射光で見る画像に比べて、
その画像の濃さを２倍にする必要がある。それ故
に、もし反射光で見て丁度よい濃さの画像を透過
光で見たら、薄すぎて鮮明な画像を見ることが出
来ない。又逆に透過光で見て丁度よい濃さの画像
を反射光で見たら濃すぎて、暗くて画像がよく見
えない。このように相反する条件の性質をもつて
いるので、従来の技術では１枚で透過光と反射光
両方を兼用させる画像板の製作は不可能でした。
もし、１枚でこれを兼用させるには、反射光で見
たとき、丁度よい画像の濃さをＣとすれば、これ
を透過光で見るときは、その画像の濃さが前記の
２倍つまり2Cとなるという条件を同時に満足さ
せなければならない。本発明は第１図に示す通
り、Ａ板とＢ板を接着し一体となつた構造、つま
り特許請求の範囲記載の第１の発明の構造でこの
問題点を解決したのである。

［作用］ 第１図を参照しながら説明をする。但し、Ａ板
とＢ板の画像の濃さは同じで各々Ｃとする。

先ず内側Ｉからの電気照明Ｌ、つまり透過光で
見るときはこの透過光はＢ板とＡ板を通つて視点
Ｅに達するので、Ｂ板とＡ板の同じ画像３２枚
分、つまり濃さ2Cの画像を見ることになるの
で、丁度よい濃さの鮮明な画像を見ることが出来
る。

昼間明るいときは外側Ｏよりの太光線Ｓつまり
反射光で見るときは太陽光線ＳはＡ板の画像３を
通つて、半透明白色プラスチツク板４によつて反
射され、視点Ｅにおいてはその反射光Ｓを見るの
でＡ板１枚だけの画像３を見ることになるから、
画像の濃さは前者の半分、つまりＣとなる。

これによつて、丁度印刷された画像を見るのと
同じきれいな画像が見られる。

これによつて１枚でもつて透過光と反射光を同
時に兼用出来る画像板が出来るのである。

［実施例］ 次にこの発明の実施例を第１図を参照しながら
説明する。

先ず、透明プラスチツク板１（アクリル樹脂、
塩化ビニール樹脂、その他適当な樹脂板）を用意
し、この表面に非水溶性の透明な接着剤２（例え
ばポリ塩化ビニール系接着剤、その他適当な接着
剤等）を塗布するか又はスプレーする。この接着
剤２の塗布している面にカラー印刷物の画像（印
刷インキ）３のある面をローラーでこれに圧着
し、空気の泡が残らないように完全に圧着し、乾
燥後、これをアルカリ水溶液又は温水に浸して、
印刷物の紙質（ハルプ）を）溶解し水洗、乾燥す
ると透明プラスチツク板１の上に画像（印刷イン
キ）３だけが転写されて残る。これによつて出来
た透明画像板をＡ板とする。次に半透明白色プラ
スチツク板４（アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂
等）の上に、同じカラー印刷物を上述と同じ方法
でこれを転写すると、半透明白色プラスチツク板
４の上に画像（印刷インキ）３だけが残る。これ
によつてできた半透明白色画像板をＢ板とする。

又は、カラー印刷物からの転写によらずして、
透明プラスチツク板１および半透明白色プラスチ
ツク板４に直接画像を印刷してＡ板およびＢ板を
製作してもよい。

次にこの透明画像板Ａを表側に、半透明白色画
像板Ｂを内側にして、かつ、半透明白色プラスチ
ツク板４の両側に画像（印刷インキ）３があるよ
うにして（第１図参照）この両画像（印刷イン
キ）３が完全に一致したところで透明画像板Ａと
半透明白色画像板Ｂを透明接着剤２で接着固定し
て出来る、透過光と反射光兼用画像板。

又この透過光と反射光兼用画像板の表裏に紫外
線吸収膜をコーテイングすれば一層耐候性が強く
なる。

［発明の効果］ おなじ画像でも透過光で見る画像は反射光で見
る画像より一段と鮮明できれいに見える。

しかし、従来の透過光で見る画像は、夜か室内
でしか使えない。明るい外側ではほとんど見えな
い大きな欠点がある。

本発明はこの欠点を完全に解決したもので次の
諸効果がある。

１ 本発明は透過光および反射光兼用画像板であ
るので、使用場所および明暗に影響されない。
つまり１枚の画像板で、昼間の明るい屋外では
反射光による画像として、きれいな画像が見ら
れ、夜間又は室内では透過光による画像とし
て、一段と鮮かにして、迫力のある画像が見ら
れるのである。

２ 本発明の画像板をガラスに貼つただけで昼夜
の区別なく、内側からも、外側からも、きれい
な画像が見られる。

以上１、２、の効果は従来の画像には見られな
い本発明の大きな特長である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明、透過光と反射光兼用画像板の
断面図 Ａ……Ａ板、Ｂ……Ｂ板、１……透明プラスチ
ツク板、２……透明接着剤、３……画像（印刷イ
ンキ）、４……半透明白色プラスチツク板、Ｏ…
…表側、Ｉ……内側、Ｓ……太陽光線、Ｌ……電
気照明、Ｅ……視点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明プラスチツク板１の上に画像を形成させ
   た透明画像板Ａを表側に、半透明白色プラスチツ
   ク板４の上に画像を形成させた半透明白色画像板
   Ｂを内側に、かつ、半透明白色プラスチツク板４
   の両側に画像があるようにして、この両画像３が
   完全に一致したところで、透明画像板Ａと半透明
   白色画像板Ｂを接着固定したものよりなる透過光
   と反射光兼用画像板。 ２ 次の各工程からなる、透過光と反射光兼用画
   像板の製造方法。 Ａ カラー印刷物の画像のある面を透明接着剤２
   でこれを透明プラスチツク板の上に接着し、乾
   燥した後、パルプ溶解液で印刷物の紙質（パル
   プ）を溶解除去すると、透明プラスチツク板１
   の上に画像（印刷インキ）３だけが残る。これ
   によつて出来た透明画像板をＡ板とする。 Ｂ 上記と同じ方法で今度は半透明白色プラスチ
   ツク板４の上に同じ画像（印刷インキ）３を形
   成させる。これによつてできた半透明白色画像
   板をＢ板とする。 Ｃ 上記透明画像板Ａを表側に、半透明白色画像
   板Ｂを内側に、かつ、半透明白色プラスチツク
   板４の両側に画像（印刷インキ）３があるよう
   にしてこの両画像（印刷インキ）３が完全に一
   致したところで透明画像板Ａ半透明白色画像板
   Ｂを透明接着剤で接着固定することにより透過
   光と反射光兼用画像板ができる。 ３ カラー印刷物から転写によりＡ板とＢ板の上
   に形成された上記画像（印刷インキ）３が、Ａ板
   およびＢ板の上に直接印刷によつて形成された画
   像（印刷インキ）３である特許請求の範囲第２項
   記載の方法。