JPS6131639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、機体後部に原動機とミツシヨンケー
スとを横置状態に一体化させて原動部を形成し、
機体前部に刈取装置および結束装置を配設すると
共に、機体の中央部に一輪型走行車輪を配設して
成る一輪型刈取結束機に関する。

〔従来技術〕

従来、かかる一輪型刈取結束機においては、刈
取部及び結束装置等を支持する刈取部フレーム
は、原動部のミツシヨンケースに固着支持されて
おり、前記刈取部フレーム及びミツシヨンケース
自体の強度をこの固着支持に十分耐えるように大
なるものに構成する必要があり、従つて、フレー
ム構造自体が複雑かつ重量大となる傾向にあつ
た。

しかもミツシヨンケースは高い位置に設けられ
る反面刈取部は地面近くの低い位置に設けられる
ものであるから、両者を一体的なフレームで連結
する場合には、フレームをその前後方向の中間部
分で折曲せねばならず、機体の軽量化と強度アツ
プとを図る目的でこのフレームにパイプを使用し
た場合、その曲げ加工が大変である上に、せつか
くの中空体の内方空間が有効に活用できなくなる
欠点がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案が解決しようとする技術的課題は、機体
の全体構造を合理的、かつ合目的的に改良し、重
量バランスが良く強度も大であり乍らも、部品点
数を少なくして製作加工が簡単で且つコンパクト
化も図れる実用上きわめて有利な一輪型刈取結束
機を提供しようとする点にある。

〔問題を解決するための手段〕

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、機体前後方向に沿つて左右一対の主フレ
ームを夫々その後端を原動機とミツシヨンケース
とに連結して架設し、ミツシヨンケース側に連結
した主フレームを筒体から形成してその内方に前
処理部への伝動軸を装填すると共に、機体の前後
方向中間において主フレームに支持された横フレ
ームの両端近くから下方に向けて左右一対の縦フ
レームを延設し、一方の縦フレームの下部を前方
に屈曲し、この前方屈曲部に刈取装置の固定刃の
一端を支持するとともに、他方の縦フレームの下
部に結束装置を連結し、且つこの結束装置に前記
刈取装置の固定刃の他端を支持させ、前記原動部
と左右の主フレームと横フレームとで形成された
平面視矩形の空間内に一輪型走行車輪を配設する
ものである。

〔作用〕

上記技術的手段は次のように作用する。

機体前後方向に沿う左右一対の主フレームの
夫々後端を夫々原動機とミツシヨンケースとに
連結し、機体の前後方向中間において前記両主
フレームに支持された横フレームに左右一対の
縦フレームを延設し、一方の縦フレームに刈取
装置の固定刃の一端を支持すると共に、他方の
縦フレームに、前記刈取装置の固定刃の他端を
支持した結束装置を連結してあるから、フレー
ム構造は、原動部、左右一対の主フレームそし
て横フレームで形成される並面視矩形のフレー
ム部分と、その前方に、横フレーム、左右の縦
フレーム、そして刈取装置と、結束装置とによ
つて連結される略上下方向の矩形のフレーム部
分とが一体的に連結されて構成されることにな
り、両矩形フレーム部分それぞれから強固に構
成され易く、かつ、両フレーム部分間も強固に
結合され易い。

前記の平面視矩形のフレーム部分には、さら
に、その平面視矩形の空間内に一輪型走行輪を
配設してあり、これと前記両矩形のフレーム部
分に連結されている原動部、刈取装置および結
束装置との配置により、一輪型走行車輪を中心
にして、刈取装置、結束装置の重量物と、原動
部つまり原動機、ミツシヨンケースの重量物と
が前後に振り分けて配置される。

さらに、刈取結束機にとつて必要不可決な装
置である原動機、ミツシヨンケース、結束装
置、および刈取装置の固定刃自体をフレームの
構成部材としてそのまゝ利用できるから、フレ
ーム専用部材を非常に少なくすることができ
る。しかも、筒体から形成した主フレームの内
方に伝動軸を装填するから、この主フレームを
伝動軸のカバーおよび一部の取付部品に兼用さ
せることができ、別個の保護構造および一部の
取付部品を省くことができる。

〔考案の効果〕

本考案は、上記の結果、次の効果を奏する。

前記の両矩形フレーム部分それぞれが強固に
構成され易く、かつ両フレーム部分間も強固に
結合され易いから、両矩形フレーム自身それぞ
れの強度を向上させることができ、この両者の
結合上の強度をも向上させることができ、フレ
ーム全体の強度を大幅に向上させることができ
るに至つた。また、前記の両矩形フレーム部分
を別体で構成してあるから、従来の複雑なフレ
ーム構造のものに比べて製作加工が簡単とな
り、加工工数を軽減させることができるに至つ
た。

一輪型走行車輪を中心にして、重量物を前後
に振り分けて配置されているから、重量バラン
スを良好にすることができ、従つて機体の操作
性を向上させることができるに至つた。

フレーム専用部材を非常に少くすることがで
き、また、伝動軸側の主フレームをカバーおよ
び一部の刈取部品に兼用させて、別個の保護構
造および一部の取付部品を省略することができ
るから、全体として部品点数を極めて少くで
き、コンパクト化を図れるに至つた。

以上のように、本考案に係る一輪型刈取結束機
は、あらゆる面において従来から要望されていた
種々の要求を可能な限り充足できるように考慮さ
れたものであつて、実用上きわめて有利な一輪型
刈取結束機を提供できるに至つた。

〔実施例〕 次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１，２図は、一輪型刈取結束機の全体側面図
及び全体平面図を示し、機体前部に、植立茎稈を
引起す引起装置１、前記茎稈の株元を切断するバ
リカン型刈取装置２及び刈取茎稈を集束し、結束
したのち機体横一側に放出する結束装置３等から
なる前処理装置４が設けられ、機体後部に原動機
５とこの原動機５の横に並置されて該原動機５と
一体的に連結されたミツシヨン６とからなる原動
部７が設けられている。

次に前記前処理装置４及び原動部７を支持する
刈取部フレーム構造について説明する。機体前後
方向に沿つて左右一対の主フレーム８ａ，８ｂが
夫々その後端を原動機５とミツシヨンケース６と
に連結された状態で架設され、該主フレーム８
ａ，８ｂの前部にブラケツト８a′，８b′を介して
支持された横フレーム９の両端近くから下方に向
けて左右一対の縦フレーム１０ａ，１０ｂが延設
されている。又、前記縦フレーム１０ａ，１０ｂ
の一方の縦フレーム１０ａの下部は機体前方に屈
曲されて屈曲部１０a′が形成されており、他方の
縦フレーム１０ｂの下部にはブラケツト１０b′が
固着されている。又前記ミツシヨンケース６側に
連結されている主フレーム８ａ内には前処理部へ
の動力伝動軸６Ａが装填されている。

即ち、上記の様に構成された刈取部フレームの
主フレーム８ａ，８ｂの後端に原動部７が固着支
持され、他方の縦フレーム１０ｂにブラケツト１
０b′を介して結束装置３が固着支持されるととも
に、一方の縦フレーム１０ａの屈曲部１０a′と前
記結束装置３とに亘つて刈取装置２の固定刃が架
設支持されている。

又、前記一方の縦フレーム１０ａを前方上方に
延設させて、上部屈曲部１０a″が形成されてお
り、前記上部屈曲部１０a″と前記屈曲部１０a′と
の先端に亘つて、引起し装置１に並設させて茎稈
引起し径路を構成する案内枠１１及び刈取茎稈を
機体横一側に配設された前記結束装置３に案内搬
送すべく前記案内枠から一体連設された案内板１
２が固着支持されている。

又、前記原動部７のミツシヨン６に伝動ケース
１３が上下揺動自在に装着され、該伝動ケース１
３を介して動力を受ける一輪型走行車輪１４が前
記原動部７と左右一対の主フレーム８ａ，８ｂと
更に横フレーム９で形成される平面視矩形の空間
内に配設されている。

又、前記主フレーム８ａ，８ｂに支持された横
フレーム９の両端部の前記ブラケツト８a′，８
b′に、後部上方に向かう操縦ハンドル１５が設け
られている。又、前記結束装置３の横外側部には
茎稈を一定姿勢で放出する株元払い杆１６がボル
トにて装着されている。

即ち、上記構成は、機体中間部に横架された横
フレーム９に、機体前後方向に沿つて架設された
左右一対の主フレーム８ａ，８ｂを固着するとと
もに、前記横フレーム９の両側端近くから左右一
対の縦フレーム１０ａ，１０ｂを固着して刈取部
フレーム１７が構成されている。そして、前記刈
取部フレーム１７の前後部に前処理装置４及び原
動部７が固着されて強度の大なるフレーム構造と
成つている。

尚、第５図は、湿田での刈取りのために、前記
結束装置３の株元払い杆１６に代えて、集束デツ
キ１８が装備された状態を示したもので、前記結
束装置３の株元払い杆１６の取付部に一端を固着
され、他端を一方の主フレーム８ｂに支持杆１９
を介して固着された刈取茎稈載置用集束デツキ１
８が設けられるとともに、前記デツキ１８の上部
に上下一対の案内ガイド杆２０，２０が前記主フ
レーム８ｂに固着され、このガイド杆２０，２０
に対応して前記結束装置３から挾持ガイド杆２
１，２１′が揺動自在に枢設されている。以つ
て、前記結束装置３にて結束放出された茎稈は立
姿勢のまゝで前記デツキ１８上にガイド杆２０，
２１，２０′，２１′にて挾持された状態で順次載
置収容され、適時、圃場の端部にて畦に放出すべ
く構成されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る一輪型刈取結束機の実施例
を示し、第１図は全体側面図、第２図は全体平面
図、第３図は一輪型刈取結束機の支持フレームを
示す斜視図、第４図は株元払い杆を装着したとこ
ろを示す要部斜視図、第５図は集束デツキを装着
したところを示す要部斜視図である。 ２……刈取装置、３……結束装置、５……原動
機、６……ミツシヨン、７……原動部、８ａ，８
ｂ……主フレーム、９……横フレーム、１０ａ，
１０ｂ……縦フレーム、６Ａ……伝動軸、１０
a′……屈曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体後部に原動機５とミツシヨンケース６とを
   横置状態に一体化させて原動部７を形成し、機体
   前部に刈取装置２および結束装置３を配設すると
   共に、機体の中央部に一輪型走行車輪１４を配設
   して成る一輪型刈取結束機において、機体前後方
   向に沿つて左右一対の主フレーム８ａ，８ｂを
   夫々その後端を原動機５とミツシヨンケース６と
   に連結して架設し、ミツシヨンケース６側に連結
   した主フレーム８ａを筒体から形成してその内方
   に前処理部への伝動軸６Ａを装填すると共に、機
   体の前後方向中間において主フレーム８ａ，８ｂ
   に支持された横フレーム９の両端近くから下方に
   向けて左右一対の縦フレーム１０ａ，１０ｂを延
   設し、一方の縦フレーム１０ａの下部を前方に屈
   曲し、この前方屈曲部１０a′に前記刈取装置２の
   固定刃の一端を支持するとともに、他方の縦フレ
   ーム１０ｂの下部に前記結束装置３を連結し、且
   つこの結束装置３に前記刈取装置２の固定刃の他
   端を支持させ、前記原動部７と左右の主フレーム
   ８ａ，８ｂと横フレーム９とで形成された平面視
   矩形の空間内に一輪型走行車輪１４を配設してあ
   ることを特徴とする一輪型刈取結束機。