JPS6146087B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、湿田などでの刈取作業時における刈
取稈状作物群の汚れを防止することと、刈取稈状
作物群の爾後の回収作業を容易化できるように、
機体進行に伴なつて植立稈状作物を刈取る装置、
その刈取稈状作物を横搬送して結束し放出する装
置を備えた走行機体の前記装置からの結束作物放
出口側の横側部に、その放出口位置から後方に向
かつて比較的長い距離に亘つて放出作物回収装置
を装備させてある回収装置付刈取結束機に関す
る。

この種の回収装置付刈取結束機において、前記
回収装置による回収量を多くするには、横搬送結
束放出装置からの放出作物を回収装置の一端部か
ら他端部にかけて順次載置回収する必要がある
が、前記横搬送結束放出装置の放出力のみでは作
物を前後方向に十分搬送することができず、回収
装置を固定位置させたのでは前述のような順次回
収作用が行えない。従来では、この対策として、
前記放出作物回収装置を、前記結束放出装置の放
出動作に連動して前方から後方に間欠的に駆動移
動させるべく構成していたが、これによる場合
は、回収装置を駆動移動させるための大掛りな駆
動機構や支持構造が必要で、回収装置全体の構造
が複雑化、大型化するばかりでなく、高価に付く
欠点があつた。

本発明は、上述の実情に鑑み、前記回収装置に
受止められた放出作物を後方に順送りするための
構造を、刈取り作業に伴なつて圃場面に残る切株
の有効利用をもつて簡単かつ安価に構成すること
ができる回収装置付刈取結束機の提供を目的とす
る。

目的達成のために講じた本発明の技術的手段
は、前記放出作物回収装置を、立ち姿勢の稈状作
物を左右から支持して機体の後方に向けて案内す
る支持具対と、この支持具対の下で立ち姿勢の稈
状作物の株元端を受止めるとともに機体前後方向
に沿つて形成してある溝を通して切株と前記株元
端との接触を許す簀の子状デツキと、前記支持具
対の後端を閉じて前記デツキ上に稈状作物を収集
させる後部支持具と、前記支持具対と後部支持具
とによる稈状作物の保持を開放する放出手段とで
構成したことであり、次の作用効果を奏する。

即ち、本発明者らは、刈取り作業に伴なつて圃
場に残る切株が相当に腰の強いもので、かつ、適
当な高さを有するものである点に着目し、この切
株を有効に利用して、前記結束放出装置から回収
装置に放出保持された作物を切株との接当作用に
よつて後方に順送りすべく構成したことにより、
冒述の従来装置のように、回収装置を前方から後
方に向欠的に駆動移動させるための大掛な駆動機
構や支持構造が不要で、十分な回収量を有しなが
ら、その回収構造全体を簡単かつコンパクトにし
かも安価に構成することができるに至つたのであ
り、作物をまとめて放出することができるので、
爾後の回収作業を能率よくおこなえるのである。
また、機体の前後方向に沿つた溝を備える簀の子
状デツキであるから機体の進行にもさほど抵抗と
ならないばかりか、機体の直進性を保つのにも有
効な効果がある。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図中１は、左右一対の走行車輪２，２の前方
に、機体進行に伴なつて２条の植立稈状作物を後
方上方に引起す引起し装置３，３と、引起された
ほぼ立姿勢の植立稈状作物の株元部を切断するバ
リカン型の刈取装置４ならびに、刈取稈状作物を
横搬送して一定量如に結束して放出する装置５と
を配設するとともに、前記左右の走行車輪２，２
の後方にはエンジンＥを搭載してなる走行機体で
あり、この走行機体１の横搬送結束放出装置５か
らの結束作物放出口５Ａ側の横側部に、その放出
口５Ａ位置から後方の走行車輪２後部までの比較
的長い距離に亘つて、放出作物を立姿勢に受止め
てこれを前方から後方に順送り可能に保持する放
出作物回収装置６を装備している。

前記横搬送結束放出装置５は、刈取稈状作物の
株元部及び穂先部を夫々係止搬送する突起７ａ付
きの横搬送用チエーン７及び突起８ａ付きの横搬
送用ベルト８と結束機９とから構成されている。

前記回収装置６は次の如く構成されている。

即ち、走行機体１の横側部に、放出作物の株端
を受止める簀の子状のデツキ１０を、その受面１
０Ａの前半部分１０ａは切株高さよりも下方に位
置する状態で、後端部分１０ｂは切株高さよりも
順次上方に持ち上げた状態で設けて、このデツキ
１０の前半部分１０ａにおいては受止め保持され
た作物の株端を機体前後方向に沿つて形成してあ
る溝を通して切株と接触させ、機体進行に伴なう
切株との接当作用によつて前方から後方に順送り
するとともに、後端部分１０ｂにおいては前記の
送り作用を解除すべく構成している。また、前記
デツキ１０に受止め保持された放出作物の穂先部
及び株元部を左右横方向から支持する支持具対１
１，１２及び１１′，１２′が設けてあるととも
に、支持具対１１′，１２′及び支持具１２と後述
の取付け杆１５の後端を閉じて前記デツキ１０上
に稈状作物を収集させる後部支持具１９，１９
を、前記下方の支持具１１′と前記取付け杆１５
の後端を折り曲げて形成してある。前記支持具対
１１，１２及び１１′，１２′のうち、横外側部に
位置する支持具１２，１２′は、前記デツキ１０
の前端部に設けたガイド杆１３の横外端部に、上
下軸芯ａ周りで揺動自在に枢着するとともに、こ
の揺動支持具１２，１２′とガイド杆１３との間
にはスプリング１４を介装して、前記揺動支持具
１２，１２′をスプリング１４のデツドポイント
を越えて揺動させることにより、この揺動支持具
１２，１２′を機体進行方向に沿う作物保持姿勢
と横外側方に揺動させた開放姿勢とにおいて安全
保持する刈取稈状作物の放出手段を構成してい
る。

また、走行機体１側に位置する支持具１１，１
１′のうち、穂先側の支持具１１を前後方向で二
分割し、それら分割部材１１Ａ，１１Ｂを、走行
機体１側に設けた長短２つの取付け杆１５，１
５′に夫々上下軸芯ｂ，ｃ周りで揺動自在に枢着
するとともに、前部の分割部材１１Ａと作物送り
経路Ａの終端部にまで及ぶ取付け杆１５との間及
び後部の分割部材１１Ｂと作物送り経路Ａ外に位
置する取付け杆１５′との間には、前記両分割部
材１１Ａ，１１Ｂを作物送り経路Ａを横断する姿
勢に付勢するスプリング１６，１７を介装し、以
つて、前記両分割部材１１Ａ，１１Ｂを、自由状
態においては作物送り経路Ａを横断する姿勢に弾
性維持させて、作物の送りに伴なつて順次、横方
向からの支持姿勢に変化させるべく構成してい
る。

尚、前記両分割部材１１Ａ，１１Ｂは、横方向
からの支持姿勢において前後に隣接するもの同志
の一部が互いに重復するように構成されている。

また、前記横搬送結束放出装置５の横搬送用ベ
ルト８を、その非搬送作用部の一部が作物送り経
路Ａに沿う平面視ほぼ三角形状に巻回して、この
ベルト８の機体進行方向に沿う非搬送作用部分を
もつて、前記回収装置６における順送り作用部１
８に兼用させるべく構成している。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る回収装置付刈取結束機の実
施例を示し、第１図はバインダーの全体側面図、
第２図は要部の平面図、第３図は要部の背面図で
ある。 １……走行機体、４……刈取装置、５……横搬
送結束放出装置、５Ａ……放出口、６……放出作
物回収装置、１０……デツキ、１１，１２……支
持具、１９……後部支持具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機体進行に伴なつて植立稈状作物を刈取る装
   置４、その刈取稈状作物を横搬送して結束して放
   出する装置５、並びに、前記横搬送結束放出装置
   ５からの結束作物放出口５Ａの横側部に、結束作
   物放出口５Ａの位置から後方に向つて比較的長い
   大きさに形成した放出作物回収装置６を備えてい
   る回収装置付刈取結結機において、 前記放出作物回収装置６を、立ち姿勢の稈状作
   物を左右から支持して機体の後方に向けて案内す
   る支持具対１１，１２と、この支持具対１１，１
   ２の下で立ち姿勢の稈状作物の株元端を受止める
   とともに機体前後方向に沿つて形成してある溝を
   通して切株と前記株元端との接触を許す簀の子状
   デツキ１０と、前記支持具対１１，１２の後端を
   閉じて前記デツキ１０上に稈状作物を収集させる
   後部支持具１９，１９と、前記支持具対１１，１
   ２と後部支持具１９，１９とによる稈状作物の保
   持を開放する放出手段とで構成した回収装置付刈
   取結束機。