JPS6131022Y2

JPS6131022Y2 -

Info

Publication number: JPS6131022Y2
Application number: JP6158780U
Authority: JP
Priority date: 1980-05-06
Filing date: 1980-05-06
Publication date: 1986-09-09
Also published as: JPS56162274U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、エレベータの据付け時に用いる非
常止めの芯出し装置に関するものである。

一般に、エレベータのかごの据付けは、まずそ
の基礎となる非常止め枠を昇降路内に固定しなけ
ればならない。この固定作業は非常止め装置を利
用して行われる。これを第１図および第２図によ
つて説明する。

第１図において、１はエレベータのかご、２は
かご１を支持する非常止め枠、３は非常止め枠２
内に収納された非常止め装置であり、非常止め枠
２と非常止め装置３とで非常止めが構成される。
前記非常止め装置３は、かご１の昇降速度が定格
速度を超過する異常速度になつた時に、調速機
（図示しない）が異常速度を検出し、調速機ロー
プ（図示しない）を介して制動子３ａを引上げ、
これらの制動子３ａによりかご１の両側に立設さ
れているガイドレール４を挾持してかご１を急停
止させるように構成されている。また、５は非常
止め枠２に固定されて上方に延びる取付部材、６
は取付部材５に締結されたかご枠、７はかご枠６
を吊下げる主索である。そして、主索７によつて
かご１がガイドレール４に案内されて昇降するよ
うになつている。

第２図において、８は図示しない前記調速機ロ
ープに結合されるピン９を備えた引上げレバー、
１０は非常止め枠２を貫通して、一端に引上げレ
バー８が、他端に作動レバー１１がそれぞれ固着
されている主軸、１２は前記制動子３ａに設けら
れた作動レバー１１の先端部に結合されているピ
ン、１３は一端が昇降路の適当な位置に、他端が
ピン９にそれぞれ結合されたロープで、このロー
プ１３は据付け時にだけ使用される。

そして、エレベータの据付け作業は、左右１対
のガイドレール４を昇降路に立設することから始
められ、次に非常止め装置３が設けられた非常止
め枠２をガイドレール４間に搬入し、非常止め装
置３の制動子３ａをガイドレール４と対向させ
る。なお、この時据付け用のロープ１３は昇降路
に結合しておく。その後、非常止め枠２をガイド
レール４との規定寸法を取りながら水平に保持し
つつ下方へ移動させると、引上げレバー８がロー
プ１３に引かれて回動する。これによつて制動子
３ａが引上げられ、ガイドレール４を挾持するの
で、非常止め枠２はガイドレール４に固定され
る。このようにして固定された非常止め枠２を基
礎としてかご１を組立てる。

しかし、前述したエレベータの据付け作業に当
つて、非常止め装置３のガイドレール４に対する
位置設定がむずかしく、これらを許容値におさめ
るには通常前述の非常止め枠２の下方への移動作
業などを数回繰返さなければならず、据付け作業
性が悪いという問題があつた。

この考案は、前述した問題を解決しようとする
ものであつて、左右ガイドレールの一方の内端面
に当接する位置設定用の当て板を非常止め枠にね
じで着脱可能に固定することにより、非常止めの
位置決めが容易にできるようにしたエレベータの
非常止め芯出し装置を提供することを目的とする
ものである。

以下、この考案の一実施例を第３図に基いて説
明する。第３図において、２は非常止め枠、３は
非常止め装置、４はガイドレール、５は取付部材
である。また、１４は位置設定用の当て板、１５
は当て板１４を非常止め枠２に着脱可能に固定さ
せるためのねじである。前記当て板１４は、非常
止め枠２の左右一方の端部にだけ装着され、当て
板１４をガイドレール４の内端面に当接させた時
に、ガイドレール４と非常止め枠２との寸法関
係、とくに左右方向の寸法関係が正規に設定され
るように位置決めされている。

従つて、ガイドレール４に対し当て板１４を接
触させることにより、非常止め枠２とガイドレー
ル４との寸法が設定されるので、前述した作業手
順で非常止め枠２をガイドレール４に固定させれ
ば、これらに対する芯出しが自動的に行われる。
このようにして非常止め枠２を固定した後、当て
板１４を取外し、かご枠６の組立を行うことによ
り、容易にしかも正確に非常止めの芯出しができ
る。なお、この実施例において、前述した以外
は、第１図、第２図に示し既述したものと同様で
あるから説明を省略する。

以上説明したように、この考案によれば、非常
止め枠にねじで当て板を固定し、この当て板を左
右ガイドレールの一方の内端面に当接させること
により、ガイドレールと非常止め枠の左右関係の
位置を正確に設定し、この状態で非常止め装置を
動作させてガイドレールに非常止め枠を固定し、
その後当て板を取外し、非常止め枠を基礎として
かごを組立てるものであり、従つて横断面溝形の
位置決め部材を左右ガイドレールと非常止め枠の
隙間に挿入するのでは、ガイドレールの厚さが異
なるなど隙間が不揃いであることから、非常止め
枠の正確な位置設定がむずかしく、ガイドレール
に非常止め装置で非常止め枠を固定する作業中に
位置決め部材が外れたり緩んだりする恐れがあ
り、さらに位置決め部材が高価になるのと異な
り、この考案では１個の当て板のねじによる着脱
だけですみ作業性がよい上に非常止め枠の位置設
定が正確にでき、作業中に当て板が不本意に外れ
ることもなく、さらに当て板が簡単な構造で安価
であるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のエレベータを示す側面図、第
２図は同非常止めの側面図、第３図はこの考案の
一実施例を示す水平断面図である。２……非常止め枠、３……非常止め装置、３ａ
……制動子、４……ガイドレール、１４……当て
板、１５……ねじ。なお、図中同一符号は同一ま
たは相当部分を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

非常止め装置３が設けられた非常止め枠２を左
右ガイドレール４間に配置し、前記非常止め装置
３の制動子３ａを動かし、ガイドレール４を挾持
させて前記非常止め枠２をガイドレール４に固定
し、非常止め枠２を基礎としてかご１を組立てる
ようにしたエレベータにおいて、前記ガイドレー
ル４の一方の内端面に当接する位置設定用の当て
板１４を非常止め枠２にねじ１５で着脱可能に固
定したことを特徴とするエレベータの非常止め芯
出し装置。