JPS6130045Y2

JPS6130045Y2 -

Info

Publication number: JPS6130045Y2
Application number: JP16842379U
Authority: JP
Priority date: 1979-12-04
Filing date: 1979-12-04
Publication date: 1986-09-03
Also published as: JPS5685154U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、経済的でありかつ非常に安全で実用
性の高いガス石油等の燃焼安全器に関するもので
ある。

従来より用いられている感熱抵抗素子を用いた
安全器においては、断線、短絡故障を起こし易い
感熱抵抗素子や他の制御回路部品等の故障の場合
の対策がなく、そのまま使用されることにより、
事故につながることもあり、安全性に乏しいとい
う欠点があつた。また、パイロツト炎を検知する
ために熱電対の熱起電力により燃焼通路中に設け
られた電磁弁を直接開成しておくものがあつたが
熱起電力で電磁弁を作動させる為には、配線等の
抵抗を数ｍΩにする必要があり、従つてその配線
中にスイツチ等を組み込むことは抵抗値が高くな
つて不可能であつた。

本考案は、上記の様な問題を全て解決し、極め
て安全かつ、正確に作動し、経済的にも優れた燃
焼安全器を提供するものである。

本考案の構成をガス湯沸器に応用した一実施例
により説明する。第１図Ａ，Ｂに燃焼センサーで
ある酸化チタンの特性を示す。Ａ軸に酸化チタン
の温度、Ｂ軸にはその抵抗値を示す。またＣ軸に
酸化チタン周辺雰囲気の酸素濃度、Ｄ軸にその抵
抗値を示す。正常燃焼時には、燃焼センサーは燃
焼炎により700℃位に加熱されるので、その抵抗
値は10KΩ位となる。一方、立消え等が起こつた
場合に燃焼炎の消失により、センサーの加熱が停
止され温度が下がるため、その抵抗値は非常に大
きくなる。また、センサーが加熱されている状態
で酸欠状態となつた場合にはセンサーの抵抗値は
さらに小さくなり殆んど０Ωとなる。従つてセン
サーの抵抗値が100KΩ以上と1KΩ以下になると
燃焼が停止するように設定しておけば立消え等の
場合の生燃料の流出による火炎、爆発等の事故を
防ぐとともに、酸欠等の異常燃焼による事故を防
ぐことができる。本グラフでは、酸化チタンによ
り説明したが、他の燃焼センサー（WO₃，
Fe₂O₃，ZrO₂，MnO等の還元型半導体やサーミ
スタ、SiC等）についても同等の温度特性を示
し、中には酸欠に対し同等の特性を示すものがあ
る。例えばZrO₂については、酸欠時には起電力
を発生する性質があり、この性質をそのまま利用
して構成することができる。第２図には、本考案
の全体を示す。水回路は１の水コツク、２の水ガ
バナ、３の熱交換器より成り、ガス回路は４の主
コツク、５の電磁弁、２の水ガバナと連動した水
圧応動弁６，７のメインバーナ、８のパイロツト
バーナより成り、メインバーナ上には、９の酸化
チタンによる燃焼センサーが設けられており、パ
イロツトバーナ上には１０の熱電対が設けられて
いる。主コツク４には、制御回路の電源スイツテ
１１が連動されており、水ガバナ２には、主燃焼
停止時、及び主燃焼開始後一定時間、強制的にガ
ス回路を開成させるために必要なタイマー用スイ
ツチ１２が設けられている。１３は乾電池を示
す。制御回路はタイマー、発振器、比較器、バツ
テリーチエツカー等よりなる。タイマーは１４の
ダイオード、１５，１６，１７の抵抗、１８のコ
ンデンサーにより初段が構成される。発振器は１
９のコンパレータ、２０，２１，２２，２３，２
４，２５，２６の抵抗、２７，コンデンサーで構
成される。比較器は２８，２９のコンパレータ、
３０，３１，３２，３３，３４，３５，３６の抵
抗、３７，３８のコンデンサ、及び３９，４０の
コンパレータ４１，４２，４３の抵抗により構成
される。さらに電磁弁駆動回路として５７のトラ
ンジスタ５８，５９の抵抗、６０のトランス、６
１のダイオード、６２のコンデンサにより構成さ
れる。

以上の構成を操作順に詳しく説明する。まず、
主コツク４を開くと同時に５の電磁弁を手動によ
り開閉させて点火を行なう。すると主コツクに連
動された電源スイツチ１１が閉じ回路に電源が供
給されるとともにタイマー用スイツチ１２を通し
て、１８コンデンサが瞬時に充電され同時に８の
パイロツトバーナを通じてパイロツト炎が形成さ
れる。一方、コンパレータ１９より成る発振器は
発振を開始し、発振電圧は、コンパレータ３９及
び抵抗４１，４２，４３により変圧され、４０の
コンパレータに達する。タイマー用スイツチ１２
がオン状態にある時は４０のコンパレータの出力
は発振出力を示し、この発振出力が次段に伝えら
れる。従つて、メインバーナ上の燃焼センサー９
の状態に関係なく５の電磁弁の開成信号を発生し
ている。

一方、８のパイロツトバーナにより形成された
パイロツト炎により、１０の熱電対が加熱され熱
起電力を発生すると、この信号が２９のコンパレ
ータより成る比較器により、前述のコンパレータ
４０の発振出力と比較され、２９のコンパレータ
の出力は発振出力を示し、５７のトランジスタを
発振させ、６０のトランスでカツプリングされて
６１のダイオード、６２のコンデンサで整流され
て６３のソレノイドを励磁し、電磁弁５の開成は
保持される。以上の操作によりパイロツト炎の形
成が保持されるが、メイン炎は６の水圧応動弁に
よりガス回路が閉塞されており形成されていな
い。この状態で、もし何らかの原因でパイロツト
炎が立消え等を起こした場合、熱電対の加熱が停
止されて熱電対は熱起電力を失い２９のコンパレ
ータによりこれを検知して、２９のコンパレータ
の出力は発振を停止し、電磁弁５が閉じて生燃料
の流出は防止される。次に１の主コツクを開くと
２のガバナを通して３の熱交換器に水が供給され
ると同時に、水圧応動弁６が開成され７のメイン
バーナにガスが供給されてパイロツト炎が形成さ
れ９の燃焼センサーが加熱される。この時同時
に、水圧応動弁に連動されたタイマー用スイツチ
１２がオフ状態となり、１８のコンデンサへの充
電は停止される。従つて、コンデンサ１８に充電
された電荷は抵抗１５，１６，１７を通して徐々
に放電される。この放電電位が前述のコンパレー
タ３９により変圧された発振振巾電圧範囲内にあ
る間は、前述同様、４０のコンパレータは発振出
力を示し、電磁弁５の開成は保持される。従つ
て、メイン燃焼初期は９の燃焼センサーの検知遅
れはコンデンサ１８の放電位によりカバーされ
る。この間に、燃焼センサーは充分に加熱され、
抵抗値が所定の100KΩ以下となり、コンパレー
タ２８より、前述同様発振出力が次段に伝えら
れ、電磁弁の開成は保持され、燃焼は続行され
る。すなわち、抵抗３０，３１，３２と、燃焼セ
ンサーで決められる電位が、１９のコンパレータ
の抵抗値で決められる発振電圧の上限置以下にな
ると電磁弁５を保持するための発振出力が伝えら
れる。燃焼中、もし何らかの原因で燃焼炎が吹き
消えた場合、燃焼センサーは加熱が停止されて抵
抗値が所定の100KΩ以上となり、コンパレータ
２８の発振が停止し、電磁弁５が閉じて生燃料の
流出が防止される。また、酸欠状態やダンパつま
り等の異常燃焼が発生した場合には、燃焼センサ
ーの抵抗値が所定の1KΩ以下となり、１９のコ
ンパレータの抵抗値で決められる発振電圧の下限
値以下となるため、コンパレータ２８の発振が停
止し、電磁弁５が閉じて異常燃焼を停止する。こ
こでは、酸化チタンにより説明したが、他の燃焼
センサー、例えば酸化ジルコニヤを用いても同じ
である。

また、回路部品のいかなる故障に対しても、本
考案の制御回路は安全故障となる。例えば発振器
の抵抗がオープン故障となつた場合は、どの抵抗
が故障した場合でも発振が停止するか、もしくは
発振周波数が数千倍となり、電磁弁５が閉塞され
る。トランジスタ５７のシヨート故障等もトラン
スが励磁されず電磁弁は閉じてしまう。また燃焼
センサーのオープン、シヨート故障時は抵抗値が
それぞれ所定の100KΩ以上、1KΩ以下となるの
で前述のごとく電磁弁が閉塞し安全である。

従つて、本考案によれば、従来の如き欠点、す
なわち燃焼センサーや他の回路部品等の故障によ
る事故発生の問題を解決するとともに、熱電対の
配線抵抗の問題を解決し、しかもメイン炎を検知
するセンサーと、パイロツト炎を検知する熱電対
とを同一回路内に結合し、同一電磁弁により制御
するため、安全性が高く安心して使用できる上に
安価なセンサーを使用し回路も簡潔であるため、
経済的にも極めて優れ、普及性の高い燃焼安全器
である。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは本考案の一実施例における燃焼
安全器の特性図、第２図は同器をガス器具に応用
した回路図である。１……主コツク、２……ガバナ、３……熱交換
器、４……コツク、５……電磁弁、７……バー
ナ、９……燃焼センサー、１０……熱電対、１１
……スイツチ、１３……電池、１４……ダイオー
ド、１６……抵抗、１８……コンデンサ、１９…
…コンパレータ、５７……トランジスタ、６０…
…トランス。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

燃焼器具の燃焼温度及び酸素濃度を検知する燃
焼センサーと、パイロツト炎の燃焼温度により熱
起電力を発生する熱電対と、上記燃焼炎を形成さ
せる燃料通路中に設けられた燃焼停止装置と前記
燃焼センサーの信号と熱電対の熱起電力を検知し
て上記燃焼停止装置を開閉する制御回路とを有
し、上記制御回路中に振巾電圧を限定した発振器
と、前記発振器の発振電圧と上記燃焼センサーの
信号とを比較する比較器と、前記比較器からの出
力と前記熱電対の熱起電力とを比較する比較器と
を直列接続し、かつ燃焼開始時に充電されるコン
デンサーを有し、上記発振器の発振電圧と上記コ
ンデンサーの放電電圧とを比較する比較器を上記
燃焼センサー信号の比較器と並列に接続し、これ
ら制御回路中の抵抗及びコンデンサーのオープン
やシヨート故障した場合には上記発振器の発振が
伝達されないことを特徴とする燃焼安全器。