JPS6129503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば塗装作業において、塗装面
の境界部分にテープ（マスキングテープ）を貼り
付けるための治具に関するものである。

塗装を行なう場合、非塗装面は塗料が付着しな
いように適当な覆紙等によつて覆う必要があり、
塗装面と非塗装面の境界はテープの貼り付けによ
り直線を出すようにしている。

従来、上記のような巻生テープの貼り付けは、
ロール巻きしたテープを必要な長さ引出しながら
指先で貼り付けて行くようにしていたため、直線
状態に貼り付けるのが極めて困難であり、塗装面
と非塗装面の境界に曲りが生じるという問題があ
つた。

また、テープを引出し、これを指先で貼付ける
ため、貼付け作業に時間がかかるものであつた。

この考案は上記のような問題点を解消するため
になされたものであり、粘着テープの貼り付けが
直線に行なえ、貼り付け作業の能率を向上させる
ことができる粘着テープ貼り治具を提供するのが
目的である。

この考案の構成は、ロール巻きテープを回動自
在となるよう保持したホルダーの下面で、テープ
の引出し部分を押圧すると共に、ホルダーの移動
を摺動ガイドの被塗装物に対するスライドによつ
て直線出しを行ない、しかもホルダーと摺動ガイ
ドの間隔を調整自在とし、テープ貼付け位置を自
由に選択することができるようにしたものであ
る。

以下、この考案を添付図面の実施例に基づいて
詳細を説明する。

図示のように、この考案の治具は、ロール巻き
されたテープＡを保持するホルダー１と、このホ
ルダー１の一方の側面に配置される摺動ガイド２
と、ホルダー１と摺動ガイド２を結合する間隔調
整具３とで構成されている。

前記ホルダー１は前後方向に長い平板によつて
形成され、第３図左側の先端部から長手方向の中
間部に、テープＡを起立状態で回動自在に保持す
るテープ保持部４が設けられている。

この保持部４は、テープＡのテープ幅に丁度一
致する幅の切欠きによつて形成され、この切欠き
の内壁５が第３図に示すように、下部が後方に向
かう傾斜面になつており、切欠き内に保持したテ
ープＡを内壁５の上端で押圧して回動させるよう
になつている。

上記ホルダー１の保持部４よりも後部位置の下
面が、引出したテープＡを被塗装物Ｂ上面に押圧
して貼付ける摺動下面６になつている。

前記摺動ガイド２は、前後に長いプレートを用
いて形成され、後述する間隔調整具３を用い、ホ
ルダー１の一方側面に、その下半部がホルダー１
の摺動下面６よりも下方に突出するように取付け
られている。

摺動ガイド２のホルダー１に臨む側面が垂直に
なり、被塗装部Ｂの側面に接合して摺動させるガ
イド面７を形成し、このガイド面７を被塗装物Ｂ
の側面に沿つて移動させると、ホルダー１は、被
塗装物Ｂの側面を定規にして直進することにな
る。なお、ガイド面７は、被塗装物のコーナに合
せた弧状面に形成してもよい。

前記間隔調整具３は、ホルダー１の前後両端部
に取付けられ、摺動ガイド２の両端部をホルダー
１に対して進退動自在に支持している。

この調整具３は、ホルダー１に固定したボルト
８が摺動ガイド２の横孔９を貫通し、ボルト８の
途中に摺動ガイド２を挾んで調整ナツト１０と固
定ナツト１１を螺合して形成され、ホルダー１に
対する摺動ガイド２の位置を両ナツト１０と１１
で調整することにより、被塗装物Ｂの側面からの
テープ貼り付位置を自由に変化させることができ
る。

なお、テープＡは、非塗装面に重ねる覆紙Ｃの
端縁を同時に貼り付けるものである。

この考案の治具は上記のような構成であり、間
隔調整具３を操作し、テープＡの貼り付け位置に
合わせて摺動ガイド２とホルダー１の間隔を設定
する。

この状態でホルダー１を被塗装物Ｂの上面に載
置し、摺動ガイド２のガイド面７を側面に当接さ
せると共に、ホルダー１の保持部４にテープＡを
嵌込み、このテープＡの引出した部分を内壁５か
ら摺動下面６に沿つて引出しながらその端部を被
塗装物Ｂ上に貼付けておく。

次に、摺動ガイド２を側面に押当て、かつホル
ダー１を上面に押圧しながら全体を側面に沿つて
前進させると、テープＡが前方に押されて順次引
出され、その引出された部分が摺動下面６で押さ
れて被塗装物Ｂ上に貼付けられる。

ホルダー１は、摺動ガイド２と被塗装物Ｂの側
面を定規にして前進すると共に、テープＡはホル
ダー１の保持部４においてテープ幅方向が移動の
ないよう保持されながら引出されていくので、テ
ープＡは正確な直線状状態をもつて貼付けられる
ことになる。

このように、テープＡは、その一方側線が塗装
面と非途装面の境界を直線に形成し、同時に覆紙
Ｃとの貼合せ状態で貼付けられることになる。

なお、説明では便宜上、被塗装物の塗装面を上
面にしたが、治具の使用面はこれに限定されない
と共に、また、塗料用マスキングテープの貼付け
ばかりでなく、造作の柱材や梁型等の傾斜面に突
板を貼り付ける場合の接着剤塗りの巻生テープ貼
り付け等にも使用できる。

以上のように、この考案によると、ホルダーに
テープ保持部と引出したテープの押圧摺動下面を
設け、このホルダーの一方の側面に摺動ガイドを
取付けたので、摺動ガイドのスライド部分を定規
にしてテープを直進させることができ、テープを
正確に直線状態で貼付けることができる。

また、ホルダーを押付けながら摺動させるだけ
でテープの直線貼付けが行なえるので、テープ貼
付け作業が能率よく手軽になり、特に長い粘着テ
ープの直線貼りが正確に行なえるので、各種塗装
部分等の仕上を向上させることができる。

さらに、ホルダーと摺動ガイドの間隔が自由に
調整できるので、テープ貼付け位置を自由に調整
することができる。また、ロール巻きテープの保
持をホルダーに設けた切欠によつて行なうので、
テープを切欠内に嵌込むだけで取付けが行なえ、
テープ着脱操作が極めて簡単であると共に、テー
プの直径の変化に対して広範囲に対応でき、大径
のテープでも支障なく使用することがきる。

しかも、ホルダーは前後方向に長く形成されて
いるので、テープ貼付操作時の手による保持が容
易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る治具の斜視図、第２図
は同上の使用状態を示す平面図、第３図は同縦断
正面図、第４図は同じく縦断側面図である。 １……ホルダー、２……摺動ガイド、３……間
隔調整具、４……テープ保持部、６……摺動下
面、７……ガイド面、８……ボルト、１０，１１
……ナツト、Ａ……テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後方向に長いホルダーと、前記ホルダーの一
   方側面側に平行状態で配置される摺動ガイドと、
   この摺動ガイドをホルダーに取付ける間隔調整具
   とで構成され、前記ホルダーには、ロール巻きさ
   れたテープを軸心が水平となる起立状態でホルダ
   ーの長手方向に回転自在となるよう嵌合保持する
   幅と長さを有する上下面開放状の切欠と、この切
   欠の後端とホルダーの後端間の下面に形成され、
   切欠内に保持したロール巻きテープから引出した
   テープを押圧する摺動下面とを設け、前記間隔調
   整具は、ホルダーの長手方向に対して直角の方向
   に突出するボルトと、このボルトに嵌挿した摺動
   ガイドを両側から挾むようボルトに螺合したナツ
   トで形成し、前記摺動ガイドは、ボルトに軸方向
   へ移動自在となるよう取付けられ、ホルダーに対
   向する側面が摺動ガイド面に形成され、このガイ
   ド面の下部がホルダーの下面よりも下方に位置し
   ているテープ貼り治具。