JPS6129083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、光学的文字読取装置や光学的マーク
読取装置など不連続な記録紙を処理する装置にお
いて、記録紙を回転搬送させる機構の構造に関す
る。

従来、光学的文字読取装置や光学的マーク読取
装置などの情報処理機器で、不連続な記録紙に記
録された文字やマークなどの情報を読取る機構の
一つの方法として、回転ドラムと該回転ドラムの
外周面に接して設けた回転ドラムの回転に伴い従
動するベルトとの組合せで構成された機構により
記録紙を前記回転ドラムと前記ベルトとの間に巻
きつけて回転搬送させて、その間に読取りを実行
する方式を採用している。一般的に前記回転ドラ
ムは装置の軽量化などの目的から材料に軽合金を
使用し表面をメツキなどにより硬質化してある。
従つて記録紙を巻きつける外周面の摩擦係数は小
さくなつている。一方、ベルトの表面はゴム系の
材料で処理されている比較的摩擦係数の大きい平
ベルトを使用していた。

しかし、前記のような回転ドラムとベルトとで
構成した機構により記録紙を回転搬送させると、
回転ドラムに巻きついている記録紙と回転ドラム
との間は摩擦抵抗が小さいためすべりが生じ易
く、回転ドラムが一定の速度で回転しているにも
かかわらず記録紙の搬送が不安定になつたり、記
録紙が斜行する欠点があつた。又特にエンピツや
ボールペンなどで記録された文字やマークなどの
情報は従動する摩擦抵抗の大きいベルトでこすら
れるため、不鮮明になつたりエンピツの粉やボー
ルペンのインクがベルトの表面に付着したり又記
録紙を汚損することになつた。このように記録紙
の搬送速度が不安定であつたり記録紙が斜行した
り記録情報を不鮮明にしたり、記録紙を汚損した
りすることは、光学的に情報を読取るのに非常に
悪い影響を与えることにより、読取率を低下させ
る原因になる欠点があつた。

本考案は、回転ドラムの外周面をゴム系などの
材料をコーテイングし摩擦係数を大きくすること
により回転ドラムの外周面と記録紙との間の摩擦
抵抗を大きくし記録紙のすべりを無くし記録紙を
常に安定した速度で回転搬送させ且つ記録紙の斜
行を防止し、更に回転ドラムは、表面が摩擦係数
の小さい材料で処理されているものを採用するこ
とにより、ベルトと記録紙との間の摩擦抵抗を小
さくし記録情報がベルトでこすられ不鮮明になつ
たりベルトや記録紙が汚損される欠点を除去し、
常に安定した高い読取率で記録情報を読取ること
の可能な、回転搬送機構の構造を提供するもので
ある。

本考案によれば回転ドラムと、該回転ドラムの
外周面に接して設けられ、前記回転ドラムの回転
に伴い従動する単数あるいは複数のベルトとの組
合せにより不連続な記録紙を前記回転ドラムに巻
きつけて回転搬送させ、その記録紙に記録されて
いる情報を読取るなどの処理を実行する機構にお
いて、前記回転ドラム外周面の摩擦係数は前記回
転ドラムと接触している前記ベルト表面の摩擦係
数より大きくしたことを特徴とする記録紙の回転
搬送機構が得られる。

更に、本考案によれば表面の摩擦係数が大きい
定速で回転する回転ドラムと、該回転ドラムの外
周面に接して前記回転ドラムの回転に伴い従動す
る単数あるいは複数の表面の摩擦係数が回転ドラ
ムの外周面の摩擦係数よりも小さい平ベルトと、
該平ベルトを掛ける複数のプーリおよび平ベルト
に張力を与えるテンシヨンプーリなどから構成さ
れる不連続な記録紙の回転搬送機構が得られる。

次に本考案の一実施例について図面を参照して
説明する。

第１図は本考案の一実施例である記録紙回転搬
送機構の要部構成を示す正面図、第２図はその側
面図である。第１図および第２図において、ホツ
パ内（図示せず）に積載されている記録紙２８は
１枚づつ送りローラ２４，２５によつてベツドプ
レート２２に沿つて回転ドラム１の方向へ（矢印
Ａ）搬送されてくる。

回転ドラム１は外周面をゴム系の材料などでコ
ーテイングを施こし摩擦係数を大きくしたもので
あり、又回転ドラム１の外周面に接して平ベルト
の表面（ドラム１の外周面と接している面）が摩
擦係数の小さい材料（例えばテフロンシート）で
処理されており、たとえば回転ドラム１の外周面
の摩擦係数は平ベルトの表面の摩擦係数よりも大
きくしたものである。平ベルト２，３，４がプー
リ５，６，７，８，９，１０およびテンシヨンプ
ーリ１１，１２，１３に掛けられ、コイルスプリ
ング１４，１５，１６によつて適当な張力がかけ
られており、回転ドラム１の駆動は速度変動の小
さい同期モータなど（図示せず）により常に安定
した速度で矢印Ｂの方向に回転させる。

従つて、平ベルト２，３，４はドラム１の外周
面に適当な圧力で押されて接触しているため、ド
ラム１の回転に伴い矢印Ｃ，Ｄ，Ｅの方向へ各々
従動している。

記録紙２８′はドラム１に巻付けられ、ベルト
２，３，４に押えられて矢印Ｂの方向へ回転搬送
されるが、ドラム１の外周面は摩擦係数が大き
く、記録紙との摩擦抵抗が大きいためすべりがな
く、かつ斜行しないで記録紙は正常な速度で搬送
され得る。又ベルト２，３，４の表面は摩擦係数
が小さく、記録紙との摩擦抵抗が小さいため、エ
ンピツやボールペンで記録されている情報がベル
ト２，３，４でこすられて不鮮明になつたり、エ
ンピツの粉やボールペンのインクがベルトの表面
に付着したり、記録紙を汚損することなく記録紙
が搬送され得ることが可能になりこのような記録
紙２８′の回転搬送中の諸条件は、記録情報を光
学的に読取る上に、非常に大切なことである。ド
ラム１とベルト２，３，４によつて回転搬送され
ている記録紙２８′の記録情報は、読取部２０に
おいて光学的に読取りが実行される。読取りの実
行が終了すると弁２１が点線方向に動作しドラム
１に巻きついていた記録紙２８′はドラム１から
解除され送りローラ２６，２７によつてベツドプ
レート２３に沿つてスタツカ（図示せず）方向へ
（矢印Ｆ）搬送されていく。ここで支持板１７，
１８，１９はプーリ５，６，７，８，９，１０お
よびテンシヨンプリ１１，１２，１３を固定する
ためのものである。

本考案は、以上説明したようにドラムと該ドラ
ムの外周面に接して設けた回転ドラムの回転に伴
い、従動するベルトとの組合せにより記録紙をド
ラムに巻きつけて回転搬送させその間に記録紙上
の記録情報を読取る機構において、ドラムの外周
面を摩擦係数の大きな材料にし、ベルト表面を摩
擦係数の小さな材料で構成することにより、記録
紙が安定した一定の速度でかつ斜行することなく
回転搬送し、又記録情報が不鮮明になつたり、ベ
ルトや記録紙が汚損することなく回転搬送するた
め、常に安定した高い読取率で記録情報を読取る
ことが可能になつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の要部を示す正面
図、第２図は第１図の側面を示す図である。 １……回転ドラム、２，３，４……平ベルト、
５，６，７，８，９，１０……プーリ、１１，１
２，１３……テンシヨンプーリ、１４，１５，１
６……コイルスプリング、１７，１８，１９……
支持板、２０……読取部、２１……弁、２２，２
３……ベツドプレート、２４，２５，２６，２７
……送りローラ、２８，２８′……記録紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転ドラムと、該回転ドラムの外周面に接して
   設けられ前記回転ドラムの回転に伴い、従動する
   単数あるいは複数のベルトとの組合せにより、不
   連続な記録紙を前記回転ドラムに巻きつけて回転
   搬送させ、その記録紙に記録されている情報を読
   取るなどの処理を実行する機構において、前記回
   転ドラム外周面の摩擦係数は前記回転ドラムと接
   触している前記ベルト表面の摩擦係数より大きく
   したことを特徴とする記録紙の回転搬送機構。