JPS6128551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はベローズ管、例えば自動車のエグゾ
ストマニホールドとエグゾースチユーブとの連結
等に使用されるベローズ管に関する。

一般に自動車のエンジンのエグゾーストマニホ
ールドとエグゾーストチユーブとの連結には、エ
ンジン側からの振動がエグゾーストチユーブ側に
伝達されることを防止するために、ベローズ管が
使用されている。

従来のベローズ管としては、例えば第１図に示
すものがある。第１図において、１は波形状の断
面を有し、スチール等からなるベローズ管本体で
あり、このベローズ管本体１は、その両端部がベ
ローズ管本体１にバンド２，３により固定された
アウタブレード４によつて被覆、保護されてい
る。５はベローズ管本体１の内部を流通するエン
ジンの高温排気からベローズ管本体１を保護す
る、すなわち加熱防止用高速ガス流による騒音防
止用の金網状のインナブレードであり、このイン
ナブレード５とベローズ管本体１との間にはイン
ナブレード５の長手方向の微小変位を吸収するイ
ンターロツクチユーブ６が介装されている。ま
た、これらのインナブレード５およびインターロ
ツクチユーブ６の両端部はベローズ管本体１に例
えばスポツト溶接により固着されている。したが
つて、前述したベローズ管本体１、アウタブレー
ド４、インナブレード５およびインターロツクチ
ユーブ６は全体として柔軟性を有するベローズ管
７を構成していることになる。

しかしながら、このような従来のベローズ管７
にあつては、インナブレード５の両端部はベロー
ズ管本体１に溶接により固着されていたため、イ
ンナブレード５内が高温の排気に長時間に渡つて
さらされると、インナーブレード５が熱膨張等に
よりその長手方向に伸長あるいは収縮され、しか
も、この伸長収縮が繰り返されると、インナブレ
ード５およびインタロツクチユーブ６の固着部が
剥離したり、または、インナブレード５およびイ
ンタロツクチユーブ６そのものが破断したりする
おそれがあつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、ベローズ管本体と、このベロ
ーズ管本体内側に挿入された金網の筒状ブレード
と、を有するベローズ管において、前記ブレード
の長手方向一端部を前記ベローズ管本体の一端に
固着し、他端部に端部補強用円筒状バンドを固着
するとともに、この他端部をベローズ管本体に対
してその長手方向に移動可能に設けることによ
り、上記問題点を解決することを目的としてい
る。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第２図はこの考案の一実施例を示す図である。
まず、構成を説明する。１１は波形状の断面を有
し、スチール等からなる伸縮自在のベローズ管本
体であり、このベローズ管本体１１の一端部１１
ａは円筒状のカラー１２に溶接固着されている。
このカラー１２内にはエグゾーストマニホールド
側のパイプ１３が挿入されている。１４はベロー
ズ管本体１１を被覆、保護するアウタブレードで
あり、このアウタブレード１４の両端部は固定用
のバンド１６，１７とともにベローズ管本体１１
の両端部１１ａ，１１ｂにそれぞれ溶接により固
着されている。１７はベローズ管本体１１を、そ
の内部を流通するエンジンの高温排気から保護す
る、すなわち加熱防止用の金網状のインナブレー
ドであり、このインナブレード１７はベローズ管
本体１１内に挿入され、その長手方向一端部１７
ａは固定用バンド１８とともに前記カラー１２に
溶接により固着されている。１９は前記ベローズ
管本体１１の他端部１１ｂに挿入されたエグゾー
ストチユーブであり、このエグゾーストチユーブ
１９内には前記インナブレード１７の長手方向他
端部１７ｂが遊挿されている。また、インナブレ
ード１７の他端部１７ｂには円筒状のバンド２０
が溶接により固着されている。したがつて、前記
インナブレード１７の一端部１７ａはベローズ管
本体１１にカラー１２を介して固着されており、
この他端部１７ｂはベローズ管本体１１に対して
その長手方向に移動可能に設けられていることに
なる。前述したベローズ管本体１１、アウタブレ
ード１４およびインナブレード１７は全体として
ベローズ管２１を構成する。

次に、以上のように構成されたベローズ管２１
内にエンジンからの高温排気が通流された場合に
ついて説明する。この場合に、高温排気にさらさ
れるインナブレード１７は加熱され、熱膨張によ
りその長手方向に伸長する。一方、ベローズ管本
体１１はこのインナブレード１７により加熱を防
止されており、かつ、その材質（比熱）等もイン
ナブレード１７と異なるため、ベローズ管本体１
１とインナブレード１７との熱膨張による変位量
（伸び）は相対的に異なることになる。このと
き、インナブレード１７の一端部１７ａはベロー
ズ管本体１１の一端部１１ａに固定されている
が、その他端部１７ｂはベローズ管本体１１の他
端部１１ｂに非固定でこの他端部１１ｂに対して
相対的に長手方向に移動可能になされている。し
たがつて、この結果、インナブレード１７はその
熱膨張に応じて長手方向に自由に伸長されること
になり、ベローズ管本体１１とインナブレード１
７との固着部が剥離したり、インナブレード１７
が破断することはない。

また、ベローズ管２１がこのような高温加熱状
態から急激に冷却された場合にもインナブレード
１７は自由に収縮できることになる。

なお、インナブレード１７は高速ガス流による
騒音の発生を防止しており、また、ベローズ管２
１による振動伝達の防止作用は損なわれていな
い。さらに、全体としてベローズ管２１の柔軟性
が損なわれることもない。

また、第３図はこの考案の他の実施例を示す図
である。この実施例では、カラー２０は、ベロー
ズ管本体１１の他端部１１ｂに溶接固着された固
着部２０ａと、インナブレード１７の他端部１７
ｂが嵌合されバンド２２により係止された摺動部
２０ｂと、を有している。したがつて、インナブ
レード１７の他端部１７ｂはカラー２０の摺動部
２０ｂにその長手方向に移動可能に取り付けられ
ている。なお、その他の構成部分および作用は前
述の実施例と同様である。

以上説明してきたように、この考案によれば、
ベローズ管本体と、このベローズ管本体内側に挿
入された金網筒状ブレードと、を有するベローズ
管において、前記ブレードの長手方向一端部を前
記ベローズ管本体の一端に固着し、他端部に端部
補強用円筒状バンドを固着するとともに、この他
端部をベローズ管本体に対してその長手方向に移
動可能にしたため、ブレードとベローズ管本体と
の固着部の剥離や、ブレードそのものの破断のお
それがなくなり、したがつて、ブレードおよびベ
ローズ管本体の耐久性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のベローズ管を示すその一部を破
断した概略正面図、第２図はこの考案に係るベロ
ーズ管の一実施例を示すその一部を破断した概略
正面図、第３図はこの考案の他の実施例を示す第
２図と同様の図である。 １１……ベローズ管本体、１７……インナブレ
ード、１７ａ……インナブレードの一端部、１７
ｂ……インナブレードの他端部、２１……ベロー
ズ管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベローズ管本体と、このベローズ管本体内側に
   挿入された金網の筒状ブレードと、を有するベロ
   ーズ管において、前記ブレードの長手方向一端部
   を前記ベローズ管本体の一端に固着し、他端部に
   端部補強用円筒状バンドを固着するとともに、こ
   の他端部をベローズ管本体に対してその長手方向
   に移動可能に設けたことを特徴とするベローズ
   管。