JPS6127238Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般にコードレス電話装置（わが国では「コー
ドレステレホン」と呼ばれている）は、第１図に
示す如く電話機１を親機２及び結合トランス３を
介して電灯線４に結合し、前記電話機１からの受
信信号は前記電灯線４に加わり、無線にて該子機
５に伝送され（即ち、電灯線を送信アンテナとし
て利用する）、一方子機５からの送信信号は親機
２の受信アンテナ４ａに加わり、前記親機２から
電話機１に伝送され、該電話機１から送信信号が
電話回線を通じて相手の電話機（図示せず）に伝
わる。

この場合、従来の親機は第２図に示す如く構成
されている。即ち、キーボード６を操作すると、
ダイアルパルスを発生する制御IC（集積回路）
７に対して行、列の信号（例えば“１”のキーボ
タンを押すと〓及び〓端子に現われる信号）が加
わり、以つて、端子８から相手の電話への呼出し
信号（ダイヤルパルス）が出力される。この呼出
し信号が無線にて親機２に伝送され、更に電話回
線に送出される。これが子機からの発信操作とな
る。なお図中９は抵抗１０，１１及びコンデンサ
１２から成るクロツクパルス発生回路を示す。

ところがキーボード６の操作時キーボタンが有
効に作動しているのか否かが分からず、使用者は
キーボード操作時の指先の感覚のみに頼らざるを
得なかつた。

そこで本考案は、前記欠点に鑑み、キーボード
の操作時、キーボタンの押圧に応じて可聴音を発
生させる新規なコードレス電話装置を提供するも
のである。

以下図面に従つて本考案を説明すると、第３図
は本考案のコードレス電話装置に用いる子機の要
部回路図、第４図及び第５図は同装置に用いる子
機の要部説明回路図、第６図は同装置の説明波形
図を示す。

図中第２図と同一素子については、同一図番を
付してあり、１３は共通抵抗、１４はベース抵抗
抗、１５は負荷抵抗、１６，１７は各々第１トラ
ンジスタ及び第２のトランジスタ、１８は結合コ
ンデンサ、１９は増幅回路、２０はスピーカ、２
１はスイツチ接点S₁，S₂及びS₃を有するスイツチ
で各キーボタンの押圧に応じて閉じるスイツチ、
〓〜〓及び〓〜〓はそれぞれ各行及び各列に対応
する行端子と列端子、２２は並列コンデンサ、２
３は直流電源端子を示す。

次にキーボタン“１”が押された場合について
説明する。

先ず制御用IC７がその仕様上キー入力レベル
（KEY INPUT LEVEL）Ｋ_lLとして ０＜Ｋ_IL≦0.2V_cc （0.2V_ccがＫ_ILの低レベルでの最大値） に定められているとすると、電源電圧Ｖ_ccが第１
及び第２のトランジスタ１６，１７のベース・エ
ミツタ間立上り電圧Ｖ_BEに対して次の２つの場合
があり、各々について説明する。

（） Ｖ_cc＞5V_BEの場合 今キーボタン“１”を押圧すると、第４図の
例では、S₁，S₂及びS₃が同時に閉じて、Ｉ_C1及
びＩ_R1が流れる。このとき抵抗１３の両端に
は、電圧ｅ_cが発生する。

ｅ_cの値は、抵抗１３の値Ｒ_cによつて変化し Ｒ_c＜Ｖ_ＢＥ／Ｉ_Ｃ１＋Ｉ_Ｒ１ ……(1) の範囲では ｅ_c＝（Ｉ_C1＋Ｉ_R1）Ｒ_c ……(2) となる。

Rc≧Ｖ_ＢＥ／Ｉ_Ｃ１＋Ｉ_Ｒ１＋Ｖ_ＢＥ／２Ｉ_Ｃ１……
(3) （但しＩ_C1÷Ｉ_R1とする） の範囲では、第１のトランジスタ１６のベース・
エミツタ間が導通し、 ｅ_c＝Ｖ_BE ……(4) にクランプされ、第１のトランジスタ１６がオン
（飽和状態）となり、第２トランジスタ１７のエ
ミツタが第１のトランジスタ１６のコレクタ・エ
ミツタ路を通して アースにおちる。

ここで Ｖ_ＢＥ／Ｉ_Ｃ１≧Ｖ_ＢＥ／２Ｉ_Ｃ１ ……(5) に選んでおく。

このとき Ｖ_c＞5V_BE＝5e_c ……(6) に選んであるから、前記IC７がトリガされ、ク
ロツクパルス発生回路９が動作してクロツクパル
ス（可聴周波数で、例えば500Hz）を発振すると
同時にダイヤルパルスを発生する。一方第２のト
ランジスタ１７のベースには、抵抗１４を通して
クロツクパルスが加えられているので、キーボタ
ンを押して４式を満足している期間のみ第２のト
ランジスタ１７で増幅され、更に電力増幅用の増
幅器１９で増幅されてスピーカ２０から前記クロ
ツクパルスが可聴音として発生する。

（） Ｖ_c＜5V_BEの場合 電源電圧Ｖ_ccが、Ｖ_BEに比して余り高くない
場合には、単に(3)式を満足する抵抗１３の値Ｒ
_cを選定したのでは、第１のトランジスタ１６
のベース電圧は極めて低くなるため動作しなく
なると共に第２トランジスタ１７のエミツタ側
が閉じているために動作しない、また、万が一
第１及び第２のトランジスタ１６，１７が動作
したとしても、前記IC７はトリガされないの
で（０＜Ｋ_IL≦0.2V_ccを満足しないので）、ク
ロツクパルスを発生しない。

そこで第３図及び第５図に示す様にコンデン
サ２２を接続し、前述の如くＶ_ccが比較的低い
場合でも（）の場合と同様にキーボタンの押
圧に伴なつて可聴音を発生する構成について説
明する。

第６図のタイミングt₁にてキーボタンを押
し、タイミングt₄にて離したとする。このとき
ｅ_cはC₃R_cにて定まる時定数及び（Ｉ_C1＋Ｉ_R
１）にて決定される曲線で上昇し、電圧Ｖ_BEに
達した後クランプされる。

この際t₁〜t₂の期間は、 ０＜Ｋ_IL＜0.2V_cc を満足する値即ちｅ_c＞０になつた後に前記IC
７がトリガされて動作する。次にタイミングt₃
にてｅ_cはＶ_BEに達し、第１及び第２のトラン
ジスタ１６，１７が動作し、の場合と同様に
スピーカ２０から可聴音が発生する。

タイミングt₄にて、キーボタンを離すと、ｅ
_cは（C₃R_cなる時定数にて下降し、第１及び第
２のトランジスタ１６，１７はカツトオフとな
つてクロツクパルスの伝送は断たれ、スピーカ
２０からの発音は止まる。

即ちキーボタンを押圧した瞬間、t₁〜t₂の期
間に先ず前記IC７をトリガさせ、一瞬遅れ
て、t₃〜t₄の期間にクロツクパルスは第１及び
第２のトランジスタ１６，１７と増幅器１９を
介してスピーカ２０に加わり音を発する。

図中（t₄−t₁）なる期間は、キーボタンを押圧
している時間を示し、（t₄−t₁）＞100msに選べ
ば通常動作に適する。

以上の通り本考案は、ダイヤルパルスを発生さ
せる制御用ICに増幅段及び抵抗もしくは抵抗と
コンデンサの並列回路を接続し、可聴周波のクロ
ツクパルスを用いて、キーボタンの押圧時、スピ
ーカ等の発音体から音を発生させることができ、
操作者は、キーの押圧されたことが確認できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般のコードレス電話装置のブロツク
図、第２図は従来の同装置の要部回路、第３図は
本考案の同装置の一回路実施例、第４図及び第５
図は第３図の要部説明図回路、第６図は本考案の
同装置の説明波形図を示す。 主な図番の説明、１……電話機、２……親機、
４……電灯線、５……子機、６……キーボード、
７……制御用IC、９……クロツクパルス発生回
路、１６……第１のトランジスタ、１７……第２
のトランジスタ、１９……増幅器、２０……スピ
ーカ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電話機に接続された親機と、該親機と無線にて
   交信を行な得る子機とを備えたコードレス電話装
   置において、少なくとも子機本体に設けられたマ
   トリツクス型キーボードボタンと、該マトリツク
   ス型キーボードボタンの操作によりダイヤルパル
   スを発生するダイヤルパルス発生手段と、該ダイ
   ヤルパルス発生手段に接続しダイヤルパルスの発
   生に共なつて可聴周波のクロツクパルスを発生す
   るクロツクパルス発生回路と、前記キーボードボ
   タンの操作期間だけ、クロツクパルスをスピーカ
   に伝達するためにキーボードボタンのアース端子
   に接続した期間設定を行なうための抵抗または抵
   抗とコンデンサーとの並列回路と、クロツクパル
   ス発生回路の出力端子に接続しキーボードボタン
   の操作により起動し前記抵抗または、抵抗とコン
   デンサーによつてクロツクパルスの導通、不動通
   を制御するスイツチング回路と、伝達されたクロ
   ツクパルスを増幅する増幅回路とよりなり、キー
   ボードボタンの押圧を行なつている間クロツクパ
   ルス発生回路の発生している可聴周波であるクロ
   ツクパルスの放音が行なえることを特徴とするコ
   ードレス電話装置。