JPS6126629Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来のアキシヤルプランジヤポンプの構造は、
第１，２図に示すようにケーシング１の左側に同
一円周上かつ対象に配設した円弧状の低圧側の吸
込ポート３、高圧側の吐出ポート３′、内側に固
定された前記の吸込、吐出ポート３，３′に対応
した同形の吸込ミゾ４と吐出ミゾ４′を有するバ
ルブプレート５、バルブプレート５の内側室２内
に密接しスプライン７係合により駆動軸８で回転
されるドラム６、ドラム６の左側に設け前記吸
込、吐出ミゾ４，４′と同巾、同一円周上かつ等
距離に配設された複数（第２図Ａ−９個）のまゆ
形のシリンダポート９、各シリンダポート９の内
部シリンダ１１にはプランジヤ１０が嵌装され、
各プランジヤ１０は基部が傾斜ハンガ１２により
球受けを介してシリンダ１１の回動により往復動
されるようにされ、さらにバルブプレート５の吸
込ミゾ４の始端１３側にノツチ１４が設けられて
いる。

第２図Ａ，Ｂは、バルブプレート５に対する第
１図Ａの左側の吸込、吐出ポート３，３′と、右
側のシリンダ１１部分との関連構造と作用関係を
示す図であつて、同図により説明すると、静止し
たバルブプレート５に対して、駆動軸８によりド
ラム６即ち各シリンダ１１が矢示方向イに回転さ
れると、各シリンダポート９がθ_１゜範囲で吸込
ミゾ４に臨み（位置ａ，ｂ，ｃ）同時にプランジ
ヤ１０が矢示方向ロに動きシリンダ１１内に低圧
側の液を吸込み、さらに回転しθ_２゜範囲で吐出
ミゾ４′に臨み（位置ｅ，ｆ，ｇ，ｈ）同時にプ
ランジヤ１０が矢示方向ハに動き吸込液を高圧に
して吐出し、次にシリンダポート９が位置ｉにな
ると、シリンダ１１内の高圧液が矢示方向ニ、ノ
ツチ１４を通り矢示方向ホのジエツト流となつて
吸込ミゾ４に流入して排出されたのち、位置ａに
なつて当初の吸込行程になり、各シリンダ１１が
連続して前記行程を繰返すようになつているが、
前記構造によれば、ノツチ１４から吸込ミゾ４内
に流入する高圧液が、先行の位置ａ，ｂのシリン
ダに流入中の吸込主流ロに直行する矢示方向ホの
ジエツト流になるため、その影響で吸込主流ロの
流れを乱し、キヤビテイシヨン発生圧を誘起し、
騒音、振動の原因になつている。

本案は従来のアキシヤルプランジヤポンプにお
ける前記のような欠陥を解消する考案に係り、プ
ランジヤを内蔵したシリンダがバルブプレート側
に高圧液を吐出し低圧側液を吸込む直前に、該シ
リンダ内の液を排出するように構成したアキシヤ
ルプランジヤポンプにおいて、吐出終了直後のシ
リンダポートに連通する吐出細孔をバルブプレー
トの吸込ミゾの始端側前位に貫設するとともに、
前記吐出細孔に連通した絞りを有する吸入管と、
該吸入管に連通し吐出液をケーシングの吸込ポー
ト内の主流方向に反転させるスクロールとを前記
ケーシング側に設けた点に特徴を有するものであ
つて、その目的とする処は、シリンダを高圧吐出
側から低圧吸込側へ切換える際の排圧処理におけ
る吸込主流への悪影響を除去したアキシヤルプラ
ンジヤポンプを供するにある。

本案は、前記したような構成になつており、吐
出終了直後のシリンダポートに連通する吐出細孔
をバルブプレートの吸込ミゾの始端側位置に貫設
し、前記吐出細孔に連通した絞りを有する吸入管
と、該吸入管に連通し吐出液をケーシングの吸込
ポート内の主流方向に反転させるスクロールとを
ケーシング側に設けているので、高圧液吐出直後
のシリンダ内の高圧液が吐出細孔から絞りを有す
る吸入管を介してスクロール内に吸入されたの
ち、反転されてケーシングの吸込ポート内の主流
方向に流入され、その吐出された高圧液は先行シ
リンダ内の主流の流れを妨げずその吸入を助ける
流れとなり、キヤビテーシヨン発生圧を誘起せ
ず、騒音、振動等を生じない。

さらに、本案においては、吐出細孔、吸入管、
絞り、スクロール等の加工が容易であつてその加
工精度が向上され、適正な絞り作用と相俟つてシ
リンダ内の残存高圧を円滑に排除することができ
る。

以下本案の本実施例を第１図、第３図により説
明する。

図示の本案実施例は、ケーシング１の吸込ポー
ト３、吐出ポート３′、バルブプレート５の吸込
ミゾ４、吐出ミゾ４′ドラム６のシリンダポート
９、シリンダ１１、プランジヤ１０，傾射ハンガ
１２等の部分およびそれらの作用は第１図Ａの従
来例と同様な構造になつており、第１，２図の吸
込ミゾ４の始端側のノツチ１４の代りに、第３図
Ａ，Ｂに示すような吐出細孔１５、絞り１７を有
する吸入管１６、スクロール１８を設けている。

即ち、第３図Ａ，Ｂに示すようにバルブプレー
ト５の吐出ミゾ４′に高圧液を吐出した直後の位
置ｉのシリンダポート９に連通する吐出細孔１５
をバルブプレート５の吸込ミゾ４の始端１３側の
前位に貫通させて設けるとともに、バルブプレー
ト５に接するケーシング１の端面には、前記の吐
出細孔１５に一端側が連通する吸入ポート１６′
を設け、該吸入ポート１６′内に絞り即ち抵抗突
起１７を設け、かつ、吸入ポート１６′の他誕側
に連通用の細孔１６″を連設して、絞り１７を有
する吸入ポート１６′と細孔１６″よりなる吸入管
１６とし、さらに吸入管１６の細孔１６″に連通
して同細孔１６″から流入する吐出液を曲面１
８′にて略180゜旋回させて反転せしめ、ケーシン
グ１の吸込ポート３内の主流ロの方向に沿つて平
行に送り出すスクロール１８を、前記吸入ポート
３の側部に併設した構造になつている。

図示の実施例は、前記した構造になつているの
で、アキシヤルプランジヤポンプ自体の基本的な
作用については、前記の第１図、第２図に示す従
来例の場合と略同様になるが、バルブプレート５
の吐出ミゾ４′に高圧液を吐出した直後のシリン
ダ１１のシリンダポート９が、位置ｉにおいて吐
出細孔１５に連通して、該シリンダ１１内の高圧
液が矢示ヘのように吐出細孔１５内に流入し、さ
らに、吸入管１６を介しスクロール１８内に入つ
て、スクロール１８の曲面１８′に沿つて旋回さ
れ、反転せしめられて、吸込ポート３内の主流ロ
の方向に沿い平行に矢示方向トとして送り出され
る。

よつて、シリンダ１１から矢示方向ヘに吐出さ
れるその高圧液は、該シリンダよりも先行した位
置ａのシリンダ内に吸込まれる主流ロの分流ロ′
の吸込みを妨げず、逆にその流れを助長する（矢
示方向トによる）ようになり、従来例にて説明し
たようなキヤビテーシヨンの発生圧を誘起しな
い。

また、スクロール１８の開口は、吸込ポート３
内の主流ロに臨むように設けられ、その主流ロに
より、スクロール１８内の液の旋回、反転が助長
され、かつ吸引されるようになるため、吸入管１
６内の液流が助長されるようになつて、シリンダ
１１内の高圧液が円滑に排出され、また、吸入ポ
ート１６′内に設けている絞り１７が、前記の液
流を適正に制御する。

さらに、この実施例の吐出細孔１５の設置位置
即ち吸込ミゾ４との始端１３との距離は、シリン
ダ１１が位置ａに達するまでに内部の高圧液を十
分に排出するように、吐出細孔１５、吸入管１６
等の設計との関連において設定され、また、この
実施例では、吐出細孔１５がバルブプレート５に
貫設され、吸入ポート１６′と絞り１７がケーシ
ング１の端面側に設けられ、かつ、スクロール１
８が吸込ポート３に臨み、さらに、細孔１６″が
ケーシング１の端面側から設けられるため、前記
各部の加工が容易となり、それらの精度が保証さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来のアキシヤルプランジヤポンプ
の構造を示す断面図、第１図Ｂは第１図Ａのｂ
−ｂ視のバルブプレート側面図、第２図Ａは第
１図Ｂのバルブプレートとその前後の吸込、吐出
ポートおよびシリンダとの位置、作用関係を示す
拡大説明図、第２図Ｂは第２図Ａのｂ−ｂ断
面図、第３図Ａは本案の実施例を示す第２図Ａと
同様な拡大説明図、第３図Ｂは第３図Ａのｂ−
ｂ断面図である。 ３，３′：吸込、吐出ポート、４，４′：吸込、
吐出ミゾ、５：バルブプレート、９：シリンダポ
ート、１０：プランジヤ、１１：シリンダ、１
３：吸込ミゾの始端、１５：吐出細孔、１６：吸
入管、１６：吸入ポート、１６″細孔、１７：絞
り、１８：スクロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プランジヤを内蔵したシリンダがバルブプレー
   ト側に高圧液を吐出し低圧側液を吸込む直前に、
   該シリンダ内の液を排出する構成にしたアキシヤ
   ルプランジヤポンプにおいて、吐出終了直後のシ
   リンダポートに連通する吐出細孔をバルブプレー
   トの吸込ミゾの始端側前位に貫設するとともに、
   前記吐出細孔に連通した絞りを有する吸入管と、
   該吸入管に連通した吐出液をケーシングの吸込ポ
   ート内の主流方向に反転させるスクロールとを前
   記ケーシング側に設けたことを特徴とするアキシ
   ヤルプランジヤポンプ。