JPS6125901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスターリングエンジン等のような熱ガ
ス機関の燃焼器について新規な提案を行なうもの
である。

熱ガス機関の燃焼器においては、連続的にバー
ナなどの加熱源に晒されることから、その材質に
は耐熱性のものが要求されると共に高効率と高比
出力を得るために、作動ガスは一般に100〜200気
圧程度の高圧に維持されるため、高温においてク
リープ強度の高い材質のものが要求されている。
また、高効率と高比出力を得るためには、燃焼器
においてその内部を熱媒体が通過する加熱パイプ
を、局所加熱にならないように全体を均一に加熱
することが必要である。

従来における加熱パイプの均一加熱方式をみる
と、加熱パイプをヒートパイプで構成したもの、
及び加熱パイプの空間に炭化珪素等の球体を置
き、輻射と伝熱で加熱パイプを均一に加熱するも
の等が在る。

しかし、前者の場合には、ヒートパイプ内の熱
媒体にNa、Ｋなどの液体金属を用いていること
から、安全性、腐食性、耐久性などの点に問題が
多いと共に価格が非常に高くなるため、実用化に
難点がある。また後者の場合には、炭化珪素の強
度、耐久性の面で問題が多く、これも実用化に難
点がある。

次に加熱パイプが均一に加熱されない問題点と
して、従来の燃焼器の構造上の欠陥を指摘でき
る。すなわち、従来の燃焼器は、第３図に示すよ
うに、燃焼器０１の上部に燃焼室内に向けてバー
ナ０４を取り付け、燃焼室の内壁面に排ガス道０
３を形成し、この排ガス道０３とバーナ０４間に
加熱パイプ０２を配設し、バーナ０４の燃焼ガス
は点線で示すように流れて加熱パイプ０２を加熱
して排ガス道０３から排出される構造であつた。
このため、加熱パイプ０２において、燃焼室内の
上部内壁面寄り０２側が十分に加熱されず、不均
一加熱の大きな原因となつていたのである。

本発明は斯かる欠点の排除を目的として提案さ
れるもので、均一加熱を行なう構造であること、
耐久性に富み、低コストにて製作できるために実
用化が可能であること、等を主たる特徴としてい
る。

以下、本発明を熱ガス機関として代表的なスタ
ーリングエンジンの燃焼器に実施化した場合につ
いて、その詳細を第１，２図に基づいて説明す
る。

１は燃焼室１′の内壁面を輻射能の強い材質の
断熱材で形成して成る燃焼器にして、この燃焼器
１内の燃焼室１′の底部には、蓄熱器７とシリン
ダー８間に跨装されたその内部を熱媒体が通過す
る四気筒エンジン型の加熱パイプ２が、第１図に
示すように配設されている。

３は燃焼室１′の上部に開口した開放口５の中
央において、その下端は燃焼室１′内に位置する
ステンレス製の排気管である。なお、この排気管
３はステンレス鋼やセラミツクなどのように耐熱
性と輻射能を有する材質のものが選択され、断面
形状は円形、四角形など特に限定されない。ま
た、排気管３の中間に排気小孔を設けてもよい。

４は前記開放口５の周囲において、その中央に
前記排気管３をおき、かつ炎孔４′を燃焼室１′内
に向けて設置したリング状のブラスト式バーナで
ある。なお、バーナ４は他の熱源（例えば熱ガ
ス）に代わり得ると共にリング状の形状は加熱パ
イプ２の配設状態に合わせて設定される。また実
施例においてはブラスト式バーナであるが、大気
圧式バーナであつてもよい。

６は排気管３とバーナ４間に形成された空気流
入口である。

本発明実施に係る燃焼器は以上の如き構成から
成り、バーナ４の着火により炎孔４′から燃焼室
１′内に向けて噴出された燃焼ガスは、燃焼室
１′内において点線に示すように流れて加熱パイ
プ２を加熱し、排気管３の下端から吸い込まれて
器外に排出される。

この結果、本発明によれば次に挙げる効果を確
実に期待することができる。

(1) バーナ４の炎孔４′から噴出するガス炎の炎
長を短かくすることで、加熱パイプ２に直接炎
が接触しないようにすることが可能となり、火
炎の接触による局所加熱が無くなる。

(2) バーナ４の炎孔４′を等間隔に設定すること
で、火炎は均一に噴出し、燃焼室１′内での熱
エネルギーの密度分散が図れ、燃焼室１′の内
壁面及び排気管３からの輻射熱により、燃焼室
１′内の雰囲気温度は殆んど均一化するので、
加熱パイプ２は均一に加熱される。なお、燃焼
室１′の内壁面からの均一の輻射熱を期待する
ために、加熱パイプ２とこの内壁面とは全体が
等間隔になるように設定することが好ましい。

(3) 排気管３を中央に位置させ、燃焼室１′内か
ら吸引した排ガスを燃焼室１′の上部に逃がす
ので、ドラフト効果を期待することができ、し
たがつて燃焼用空気の送風フアンを利用する場
合の所要動力を小さくすることができる。

(4) バーナ４の中央に排気管３が位置し、バーナ
４の燃焼用空気はこの排気管３の周囲を介して
空気流入口６に至るので、排気管３は燃焼用空
気の予熱器としても機能し、熱効率の向上を期
待できる。

(5) ヒートパイプ或いは炭化珪素等の球体を利用
する加熱方式に比較してコストは安く、実用化
が容易である。

(6) 加熱パイプ２は均一に加熱されるので、高効
率、高比出力が期待できると共に耐久性も増す
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施したスターリングエンジ
ンの燃焼器の平面図、第２図は断面図、第３図は
従来のスターリングエンジンの燃焼器の主要部を
現わした断面図である。 １……燃焼器、１′……燃焼室、２……加熱パ
イプ、３……排気管、４……バーナ、４′……炎
孔、５……開放口、６……空気流入口、７……蓄
熱器、８……シリンダー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内壁面に断熱材を張設して成る燃焼室の底部
   に配設されたその内部を熱媒体が流通する加熱パ
   イプと、 燃焼室の上部開放口の周囲において、燃焼室内
   に向けて形成された熱源噴出口と、 燃焼室の上部開放口内において、熱源噴出口の
   中央に位置すると共に下端開放口が燃焼室内に延
   長された排気管と、 から成る熱ガス機関の燃焼器。