JPS61258917A - デイ−ゼルエンジン用副燃焼室チヤンバ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はマルテンサイト組織の鋼材からなるディーゼル
エンジン用副燃焼室チャンバーの改良に関する。

従来の技術と問題点 ディーゼルエンジンにおいて、ピストンにより圧縮され
た高温、高圧の空気が渦流室に流入し渦流を生じ、この
渦流に噴射された燃料の大部分は副燃焼室で急激に燃焼
し、燃焼した高温ガスは噴孔を通って主燃焼室に噴射さ
れると共に、着火遅れによる一部の未燃焼燃料は噴孔を
通って主燃焼室に噴射して完全に燃焼され燃焼状態の改
善が図られている。

噴孔部は高温ガスが通過することから、かなりの高温に
曝されるため噴孔の鋭角部に、熱が蓄積されて異常に過
熱されて亀裂を生じたり、その一部が焼損、脱落したり
、更に噴孔部が高温に曝される反面燃焼室部はシリンダ
ヘッドに接して冷却されているので、比較的低温に保た
れるので、この間に大きな温度差が生じ、副燃焼室チャ
ンバーの外壁には相当の内部応力が蓄積されて引張り応
力が生じ、欠けや亀裂が発生してエンジンの耐久性が劣
るという問題があった。

このように副燃焼室チャンバーは断熱性、耐熱性、耐熱
衝撃、耐熱疲労特性等が要求されて従来副燃焼室チャン
バー材として、オーステナイト系で５ＣＨ１２，５ＵＨ
３１０，５ＵＨ６６１、Ｎ　ｉｍｏｃａｓｔ　８０、フ
ェライト系で５ＵＨ４，マルテンサイト系で５ＵＨ６１
６，５ＵＨ３などの耐熱鋼や耐熱合金が用いられていた
が、オーステナイト系は熱膨張係数が大きいため熱疲労
によって割れやすい。フェライト系は高温強度がないた
め脱落や変形がおきる。　Ｎｉｍｏｃａｓｔ８０は高価
な金属元素を多量に含有するため非常に高価である。

マルテンサイト系は熱膨張率が小さく高温強度があるた
め変形が少なく副燃焼室チャンバーとしては最適である
が、耐酸化性がないため焼損する等耐熱疲労性、耐熱衝
撃性が不充分である等満足すべきものはなかった。

問題点を解決するための手段 本発明は熱膨張率が小さく高温強度があり且つ安価なマ
ルテンサイト組織をもつ鋼材にＣｒ若しくはＡ１を拡散
浸透させる表面処理を施すことにより耐酸化性を付与し
、熱疲労性の劣化を防止し前述の問題点の解決を図った
ものである。

実施例 以下本発明の実施例を図面について具体的に説明する。

第１図に示す副燃焼室チャンバーを第１表に示す化学成
分を有するマルテンサイト組織のＲＩＫ−ＭＢにて製作
し、下記（１）、（■）に示す粉末法によりＣｒとＡ１
を拡散浸透させる表面処理を施した。

上記方法により形成された副燃焼室チャンバーについて
耐酸化性試験と熱疲労試験を行なった。

（１）Ｃｒの拡散浸透 浸透材（Ｃｒ粉末とフラックス）の中に副燃焼室チャン
バーを埋め、１０００℃で１０時間加熱後５００℃まで
５０℃／Ｈｒの割合で１０時間炉冷後空冷する。

（■）Ａｌの拡散浸透 浸透材（Ａｌ粉５０％とＡｌ２Ｏ，５０％との混合粉末
）の中に埋め、１０００℃で１０時間加熱後５００’Ｃ
まテ５０　’Ｃ／Ｈｒの割合で１０時間炉冷後空冷する
。

比較材として第１表に示す化学成分を有する副燃焼室チ
ャンバーを用いた。

（ｍ）マルテンサイト組織のＲｆＫ−ＭＢ（■）オース
テナイト組織のＳＵＨ３１０（Ｖ）Ｎｉｍｏ　ｃ　ａ　
ｓ　ｔ　８０（１）耐酸化性試験 夫々の試験片を大気中で１０００℃で２０時間加熱して
酸化増量を測定し、耐酸化性を判定した。酸化増量の測
定結果を第２表に示す。

第２表　　　（■／ａＪ） ＲＩＫ−ＭＢに比しＣｒやＡ１を拡散浸透したものは、
酸化増量は平均値で２２．２■／ｄに対し夫々０．７，
０．８■／ｃｄと１／３以下と大巾に低減され、高価な
オーステナイトの５ＵＨ３１０やＮｉｍｏｃａｓｔ　８
０とほぼ同等程度を示し著しく腐食されがたく耐酸化性
が大巾に改善された。

（２）熱疲労試験 第３図に示す試験装置４に取り付けられた第４図に示す
保治具５に試験片の副燃焼室チャンノく一本体１を固定
し、ガスバーナ６で下面から約９５０℃に加熱した後、
試験装置４を回転させ副燃焼室チャンバ一本体１をスプ
レー７の上方に移動させて水をスプレーして約４０℃ま
で水冷した後空冷する。第５図に示す加熱、冷却のサイ
クルを３００回繰り返したのち、第２図に示すように噴
孔部３の底面周縁に発生したクラック８の長さを測定し
、その長さの合計によって耐熱疲労性を判定した。

クラックの長さの測定結果を第６図に示した。

耐酸化性の低いＲＩＫ−ＭＢは酸化により生じるスケー
ルがひどく、スケールの成長と剥離が繰り返えされるこ
とにより、噴孔部の鋭角部は細り脱落し焼損をおこした
が、ＲＩＫ−ＭＢにＣｒやＡｌを拡散浸透することによ
って、高価なオーステナイト５ＵＨ３１０やＮ　ｉｍｏ
ｃａｓｔ　８０とほぼ同等の性質を有し、優れた耐酸化
性が付与され耐熱疲労性が著しく改善された。

効果 ディーゼルエンジン用の副燃焼室チャンバー材として、
安価で熱膨張率が小さく高温強度があり変形の少ないマ
ルテンサイトの組織をもつ鋼材に、本発明によるＣｒ若
しくはＡ１を拡散浸透させる表面処理を施すことにより
、耐酸化性が付与されて高温に耐えると共に変態点があ
がり相変態による熱疲労の低下が防止され、高価なオー
ステナイト系の耐熱鋼やＮ　ｉｍｏｃａｓｔ　８０と同
程度の高温特性を有し、要求される材質的特性を満足す
るものを安価に提供できる実用的効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図　本発明に係る副燃焼室チャンバーの一例を示す
断面図 第２図　同上の平面図 第３図　熱疲労試験装置の概要図 第４図　熱疲労試験装置の試験片保持具と試験方法を示
す概要図 第５図　熱疲労試験の加熱冷却サイクルを示すグラフ 第６図　熱疲労試験結果を示すグラフ　　　　　　　　
　１１：副燃焼室チャンバ一本体 ２：渦流室　　３：噴孔 ４：熱疲労試験装置 ５：保持具　　６：バーナ ７：スプレー　　８：クラック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. マルテンサイト組織をもつ鋼材からなるディーゼルエン
   ジン用副燃焼室チャンバーの表面にＣｒ若しくはＡｌを
   拡散浸透させたことを特徴とするディーゼルエンジン用
   副燃焼室チャンバー。