JPS6125575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貯氷機の貯氷完了を確実に行なう貯氷
完了検知装置に関するものである。

従来の製氷機において貯氷完了検知を行なう場
合には、貯氷庫内の上部に設置した温度検知素
子、例えばサーモスタツトの感温部に、貯留され
る氷が接したときの庫内温度に対する温度変化に
より貯氷運転が停止するように構成されている。
しかしこのようなサーモスタツト方式の場合に
は、寒冷地あるいは厳寒期に外気温度がサーモス
タツトの動作温度以下に低下すると、庫内の貯氷
量とは無関係に動作して製氷運転を停止させてし
まう欠点があり、これを防止するため、カツトヒ
ーター切断方式の製氷機では、常時カツトヒータ
ーを通電し、貯氷庫内の温度をサーモスタツトの
動作温度以上に保持する方法が行なわれている。
しかしこの方法では、貯氷庫内に貯留された氷が
溶け易くなり、またカツトヒーターを常時通電す
るため電気を無駄に消費するといつた欠点があつ
た。

本考案は上述の欠点を解消するためになされた
考案であつて、寒冷地又は厳寒期にあつても確実
に貯氷完了検知を行ない且つカツトヒーターを常
時通電する必要がない貯氷完了検知装置を提供す
ることを主な目的としている。

この目的を考慮して本考案は、貯氷庫内の側壁
面に設けられた凹部に取付けられた貯氷検知ベー
スと、溝部、係止部及びストツパーを有し、前記
ベースに支持されたケース軸に回動自在に支持さ
れ、前記ベースに対する前記係止部及びストツパ
ーの係合により回動を制限される貯氷スイツチケ
ースと、前記溝部の移動範囲内に設けられた検知
杆を有し、前記貯氷スイツチケース内に且つ前記
貯氷検知ベースに取付けられた貯氷スイツチとを
備えた貯氷完了検知装置であつて、貯氷庫内の氷
が貯氷スイツチケースに接触していないときには
貯氷スイツチケースの重心がケース軸を通る鉛直
線に関して貯氷検知ベースの側にあり、貯氷庫内
の氷が貯氷スイツチケースに接触すると、貯氷ス
イツチケースが貯氷検知ベース側に回動して溝部
が検知杆を移動させることにより貯氷完了検知を
行なうことを特徴とするものである。

次に本考案の貯氷完了検知装置を図面に基づい
て説明する。

第１図は本考案の貯氷完了検知装置を含む貯氷
庫１の断面図を示していて、庫内の上方にはカツ
トヒーターを含む製氷装置２が配置され、この製
氷装置２により氷が製造され該氷を貯氷庫１の下
部に落下貯留するようになつている。貯氷庫１の
一側壁３には貯氷検知装置を取付けるための凹部
４が形成され、この凹部４は庫内壁面と貯氷スイ
ツチケース８との間に生じる動作のための隙間寸
法分だけ凹状に成形されている。第５図に拡大し
て示されているように、この凹部４の上端には貯
氷検知ベース５の一端がビス等により固定されて
いる。貯氷検知ベース５の上部の両端にはケース
軸７を支持するための軸支持台６が取付けられて
いる。ケース軸７は樹脂成形の貯氷スイツチケー
ス８を回転自在に支持している。ケース軸７の両
端部には、貯氷スイツチケース８をケース軸７に
容易に取付けることができ且つ該ケース軸７の抜
けを防止するため、スナツプピン９が取付けられ
ている。

貯氷スイツチケース８の上部両端部には、前記
スナツプピン９を配設するための凹みが設けら
れ、下部には貯氷スイツチ１４のレバー１５と接
触した際摩擦を少なくするため円弧状になつてい
る溝部１０が設けられ、下端部には貯氷スイツチ
ケース８がケース軸７の回りに回動したときに貯
氷検知ベース５の下端部に係止するストツパー１
１が設けられている。第５図から理解されるよう
に、貯氷スイツチケース８の重心はケース軸７を
通る鉛直線の右側にあり、これにより庫内の氷が
検知されるレベルに達していないときにはケース
８の自重によりケース軸８を中心にして時計方向
に回動し、ケース８の最上端部に設けられた係止
部１２が貯氷検知ベース５の上部に当接してケー
ス８の回動を阻止するようになつている。一方ケ
ース８の最下端部に設けられた係止部１２′はケ
ースの反時計方向の回動を阻止するようになつて
いる。

貯氷スイツチケース８の内側には、貯氷スイツ
チ１４及びこれをネジ１６により貯氷検知ベース
５に対して所定の角度で固定するために該ベース
に固定されたスイツチ固定部材１３が配設されて
いる。貯氷スイツチ１４はマイクロスイツチから
構成され、これには、貯氷スイツチケース８の溝
部１０の内側に当接して貯氷検知動作を行なうた
めの検知杆、即ちレバー１５が取付けられてい
る。前述した貯氷スイツチ１４の貯氷検知ベース
５に対する角度設定は、ケース８が庫内の氷と接
触してない位置にある第５図の溝部１０ａの内側
にレバー１５が近接または殆んど接触するように
行なわれ、この位置にあるレバー１５ａは拘束の
ない位置（自由位置）にある。そしてケース８が
ケース軸７を中心に反時計方向に回動した場合に
は、溝部が１０ｂの位置へ移動すると同時にこれ
と接触しているレバー１５を同方向に移動して１
５ｂの位置（動作位置）に動かし貯氷スイツチ１
４を動作するようになつている。１０ｂより右側
への溝部の移動はストツパー１１及び係止部１
２′により規制される。

貯氷検知ベース５、軸支持台６、ケース軸７、
貯氷スイツチケース８、スナツプピン９、スイツ
チ固定部材１３及びレバー１５を含む貯氷スイツ
チ１４は貯氷完了検知装置を構成する。尚、第２
図及び第４図は、レバー１５が自由位置にあると
きの平面図及び平面断面図を示している。

次に本考案の貯氷完了検知装置の動作について
説明する。

製氷装置２により氷が製造されているが製氷庫
１内の氷が貯氷スイツチケース８を押圧するまで
に達していないときには、貯氷スイツチのレバー
１５は自由位置、即ち、１５ａの位置にある。従
つてこのときには、貯氷スイツチ１４は動作せず
係止部１２は貯氷検知ベース５の上端と係止して
いる。

そうして貯氷庫１内の氷が貯留されて、該氷が
貯氷スイツチケース８を押圧すると、該ケース８
はケース軸７を中心にして反時計方向に回動し、
最初１０ａにあつたケースの溝部が１０ｂに移動
してこれと接触しているレバーを１５ａから動作
位置である１５ｂに移動させる。このレバー１５
の移動により貯氷スイツチ１４が動作して貯氷庫
１内の氷が満杯になつたことを検知する。

以上のように本考案の貯氷完了検知装置は、貯
氷庫の側壁の凹部に取付けられた貯氷検知ベース
と、該ベースに回動自在に取付けられ、係止部、
溝部及びストツパーを有する貯氷スイツチケース
と、該ケース内に配設され前記貯氷検知ベースに
取付けられ、且つ前記溝部に当接して移動するレ
バーを有する貯氷スイツチとから構成され、外気
温度により左右される温度検知素子を用いるので
はなく、機械的に貯氷検知を行なうので、寒冷地
又は厳寒期でも確実に貯氷完了検知を行なうこと
ができ、貯氷完了中はカツトヒーターへの通電を
切ることができるので電気の節約になるだけでな
く貯氷庫内の氷が溶けにくくなつて冷却効率がよ
くなる。また本考案の貯氷完了検知装置は、従来
の検知装置と比較して構造がきわめて簡単で耐久
性に優れ、また部品にかかる製造コストも低く万
一の事故に対する保守サービスも容易であり、貯
氷スイツチケースについても、貯氷庫内の氷が貯
氷スイツチケースに接触していない時に貯氷スイ
ツチケースの重心がケース軸を通る鉛直線に関し
て貯氷検知ベース側にあり、自重により開方向に
付勢された待機状態にあるため、十分なケース反
発力を期待できるので、スプリングやマグネツト
のようなケース反発用の部材を用いる必要がな
い。さらに本考案においては、貯氷完了検知装置
を貯氷庫の側壁に取付けるために該側壁に凹部を
設けたことにより、貯氷スイツチケースと側壁と
の間の隙間に氷や氷取出し用のスコツプの先端が
入つたりすることもなくなり、貯氷完了検知をよ
り確実にし且つ故障や検知誤動作もなくなるとい
つた種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の貯氷完了検知装置を含む貯氷
庫の側面断面図、第２図は第１図の貯氷完了検知
装置の拡大平面図、第３図は第２図の側面図、第
４図は第２図の貯氷完了検知装置の平面断面図、
第５図は第４図の線−で取られた側面断面図
である。 １……貯氷庫、２……製氷装置、３……側壁、
４……凹部、５……貯氷検知ベース、６……軸支
持部、７……ケース軸、８……貯氷スイツチケー
ス、９……スナツプピン、１０……溝部、１１…
…ストツパー、１２，１２′……係止部、１４…
…貯氷スイツチ、１５……レバー（検知杆）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯氷庫内の側壁面に設けられた凹部に取付けら
   れた貯氷検知ベースと、溝部、係止部及びストツ
   パーを有し、前記ベースに支持されたケース軸に
   回動自在に支持され、前記ベースに対する前記係
   止部及びストツパーの係合により回動を制限され
   る貯氷スイツチケースと、前記溝部の移動範囲内
   に設けられた検知杆を有し、前記貯氷スイツチケ
   ース内に且つ前記貯氷検知ベースに取付けられた
   貯氷スイツチとを備えた貯氷完了検知装置であつ
   て、貯氷庫内の氷が貯氷スイツチケースに接触し
   ていないときには貯氷スイツチケースの重心がケ
   ース軸を通る鉛直線に関して貯氷検知ベースの側
   にあり、貯氷庫内の氷が貯氷スイツチケースに接
   触すると貯氷スイツチケースが貯氷検知ベース側
   に回動して溝部が検知杆を移動させることにより
   貯氷完了検知を行なうことを特徴とする貯氷機の
   貯氷完了検知装置。