JPS6125404B2 - - Google Patents

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JPS6125404B2
JPS6125404B2 JP6925378A JP6925378A JPS6125404B2 JP S6125404 B2 JPS6125404 B2 JP S6125404B2 JP 6925378 A JP6925378 A JP 6925378A JP 6925378 A JP6925378 A JP 6925378A JP S6125404 B2 JPS6125404 B2 JP S6125404B2
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JP
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pressure
crystals
liquid
container
solid
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JP6925378A
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Masato Moritoki
Minoru Wakabayashi
Takao Fujikawa
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、圧力をパラメータとして結晶粒を可
及的大きく育てる為の晶析法及び晶析装置に関す
るものである。
[従来の技術] 従来の温度をパラメータとする晶析法において
は、2成分以上の成分を含む混合物を出発原料と
してこれを冷却することにより特定成分を固化さ
せ、次いで固液を分離するが、分離した母液の中
にしばしば多量の微粒結晶が流出し、残つた固相
中にも微粒が混存して十分な固液の分離を妨げる
要因になつている。
[発明が解決しようとする問題点] そこで循環方式を採用して良質な結晶を得よう
という方法が提案されている。即ち固液の共存系
から母液を分離し、この中に含まれる微粒結晶を
昇温融解して再び前記共存系に戻す作業を繰返
し、新たな核の発生を抑えつつ既存の結晶粒の成
長を逐次促がす方法(以下温度履歴を与えると言
う)である。ここに昇温融解する温度とは、母液
中の微粒結晶が融解するのみならず融解した液相
の分子構造が完全に無秩序な状態となるまで、即
ちクラスターと呼ばれる状態(液相でありなが
ら、なお結晶としての名残の分子集団が解消する
状態)までの昇温が必要とされる。したがつて時
には融解温度より10℃以上も高めねばならず、再
びこれを固液共存系にもどして結晶を成長させる
ための冷却作業を繰返し継続的に行なう必要があ
り、多大なエネルギーの消耗をともなうという生
産上の問題がある。
本発明者らはかねてより高圧力をパラメータと
する晶析法を提案し研究してきたが、一般に数千
気圧に達する加圧下では粘度も高くなり、このよ
うな高圧力下で急速に固化を進める場合はしばし
ば微粒結晶の割合が多くなることがあり、固液分
離性の低下を引き起こす。又前述の如く分離した
液相中に微粒が混入し収率を低下させることもあ
る。このような高圧晶析により分離された母液
に、加圧下で前記温度履歴を与えることについて
は困難がともなう。即ち高圧容器及び配管は非常
に厚肉の構造で、その外部から加熱又は冷却する
装置を用いると熱効率を損なう。内部に熱交換器
を入れると、高圧容器自体が非常に大きくなるし
機構もむつかしい。
本発明はこれらの事情に着目してなされたもの
であり、その目的は圧力をパラメータとする晶析
法において、母液と共に流出した微粒結晶を回収
するのみならず、併せて結晶粒を可及的大きなも
のに成長させる方法及び装置を提供しようとする
ものである。
[問題点を解決すめ為の手段] 上記目的を達成し得た本発明の基本的構成と
は、次の如きものである。
まず混合物を加圧した状態で固液共存状態と
し、この系から母液を分離し、微粒結晶と共に分
離された上記母液を減圧して結晶を融解し、さら
にそれを減圧してクラスターを消失せしめ、次い
で再びこれを加圧して結晶の析出していない過飽
和の状態で前記結晶の残留する高圧容器に再び注
入し高圧容器内の結晶と接触せしめて、該結晶粒
の成長を促進せしめる点に要旨が存在する。尚こ
の一旦減圧して再加圧した母液は循環系での昇温
を防止するため必要に応じて冷却して、特定成分
が過飽和状態となつた状態で、高圧容器に注入し
ても良い。
又、これらを実施するに当たつて好適な装置と
して、下記の構成のものが提供される。即ち原料
混合物の加圧及び圧力調整装置と、該原料を加圧
下に収納する高圧容器と、高圧容器中の固液共存
状態の主として母液を、加圧状態のままで分離す
る母液分離管及び流出する母液の圧力調整装置並
びに母液返送管を含む基本的装置及びその変型例
が提供される。この装置により前記基本圧力履歴
操作を好都合に実施することができる。
[作用及び実施例] 以下これらの発明について、その構成及び作用
効果を説明するが、下記の実施例的説明は、特許
請求の範囲に記載した実施態様と同様本発明を制
限する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿
つて変更実施することは本発明の技術的範囲に属
することである。
さて特定の成分がわずかな不純物を含む場合を
含めて、2以上の成分を含む混合物を加圧下で固
液共存とする。この場合の原料は大気圧下で液相
であつても固相を含むスラリー状であつてもよい
が、加圧によつて一般に固相量は増大する。又加
圧後冷却することによつて、大気圧下におけるよ
りもはるかに高い温度で固相を発生し、又は固相
量の増加を促進することもできる。このように加
圧下で得られた固液共存状態の結晶粒度は、大気
圧下におけると同様不均一であつて、例えば第1
図に示すごとき分布を示す。そして粒径Dfより
小さい結晶が不適合なものであると仮定し、まず
第1回の晶析で得られた分布1のうち、a・
Df・a′でかこまれたループ内の面積に相当する量
の微小結晶を他の大径結晶から分離して融解す
る。実際には母液の分離に当つて母液とともにフ
イルターから流出することが多い。これをそのま
ま或は液相原料混合物と混合して加圧し、過飽和
溶液としてから、結晶を収納した高圧容器に注入
(或は更に加圧)すると、前記容器内の残留結晶
を種結晶として結晶粒の成長が起こり、前記分布
1に比べて大粒径のものが多い分布2の固相が得
られる。そこで前回と同じ理由によつてb・
Df・b′でかこまれたループ内の面積に相当する量
の微小結晶を分離して融解する。そしてこれを更
に前記と同様の手順に従つて処理すると新しい分
布3を示す結晶が得られる。こうしてループc・
Df・c′、ループd・Df・d′の小粒径結晶を順次分
離融解して晶析を続けていくと、やがて分布5に
至り、所望以上の大きさの結晶群からなる固相が
得られる。
以上は本発明方法における基本的原理である
が、一般に高圧容器内に共存する固体と液体の分
離に当つては、フイルターを利用し、フイルター
の網目より大きい結晶は該フイルターで捕捉し、
フイルターの網目よりも小さい結晶は母液と共に
通過させてしまう。従つて所定メツシユの網目か
らなるフイルターを高圧容器に取り付け、加圧に
よつて又は加圧下で固化を進行させて例えば分布
1の結晶群からなる固相及びこれと共存する母液
を得た場合において、この固相を過して母液を
フイルターから排出するに当つては前記メツシユ
より小粒径の結晶も母液と共に排出される。従つ
て小粒経結晶が固相中にとじこめられることなく
全量フイルターを通過するとの仮定をおくとすれ
ば、Df以下の小粒径結晶を分離除去することは
一応可能である。しかしそのときの結晶分布は1
のままであり、先に説明した5の如き分布を得る
ことができず、その結晶粒径は全般的に小さく、
且つループa・Df・a′部分に相当する特定成分を
廃棄してしまわなければならないのでその歩留り
も当然低いものになる。しかも現実問題としては
固相中にとじこめられる小粒径結晶もあつて、単
に排液するだけでは好適な結晶分布は得られな
い。
本発明はこの点を考慮したもので、可及的5に
近い分布を与えようとし、フイルターで分離され
た小粒径結晶を母液と共に高圧容器内に戻して該
容器内の結晶に接融させ、結晶の遂次成長をはか
ろうとしている。しかしフイルターを通過した小
粒径結晶をそのまま高圧容器内に戻したのでは、
フイルターを介して小粒径結晶や母液をそのまま
往復させているに過ぎず、母液中の特定成分が若
干析出しくることはあつても、本質的には分布1
を脱するものではあり得ない。そこで前記小粒径
結晶をいつたん融解させてから高圧容器内に戻
し、高圧容器内の結晶を核としてその成長を計る
ことが必要であることを知つた。しかるにこの小
粒径結晶を融解させる方法としては、前述の如く
フイルターを通過して出てきたときの圧力を維持
しつつ加熱昇温させる方法と、該圧力を低下させ
る方法の2つが挙げられる。前者は加熱された融
解原料が再び高圧容器内に注入され、該容器内を
どんどん高温にし固化の進行を害するという問題
があるから好ましくない。したがつてこれを再び
冷却する必要が生じる。その時の問題については
すでに述べた。これに比べ後者の方法は、圧力を
パラメータにするという本発明の基本思想であ
り、圧力調整装置で減圧し、次いで同じ、又は他
の圧力調整装置で加圧すると言う繰り返しパター
ンの採用が可能であるから、例えば第1図に示し
た如く分布を1から5にかけて順次シフトさせて
いくような実施手順を行なう上でエネルギー的に
も、装置的にも、時間的にも極めて有利である。
従つて本発明においては、固液共存系から液相と
共に取り出された小粒径結晶の融解は、降圧によ
つて行なうこととした。
ところでこの降圧の程度は、高圧容器外に流出
した固液混合物の組成によつて定められるべきが
当然であり、これらが高圧容器内に返還される時
には、前記小粒径結晶は完全に融解しておりかつ
後述するようなクラスターが消滅していることが
必要である。そして固液平衡圧力は、混合物の組
成によつて変化するものであるから、混合物中の
固相を融解させるに必要な理論的降圧量は、 (高圧容器外に流出したときの圧力) −(流出混合物組成の固液平衡圧力) で与えられる量よりさらに大きな降圧量でなくて
はならない。こうして該混合物組成の固液平衡圧
力よりも低い圧力まで降下されると、該混合物中
の小粒径結晶のみならず、クラスターも完全に消
失する。ここにいうクラスターとは、結晶が融解
して液体となつても、なお、分子相互の配列が完
全な無秩序状態でなく、通常数10の分子の集合体
であつて、冷却等によつて容易に再び固化するこ
とが知られている。従つて過飽和を大きくとるこ
とができず、冷却によつて核発生が容易におこ
り、多くのクラスターの存在によつて多数の微粒
が発生する結果となる。減圧した場合にも、固液
平衡圧力より相当低い圧力まで、このクラスター
の存在することが本発明者らの研究によつて明ら
かにされた。このように固液平衡圧力より低いク
ラスターの消失圧力にまで減圧することに本発明
の基本思想があるが、クラスターは分子拡散によ
つて消失させられるので、減圧後強力に撹拌して
クラスターを消失させることもできる。
このように完全に融解された流出混合物は、そ
のまま或は新たな原料混合物と混合して加圧さ
れ、過飽和の状態で前記高圧容器内に注入され該
容器内に残留していた結晶と接触するが該容器内
は、あらたに注入された混合物の固液平衡圧力よ
りも高い圧力下で維持されているので、過飽和状
態で結晶と接触した液相混合物中の特定成分は、
これを種結晶として結晶化し、より粒径の大きい
結晶として育つが、前記特定成分が独自に結晶化
して順次成長していく部分はきわめて少なく例え
ば第1図に示した2の如き分布が得られる。但し
大粒径結晶を種結晶とする結晶生成の比率をより
高いものとすれば、分布2における粒径Dfより
左の分布はより少ない面積にすることも可能であ
る。その方法は一旦減圧した母液等再注入混合物
の過飽和度が極端に大きくならないように、その
組成と内部圧力を整合するなどの条件調整によつ
て達成される。そしてこのような操作はクラスタ
ーが完全に消失している状態でのみ達成しうるこ
とは、前記クラスターの性格から明らかである。
この様なクラスターを完全に消失させるための減
圧量は、混合物の成分、組成によつて異なること
は明らかであるが、その組成の固液平衡圧力より
も50Kg/cm2以上、更に好ましくは100Kg/cm2以上低
い圧力まで降下させることが望ましいことを知つ
た。更に確実には300Kg/cm2以上を必要とすること
もある。ちなみに、高純度ベンゼンは250℃で約
700Kg/cm2で固液平衡する。この平衡圧力から圧力
を下げて結晶が完全に融解したことを確認し、更
に減圧し再加圧した。この場合平衡圧から20Kg/
cm2低くしたときには、再加圧の圧力を平衡圧より
50Kg/cm2高くした時点ですでに過飽和が解消し
た。尚降圧量を70Kg/cm2とした時の過飽和圧力は
400Kg/cm2に達した。ここまで降圧すればクラスタ
ーも残存せず、従つてこれを再加圧して高圧容器
内に再注入される混合物は完全に過飽和液相であ
り、該容器内での新たな結晶核発生が抑制され、
残存結晶を種結晶とする結晶の成長を促進するこ
とができる。
尚この様な結晶の促進は、高圧容器内におい
て、結晶と過飽和母液の接触によつて行なわれる
が、この過飽和状態は加圧によつて直接過飽和状
態とされ、必要に応じて冷却して得られる。又高
圧容器内の残留結晶を含む混合物の圧力をあらか
じめ加減しておいてもよい。妥当な過飽和と固化
速度をうるために任意に調整できる。又、高圧容
器内の固液共存系が加圧下において徐々に冷却さ
れ、又は固化潜熱を除去されることによつて固化
を促進することも妨げない。尚小粒径結晶の流
出、融解及び再注入を1サイクルとしたとき、本
発明は単に1サイクルのみによつてもある程度そ
の目的を達成するが、数サイクル繰り返して実施
し得ることは当然である。又これを連続的に循環
して行ないうることも当然である。
又上記説明では、小粒径結晶は流出させた後に
融解させると述べたが、高圧容器内でも一部融解
させることが可能であるから、以下簡単に説明を
加える。第2図は高圧容器内の固相を拡大して示
す模式図で、大粒径結晶SAの間には、小粒径結
晶SBと液相Lがある。そしてこれらがフイルタ
ーの近傍にあるときは、過によつて液相L及び
小粒径結晶SBが共にフイルター背面側に放出さ
れるが、これらがフイルターから離れた位置にあ
るときは十分に放出させることが不可能で、むし
ろ小粒径結晶SBはそのまま液相と共に残存する
と考えるべきである。従つて前述の様なサイクル
を繰り返し実施しても、この様に取り込まれた状
態の小粒径結晶SBはそのままであることが多い
ので、結晶の成長度合いをアンバランスにすると
いう恐れもある。勿論再注入される液相混合物の
浸入によつて第2図の構造もある程度分解・分散
されるが、いずれは高圧容器内のどこかで同様の
状況が発生するものと思われる。
そこで本発明者らは、第2図の状態において高
圧容器内の圧力をわずかに低下させる方法を提案
する。即ち圧力が低下すると、該圧力下における
固液平衡を維持するために結晶の一部が融解する
が、一般に液相の不純物濃度が高くなるほど固液
平衡圧力が高いことは熱力学的によく知られてい
るので、前記の一部融解は次の様に説明される。
即ち、第2図の如き圧力P1の状態から、圧力P2
減圧されると、不純物の濃縮された液相Lを有す
る混合物系の圧力P2はその液相濃度に対応する固
液平衡圧力よりも低くなり、結晶SA,SBの融解
が生じるが、この融解により液相の不純物濃度は
低下し、これと共に固液平衡圧力も低下し、遂に
は圧力P2と固液平衡圧力とが等しくなる。この状
態で結晶の融解は停止するが小粒径結晶SBの一
部はこの間に融解消失し、大粒径結晶SAはその
表面層に付着・内包していた不純物含有層を融解
して高純度化され且つ一部は小粒径化され、第3
図に示す如く、微粒が融解消失してより高純度の
大粒径結晶S′Aと液相L′との混合物になる。そし
て結晶粒間の距離も大きくなり、液相L′の排出通
路も確保されるので、不純物濃度の高い液相は極
めて容易に排出され、精製効果自体も高いものに
なるという利点がある。尚排出される液相には、
当然ながら融解された特定成分を含み、更に小粒
径結晶やクラスターも含んでいるので、高圧容器
外においていつたん減圧して全量を融解させてか
ら高圧容器内に返還すべきであることは、前述の
他の方法と同一であることは当然である。又内部
は再び圧力を高めて、大粒径の結晶を更に大きく
し、減圧した母液等の再注入を抑えることができ
る。
本発明の基本は以上の如く構成されているが、
その種々の態様について更に概要を述べる。先ず
加圧下で固液共存状態を得る方法は、すでに述べ
た通り様々な経路をとることができる。大気圧下
で液状のもの或はスラリー状のものを加圧し、固
相を発生増加せしめてもよく、加圧によつて冷却
による固相発生増加を促進させてもよい。第2
に、高圧容器内の母液を共存系から分離する時の
圧力は必ずしも一定である必要はなく、任意の変
化又は変動が与えられてもよい。小粒径のものを
流出させるための減圧については詳述した。第3
に、分離した母液を減圧し、それに含まれる微粒
結晶を融解し、更にクラスターを消失させる減圧
量は、物質、組成により異なるが、特に減圧量が
多いことは害とならずむしろ好ましい。特に断熱
的に急速に減圧し、再び加圧する時は、大きな減
圧が好ましい。従つて、一旦大気圧にして再加圧
するのは有力な方法の一つである。逆に例えば
300Kg/cm2の減圧を与えるためにはそれ以上の圧力
で、固相成長、母液分離等が行なわれるべきであ
る。第4に、再加圧後の注入に当つて高圧容器内
部の温度及び圧力は、母液分離時点のそれと同一
である必要はない。内部が徐々に冷却され又は、
次第に加圧されてより多くの固相が得られる条件
でかつ過飽和が過大とならない条件を任意に選択
できる。又再加圧として注入される混合物には微
粒の種結晶も含まれるべきでないが、減圧下で任
意温度に調整した後加圧注入することが一層好ま
しく、時には加圧後温度調整して注入してもよ
い。その目標は加圧後高圧容器内で結晶と接触す
る時点で、妥当な過飽和条件にあることである。
最後にこれらの全ては段階的に行なわれる必要が
ない。分離された母液が減圧、再加圧を経て、再
注入される一連の循環的連続操作であり得ること
は当然である。又工程を終了し、内部の結晶をよ
り完全に母液と分離するにあたつて、圧搾、減圧
洗条融解等の既存の高圧晶析手法を採用しうるこ
とも当然である。以上の説明において、本発明の
作用効果は既に明らかであるが、その主なものは
次の通りである。
第1に温度履歴による方法では加熱及び冷却を
繰返すために、多大の熱エネルギーと時間を要す
る。圧力の利用による微粒融解およびクラスター
消失は少ないエネルギーで短時間に処理できる。
次いで加圧時には混合物液相の粘度は一般に増
加するが、核発生は一般に少なく大きな過飽和度
が得られ、再注入時の条件選択の巾を大きくし得
る。
上記の本発明方法を実施する為の具体的装置の
設計及びその構成等については、本発明において
いささかも制限を受けないが、既述している様に
代表的な装置例についても提案しているので、実
施例を示す概略図に基づいて構成及び作用効果を
説明する。
第4図はその一例で、高圧容器1は、胴部2、
底蓋3及びピストン4からなり、胴部4の内面に
はフエノール樹脂の如き断熱材からなる断熱層5
が形成され、外部との熱交換を防いで容器1内部
における温度勾配の形成を抑制している。又母液
及び小粒径結晶抜き出し用のフイルタは、金網6
a,6b及びこれらを支持する多孔板7a,7b
から構成されている。そしてライン15に沿つて
供給される原液は加圧機11によつて供給され又
は加圧供給され、逆止弁14からライン8を通過
し、容器1内に注入される。ピストン4は断熱層
5に内接して上下に摺動するもので、下降したと
きは容器1内の容積を小さくすることよつて内部
を加圧するなど内部の加圧及び圧力調整に使用で
きる。又ピストン4は容器1内の固液を圧搾して
分離するときの圧搾ピストンとしての機能も有す
る。尚先に一部減圧融解法を述べたが、このとき
はピストン4を上昇させることによつて容器1内
の圧力を低下させればよい。母液排出ライン9
a,9bは容器1の上下に配置されたフイルタの
背面に連接され、介設された排液圧力調整弁10
a,10bの圧力を設定すれば、圧力容器1内の
圧力は所定の圧力以下になることなく母液及び小
粒径結晶が流出し、いつたん貯槽12内に入る。
ここで圧力調整弁10は、高圧力下で母液を分離
する機能を有するとともに、分離した母液を減圧
しても容器内圧力を低下させない他の装置と代替
しうる。貯槽12は高圧力下に保持させてもよい
が、流出混合物を完全に融解させる為に大気圧下
としてもよい。尚貯槽12を設けない場合も本発
明に含まれる。得られた液相混合物は返送ライン
13を経て加圧機11の前位に至り、或は循環液
昇圧機11′に至り、再び加圧されてから逆止弁
14又は14′を経て高圧容器1内に返送注入さ
れるが、このときライン15からの原液と一緒に
加圧注入してもよく、或は容器1内に入つてから
所望以上の圧力まで加圧されたり、新らしい原液
と混合せずに注入されたりしてもよい。
これらの各説明装置は本発明の代表例で、前記
以外の目的にも利用できるが、要は流出混合物を
減圧融解して再び高圧容器内に返還し得る装置で
ありさえすれば、本発明の実施に利用できる。
[発明の効果] 本発明は以上の如く構成されているので、高圧
容器内で成長する結晶を可及的大きく且つ高純度
にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を示す分布図、第2,3
図は結晶状態を示す拡大断面図、第4図は本発明
装置を示す全体概念図である。 1……高圧容器、11……加圧機、13……返
還ライン。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2以上の成分よりなる原料混合物に高圧力を
    付与して少なくとも1つの特定成分を結晶化させ
    て分離する方法であつて、前記原料混合物を高圧
    容器内で加圧して固液共存物を得、固相分のうち
    粒径の大きい結晶は高圧容器内に残す一方、粒径
    の小さい結晶は液相と共に高圧容器外に抜き出
    し、該流出混合物の圧力をその組成の固液平衡圧
    力よりも低い圧力に減圧して小粒径結晶を融解
    し、ついでこれを再加圧下にて結晶の析出してい
    ない過飽和の状態で前記高圧容器内に供給し、該
    容器内に残存する大粒径結晶の固相に接触させて
    結晶の成長を促進することを特徴とする晶析法。 2 特許請求の範囲第1項において、小粒径結晶
    の融解に際し、流出混合物組成の固液平衡圧より
    も50Kg/cm2以上低い圧力まで減圧する晶析法。 3 特許請求の範囲第2項において、小粒径結晶
    の融解に際し、流出混合物組成の固液平衡圧より
    も100Kg/cm2以上低い圧力まで減圧する晶析法。 4 特許請求の範囲第1、2又は3項において、
    小粒径結晶は、予め高圧容器内で一部減圧し、融
    解させてから抜き出す晶析法。 5 2以上の成分よりなる原料混合物に高圧力を
    付与して少なくとも1つの特定成分を結晶化させ
    て分離する装置であつて、原料混合物を加圧し、
    圧力を調整する加圧装置と、加圧された原料の輸
    送管路と、該原料を収納する高圧容器と、高圧容
    器の濾過面より後位に設けられた圧力調整弁を経
    て排出された液相を前記高圧容器に返送する返送
    管路とからなり、更に前記返送管路中に直結して
    返送液昇圧機を介設させてなることを特徴とする
    晶析装置。 6 特許請求の範囲第5項において、返送液昇圧
    機が加圧装置を兼ねるものである晶析装置。
JP6925378A 1978-06-07 1978-06-07 Method and apparatus for crystallization using pressure as variable Granted JPS54159378A (en)

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JPS6125404B2 true JPS6125404B2 (ja) 1986-06-16

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JP6925378A Granted JPS54159378A (en) 1978-06-07 1978-06-07 Method and apparatus for crystallization using pressure as variable

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JP (1) JPS54159378A (ja)

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Publication number Publication date
JPS54159378A (en) 1979-12-17

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