JPS6112725B2 - - Google Patents
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- JPS6112725B2 JPS6112725B2 JP257478A JP257478A JPS6112725B2 JP S6112725 B2 JPS6112725 B2 JP S6112725B2 JP 257478 A JP257478 A JP 257478A JP 257478 A JP257478 A JP 257478A JP S6112725 B2 JPS6112725 B2 JP S6112725B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は高圧力を利用する分別晶析法に関し、
詳細には、高粘度の混合物、理論固化量の少ない
混合物、種結晶のない混合物等の如く、固化の進
行が難かしい様な混合物についての効果的な晶析
法に関するものである。
詳細には、高粘度の混合物、理論固化量の少ない
混合物、種結晶のない混合物等の如く、固化の進
行が難かしい様な混合物についての効果的な晶析
法に関するものである。
第1図は共晶系混合物の圧力による固液平衡線
の変化を示す状態図であり、線aは高純度の特定
物質、線b,c,dは他の成分を順次より多く含
む混合物についての夫々の固液平衡線である。
の変化を示す状態図であり、線aは高純度の特定
物質、線b,c,dは他の成分を順次より多く含
む混合物についての夫々の固液平衡線である。
まず出発組成が線bの組成である全量液相の混
合物(常圧温度A)を圧力P1に加圧する場合を説
明する。固体の発生、成長が容易で、かつ圧縮熱
および固化の潜熱が系外に放出されない場合に
は、圧力と温度はA→C→Dの経路をたどり、圧
力P1に到達した時、母液は線cの組成となる。し
かし前記の如く結晶核が発生しにくく、また発生
しても固化が進行しない場合、昇圧時に発生する
熱はほとんど液体の圧縮熱のみでA→C→Bの経
路をたどる。圧力P1に到達した時、混合物は過飽
和状態であり、その過飽和度は線b上の点Mと点
Bの温度差で示される。特に高粘度の液体混合物
や理論固化量の少ない混合物、更には種結晶がな
い場合等では、固化の進行が極めて不十分であ
り、相当の時間が経過した後でも母液濃度が出発
組成に近い状態であることが多い。
合物(常圧温度A)を圧力P1に加圧する場合を説
明する。固体の発生、成長が容易で、かつ圧縮熱
および固化の潜熱が系外に放出されない場合に
は、圧力と温度はA→C→Dの経路をたどり、圧
力P1に到達した時、母液は線cの組成となる。し
かし前記の如く結晶核が発生しにくく、また発生
しても固化が進行しない場合、昇圧時に発生する
熱はほとんど液体の圧縮熱のみでA→C→Bの経
路をたどる。圧力P1に到達した時、混合物は過飽
和状態であり、その過飽和度は線b上の点Mと点
Bの温度差で示される。特に高粘度の液体混合物
や理論固化量の少ない混合物、更には種結晶がな
い場合等では、固化の進行が極めて不十分であ
り、相当の時間が経過した後でも母液濃度が出発
組成に近い状態であることが多い。
次にB点で過冷却状態にある混合物に特定成分
の結晶核を発生させると結晶は成長する。この結
晶が成長する過程をミクロ的に考察すると、結晶
の表面は他の成分を高濃度に含む母液によつて覆
われている。そしてこれが拡散すると共に結晶の
成長が進行するが、数百乃至数千気圧に及ぶ高圧
力の下では拡散は極度に抑制される。特に前記の
如き混合物においてはこの傾向が強く、結晶の成
長が困難となる。勿論大気圧下における晶析の如
く、系の撹拌によつてこの問題を解決する方法も
考えられなくはないが、数千気圧にも達する高圧
容器内を均一に撹拌することは工業的見地からし
て不利である。又高圧力下で徐々に冷却し、結晶
の巨大化を図る方法も考えられるが、依然として
長時間を要し、得策でない。
の結晶核を発生させると結晶は成長する。この結
晶が成長する過程をミクロ的に考察すると、結晶
の表面は他の成分を高濃度に含む母液によつて覆
われている。そしてこれが拡散すると共に結晶の
成長が進行するが、数百乃至数千気圧に及ぶ高圧
力の下では拡散は極度に抑制される。特に前記の
如き混合物においてはこの傾向が強く、結晶の成
長が困難となる。勿論大気圧下における晶析の如
く、系の撹拌によつてこの問題を解決する方法も
考えられなくはないが、数千気圧にも達する高圧
容器内を均一に撹拌することは工業的見地からし
て不利である。又高圧力下で徐々に冷却し、結晶
の巨大化を図る方法も考えられるが、依然として
長時間を要し、得策でない。
本発明は上記事情に着目してなされたものであ
つて高粘度の混合物、理論固化量の少ない混合
物、種結晶のない混合物等の如く、固化の進行が
困難な混合物を効果的に処理する晶析法を提供し
ようとするものである。
つて高粘度の混合物、理論固化量の少ない混合
物、種結晶のない混合物等の如く、固化の進行が
困難な混合物を効果的に処理する晶析法を提供し
ようとするものである。
即ち本発明の晶析法とは、2成分又はそれ以上
の成分よりなる混合物から、1成分又はそれ以上
の特定成分を晶析分離するにあたり、 (1) 上記特定成分が高圧力下において過冷却状態
になつている混合物を流動状態とし、 (2) 該特定成分からなる結晶核を発生させ、及
び/又は該結晶核を供給し、 (3) 更に流動せしめつつ核の発生及び/又は供給
時点の温度より低くならない状態に保持して結
晶の成長、増加を促進し、 (4) 得られた固液共存状態から母液を継続的に
過分離させる、 という過程からなるものである。
の成分よりなる混合物から、1成分又はそれ以上
の特定成分を晶析分離するにあたり、 (1) 上記特定成分が高圧力下において過冷却状態
になつている混合物を流動状態とし、 (2) 該特定成分からなる結晶核を発生させ、及
び/又は該結晶核を供給し、 (3) 更に流動せしめつつ核の発生及び/又は供給
時点の温度より低くならない状態に保持して結
晶の成長、増加を促進し、 (4) 得られた固液共存状態から母液を継続的に
過分離させる、 という過程からなるものである。
従つて結晶の生成及び成長が困難である混合物
であつても、容易且つ比較的短時間内に多量の大
きな結晶を得ることができるが、勿論通常の混合
物に適用しても、固相の増加、成長がより良好に
なる訳で、本発明の適用対象は全く制限されな
い。従つて以下本発明の構成及び作用効果を順次
説明していくが、下記説明及び特許請求の範囲に
記載した実施態様は本発明を制限する主旨のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して変更実施する
ことは、本発明の技術的範囲に属することであ
る。尚加圧下で晶析する方法として、Hessの提
案がある(米国特許第2816938号)。この方法は、
混合物の液相を加圧冷却し、固体を生ぜしめた
後、潜熱を除去しつつ、更に温度を下げて固体を
増加させた後、液相を分離するものである。これ
に対し過冷却状態から固相を発生せしめ、それよ
り高温の条件下で処理する当方法は、後記の如き
様々な長所をもつており全く、新らしい発明であ
る。
であつても、容易且つ比較的短時間内に多量の大
きな結晶を得ることができるが、勿論通常の混合
物に適用しても、固相の増加、成長がより良好に
なる訳で、本発明の適用対象は全く制限されな
い。従つて以下本発明の構成及び作用効果を順次
説明していくが、下記説明及び特許請求の範囲に
記載した実施態様は本発明を制限する主旨のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して変更実施する
ことは、本発明の技術的範囲に属することであ
る。尚加圧下で晶析する方法として、Hessの提
案がある(米国特許第2816938号)。この方法は、
混合物の液相を加圧冷却し、固体を生ぜしめた
後、潜熱を除去しつつ、更に温度を下げて固体を
増加させた後、液相を分離するものである。これ
に対し過冷却状態から固相を発生せしめ、それよ
り高温の条件下で処理する当方法は、後記の如き
様々な長所をもつており全く、新らしい発明であ
る。
第2図は本発明の実施に好適な装置を概念的に
示す説明図で、増圧機1、核発生器2、分離容器
3及び廃液タンク4が連設されており、これらは
適当口径の輸送管5〜10で連結される。又11
は逆止弁、12,13は圧力調整弁を示す。さて
矢印Aに沿つて供給される原液(混合物)は増圧
器1によつて加圧され管5を経て核発生器2に入
るが、元々、或は管5内において結晶核を発生し
やすい混合物の場合は核発生器2を省略し、直接
管6を経て分離容器3に至らしめてもよい。輸送
管6を経て分離容器3内に入る原液中には既に相
当量の固相が増加しているが、分離容器3内にお
いても更に結晶が成長、増大し、フイルター14
によつて固液分離される。フイルター14を通つ
た母液は、管8,9から夫々の圧力調整弁12,
13を経て管10、廃液タンク4方向に至る様に
なつているので、圧力調整弁12,13に設定さ
れた圧力よりも高い圧力になつたときにはじめて
母液が各弁12,13を通過するものであること
は当然である。
示す説明図で、増圧機1、核発生器2、分離容器
3及び廃液タンク4が連設されており、これらは
適当口径の輸送管5〜10で連結される。又11
は逆止弁、12,13は圧力調整弁を示す。さて
矢印Aに沿つて供給される原液(混合物)は増圧
器1によつて加圧され管5を経て核発生器2に入
るが、元々、或は管5内において結晶核を発生し
やすい混合物の場合は核発生器2を省略し、直接
管6を経て分離容器3に至らしめてもよい。輸送
管6を経て分離容器3内に入る原液中には既に相
当量の固相が増加しているが、分離容器3内にお
いても更に結晶が成長、増大し、フイルター14
によつて固液分離される。フイルター14を通つ
た母液は、管8,9から夫々の圧力調整弁12,
13を経て管10、廃液タンク4方向に至る様に
なつているので、圧力調整弁12,13に設定さ
れた圧力よりも高い圧力になつたときにはじめて
母液が各弁12,13を通過するものであること
は当然である。
こうして晶析及び分離が続行されると、分離容
器3内の固相量が次第に増加するが、やがて分離
容器入口圧力と出口圧力に差圧が生じ、フイルタ
ー14による固液分離が困難になり始め、フイル
ター14を通過する母液量が減少してくる。かく
して、分離容器内には相当の濃度に特定成分の固
相を含む固液共存相が得られる。さらにこれの純
度を高めるために圧搾して母液を更に分離し、固
相分率を高めてもよい。又圧搾過程において圧力
を逐次減じて結晶の一部を融解し、液相を順次分
離するのは1つの効果的精製法である。又、液相
を第3の物質で置換してもよい。又、更にそのま
ま減圧、又は加熱して得られた製品物質を再び、
この技術で又は他の方法で精製してもよい。この
場合出発原料に比して特定成分の濃度は非常に高
まつているので、他の精製方法も利用しやすくな
つている。
器3内の固相量が次第に増加するが、やがて分離
容器入口圧力と出口圧力に差圧が生じ、フイルタ
ー14による固液分離が困難になり始め、フイル
ター14を通過する母液量が減少してくる。かく
して、分離容器内には相当の濃度に特定成分の固
相を含む固液共存相が得られる。さらにこれの純
度を高めるために圧搾して母液を更に分離し、固
相分率を高めてもよい。又圧搾過程において圧力
を逐次減じて結晶の一部を融解し、液相を順次分
離するのは1つの効果的精製法である。又、液相
を第3の物質で置換してもよい。又、更にそのま
ま減圧、又は加熱して得られた製品物質を再び、
この技術で又は他の方法で精製してもよい。この
場合出発原料に比して特定成分の濃度は非常に高
まつているので、他の精製方法も利用しやすくな
つている。
そしてこれらの固体は、全量を融解し液相とし
て系外に取出すこともできるが経済的見地よりす
れば、減圧しても融解しない固相部分は全量を固
相として取出す方が好ましい。尚特定物質が固相
として取出された場合は、これを発汗晶析又は溶
媒洗浄で一層純度を高めることができる。
て系外に取出すこともできるが経済的見地よりす
れば、減圧しても融解しない固相部分は全量を固
相として取出す方が好ましい。尚特定物質が固相
として取出された場合は、これを発汗晶析又は溶
媒洗浄で一層純度を高めることができる。
再び第1図に戻つて本工程の手順を説明すると
下記のとおりである。出発原液の組成が線b上で
晶析を開始するものとし、点Aの温度(常圧)か
ら加圧し始めるとすると、まず線b上の点Cまで
は圧縮熱によつて昇温するが、その後更に加圧す
ると、固化の進行並びにそれに伴なう発熱が加わ
つて線c上の点Dに達する。しかし原液混合物が
高粘度であつたり、核が発生しにくい物質であつ
たり、結晶の成長しにくい状況では、線b上で核
が生じず、Bに至り、所謂過冷却現象になること
が多い。この状態は固化に伴なう発熱量が零であ
り圧縮熱による昇温がみられるだけである。
下記のとおりである。出発原液の組成が線b上で
晶析を開始するものとし、点Aの温度(常圧)か
ら加圧し始めるとすると、まず線b上の点Cまで
は圧縮熱によつて昇温するが、その後更に加圧す
ると、固化の進行並びにそれに伴なう発熱が加わ
つて線c上の点Dに達する。しかし原液混合物が
高粘度であつたり、核が発生しにくい物質であつ
たり、結晶の成長しにくい状況では、線b上で核
が生じず、Bに至り、所謂過冷却現象になること
が多い。この状態は固化に伴なう発熱量が零であ
り圧縮熱による昇温がみられるだけである。
本工程では、B点で過飽和状態にある混合物に
種結晶を発生又は供給し、更に該混合物に流動を
与えることにより、結晶表面を覆つている他の成
分を高濃度に含む母液の拡散を促進させ、結晶を
成長増加させる。したがつて第1図において、混
合物はB点から、結晶成長による潜熱の発生によ
り昇温し、圧力P1における飽和の状態Dに近づ
く。このB→Dを速やかに進行させるために、流
動が必要である。
種結晶を発生又は供給し、更に該混合物に流動を
与えることにより、結晶表面を覆つている他の成
分を高濃度に含む母液の拡散を促進させ、結晶を
成長増加させる。したがつて第1図において、混
合物はB点から、結晶成長による潜熱の発生によ
り昇温し、圧力P1における飽和の状態Dに近づ
く。このB→Dを速やかに進行させるために、流
動が必要である。
従つて例えば第2図において、増圧機1による
加圧のみで、又は流動の過程で必要量の核が発生
する場合には、核発生器2を使用しなくともよ
い。そして生成した結晶核を含む原液は、輸送管
5,6を流れて分離容器3内に入るが、核に近接
する飽和の母液は、輸送管5,6中を流れ他の液
と交換し、他の成分が拡散する。その為核は絶え
ず過飽和の母液と接触しつつ急速に成長し、更に
分離容器3内でわずかな流動が与えられて熟成さ
れ、フイルター14での分離効率が良好になる。
加圧のみで、又は流動の過程で必要量の核が発生
する場合には、核発生器2を使用しなくともよ
い。そして生成した結晶核を含む原液は、輸送管
5,6を流れて分離容器3内に入るが、核に近接
する飽和の母液は、輸送管5,6中を流れ他の液
と交換し、他の成分が拡散する。その為核は絶え
ず過飽和の母液と接触しつつ急速に成長し、更に
分離容器3内でわずかな流動が与えられて熟成さ
れ、フイルター14での分離効率が良好になる。
これに対し、加圧だけでは核が発生せず、或は
発生しても不十分である場合には、第2図に示す
如く核発生器2を配設する。核発生器の機構や構
成は本発明を限定するものではないが、代表的な
ものを例示したのが第3〜5図である。即ち第3
図は、輸送中の過飽和液に特定成分の結晶を核と
して供給する方法の一例を示すもので、例えば高
圧輸送管5の一部に側管5′を付設したもので、
冷却配管5″は省略してもよい。そして側管5′内
には特定成分の種結晶16が充填され、その先端
部は輸送管5に臨んで露出している。従つて種結
晶16の先端部では絶えず結晶が成長しており、
液の流れで破断して液と共に流れ、これが成長す
る。第4図は輸送中の過飽和溶液を冷却して核の
生成を促進する方法の一例を示すもので、例えば
輸送管5の拡大部5a内に冷却器17を設けたも
ので、冷却器17の表面に接した部分から種結晶
が発生していく。最後に第5図は輸送中の過飽和
溶液を撹拌して核の生成を促進する方法の一例を
示すもので、例えば輸送管5内に抵抗翼18を配
置し、原液に乱流を生じさせることによつて種結
晶を発生させる。これらの図例は単なる代表例に
過ぎず、設計を変更したり、これらを組合わせて
実施することも可能であり、場合によつては少量
のスラリーを逐次且つ継続的に輸送管中へ圧入す
る方法も採用できる。
発生しても不十分である場合には、第2図に示す
如く核発生器2を配設する。核発生器の機構や構
成は本発明を限定するものではないが、代表的な
ものを例示したのが第3〜5図である。即ち第3
図は、輸送中の過飽和液に特定成分の結晶を核と
して供給する方法の一例を示すもので、例えば高
圧輸送管5の一部に側管5′を付設したもので、
冷却配管5″は省略してもよい。そして側管5′内
には特定成分の種結晶16が充填され、その先端
部は輸送管5に臨んで露出している。従つて種結
晶16の先端部では絶えず結晶が成長しており、
液の流れで破断して液と共に流れ、これが成長す
る。第4図は輸送中の過飽和溶液を冷却して核の
生成を促進する方法の一例を示すもので、例えば
輸送管5の拡大部5a内に冷却器17を設けたも
ので、冷却器17の表面に接した部分から種結晶
が発生していく。最後に第5図は輸送中の過飽和
溶液を撹拌して核の生成を促進する方法の一例を
示すもので、例えば輸送管5内に抵抗翼18を配
置し、原液に乱流を生じさせることによつて種結
晶を発生させる。これらの図例は単なる代表例に
過ぎず、設計を変更したり、これらを組合わせて
実施することも可能であり、場合によつては少量
のスラリーを逐次且つ継続的に輸送管中へ圧入す
る方法も採用できる。
上記方法を採用すれば、輸送管中での撹拌効果
により、過飽和をすみやかに解消する方向で核の
生成及び成長が進行する。
により、過飽和をすみやかに解消する方向で核の
生成及び成長が進行する。
本発明にいう流動は、固化の進行を促進させる
ための操作である。流動による固相量の増加過程
では前述の如く母液の拡散による結晶成長の促進
により固相量を増加させることが、後段に続く
過分離工程における結晶の回収量を低下させない
ためにも好ましいが、流動による2次核発生によ
る固相量の増加を伴なう場合も多い。過分離工
程での結晶回収量を低下させても短時間に処理す
ることが好ましい場合には後者による固相量の増
加を図ることも可能である。一般には2次核の発
生を抑制し結晶成長のみを促進させることが好ま
しく流動の速度は大とすべきではない。前述の如
く2次核の発生による固相の増加が問題とならな
い場合には流動の速度を大きくすれば良く、流動
の速度は第2図における増圧器1の容量、配管
5,6の径を選択することにより容易に任意の値
とすることができる。
ための操作である。流動による固相量の増加過程
では前述の如く母液の拡散による結晶成長の促進
により固相量を増加させることが、後段に続く
過分離工程における結晶の回収量を低下させない
ためにも好ましいが、流動による2次核発生によ
る固相量の増加を伴なう場合も多い。過分離工
程での結晶回収量を低下させても短時間に処理す
ることが好ましい場合には後者による固相量の増
加を図ることも可能である。一般には2次核の発
生を抑制し結晶成長のみを促進させることが好ま
しく流動の速度は大とすべきではない。前述の如
く2次核の発生による固相の増加が問題とならな
い場合には流動の速度を大きくすれば良く、流動
の速度は第2図における増圧器1の容量、配管
5,6の径を選択することにより容易に任意の値
とすることができる。
ところで通常の冷却晶析工程においては、混合
物の温度を逐次下げながら固化を進め、固化によ
つて生じる晶析熱を系外に放散しつつ温度を更に
低下させている。その為特定の冷却器を使用しな
ければならないが、冷却器には特定成分の固体が
多量に付着し、スケールとなつて熱伝導を妨げる
という問題がある。従つてスケール除去の為に掻
落し機構等が必要になり、装置全体を高価なもの
にしていた。
物の温度を逐次下げながら固化を進め、固化によ
つて生じる晶析熱を系外に放散しつつ温度を更に
低下させている。その為特定の冷却器を使用しな
ければならないが、冷却器には特定成分の固体が
多量に付着し、スケールとなつて熱伝導を妨げる
という問題がある。従つてスケール除去の為に掻
落し機構等が必要になり、装置全体を高価なもの
にしていた。
これに対し本発明の晶析法では、理想的な断熱
条件下においてむしろ昇温しつつ固化が進むの
で、工業的意味においても、全ての固化熱を必ず
しも外部に除去する必要がなく、装置が安価にな
る。従つてA,B,Dの各点の温度にもよるが、
各輸送管5,6を断熱材で覆う程度で本発明の目
的は十二分に達成されることも多い。尚固化熱を
放出しなくとも結晶は巨大化するが、若干の放熱
又は冷却を行なつて固化を助長してもよく、これ
らはいずれも本発明に含まれる。この放熱冷却
は、少なくとも核発生又は供給時点の温度以下に
ならないことが好ましい。又分離容器内で固化が
進行熟成するために次第に昇温する時など放熱が
不可欠なこともある。いずれにしろ分離容器の温
度は上記の範囲で妥当な値に保持される。
条件下においてむしろ昇温しつつ固化が進むの
で、工業的意味においても、全ての固化熱を必ず
しも外部に除去する必要がなく、装置が安価にな
る。従つてA,B,Dの各点の温度にもよるが、
各輸送管5,6を断熱材で覆う程度で本発明の目
的は十二分に達成されることも多い。尚固化熱を
放出しなくとも結晶は巨大化するが、若干の放熱
又は冷却を行なつて固化を助長してもよく、これ
らはいずれも本発明に含まれる。この放熱冷却
は、少なくとも核発生又は供給時点の温度以下に
ならないことが好ましい。又分離容器内で固化が
進行熟成するために次第に昇温する時など放熱が
不可欠なこともある。いずれにしろ分離容器の温
度は上記の範囲で妥当な値に保持される。
次に過分離工程を述べる。十分に巨大化した
結晶はフイルター14の網目にかかりフイルター
14を通過しないから、分離容器3内に蓄積され
るが、容器8内では更に結晶の熟成が進むので、
容器3内において所定の飽和溶液が得られる場合
には、分離容器3は結晶の蓄積容器としても利用
されるし、過飽和である場合には、フイルター1
4近傍に蓄積した結晶に接触しつつこれを巨大化
して目からが飽和の方向に変り、やはり結晶の蓄
積機能を果すことになる。こうして分離容器3内
の固相比率が高まるにつれて、当然ながら過抵
抗が高まつてくる。そこで前述の如き圧搾や、或
は一部融解によつて母液通路を開放しながらの圧
搾等を適宜組合わせて行なえば、固相中の特定成
分の純度は一層高いものになる。尚この圧搾を分
離容器3内で行なわず、いつたん減圧してスラリ
ー化し、又は全部を融解して液相とし、他の圧搾
専用室に移した後に加圧して固相量を増加させて
から圧搾する方法を採用することもできる。この
場合には処理する混合物中の特定成分が高められ
ているので、加圧により発生、増加する結晶粒は
大きく、かつ固化の進行も比較的速い。或は分離
容器3内の固体リツチ混合物(固相)を更に加圧
晶析させて、母液中の特定成分を更に晶析させる
方法も本発明に含まれ、これら分離手段の如何は
本発明を拘束するものではない。
結晶はフイルター14の網目にかかりフイルター
14を通過しないから、分離容器3内に蓄積され
るが、容器8内では更に結晶の熟成が進むので、
容器3内において所定の飽和溶液が得られる場合
には、分離容器3は結晶の蓄積容器としても利用
されるし、過飽和である場合には、フイルター1
4近傍に蓄積した結晶に接触しつつこれを巨大化
して目からが飽和の方向に変り、やはり結晶の蓄
積機能を果すことになる。こうして分離容器3内
の固相比率が高まるにつれて、当然ながら過抵
抗が高まつてくる。そこで前述の如き圧搾や、或
は一部融解によつて母液通路を開放しながらの圧
搾等を適宜組合わせて行なえば、固相中の特定成
分の純度は一層高いものになる。尚この圧搾を分
離容器3内で行なわず、いつたん減圧してスラリ
ー化し、又は全部を融解して液相とし、他の圧搾
専用室に移した後に加圧して固相量を増加させて
から圧搾する方法を採用することもできる。この
場合には処理する混合物中の特定成分が高められ
ているので、加圧により発生、増加する結晶粒は
大きく、かつ固化の進行も比較的速い。或は分離
容器3内の固体リツチ混合物(固相)を更に加圧
晶析させて、母液中の特定成分を更に晶析させる
方法も本発明に含まれ、これら分離手段の如何は
本発明を拘束するものではない。
以上の説明で本発明の概要は明白になつたが、
本発明の効果を一層高いものにする為の手段等に
ついての補足説明を加える。
本発明の効果を一層高いものにする為の手段等に
ついての補足説明を加える。
(1) 第2図では、増圧機1によつて過飽和状態を
得ると述べたが、加圧の前後に原液を冷却して
過飽和状態を助成してもよいことは当然であ
る。しかしこの冷却は、原液の大部分が過飽和
であるが、きわめて部分的に若干の核が発生す
る状態に留めるべきで加圧と冷却によつて全量
固化させるものでないことは本発明の要旨に徴
して当然である。
得ると述べたが、加圧の前後に原液を冷却して
過飽和状態を助成してもよいことは当然であ
る。しかしこの冷却は、原液の大部分が過飽和
であるが、きわめて部分的に若干の核が発生す
る状態に留めるべきで加圧と冷却によつて全量
固化させるものでないことは本発明の要旨に徴
して当然である。
(2) 輸送管5,6等に固相が蓄積してこれらを閉
塞した場合には、管内の圧力特に閉塞部の下流
側における圧力を減じてこの固相を融解すれば
よく場合によつては配管等の部分的加熱を行な
つてもよい。閉塞事故が解消した後は再び圧力
に戻して晶析操作を再開するが、同じ轍を踏ま
ない為やや低いめの圧力で続行してもよい。
塞した場合には、管内の圧力特に閉塞部の下流
側における圧力を減じてこの固相を融解すれば
よく場合によつては配管等の部分的加熱を行な
つてもよい。閉塞事故が解消した後は再び圧力
に戻して晶析操作を再開するが、同じ轍を踏ま
ない為やや低いめの圧力で続行してもよい。
(3) 核発生後の装置例えば輸送管6や分離容器3
は結晶の増加に伴なう発熱の影響を長時間且つ
連続的に受け、却つて結晶の成長を妨げること
もあるので、積極的にこれらを冷却して、結晶
成長に好適な温度を確保することが奨められ
る。尚冷却においては、核発生又は種結晶注入
前の混合物の温度以下に冷却する必要はない。
は結晶の増加に伴なう発熱の影響を長時間且つ
連続的に受け、却つて結晶の成長を妨げること
もあるので、積極的にこれらを冷却して、結晶
成長に好適な温度を確保することが奨められ
る。尚冷却においては、核発生又は種結晶注入
前の混合物の温度以下に冷却する必要はない。
(4) 分離容器3内における過の初期において
は、フイルター14から微粒の結晶が流出し、
或は過飽和のままの母液が流出することもあ
る。そこで再加圧・再冷却し、又はそのままの
圧力・温度を維持した状態で輸送管内を流動さ
せつつ第2の分離容器に導びき、その間に結晶
の生成及び成長を促進させる方法、或第1の分
離容器3に循環させる方法等が推奨される場合
もある。
は、フイルター14から微粒の結晶が流出し、
或は過飽和のままの母液が流出することもあ
る。そこで再加圧・再冷却し、又はそのままの
圧力・温度を維持した状態で輸送管内を流動さ
せつつ第2の分離容器に導びき、その間に結晶
の生成及び成長を促進させる方法、或第1の分
離容器3に循環させる方法等が推奨される場合
もある。
(5) 分離容器内の過抵抗が高まり過分離が困
難になつたときには、圧搾法の他、フイルター
通過後の排出液圧を下げる方法を採用してもよ
い。この方法を採用すると、容器3内に充満さ
れた結晶の一部特に微粒結晶が融解し母液の通
過が容易になる。また、分離容器内の圧力を一
時的に減圧しフイルター部に固着した固相の一
部を融解し母液の通過を容易にすることもでき
る。母液の通過が容易になつたら元の圧力又は
それ以下の圧力に加圧し、母液を分離すれば良
い。更に通過した母液は前項(4)で処理してもよ
い。
難になつたときには、圧搾法の他、フイルター
通過後の排出液圧を下げる方法を採用してもよ
い。この方法を採用すると、容器3内に充満さ
れた結晶の一部特に微粒結晶が融解し母液の通
過が容易になる。また、分離容器内の圧力を一
時的に減圧しフイルター部に固着した固相の一
部を融解し母液の通過を容易にすることもでき
る。母液の通過が容易になつたら元の圧力又は
それ以下の圧力に加圧し、母液を分離すれば良
い。更に通過した母液は前項(4)で処理してもよ
い。
(6) フイルターから流出する母液の温度と圧力
を、特定物質と他の物質との共晶条件以上にす
る。この条件は、共晶の過冷却又は他の物質の
過飽和に相当し、母液中の特定成分が共晶組成
以下になる方向へ固相成長する様に促すことが
できる。すなわち、特定成分の回収量を増加さ
せることができる。
を、特定物質と他の物質との共晶条件以上にす
る。この条件は、共晶の過冷却又は他の物質の
過飽和に相当し、母液中の特定成分が共晶組成
以下になる方向へ固相成長する様に促すことが
できる。すなわち、特定成分の回収量を増加さ
せることができる。
(7) 分離された母液中には、特定成分の微粒結晶
が尚含まれていることがある。この場合は母液
を更に冷却し又は加圧して晶析してもよいが、
これらの大部分をいつたん融解してから冷却又
は加圧して晶析すれば更に良好な結果が得られ
る。
が尚含まれていることがある。この場合は母液
を更に冷却し又は加圧して晶析してもよいが、
これらの大部分をいつたん融解してから冷却又
は加圧して晶析すれば更に良好な結果が得られ
る。
(8) 本発明で使用される原液は、いつたん他の方
法で固液分離された残りの母液であつてもよ
い。
法で固液分離された残りの母液であつてもよ
い。
本発明は以上の如く構成されているので、固化
が進行し難かつたり、進行しても結晶が微粒状で
ある様な場合であつても、経済的な方法によつて
容易且つ短時間内に結晶の生成及び成長を促進し
且つ大きな結晶として固化分離することができ
る。
が進行し難かつたり、進行しても結晶が微粒状で
ある様な場合であつても、経済的な方法によつて
容易且つ短時間内に結晶の生成及び成長を促進し
且つ大きな結晶として固化分離することができ
る。
第1図は状態図、第2図は本発明の概要を示す
工程説明図、第3〜5図は核発生器の代表例を示
す概略断面図である。 1……増圧機、2……核発生器、3……分離容
器、5,6,8,9,10……輸送管。
工程説明図、第3〜5図は核発生器の代表例を示
す概略断面図である。 1……増圧機、2……核発生器、3……分離容
器、5,6,8,9,10……輸送管。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 2成分又はそれ以上の成分よりなる混合物か
ら、1成分又はそれ以上の特定成分を晶析して分
離する方法であつて、上記特定成分が高圧下にお
いて過冷却状態になつている混合物を流動状態と
し、上記特定成分からなる結晶核の発生及び/又
は供給後、更に流動せしめて核発生及び/又は供
給直前の各温度より低くならない状態で上記特定
成分結晶を成長、増加させ、得られた固液共存物
から母液を継続的に過分離することを特徴とす
る高圧力利用の流動晶析分離法。 2 母液の継続的過分離過程において、固液共
存物の圧力を一時的に低下させ、固相を一部融解
して母液の過を容易にしつつ過分離する特許
請求の範囲第1項記載の分離法。 3 母液の継続的過分離過程において、固液共
存物の圧力を段階的に少なくとも1回低下させ、
固相を一部融解して母液の過を容易にしつつ
過分離する特許請求の範囲第1項記載の分離法。 4 母液の継続的過分離過程において、固液共
存物の圧力を連続的に低下させ、固相を一部融解
して母液の過を容易にしつつ過分離する特許
請求の範囲第1項記載の分離法。 5 流動状態にある混合物への特定成分結晶核の
供給は、前記特定成分の安定域に保持された前記
特定成分の結晶を、上記混合物に接触させて行な
う特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の
分離法。 6 2成分又はそれ以上の成分よりなる混合物か
ら、1成分又はそれ以上の特定成分を晶析して分
離する方法であつて、上記特定成分が高圧力下に
おいて過冷却状態になつている混合物を流動状態
とし、上記特定成分からなる結晶核の発生及び/
又は供給後、更に流動せしめて上記特定成分結晶
を成長させ、増加させ、得られた固液共存物から
母液を継続的に過分離し、固相比率が増加した
状態で更にこれを圧搾分離することを特徴とする
高圧力利用の流動晶析分離法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP257478A JPS5495975A (en) | 1978-01-12 | 1978-01-12 | Separating method by fluidized crystallization utilizing high pressure |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP257478A JPS5495975A (en) | 1978-01-12 | 1978-01-12 | Separating method by fluidized crystallization utilizing high pressure |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5495975A JPS5495975A (en) | 1979-07-28 |
JPS6112725B2 true JPS6112725B2 (ja) | 1986-04-09 |
Family
ID=11533135
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP257478A Granted JPS5495975A (en) | 1978-01-12 | 1978-01-12 | Separating method by fluidized crystallization utilizing high pressure |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5495975A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0256465U (ja) * | 1988-10-14 | 1990-04-24 |
-
1978
- 1978-01-12 JP JP257478A patent/JPS5495975A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0256465U (ja) * | 1988-10-14 | 1990-04-24 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5495975A (en) | 1979-07-28 |
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