JP2620584B2 - 凍結濃縮装置及び方法 - Google Patents

凍結濃縮装置及び方法

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JP2620584B2
JP2620584B2 JP63240649A JP24064988A JP2620584B2 JP 2620584 B2 JP2620584 B2 JP 2620584B2 JP 63240649 A JP63240649 A JP 63240649A JP 24064988 A JP24064988 A JP 24064988A JP 2620584 B2 JP2620584 B2 JP 2620584B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水溶液の凍結収縮のための連続、向流式装置
及び方法に関する。更に詳述すると、本発明は果物ジユ
ース、コーヒーおよび冷水可溶の茶抽出物、牛乳、葡萄
酒、ビール、酢などのような飲料の凍結濃縮に関するも
ので、統計濃度中に形成した氷結晶の周囲の液の粘度を
低下させる改良装置及び方法を用いて、氷結晶中に吸蔵
された液体の除去を容易にし、かつ系内の氷結晶の成長
を促進するものである。
凍結濃縮方法とは、水溶液をその凍結温度に下げるこ
とによつて形成され氷結晶が形成するにつれて溶質から
分離し、純粋の氷晶となり、より濃縮された液体があと
に残るという原理に基づくものである。凍結濃縮は数多
くの商業的方法に使用されているが、一つには、例えば
海水の脱塩、工業廃棄物の処理などのように製品として
氷結晶を回収し、純粋を得ようとするものであり、他と
しては、例えばコーヒーまたは茶抽出物、蜜柑類のジユ
ース、果物ジユース、牛乳、葡萄酒、ビール、酢などの
ような飲料溶液又は懸濁液を濃縮する場合のように、製
品として濃厚液を回収しようとするものがある。
所望の製品が、氷結晶であれ、濃厚液であれ、凍結濃
縮は、水が氷結晶として析出するまで水溶液を冷却する
工程、濃厚液から生成氷結晶を分離する工程、吸蔵され
た液を結晶から除去する工程、及び系から氷結晶を取り
出す工程から基本的には構成される。連続凍結濃縮方法
においては、濃縮さるべき溶液は幾つかのサイクル又は
状態を通つて次第に濃縮され、遂に所望の濃縮度に達す
る。氷結晶が形成されて、溶液が次第に濃縮されていく
と、より濃縮された液は、粘度がより高くなり、従つて
氷結晶から液を除くことがより困難になつてくる。更
に、氷の結晶速度は周囲の液体の濃度に逆比例している
ので、溶液の濃度が比較的高い時には生成氷結晶は比較
的小さくなる。このために、氷結晶から液を除くことが
更に困難となる。つまり、吸蔵液を除くのは、大きい結
晶からよりは小さな結晶からのほうが困難であるからで
ある。
氷結晶の表面に付着している液体の除去工程こそは、
全ての凍結濃縮方法において効率的操作を行うに当たつ
て最も律速的な工程である。結晶に付着している液体を
除去するための最も効率的な手段は、氷結晶を充填した
床を水で洗つて氷結晶に吸蔵された液を除去する洗浄塔
が一般的である。洗浄塔の効率は、付着液の粘度に逆比
例し、有効結晶径に正比例する。従つて、結晶からの吸
蔵液除去を容易にするためには、氷結晶の周りの液の粘
度を低下させるのが好ましい。この目的を達成するのに
これまで用いられてきた方法の一つは、氷結晶が形成さ
れる結晶槽と氷結晶が浄化される洗浄塔との間に、濃縮
さるべき液を導入して、系内にては溶液と氷結晶との向
流状態を作ることである。
従来の技術においては、凍結濃縮装置における液体と
氷結晶とのこのような向流状態に関して数多くの文献が
開示されている。例えば、1973年9月に英国のセルスド
ン パーク(Selsdon Park)において国際食品科学技術
連合が主催した、脱水と予備濃縮における進歩に関する
シンポジウムに於いて発表されたスイジセン(Thijsse
n,H.A.C.)の論文「凍結濃縮」には、凍結濃縮装置に於
ける液と氷結晶との向流操作の原理が開示されており、
結晶槽と洗浄塔との間に供給液を導入することによつて
得られる利点が記載されている。同様に、アーノルド
(Arnold)の米国特許第2,540,977号明細書、シヤウル
(Shaul)の米国特許第3,402,047号明細書、フーバー
(Huber)らの米国特許第3,681,932号明細書、スイジセ
ン(Thijssen)らの米国特許第4,338,109号明細書及び
第4,332,140号明細書、ローベル(Wrobel)らの米国特
許第4,406,679号明細書、バン ペルト(van Pelt)ら
の米国特許第4,459,144号明細書、及びバン ペルト(v
an Pelt)らの米国特許第4,557,741号明細書にはそれぞ
れ連続凍結濃縮プロセスが開示されており、これらにお
いては氷結晶と液との向流操作の変形法が用いられてい
る。しかしながら、これらの従来的装置及び方法のそれ
ぞれには、商業的運転においてその効果と効率とに悪影
響を与える欠点も一つとならず、見出されるのである。
本発明は、系内に形成した氷結晶の周囲の液の粘度を
低下させ、結晶の表面に吸蔵された液体の除去を容易に
し、かつ氷結晶の成長を促進する連続向流式凍結濃縮装
置及び方法を提供するものである。本発明においては、
濃縮さるべき水溶液は一段またはそれ以上の段数の濃縮
工程を通過する。各濃縮段には、勾配管が組み合わされ
た結晶槽、及び勾配管から抜き出された液が結晶槽を経
て再び勾配管に循環される液循環回路が含まれる。各段
の結晶槽の液から氷が結晶し、液の濃度が上昇する。各
段に生成した氷はその段の勾配管に導入され、濃縮さる
べき液の流れに向流になるような方向に移動する。かく
いて、各段の結晶槽で生成した氷結晶は液から分離さ
れ、その段の勾配管において沢山の氷結晶が集まつた隙
間のある移動床となる。この氷の床の結晶の表面に吸蔵
された液は、より希薄な液の向流接触によつて除去され
る。このより希薄な液を吸蔵した氷結晶は、氷の床から
抜き出され、前段の結晶槽から循環される、より希薄な
液のほうへと、つまり洗浄塔へと移動される。本発明は
一段系としても多段系としても操作することが可能であ
るが、二段系として操作するのが一般には好ましい。
好ましい二段系においては、二段の濃縮工程が用いら
れ、二基の勾配管(各塔には氷の結晶が集まつた隙間の
ある移動床が形成される)、各勾配管に付属する結晶
槽、及び一基の洗浄塔が含まれる。液循環回路が設けら
れ、各濃縮段の結晶槽周りと第一濃縮段と洗浄塔との間
に液を循環する。原料液、即ち濃縮さるべき水溶液で、
典型的には約2%〜20%の固体濃度を有している液は、
第一濃縮液で濃縮され、中間濃度(即ち、固体10%〜30
%)の液が生成する。濃厚液もしくは重液(即ち、固体
36%〜50%)は第二濃縮要素で生成する。この重液の一
部は第二濃縮要素から製品として取り出される。
氷結晶は両濃縮要素に付設している結晶槽にて生成さ
れる。第二段結晶槽にて生成した氷には濃厚液または重
液が吸蔵されている。重液/氷スラリーは、第二段勾配
管へ導入され、スラリーの氷部分は氷結晶が集まつた隙
間のある床となり、これら氷結晶は中間濃度の液の流れ
と向流的に勾配管の中を上昇する。この中間濃度液は第
一段勾配管から濾液として得られたもので、氷の床を浸
出して行く。第二段勾配管において氷の床の氷結晶の表
面に付着している重液は、氷の床が塔を上昇して行くに
つれて、中間濃度液の向流流れによつて置換される。ス
ラリーの液部分は、第二段結晶槽へ戻される。一方、重
液が置換されて取り除かれた氷は、第二段勾配管の氷の
床から取り出され、中間濃度液の中に移動される。この
スラリーは、ついで第一段結晶槽に導入され、氷が更に
生成する。第一段結晶槽にて生成した氷/中間濃度液ス
ラリーは、第一段勾配管へ導入される。このスラリーの
氷部分は、中間濃度の液が付着しているが、氷結晶が集
まつた隙間のある氷の床を形成する。この氷の床は、原
料濃度の液流れと向流的に上昇して行く。第一段勾配管
へ導入されたスラリーの液部分は氷から分離され、第二
段勾配管へ導入される。この液は、第二段勾配管におい
て、氷の床の氷結晶に吸蔵されている重液を置換するた
め、又氷床から取り出された氷結晶を第一段結晶槽へ運
ぶために用いられる。第一段勾配管においては、氷結晶
に吸蔵されていた中間濃度の液が、向流に流れる原料濃
度の液と接触して置換除去される。中間濃度液が原料濃
度液と置換された氷結晶は、氷の床から取り出され、原
料濃度の液へ運ばれ、さらに洗浄塔へ導入される。洗浄
塔では、氷床を圧縮し、更に氷の成長に要する期間を与
えた後、吸蔵されていた原料濃度液が氷結晶からきれい
な水で置換除去される。取り除かれた原料濃度の液は、
第一段勾配管へ循環される。
本発明は、例えば、果物ジユース、コーヒーおよび冷
水可溶の茶抽出物、牛乳、ビール、葡萄酒、酢などの濃
縮の場合のように、希薄溶液の濃度を濃くして、製品と
して濃縮母液を回収しようとする凍結濃縮操作に特に適
用し得るものである。本発明は、例えば、海水の脱塩、
工業廃棄物の精製などの場合のように、製品として純水
を得ようとする凍結濃縮操作にも適用し得るものであ
る。
本発明の凍結濃縮装置及び方法は、従来技術の装置及
び方法と比較して顕著な利点を有する。本発明によれ
ば、氷結晶から重液及び中間濃度液を効率的に置換除去
することができ、また短い時間の間に比較的大きな結晶
の成長をもたらすことが容易である。結晶成長に要する
時間は、結晶成長が原料液の濃度にて起こるので、格段
に減少する。比較的大きな結晶が得られるので、氷の洗
浄が効率的に行われ、洗浄塔の効率が高くなり、結果と
して、装置内の溶質損失が顕著に減少する。
さて、第1図を参照する。第1図は、本発明の向流式
凍結濃縮装置を概略的に示すもので、一般に10及び12と
して示す二段の濃縮工程を有する。これら濃縮工程には
共に勾配管及び結晶槽が付設されている。本発明は、所
望の濃度を達成するのに必要かつ適当ならば、ただ一段
の濃縮工程にても、あるいは二段以上の濃縮工程にても
用いられ得ることが理解されよう。濃縮さるべき(ある
いは水が回収されるべき)水溶液は、A点から装置内に
入り、三つの循環回路手段、即ち、第一濃縮工程10と洗
浄塔25との間を原料液濃度の液を循環する原料液循環回
路14、第一濃縮工程の結晶槽周りに液を循環する中間濃
度液循環回路16、及び第二濃縮工程の結晶槽周りに濃厚
液または重液を循環する濃厚液循環回路18によつて装置
内を循環する。
第一濃縮工程10には、氷/中間濃度液スラリーが生成
する結晶槽21、及び結晶槽21にて生成した中間濃度液ス
ラリーをポンプで送り込む第一段勾配管20が含まれる。
第一段勾配管20においては、スラリーの氷部分が液から
分離され、氷結晶は氷の結晶が集まつた隙間のある床を
形成する。氷結晶に吸蔵されている中間濃度液は、原料
液循環回路14から導入される原料液と向流的に接触して
置換除去される。氷は、隙間のある床から取り出され、
循環回路14に循環している原料液へ運ばれ、洗浄塔25へ
導入される。第二濃縮工程には、氷/濃厚液または重液
スラリーが生成する結晶槽23、及び結晶槽23にて生成し
た濃厚液スラリーが送り込まれる第二段勾配管22が含ま
れる。第二段勾配管22においては、スラリーの氷部分が
重液から分離され、氷結晶は氷の結晶が集まつた隙間の
ある床を形成する。氷結晶に吸蔵されている重液は、中
間濃度液循環回路16から供給される中間濃度液と向流的
に接触して置換除去される。中間濃度液が吸蔵されてい
る氷結晶は、隙間のある床から取り出され、循環回路16
に循環している中間濃度液へ運ばれ、第一段結晶槽21へ
導入される。第二段勾配管22から排出される重液部分は
循環回路18へ入り、第二段結晶槽23を通つて、塔22へ再
導入される。イン−ライン式濾過器24が結晶槽23の下流
側にあり、濃厚液の一部をB点から装置外に取り出す。
結晶槽21及び23は共に、通過する液を効率よく冷却す
るために外部ジヤケツトに冷媒を流す手段(図示せず)
を含む従来的表面掻取式熱交換器で構成されるのが好ま
しい。結晶槽を流れる液から所定の量の氷結晶を凍結す
るために、ジヤケツトには十分な冷媒が循環されてい
る。例えば、第二段結晶槽23においては、循環回路18の
液が冷却されて十分な氷が析出し、その中を流れる液の
固体濃度は約36%〜50%、好ましくは40%〜45%と高く
なる。第一段結晶槽21においては、循環回路16の液が冷
却されて十分な氷が析出し、その中を流れる液の固体濃
度は約10%〜30%、好ましくは20%〜25%と高くなる。
所望ならば、第1図に示される一基の結晶槽21及び23の
代わりに第一濃縮工程及び第二濃縮工程の何れか又は両
方において、幾つかの従来的表面掻取式熱交換器を直列
或いは並列に接続して使用することも可能である。液を
所望の程度に冷却することができる他の形式の結晶槽も
しくは冷却器を用いることも可能である。
固体濃度約2%〜20%を有する濃縮すべき水溶液は、
A点から供給タンク26へ供給され、供給液初期冷却用の
冷却装置27を経てポンプでサージ タンク28へ送られ
る。ここで液は原料液循環回路14へ入り、洗浄塔で分離
された原料液と一緒にされる。一緒にされた原料液は、
管51を通つて冷却装置29へ入り、液はその凍結点まで冷
却され、そして第一段勾配管20の頂部へ導入される。冷
却装置27及び29は、それぞれ所望の程度に液を冷却する
ために外部ジヤケツトを冷媒を流す手段(図示せず)を
有する従来的表面掻取式熱交換器で構成され得る。供給
液をその凍結点まで冷却することができる他の好適な冷
却用機器も勿論使用可能である。
勾配管20へ導入された原料液の大部分は、原料液循環
回路14の中に残る。即ち、原料液は、入り口の管51から
管20の上部を経て排出管52及び洗浄塔25へ入り、管20の
隙間のある氷の床から取り出された氷を洗浄塔へ移動さ
せる役目を果たす。勾配管20へ導入された原料液の小部
分(装置のB点及びC点からそれぞれ抜き出される濃厚
液及び洗浄された氷の量に相当する)は、勾配管20を下
方に流れ、上昇してくる氷の隙間のある床と向流接触す
る。この氷結晶の床は、第一段結晶槽21にて生成された
氷/中間濃度液スラリーから勾配管20において形成した
ものである。さて、中間濃度液/氷スラリー(第一段及
び第二段結晶槽21及び23の両方から)は、典型的には氷
を約25重量%未満含有しているのであるが、管42を経て
勾配管20の底へ導入される。このスラリーの液部分は、
氷部分から分離され、管43を通つて勾配管20から排出さ
れる。このスラリーの氷部分は、中間濃度の液が吸蔵さ
れているのであるが、緩やかに詰められた隙間のある氷
結晶の床を形成し、管20の中を上昇する。上昇する氷の
床を向流的に流れる原料液は、氷結晶の表面に吸蔵され
ている、より粘度の高い中間濃度の液を追い出し、これ
を置換する。氷結晶の表面に吸蔵されている中間濃度の
液の、原料液による置換は、勾配管20の氷床の下方部
分、典型的には氷床の下から三分の一のところで達成さ
れるので、氷床の実質的に大部分のところで原料液中に
おいて氷結晶が顕著に成長することが可能になる。隙間
のある氷の床が塔中を上昇するにつれて、原料液が吸蔵
されている氷結晶は、掻いたり、切つたりして氷床の頂
部から取り出され、循環回路14に循環している原料液部
分に移動される。この循環回路によつて、管20からの氷
/原料液スラリーは洗浄塔へ送られることになる。
管20の隙間のある氷結晶の床を浸出する原料液の部分
と、氷の床から追い出された中間濃度の液とは、管20の
底へ導入されたスラリーから分離された中間濃度の液部
分と一緒にされて、循環回路16へと合流し、そして管43
を通つて第一段勾配管20から第二段勾配管22の頂部へと
運ばれる。管42に導入されたスラリーの中間濃度液部分
の濃度は、原料液の残りの部分と混ざることによつて僅
かに低くなる。しかし、本明細書の後記にて議論される
ように、氷の床の空隙率を制御することによつて、管42
に導入される中間濃度液の濃度は、氷の床を通過する原
料液の量によつては約4%以下、好ましくは1%〜3%
(絶対量基準)しか下がらない。管43から第二段勾配管
22へ導入される合流液の流れは、依然として中間濃度で
ある。
第二段勾配管22の機能と操作は、隙間のある氷の床の
氷結晶に吸蔵されている重液を置換除去するのに中間濃
度の液が使われるということを除いて、上記に記載の第
一段塔20のそれと同様である。従つて、勾配管22へ導入
された中間濃度液の大部分は、循環回路16の中に残る。
即ち、中間濃度液は、入り口の管43から塔22の上部を経
て管52を通つて結晶槽21及び第一段勾配管20へ入り、第
二段勾配管22から取り出された氷を第一段塔へ移動させ
る役目を果たす。管22へ導入された中間濃度の液の小部
分(装置のB点から抜き出される濃厚液の量及び管22へ
導入される氷の量に相当する)は、勾配管20を下方に流
れ、上昇してくる氷の隙間のある床と向流接触する。こ
の氷結晶の床は、第二段結晶槽23にて生成された氷/重
液スラリーから勾配管22において形成したものである。
結晶槽23で生成された重液/氷スラリーは、典型的には
氷を約25重量%未満含有しているのであるが、管53を経
て第二段塔22の塔底へ導入される。このスラリーの重液
部分は、氷部分から分離され、管55を通つて塔22から排
出される。このスラリーの氷部分は、重液が吸蔵されて
いるのであるが、隙間のある氷の床を形成し、塔の中を
上昇する。上昇する氷の床を下向きに流れる中間濃度の
液は、氷結晶の表面に吸蔵されている、粘度の高い重液
を追い出し、これを置換する。この置換は、塔の下方部
分のところで達成されるので、粘度がより低い中間濃度
液中において氷結晶の成長が容易に行われることにな
る。隙間のある氷の床が塔中を上昇するにつれて、中間
濃度の液が吸蔵されている氷結晶は、第二段勾配管22の
氷床の頂部から取り出され、循環回路16に循環している
中間濃度の液部分に移動される。得られたスラリーは、
塔22から第二段結晶槽21へ移動される。この結晶槽で
は、氷が液から更に析出し、液の固体濃度は僅かに高く
なつて、第一段勾配管20へ戻される。
勾配管22の隙間のある氷結晶の床を通過する中間濃度
液の部分と、氷の床から追い出された重液とは、管22の
底へ導入されたスラリーから分離された重液部分と一緒
にされて、液を結晶槽23を通して循環し塔22へ戻す循環
回路18へと合流する。氷の床の空隙率を制御することに
よつて、重液とこのように一緒にされた中間濃度の液の
量は、重液の濃度が、約10%以下、通常は約6%以下
(絶対量基準)しか下がらないように制御される。この
時、管53のスラリーの氷部分は25重量%以下である。第
二段結晶槽23を循環する液は、液の固体濃度を所望の程
度、通常は約36%〜50%へと高めるに足るに十分な氷結
晶を析出するように冷却される。濃厚液中の氷スラリー
は次いでイン−ライン濾過器24に通される。ここのB点
から濃厚液の一部は、製品として装置から取り出され、
このスラリーの残りの部分は、典型的には約10%〜25%
の氷部分を含んでいるのであるが、管53を経て第二段勾
配管22の底へ通される。
管52を経て第一段勾配管20の頂部から取り出された氷
/原料液スラリーは洗浄塔25へ導入される。洗浄塔にお
いては、氷の結晶は循環回路14の原料液の再循環によつ
て詰め込まれかつ持ち上げられる。原料液は氷充填床を
上向きに流れ、充填床の側面スクリーン31から溢流し
て、管32からサージ タンク28へと流れる。洗浄塔の下
の部分、即ち、側面スクリーンの液部分までにて顕著な
氷結晶成長が起きる。充填氷床が側面スクリーンの上に
移動するにつれて、氷に吸蔵されていた原料液は、管34
を経て洗浄塔の頂部に導入される下向きのきれいな水に
よつて置換される。きれいな氷は洗浄塔の頂部に出てく
るので、従来的手段によつてこの氷を床から掻きとり、
管33を経て加熱装置30へ送り、ここで氷を溶かす。溶解
した氷の一部は、洗浄水として使用するために管34から
洗浄塔の頂部へ循環する。洗浄に使用しない溶けた氷は
C点から系外に取り出す。
上記に記載したように、装置内における氷結晶の成長
は、第一段勾配管の上部並びに洗浄塔下部にて顕著な速
度で起こる。従つて、結果としては、径200ミクロンを
超えるような氷結晶が生成し、付着固体は僅か約0.01%
〜0.1%しか含有しないような純度の高い氷結晶が得ら
れる。
本発明の装置にはまた、例えばバルブ、モーター、ポ
ンプなどの従来的付属機器が含まれるが、本発明の説明
を簡明にする目的のため、これらを図示することも記載
することもしなかつたことが理解されよう。本発明の装
置にこのような従来的付属機器を使用することは、当業
者にとつては容易に明らかであろう。
第一段勾配管20は第2図に、より詳細に説明されてい
る。この図に示されているように、第一段勾配管20は、
その頂部及び底部がそれぞれ板56及び57で閉じられた円
筒形シエル40で出来ている。濾過スクリーン41は、底板
57の近くに管を横切つて張られている。濾過スクリーン
41は、スラリーの氷部分をスラリーの液部分から分離す
るために設けられており、好適な形式、例えばワイヤ
メツシユ スクリーン、孔あき金属板、フイルター布支
持の孔あき部材などから何でもよい。スラリー部分の分
離を容易にするために、フイルター スクリーンは径約
0.15mm〜0.30mmの開口を有しているのが望ましい。第一
段結晶槽21で生成される氷結晶/中間濃度液スラリー
は、管42からポンプで圧送されてフイルター スクリー
ン41の上表面に分配される。スラリーの液部分はスクリ
ーンを通つて下に流れ、管43を通つて第一段勾配管20を
出て、第二段勾配管22の頂部へ導入される。スクリーン
に氷がなるべく付かないように、掻きとり刃44がフイル
ター スクリーン41の上表面の直上の回転軸45に取り付
けられている。軸45は従来的モーター手段(図示せず)
によつて回転される。スクリーン41の上に乗つている氷
結晶(中間濃度の液が吸蔵されている)は、結晶槽21か
らポンプで送られてくるスラリー中の新しい氷が連続的
に導入されることと、回転する掻きとり刃44の作用が働
くこととにより管20の中を上方に移動する。一個又はそ
れ以上の個数の穿孔を有する回転円板47が、頂部板56の
近くに管を横切つて設けられていて、管の断面を実質的
に覆い、氷結晶の上方への動きを押さえ、かつ調節す
る。管の氷結晶が上方に動くことによつて、結晶は集合
体になり、集まつた氷結晶は隙間のある氷の床46とな
り、氷が次々と管42から導入されるにつれて氷の床は管
20の中を上昇していく。第3図に更に詳しく示されるよ
うに、円板47は、切断刃49のような掻取または切断手段
をその下表面に有していて、氷の床の頂部から氷を切つ
たり、掻いたりして氷の床から氷を連続的に取りだす。
円板47は、氷板の頂部から掻取られた氷が円板を通つて
上方に抜けるように、そして原料液が円板を通つて下方
に抜けて氷床に入るように十分に大きな径と数の穿孔48
を有する。他の好適な手段も勿論氷の床を押さえかつ調
節するために用いることが可能である。例えば、複数の
穿孔が開けられ下表面に刃が付けられている金属板、径
約0.2〜4cmの程度の開口を有するエクスパンドメタル
スクリーンの円板が用いられる。円板47は、従来的モー
ター手段(図示せず)によつて回転される軸50に取り付
けられていて回転するようになつている。このモーター
は、軸50と円板47とを、どんな好ましい速度でも、また
掻取り刃44の回転とも独立にでも、例えば異なつた速度
でも及び/又は同じあるいは逆の方向にでも回転させる
事が可能である。
冷却された原料液は、入口管51を経て回転円板47の上
の点において管20へ導入され、出口管52は頂部板の反対
側に設けられている。入口管51を経て勾配管20へ導入さ
れた原料液の大部分は、円板47の上で循環されていて、
氷床46の頂部から掻取られた氷結晶を管52から洗浄塔へ
運ぶ役目を果たす。原料液の残りの部分は、円板47の開
口48を通つて、上昇する氷床に向流的に下向きに流れ
る。原料液のこの部分は、隙間のある氷の床を浸透しな
がら、氷結晶に吸蔵されていた中間濃度の液を置換す
る。粘度がより高い中間濃度の液を、粘度がより低い原
料液で置換するのは、氷の床の下の方の場所、典型的に
は床の下方三分の一の所で行われる。氷床を浸透する原
料液は、フイルタースクリーン41を通過し、循環回路16
において勾配管20へポンプで送られたスラリーから分離
された中間濃度の液と一緒にされる。この一緒にされた
液(依然として中間濃度である)は、管43を経て管20か
ら取り出される。
氷の床46の圧縮の程度は、氷結晶に吸蔵されている中
間濃度の液を原料濃度の液で効果的に置換するのを容易
にするために制御される。換言すれば、集合された氷結
晶の圧縮の度合いは、床の上下方向の圧力損失が過大に
ならずに集合氷結晶の全床に対して原料液が向流的に流
れる程度に十分隙間のあるようにすることである。これ
より更に圧縮された氷床、つまり床に対する原料液の流
れが制限された床も、原料液と中間濃度液との逆混合を
防止するのに、また、氷から中間濃度の液を置換除去す
るのに依然として効果的ではある。このような、より圧
縮された床は、氷の床を通過する液量を低下し、その結
果装置の能力を低下させ、あるいは同じ能力だとすると
より高い圧力損失を必要とすることになるから一般には
好ましくはない。しかし、氷床における原料液のチヤネ
リングを防止あるいは最小限に抑えるに十分なだけは圧
縮すべきである。さもなければ、原料液と中間濃度液と
の好ましくない逆混合が結果として起こり、管43に於け
る中間濃度液の濃度を過渡に希釈することになるであろ
う。氷結晶の床は、氷の床を通過する原料液の量が装置
から取り出される濃厚液と洗浄された氷との和と量に大
略等しくなるように十分圧縮すべきである。こうする
と、管42から導入される中間濃度液の濃度は、管42のス
ラリーの氷部分が25%以下の時は、約4%(絶対量基
準)以下しか低下しない。換言すれば、管43における勾
配管排出液の濃度は、管42に於いて勾配管へ導入される
スラリーの液部分の濃度に比べて、それ以下の濃度であ
るがせいぜい4%(絶対量基準)低下するに過ぎないと
いうことである。もしも氷の床が十分に圧縮されないな
らば、原料液は床をチヤネリングしてしまい、原料液と
中間濃度液との顕著な逆混合が結果として起こり、氷か
らの中間濃度の液の置換に悪影響を与え、更には原料液
の濃度の増大(結晶成長速度の低下)さえ招いてしまう
ことになるであろう。更に、床が十分に圧縮されていな
いと、管42における中間濃度の液は希釈されてしまつ
て、好ましい程度の濃度にならない。氷結晶の床の圧縮
の度合いは、円板47の回転速度を変え、従つて床からの
氷除去の速度を変えることによつて制御するのが好まし
い。つまり、円板47の回転速度を低下させると、氷床46
の頂部から外に出る氷の量が少なくなり、従つて床の圧
縮度を増大するし、一方、回転速度を大きくすると、外
に出る氷の量が多くなり、従つて床の圧縮度を減少させ
る。氷の床の所望の圧縮度を維持するために必要な氷取
出速度は、ある程度は、次のような要因、例えば、管20
へのスラリー導入速度、スラリーの氷含有量、塔へ入る
原料液の導入速度、装置の容量、氷床の寸法などによつ
て支配されるが、当技術に熟達した者にとつては容易に
決定可能である。例えば、勾配管の氷床の高さ対直径の
比が約0.5:1〜3:1又はそれ以上である時に、満足な操作
効率を得ることが出来るのである。
第二段勾配管22は第一段勾配管20と構成に於いて似た
ものであり、管20に関連して上記に記載した全ての要素
を含むものである。第二段勾配管22は第一段勾配管20と
機能に於いて似たものであるが、相違点は次のとおりで
ある。つまり、第二段塔においては、結晶槽23において
生成された、重液が吸蔵されている氷結晶(例えば、固
体36%〜50%)が、氷結晶が集まつた隙間のある氷の床
を形成し、氷結晶に吸蔵されている重液が、循環回路16
に循環している中間濃度の液で追い出され、置換される
ということである。第二段勾配管22における氷床の圧縮
の度合いは、氷床46に関連して上記に記載の手順で制御
されるが、相違点は次のとおりである。つまり、この場
合は、氷の床の圧縮は、氷床を通過する中間濃度の液の
量が装置から抜き出される濃厚液の量プラス第二段勾配
管へ導入される氷の量に大略等しいようになされるとい
うことである。管53のスラリーの氷部分が25%以下の時
は、管53中の重液分の濃度が氷床を通過する中間濃度液
によつては約10%(絶対量基準)以下しか低下しないよ
うに、氷の床の圧縮がなされる。第二段勾配管22におい
て氷床の頂部から取り出された氷結晶は、中間濃度の液
が吸蔵されているが、循環回路16中に循環している中間
濃度液の一部分に移動され、結晶槽21を通過して第一段
勾配管20の塔底へ導入される。
第4図は、本発明の二段式凍結濃縮装置の他の実施態
様を示す。これは、第一段勾配管20と洗浄塔25とが一個
の機器に纏められたもので、一般には60として示す。他
の点においては、第4図に示される装置は第1図に示さ
れる装置に構造の点でも操作の点でも似ている。簡明に
する目的で、同じような要素を示すのには、同じ数字を
使用した。さて、この装置は二基の勾配塔20及び22、各
勾配管に関して設けられた結晶槽21及び23、及び一基の
洗浄塔25を含む。原料濃度の液(固体2%〜20%)は、
第一段にて中間濃度(固体10%〜30%)まで、そして第
二段にて重液濃度(固体36%〜50%)まで濃縮され、重
液の一部分はB点から製品として抜き出される。第一段
勾配管と洗浄塔とは一基の機器に纏られているが、依然
として第1図に記載のものと同じ機能を、同じ方法で果
たすものである。つまり、中間濃度液/氷スラリーが結
晶槽21から勾配管20のスクリーン41の上表面にポンプで
送られ、スラリーの氷部分(中間濃度の液が付着してい
る)は氷結晶が集まつた隙間のある床46を形成し、この
床は勾配管をゆつくり上昇する。A点に於いて装置内に
入る原料液は、冷却器29にてその凍結点まで冷却され、
原料液循環回路14へ入る。原料液は、穿孔回転円板47と
洗浄塔25の塔底との中間点において装置60に導入され
る。第1図に記載のように、原料液の一部は、隙間のあ
る氷の床46を下方に浸透して、氷の床が塔中を上昇する
につれて、氷の表面に吸蔵されていた中間濃度液を置換
する。原料液を吸蔵した氷結晶は、回転円板47によつて
氷結晶の床46の頂部から取り出され、循環回路14に循環
している原料液へ運ばれる。得られた氷/原料液スラリ
ーは、装置60の洗浄塔部分25へ移動され、氷結晶は、洗
浄塔、サージ タンク28及び勾配管の間の原料液の再循
環によつて詰め込まれかつ持ち上げられる。原料液は、
洗浄塔25の氷充填床を上向きに流れ、側面スクリーン31
から溢流する。きれいな氷は、洗浄塔の氷床の頂部から
掻取られ、管33に運ばれ加熱器30へと送られる。溶けた
氷の一部はC点にて装置外に取り出される。分離管20に
おける隙間のある氷床46を浸透する原料液は、管20の底
へ導入されたスラリーから分離された中間濃度の液部分
と一緒にされ、管43を経て第二段勾配管22の頂部へ移動
される。これは、第1図に関連して上記に記載した方法
と同じに機能する。
第5図は、本発明の原理を用いる一段式凍結濃縮を示
す。この装置は、勾配管20と洗浄塔25とが、一般に71と
して示される一塔に纏められているということにおいて
第4図の装置に似ているが、ただ一段の濃縮工程、即ち
勾配管20とこれに関連の結晶槽21のみを含むように変形
されたものである。第1図の要素に同じな第5図の要素
には、同じ数字を付けている。第5図の勾配管20と洗浄
塔25との構成と操作は、第4図に記載のものと同じであ
る。装置71の底の近くのフイルター スクリーン41から
濾過された液は、管74を経て、一基またはそれ以上の基
数を直列又は並列に接続した表面掻取式熱交換器へ送ら
れ、液が冷却されて十分な氷が凝固して、氷/濃厚液ス
ラリー、即ち、少なくとも約36%の固体含有量のスラリ
ーが生成する。得られたスラリーは、イン−ライン フ
イルターを通して、B点にて装置から濃厚液の一部を取
り出す。残りのスラリーは管42を経て勾配管20の底へ導
入され、スラリーの氷部分は氷結晶が集まつた隙間のあ
る床46を形成し、この床は勾配管を上昇する。この勾配
管においては、氷に吸蔵されていた濃厚液が、回転円板
47の上表面と洗浄塔25の塔底との中間点において管51を
経て装置71に導入される冷却された原料液によつて置換
除去される。原料液が付着している氷結晶は、円板47に
よつて氷床46の頂部から取り出され、管51から導入され
る原料液へと、円板を経て入る。このように取り出され
氷結晶は、原料液によつて装置71の洗浄塔部分25へと運
ばれる。
第6図は、本発明の凍結濃縮装置に使用されるのに好
適な勾配管の他の実施態様を示す。この勾配管は、一般
に80として示されるが、その頂部及び底部がそれぞれ覆
い板82及び底板83で閉じられた円筒形シエル81で出来て
いる。この実施態様においては、円筒形フイルター84、
例えばワイヤ メツシユ スクリーン、穿孔金属円筒な
どが、入口85を経て勾配管の底部へポンプで送られるス
ラリーの液部分から氷の部分を分離するのに用いられ
る。液の部分はフイルター84を外側に向かつて流れ、フ
イルターと円筒形シエル81との間に設けられた円環室86
へ入り、そこから管87を経て外部に排出される。スラリ
ーの氷結晶の部分は、管85からスラリーを連続的に導入
すること及び塔の底の近くに設けられている刃88を回転
することによつて、塔の中を上向きに動かされる。刃88
が付けられている回転軸89は従来的モーター手段90によ
つて連続的に回転される。フイルター84の上端の上で軸
89に取り付けられている穿孔回転円板91は、塔の氷結晶
の上方への動きを押さえかつ制御する。その結果、塔に
堆積した氷結晶は氷結晶が集まつた隙間のある床92を形
成する。濃度の薄い液が管93から氷床の上の塔へ導入さ
れる。濃度の薄い液の一部は、円板91の開口94を通過
し、更に、上昇してくる隙間のある氷の床を下向きに浸
透して、氷結晶に付着している、より濃厚な液を追い出
し、置換する。氷結晶から置換された濃厚液は、過剰の
薄い液と共に、濾過器84を通過し、管87から排出され
る。薄い液を付着している氷は、円板91の回転によつて
氷床の頂部から取り出され、開口94を経て円板91の上の
薄い液部分へと移動される。その結果、得られたスラリ
ーは管95を経て塔から外に流出する。
次の実施例1〜4は、第1図に表示記載の二段式装置
の操作に対する因子を示すものであり、実施例5は、第
5図に表示記載の一段式装置の操作に対するものであ
る。これの実施例はすべてコーヒー抽出水溶液の凍結濃
縮に基づいており、ここでは高さ対直径の比が0.5:1〜
3:1の隙間のある氷の床を用いた。
コーヒー抽出液以外の水溶液、例えば果物ジユース、
冷水可溶茶抽出液、牛乳、葡萄酒、ビール、酢なども、
本発明に従つて同様に濃縮することが可能なことは勿論
理解されよう。氷結晶に付着している液の分離こそ全て
の凍結濃縮装置において最も律速的な工程であること
は、当業者に周知である。本発明の装置及び方法は、一
段式操作であれ、二段式操作であれ、氷結晶の成長度を
顕著に促進することによつて実際的、効果的、かつ能率
的な吸蔵液分離を提供するものである。
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施態様
に変化や修正を施すことが可能なのは明らかであろう。
例えば、遠心分離機のような、イン−ライン濾過器以外
の分離手段も系から濃厚液を分離するのに使用可能であ
る。同様に、表面掻取式熱交換器以外の結晶器も使用可
能であるし、また/あるいは並列に結ばれた複数の結晶
器も使用可能である。従つて、本発明の範囲は、前記の
特許請求の範囲のみによつて限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の二段向流式凍結濃縮装置の一実施態
様の概略系統図である。 第2図は、第1図の凍結濃縮装置の第一段勾配管の断面
図である。 第3図は、第2図の線3−3で切断した断面の上面図で
ある。 第4図は、本発明の二段式凍結濃縮装置の他の実施態様
の概略系統図であつて、部分的には断面を示している。 第5図は、本発明の原理に基づく一段式凍結濃縮装置の
概略系統図であつて、部分的には断面を示している。 第6図は、本発明の勾配管の他の実施態様の断面図であ
る。 10……第一段濃縮工程、12……第二段濃縮工程、14……
原料液循環回路、16……中間濃度液循環回路、18……濃
厚液循環回路、20……第一段勾配管、21……第一段結晶
槽、22……第二段勾配管、23……第二段結晶槽、24……
濾過器、25……洗浄塔、26……供給槽、27……冷却装
置、28……サージタンク、29……冷却装置、30……加熱
装置、31……側面スクリーン、32、33、34……管、40…
…円筒シエル、41……濾過スクリーン、42、43……管、
44……掻取り刃、45……回転軸、46……氷の床、47……
回転円板、48……穿孔、49……刃、50……軸、51、52、
53、54、55……管、60……装置、71……装置、72……洗
浄塔帯域、74……管、80……勾配管、81……円筒シエ
ル、82……覆い板、83……板、84……円筒形フイルタ
ー、85……管、86……円環室、87……管、88……刃、89
……回転軸、90……モーター手段、91……穿孔回転円
板、92……氷の床、93……管、94……開口、95……管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 9/04 B01D 9/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性液体の凍結濃縮方法であって、 濃縮水性液体および氷結晶の第一流をカラムの底に導入
    して、そのカラム中に凝集した氷結晶と吸蔵した濃縮水
    性液体の多孔性上昇床を形成させ、 希釈した水性液体の第二流をカラムのトップに導入し、
    この希釈水性液体は一層希釈されておりかつ濃縮水性液
    体より粘度が低く、 凝集した氷結晶を多孔性上昇床のトップから取り、多孔
    性上昇床の多孔度を調節して、希釈水性液体の一部は多
    孔性上昇床に向流で多孔性上昇床に流れ落ち、氷結晶に
    吸蔵されている濃縮水性液体を多孔性上昇床の低部に置
    き換え、残りの希釈水性液体は取り出した凝集氷結晶に
    カラムから第三流で輸送し、 カラムの底の近くから、希釈および濃縮した水性液体の
    混合物の第四流を取り出し、 氷結晶と濃縮水性流体の生成物流を供するために、第四
    流を凍結し、そして 生成物中の濃縮水性液体の一部を生成物として取り出
    し、残りを第一流に再循環させることを特徴とする、上
    記水性液体の凍結濃縮方法。
  2. 【請求項2】第一流の水性液体の濃度は第四流の水性液
    体の濃度より10%高くない、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】生成物流の水性液体は36〜50重量%の濃度
    である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】第三流を凍結して、氷結晶と濃縮水性液体
    の再循環流を供し、その再循環流を第2カラムの底に導
    入して、第2カラムに凝集した氷結晶と吸蔵した濃縮水
    性液体の多孔性床を形成させ、 希釈水性液体の供給流を第2カラムのトップに導入し、
    この希釈水性液体は一層希釈されかつ再循環流の濃縮水
    性液体より粘度が低く、 凝集氷結晶を多孔性上昇床のトップから取り出して、多
    孔性上昇床の多孔度を調節し、希釈水性液体の一部を多
    孔性上昇床に向流で多孔性上昇床に流れ落ち、氷結晶に
    吸蔵している濃縮水性液体を多孔性上昇床の低部に置き
    換え、残りの希釈水性液体は、取り出した凝集氷結晶に
    カラムから出口流に輸送させ、 希釈および濃縮水性液体の混合物の中間流を第2カラム
    の底の近くから取り出しそしてそれを第二流として第一
    カラムに導入する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】第一流の水性液体の濃度は中間流の水性液
    体の濃度より4%高くない、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】中間流の水性液体は10〜30重量%の濃度で
    ある、請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】出口流を氷フラクションと水性液体フラク
    ションに分け、水性液体フラクションは新しい供給水性
    流と一緒にして、供給流を第2カラムに供給する、請求
    項4記載の方法。
  8. 【請求項8】凝集氷を回転切断要素によりカラムのトッ
    プから取り出す、請求項1〜7のいずれか1項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】多孔性上昇床は0.5:1〜3:1の高さ:直径比
    を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
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