JPS6125291B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液体流量計、更に詳細には超音波の
伝播時間を利用して、液体の流量を測定する液体
流量計に関する。

パイプ系を利用して液体の流量を測定するため
に、流れる液体は超音波パルスを印加し、そのパ
ルスの伝播時間から液体の平均流速、従つて時間
当りの流量を求める方法が知られている。その場
合、液体が流れるパイプに沿つてパルスの伝播時
間を測定するのが最も好ましいことが分つてい
る。そのような装置は例えばドイツ特許公開公報
第2339631号に記載されているが、種々な欠点を
持つている。即ち、計器用変成器を直接パイプ測
定系の液体の流れに組み込んだ場合、計器用変成
器は外から操作することができず流れ抵抗が発生
し、また電気接続端子を防水配線するのに大きな
困難が伴う。又軸上にある端子の一端をまつすぐ
なパイプに接続し、反対側をそれぞれ計器用変成
器に結合した２つのＴ型部材を用いた場合には流
れの方向が変ることによつて測定個所の所で非常
に大きな圧力降下が発生する。更に組込み長さが
大きくなるという欠点もある。

水道管に流量計を組み込む場合には、流量計を
組み込まなければならない水道管の両端部の距離
に関して規格が存在する。その距離が小さいと従
来の装置の場合には音波の測路が短くなり測定が
不正確になつてしまう。

従つて本発明の目的は、パイプの両端部間が比
較的短くても組み込むことができ、それにもかか
わらず必要な測定精度の測路が得られ、しかも流
れ抵抗が小さく容易に製造することができる液体
流量計を提供することにある。

本発明によれば、液体流量計は、パイプ管に組
み込むために軸線上に配置された２つの接続用ニ
ツプルを有する接続ヘツドとして構成され、その
ヘツドは仕切り壁によつて互いに分離された２つ
の分配室として形成される。又接続用ニツプルに
よつてそれぞれ流入口、並びに流出口が形成され
る。パイプは分配室を結合し、その両端が分配室
に突入する。パイプの端面に対向してそれぞれ計
器用変成器（送受波器）が配置され、その送受波
面からパイプに流れる液体に超音波パルスが送ら
れ、その伝播時間を測定することによつて流量が
求められる。分配室にはパイプの両端部をそれぞ
れ包囲する円環路が形成される。分配室は直方体
状あるいは連続的に拡大する弓状パイプとして形
成される。その場合パイプは接続用ニツプルの軸
に対して垂直あるいは任意の角度で配置される。
又パイプはＵ字型にすることもできその場合には
計器用変成器は互いに隣接して配置され、共通の
筐体内に収納することができる。

次に本発明の実施例を添付図面を参照して詳細
に説明する。以下に説明する実施例において、同
様な部分には同一の参照番号が付されている。

第１図において、２つの直方体状の空胴部を形
成する２つの分配室１，２が図示されており、こ
れらの分配室は少くとも１つの仕切り壁３によつ
て互いに分離されている。測路として機能するパ
イプ４は壁３を貫通し、パイプの端部５，６は２
つの分配室１，２の内部に突入する。その場合各
分配室１，２はパイプ４の対応する端部５，６を
少なくともパイプ４の内径よりも大きい範囲で全
周にわたつて包囲する。

分配室１，２は流入口７ないし流出口８が設け
られており、これらの流入口並びに流出口は図に
おいて矢印で示されており、パイプ４の端部５，
６から離されて配置される。流入口７及び流出口
８の接続口は好ましくは共通の軸上にある。測定
すべき液体は流入口７から最初の分配室に入り、
端部５の端面からパイプ４に入り、続いて反対側
の端部６を離れて２番目の分配室に流れ流出口８
に達する。パイプ４の軸はそれぞれ計器用変成器
（送受波器）９，１０の送受波面１１，１２の中
心を通る軸と一致して配置される。送受波面１
１，１２は直接液体に露出されパイプ端部５，６
の端面からそれぞれＥの距離を離して配置され
る。その場合距離Ｅは可能な限り大きな２つの流
れ断面がパイプ４の端面に発生するように選ばれ
る。

一方伝播時間を測定する場合の精度を得るため
に距離Ｅをできるだけ小さくすることが望まし
い。

距離Ｅをパイプ４の内径のほぼ半分にするとよ
い結果が得られる。

第２図には、全体の流束を２つの部分流に分割
することにより流量計の測定範囲が拡大する様子
が概略図示されている。両方の部分流を対称的に
配置することにより流れに関係しない分割が得ら
れる。２つ以上の部分流に分けることも可能であ
る。測路として機能するパイプ４の他に２つの分
配室１，２を互いに結合する少なくとも１つの他
の同様なパイプ１３が設けられる。その場合この
パイプ１３の距離Ｅ並びに両分配室１，２の流入
口７、流出口８は空間的にパイプ４と同様に配置
される。

第３図に示す実施例の場合も分配室１，２はそ
れぞれ個有の仕切り壁３を設えた直方体状の空胴
部からなる。これらの両分配室は仕切り壁３を介
して互いに堅固に結合される。第３図において分
配室１，２として形成された接続ヘツドの下方部
に設けられた接続用ニツプル１４，１５はそれぞ
れ液体の流入及び流出を行う機能をもつ。両接続
ニツプル１４，１５の端面距離Ａはこの例の場合
190mmであり、水量計を組み込む場合の規格距離
に相当する。

第３図において、パイプ４は分配室１，２の上
方側縁部近傍に配置される。パイプ４の被覆面は
両仕切り壁３を防水状態で貫通する。従つて接続
用ニツプル１４と１５とパイプ４の間には液体を
流す空間が発生する。大きな分配室を用いると液
体の流れる分配室１，２の空間の断面をパイプ４
の内径よりも数倍拡大させることができる。それ
によつて分配室１，２の流速は小さくなり、うず
の形成従つて圧力損失と空胴現象が防止でき、パ
イプ４の端面全周にわたつて液体の流入ないし流
出を均一にさせることができる。

接続用ニツプルの距離Ａが与えられた場合、測
路をできるだけ長くして測定精度を上げるために
第３図の分配室をパイプ４の端部５，６の領域で
さらに長くすることが好ましい。具体的には両端
部５，６を包囲する分配室１，２の部分にパイプ
４の軸と同心な円環路１６，１７を形成し、それ
により液体がパイプ４に流れる方向と逆方向に端
部５に流入し、又端部６から流出されるように構
成する。

第４図に示す実施例の場合は、両分配室１，２
は、２つの接続用ニツプル１４，１５から延び、
連続的に拡大して２つの円環路１６，１７となる
２つの80度の角度を持つ弓状パイプ１８，１９か
ら形成される。この弓状パイプ１８，１９は、パ
イプ４を通し少なくとも１つの接続片２０を介し
て互いに逆方向の位置に保持される。弓状パイプ
１８，１９の拡大した方の端部には計器用変成器
（送受波器）９，１０が設けられる。

今まで述べた実施例では、測路として軸がまつ
すぐでしかも２つの接続用ニツプル１４，１５に
よつて形成される軸と平行なパイプ４が用いられ
た。このようにすることによつて好ましい構成並
びに配置が得られる。その場合分配室１，２を形
成する筐体を鋳型で形成したり、プレスをかけた
り、１つあるいは２つの部材で構成したり、ネジ
止めしたり、あるいは接続したりすることもでき
る。好ましくはパイプ４は引き抜き法で製造され
た材質から構成される。又パイプ４も鋳型で形成
したり、プレスしたり、溶接したり、あるいはそ
の他適当な方法で防水保持させることができる。

鋳型によつて製造する場合、パイプ４を適当に
処理して内面における流れ抵抗を少なくすること
が好ましい。

流れの方向が変ることによつて生じる流束損失
を減少させるためにまつすぐなパイプ４の軸と両
接続用ニツプル１４，１５によつて形成される軸
とを任意の角度にすることも可能である。

第５図には、パイプの軸とニツプルの軸が一点
において交叉し、互いに直角を成す例が図示され
ている。この例では分配室１，２は両接続用ニツ
プル１４，１５からでて連続的に拡大する90度の
角度を持つた２つの弓状パイプ２１，２２から構
成され、その拡大した端部２３，２４に計器用変
成器９，１０が取り付けられる。

第４図に示したように分配室１，２として機能
する弓状パイプ１８，１９を用いる場合には更に
他の好ましい変形例が考えられる。例えば第４図
において左下方部にある流入７をパイプ４の端部
６へ右上に導き、一方端部５に出て来る液体を流
出８に導くことも可能である。

その場合弓状パイプ１８，１９を180度曲げる
必要がなくなる。そのためには弓状パイプを図面
と垂直な方向において交差させ、一方パイプ４の
軸と図面と垂直な面にわずか回動させなければな
らない。

第６図に図示した流量計の場合には両分配室
１，２は共通の仕切り壁３をもつ直方体状の２つ
の空胴部から構成される。測路を形成するパイプ
２５はＵ字型に曲げられ、その脚部２６，２７が
それぞれ分配室１，２の側壁２８，２９を貫通
し、分配室１，２の内部に入る。脚部２６，２７
の端面は対向する壁に配置された計器用変成器に
対面する方向に位置し、同様に送受波面１１，１
２から距離Ｅ離して配置される。この例の場合に
も分配室１，２の大きさを選ぶことによつて、パ
イプ端部５，６における液体の流れは両脚部２
６，２７の全周にわたつて自由になる。この実施
例の場合には、両計器用変成器を近接させて配置
でき、第６図において点線で示したような共通の
筐体３０によつておおうようにすることができる
という利点が得られる。この筐体３０には測定値
をうるために必要な電子回路を収納させることも
できる。それによつて計器用変成器９，１０に至
る電気配線で外部でさわれるようなリード線を無
くすことができ、誤つた影響が発生する可能性を
減少させることができる。

以上説明したように本発明よれば、接続ヘツド
の流入口、流出口とパイプ各端部間に断面がパイ
プの内径の数倍の大きさを有する分配室が配置さ
れているので、流速を緩慢なものにし、うずの形
成、従つて圧力損失と空洞現象を防止できるとと
ももに各分配室がパイプ端面をその内径よりも長
い範囲に沿つて同心状に全周を包囲しているの
で、パイプの端面全周にわたつて液体の流入ない
し流出を均一にさせることができる。

上に述べた流量計は特に熱量計に利用される。
そのためには流量の他に正流及び逆流間の温度差
も測定しなければならない。

【図面の簡単な説明】

各図はいずれも本発明の実施例を示すもので第
１図、第２図はそれぞれ本発明の原理を説明した
配置構成図、第３図は第１の実施例を示す断面
図、第４図は第２の実施例を示す断面図、第５図
は第３の実施例を示す断面図、第６図は第４の実
施例を示す断面図である。 １，２……分配室、３……仕切り壁、４……パ
イプ、７……流入口、８……流出口、９，１０…
…計器用変成器、１１，１２……送受波面、１
４，１５……接続用ニツプル、１６，１７……円
環路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液体の流入、流出口を備えた接続ヘツドを有
   し、液体が流れるパイプとして形成された測路に
   沿つて液体の内部を伝播する超音波の伝播時間を
   測定することによりパイプに流れる液体の流量を
   測定する液体流量計であつて、測路の両端部に対
   向して液体と直接接触する計器用変成器が配置さ
   れ、その測路の軸が変成器の送受波面の中心を通
   る線と一致する液体流量計において、 接続ヘツドの流入口、流出口とパイプの各端部
   間に仕切り壁で仕切られ断面がパイプの内径の数
   倍の大きさを有する大きな分配室１，２が設けら
   れ、 前記パイプ４，２５はそれぞれその端部５，６
   が分配室の仕切り壁３，２８，２９を貫通して分
   配室１，２の内部に突入し、 各分配室１，２は少なくともパイプ４の内径よ
   りも長い範囲で全周にわたつてパイプ４，２５の
   分配室における端部５，６を同心状に包囲し、 更に計器用変成器９，１０の送受波面１１，１
   ２が必要な流れ断面を形成する距離Ｅだけ、パイ
   プ４，２５の端面から離して配置されることを特
   徴とする液体流量計。 ２ 前記距離Ｅをほぼパイプ４の内径の半分にす
   るようにした特許請求の範囲第１項に記載の液体
   流量計。 ３ 前記分配室１，２をパイプ４を通す共通の仕
   切り壁３を備えた２つの直方体状空洞部から構成
   するようにした特許請求の範囲第１項又は第２項
   に記載の液体流量計。 ４ 測路として機能するパイプ４の他にさらに対
   称的に配置された他のパイプ１３によつて互いに
   両分配室１，２を結合し、他のパイプ１３の送受
   波面に対する距離Ｅ並びに両分配室１，２におけ
   る流入口７及び流出口８をパイプ４と空間的に同
   一に配置するようにした特許請求の範囲第１項又
   は第２項に記載の液体流量計。 ５ パイプ４の両端部５，６を包囲する分配室
   １，２の分にそれぞれパイプと同心な円環路１
   ６，１７を形成し、それによつて液体がパイプ４
   における流れ方向と逆方向に端部５に流入し、又
   他の端部６から流出するように構成した特許請求
   の範囲第１項又は第２項に記載の液体流量計。 ６ 両分配室１，２がそれぞれ接続用ニツプル１
   ４，１５から延びて連続的に拡大し、両円環路１
   ６，１７となる180度の角度を有する２つの弓状
   パイプ１８，１９から構成され、その弓状パイプ
   はパイプ４を通しかつ接続片２０によつて反対位
   置に保持され、その拡大した端部に計器用変成器
   ９，１０が設けられる特許請求の範囲第５項に記
   載の液体流量計。 ７ パイプ４の軸は直線であり、流量計の流入口
   ７ないし流出口８を形成する接続用ニツプル１
   ４，１５の共通の軸と平行になるようにした特許
   請求の範囲第１項から第６項までのいずれか１項
   に記載の液体流量計。 ８ パイプ４の軸は直線であり、流量計の流入口
   ７ないし、流出口８を形成する２つの接続用ニツ
   プル１４，１５の共通軸と任意の角度を形成する
   ようにした特許請求の範囲第１項、第２項、第３
   項、第５項又は第６項に記載の液体流量計。 ９ 前記分配室１，２は接続用ニツプル１４，１
   ５から延び連続的に拡大する90度の角度をもつ２
   つの弓状パイプ２１，２２から構成され、その弓
   状パイプの拡大した端部２３，２４には計器用変
   成器９，１０が取り付けられ、その場合接続用ニ
   ツプル１４，１５を通る軸が測定軸に対して直角
   となるようにした特許請求の範囲第１項、第２
   項、第５項、又は第８項に記載の液体流量計。 １０ 測路として機能するパイプ２５がＵ字型に
   曲げられ、そのＵ字状脚部２６，２７がそれぞれ
   分配室１，２の側壁２８，２９を貫通して、分配
   室１，２に突入し、前記脚部２６，２７の端面は
   対向した壁に配置された計器用変成器９，１０に
   向けて配置される特許請求の範囲第１項又は第２
   項に記載の液体流量計。