JPS6124602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、油圧アクチユエータに対する複数個
の制御バルブを、その摺動スプールが旋回台のほ
ぼ前後方向に向う状態で、かつ、前記旋回台の横
方向に並べた状態で、旋回台床板下方で側板に囲
まれた空間内に配置した旋回作業車のバルブ取付
構造に関する。

上記のバルブ取付構造において、そのバルブ取
付けボルトの増締めやバルブ操作系の調整を行な
うに、それらの上部に配置の旋回台床板や座席な
どの大きな部材をその都度取り外さねばならず、
かつ、操作レバーなどが幅輳する狭い場所での作
業となり、補修作業そのものが面倒でかつ作業性
に欠けるものであつた。

本考案は、上述の実情に鑑みて、極めて簡単な
改造でもつて、上記欠点を解消する事を目的とす
る。

次に、本考案の実施の態様を例示図について詳
述する。

クローラ走行装置１を備える車体２に縦軸芯周
りで駆動回動自在な旋回台３を取付けると共に、
その旋回台３に掘削作業装置４を設け、そして前
記旋回台３の床板５を運転ステツプとしてその前
後に操縦部６と運転座席７を配置すると共に、そ
れらの後部の旋回台３にエンジン８を搭載し、か
つ、前記走行車体２に排土作業装置９を付設し
て、掘削並びに排土の作業を行なうための旋回作
業車を構成してある。

前記掘削作業装置４を構成するに、縦軸芯まわ
りで揺動自在なブラケツト１０を旋回台３の前部
側に取付けると共に、先端にアーム１１を枢支連
結したブーム１２を前記ブラケツト１０に連結
し、そして前記アーム１１の先端にバケツト１３
を枢支連結すると共に、前記ブラケツト１０、ブ
ーム１２、アーム１１、及びバケツト１３に対す
る駆動用の流体圧シリンダ１４……を取付けてあ
り、それらの掘削作業用シリンダ１４……と排土
作業装置用シリンダ１５、及び、走行用と旋回用
の流体圧モータＭ，Ｍ，M₁に対する制御バルブ
Ｖ……と，掘削作業装置増速用のバルブV₁，V₂
を、前記旋回台床板５の下方でかつ旋回台側板１
６……に囲まれた空間内に配置してある。

前記バルブＶ……，V₁，V₂を旋回台空間に配
置するに、第２図に示すように、搭載エンジン８
に連設の２台の流体圧ポンプP₁，P₂の一方P₁に、
左右一方の走行モータ用とブーム用と旋回モータ
用のバルブＶ……とアーム合流用のバルブV₁を
夫々並列接続し、他方のポンプP₂に、左右他方の
走行用とアーム用とバケツト用のバルブＶ……と
ブーム合流用のバルブV₂を夫々並列接続し、そ
れらのバルブＶ……，V₁，V₂を、その摺動スプ
ールを旋回台に対して前後方向に向わせる状態
で、かつ、旋回台横方向に並べる状態で、取付台
１７にボルトナツトで取付け、かつ、その取付台
１７を、旋回台横側方の側板１６近くの旋回台空
間内に設けると共に、その側板１６から離れるほ
ど取付面が機体上方に位置するように傾斜配設
し、そして、ロツド１８で連結した２個のベルク
ランク１９，２０の一方１９を夫々バルブスプー
ルに横軸を介して枢支連結して、左右の走行用と
排土用のバルブＶ……に連動の他方のベルクラン
ク２０……に対して走行用と排土用の操作レバー
２１，２２，２３を各別にロツド２４で連動連結
すると共に、水平十字軸芯Ｘ，Ｙまわりで十字操
作自在な操作レバー２５，２６を設けて、その一
方のレバー２５の横軸芯Ｙまわりの揺動部材２７
に、連動機構Ａを介してブーム用バルブＶとブー
ム合流用バルブV₂を連動連結すると共に、前後
軸芯Ｘまわりの揺動部材２８にロツド２９を介し
て旋回モータ用バルブＶを連動連結し、かつ、他
方のレバー２６の横軸芯Ｙまわりの揺動部材３０
に、連動機構Ｂを介してアーム用バルブＶとアー
ム合流用バルブV₁を連動連結すると共に、前後
軸芯Ｘまわりの揺動部材３１にロツド３２を介し
てバケツト用バルブＶを連動連結してある。

前記傾斜旋回台１７に並置した複数個のバルブ
Ｖ…，V₁，V₂及びそれらの操作系に対する補修
用の開口３３を、それらに対面する旋回台側板１
６に形成すると共に、その開口３３に対する蓋３
４を開閉自在に取付け、もつてバルブ取付けボル
トの増締めやバルブ操作系の調整など、複数個の
バルブ夫々についての補修作業を、それらの互い
の干渉の無い状態で旋回台横外部の広いスペース
において作業性良く行なえるようにしてある。

前記連動機構Ａ，Ｂを構成するに、ブーム用と
ブーム合流用のバルブＶ，V₂に連係の他方のベ
ルクランク２０，２０どうし、及びアーム用とア
ーム合流用のバルブＶ，V₁に連係の他方のベル
クランク２０，２０どうしを、夫々リンク３５，
３５を介して部材３６により上下軸芯まわりで揺
動自在に枢支連結し、この両揺動部材３６，３６
と前記両操作レバー２５，２６に連設の部材２
７，３０を、互いにほぼ平行な押し引きロツド３
７，３７で各別に連動連結すると共に、前記揺動
部材３６に対するロツド３７の連結部を、その揺
動部材３６のバルブスプールに対する枢支軸間中
心に対して合流用バルブV₂，V₁側に偏つた位置
に設定し、かつ、合流用バルブV₂，V₁の押し動
作を阻止するストツパー３９，３９を設け、もつ
て操作レバー２５，２６の軸芯Ｙまわりでの操作
により、ブーム用と合流用のバルブＶ，V₂及び
アーム用と合流用のバルブＶ，V₁を夫々連動作
動させる事によつて、ブーム１２の持上げ速度及
びアーム１１の掻き込み速度を増速できるように
してある。

この連動機構Ａ，Ｂの夫々に対して、前記合流
用バルブV₂，V₁を操作レバー２５，２６に連動
させる状態と連動を解除する状態とに切換える機
構３８を設けてある。

前記切換え機構３８を構成するに、第４図に示
すように、前記揺動部材３６とベルクランク２０
の連結部近くでかつ揺動部材３６に対して操作レ
バー側に上下軸４０を設けると共に、操作レバー
４１を連設したボス４２を前記上下軸４０に回転
自在に取付け、そして前記ボス４２にストツパー
４３を設けて、そのストツパー４３を合流用バル
ブV₂，V₁が中立位置にある時に揺動部材３６に
接当する状態と、合流用バルブV₂，V₁の引き操
作を許容する状態とに切換え自在に構成し、もつ
て、前記ストツパー４３の操作許容状態によつて
バルブ連動を、かつ、接当状態によつてバルブ連
動の解除を行なわせられるようにしてあり、それ
を連動解除状態に切換える事により、例えば果樹
棚の下やトンネル内など上方に障害物がある場所
での作業を緩速動作で安全に行なう事ができる。

或は、流体圧回路として、左右一方の走行モー
タ用と排土シリンダ用のシリーズセクシヨン型バ
ルブＶ，Ｖとアーム合流用のパランルセクシヨン
型バルブV₁を一方のポンプP₁に直列接続し、左
右他方の走行モータ用とアーム用のパランルセク
シヨン型バルブＶ，Ｖを他方のポンプP₂に並列接
続して、走行しながらの排土作業を傾斜防止状態
で行なえるようにした流体圧系においては、走行
しながらアーム１１を掻込み駆動する湿地脱出に
際して、アーム１１を合流駆動するために、前記
一方のポンプP₁にアーム１１の作業背圧がかかつ
て前記左右一方の走行用モータＭが駆動停止し、
適確な湿地脱出を行なう事ができなくなるが、前
記切換え機構３８によつて連動解除状態を現出す
る事によつて、湿地脱出を適確に行なう事ができ
る。

以上要するに本考案は、冒記した旋回作業車の
バルブ取付構造において、前記側板のうち旋回台
横方向に面するものの一方に、前記バルブ及びそ
れの操作系に対する開閉蓋付き補修用開口を設け
ると共に、前記複数個のバルブを、前記開口から
離れるものほど機体上方に位置するように上下傾
斜状態で並置してある事を特徴とする。

即ち、旋回台床板下方の空間に配置された複数
個のバルブとそれの操作系に対して、それらに対
する補修の作業を、何ものも存在しない旋回台横
外方の広いスペースにおいて作業性良く行なう事
ができるようになり、しかも旋回台側部からの補
修作業にあつて、複数個の制御バルブを上下傾斜
状態に配置してあるので、互いのバルブどうしが
補修作業上の干渉をしあう事もなく、全体とし
て、極めて簡単な改造でもつて、補修作業を簡単
容易にかつ作業性良く行なえるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る旋回作業車のバルブ取付構
造の実施の態様を例示し、第１図は全体側面図、
第２図はバルブ群の制御系統図、第３図は開閉蓋
を破断した要部の側面図、第４図は連動機構の平
面図である。 ３……旋回台、５……旋回台床板、１６……旋
回台側板、３３……開閉蓋付き補修用開口、Ｖ，
V₁，V₂……制御バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧アクチユエータに対する複数個の制御バル
   ブＶ…，V₁，V₂を、その摺動スプールが旋回台
   ３のほぼ前後方向に向う状態で、かつ、上記旋回
   台３の横方向に並べた状態で、旋回台床板５下方
   で側板１６……に囲まれた空間部に配置した旋回
   作業車のバルブ取付構造であつて、上記側板１６
   ……のうち旋回台横方向に面するものの一方に、
   前記バルブＶ……，V₁，V₂及びそれの操作系に
   対する開閉蓋付き補修用開口３３を設けると共
   に、前記複数個のバルブＶ……，V₁，V₂を、前
   記開口３３から離れるものほど機体上方に位置す
   るように上下傾斜状態で並置してある事を特徴と
   する旋回作業車のバルブ取付構造。