JPS6124353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上枠と下枠が交互に造型される鋳型造
型ラインにおける上下鋳枠の枠合せ用ブツシユの
清掃装置に関する。

１台の造型機で上枠と下枠を交互に造型し、造
型後の鋳枠を一列にしてコンベヤで間欠的に注湯
ラインへ送り出す方式の造型ラインは、鋳物工場
の簡素化を実現するものとして多くの工場で採用
されているが、この種造型ラインにおいても、通
常一般のラインと同じく、注湯工程に入る前に上
枠を反転させて下枠と枠合せをしなければならな
い。上下枠の枠合せは、通常各枠の外縁部の相対
応する位置に凹型と凸型をなすブツシユを２ケず
つ取り付け、両ブツシユを嵌合させることにより
行う。その際上下枠の位置がずれないよう両ブツ
シユの孔にガイドピンを挿入するのが一般的なや
り方である。ところでこれらの作業がスムースに
行われるためには、両ブツシユの嵌合部及びブツ
シユ孔に砂等が付着していてはならない。しかる
にこれらの部分は造型作業の際、鋳物砂が付着す
るのが通例であり、従つて枠合せの際のブツシユ
の清掃は必要不可欠の作業となつている。

従来このような鋳枠ブツシユの清掃方法として
は、作業者がエアーで砂を吹き払うのが一般的で
あるが、近時鋳造工場の合理化、省力化をはかる
という観点から機械的清掃方法が考案されてい
る。例えばモータ駆動で回転するブラシをブツシ
ユにあてがい、付着物を除去する方法である。そ
して交互に造型され、一列になつてコンベヤで間
欠的に搬送されて来る上下枠をこの方法で清掃し
ようとする従来のこの種装置では、上枠と下枠と
でブツシユの形状や清掃個所が異なる関係上、上
枠ブツシユ用のブラシと下枠ブツシユ用のそれと
を２本ずつ用意し、２基のエアーシリンダと４台
のモータの作動により、上枠１ケと下枠１ケを同
時に清掃するという大掛りな装置となると共に、
設置スペースが大きくなつて作業場が手狭になる
等の不都合が発生している。本考案は上記のよう
な事情に鑑みてなされたもので、最小のブラシ本
数により上下枠ブツシユを確実に清掃でき、かつ
設置スペースが小さくて済む鋳枠ブツシユの清掃
装置を提供するものである。

以下本考案を実施例に基づき詳細に説明する。

上下鋳枠３，４を間欠搬送するローラコンベヤ
１のローラフレーム２上には、該ローラコンベヤ
１を前後に跨ぐ格好で門型フレーム５が構設され
ていて、該フレーム５の頂部中心にはエアーシリ
ンダ６がシリンダロツド７を下向きにして取り付
けられており、更に該シリンダロツド７の下端に
はブラケツト８を介して軸受９が取り付けられて
いる。該軸受９には下方向に指向する軸１０がそ
の先端を突出させて回転自在に嵌合されていると
共に、軸受９の下側部にはフランジ９ａを介して
回転駆動ロータ１１が回転軸１１ａを下向きにし
て取り付けられている。

前記軸１０の突出上部位置には歯車１２が嵌着
されていると共に、該歯車１２は前記ロータ１１
の回転軸１１ａに取り付けられた歯車１３に噛合
されていて、前記ロータ１１の駆動により軸１０
は180゜正逆回転するようになつている。

更に前記軸１０の下端にはブラケツト１４及び
ボルト１５を介して取付板１６，１６ａが適当な
間隔をおいて垂設されており該取付板１６，１６
ａ上にはモータ１７，１７ａが回転軸２０，２０
ａを下向きにして取り付けられている。該モータ
１７，１７ａの回転軸２０，２０ａの下端には、
ドリルチヤツク２１，２１ａを介して上枠ブラシ
１８と下枠ブラシ１９がそれぞれ着脱自在に取り
付けらている。

前記上枠ブラシ１８には、前記上枠３のブツシ
ユ２２孔清掃用刷毛２３が取り付けられており、
前記下枠ブラシ１９には、その先端部に前記下枠
４のブツシユ２４孔清掃用刷毛２５が、またその
基部に下枠ブツシユ２４外周部清掃用刷毛２６が
取り付けられている。

上記のように構成された実施例の作用を説明す
ると、今、図示されない造型機によつて交互に造
型され、かつ合せ面を上にした鋳枠３，４が図示
されない当部材を接触させて団子状にしてローラ
コンベヤ１により第１図左方より右方に移動さ
れ、所定位置で停止する。そして前記鋳枠３，４
が第１図のように上枠３を先頭に下枠４、上枠３
…の順に並べられると共に、上枠ブラシ１８が該
上枠３のブツシユ２２と、下枠ブラシ１９が該下
枠４のブツシユ２４とそれぞれ相対応するよう位
置される。

なお本実施例においては、ブツシユの位置は各
鋳枠３，４の前後に１ケずつ、かつローラコンベ
ヤ１のセンターライン上に取り付けられている。
このような状態でモータ１７，１７ａを駆動させ
て上枠ブラシ１８及び下枠ブラシ１９を回転させ
ながらシリンダ６のロツド７を下降させて該ブラ
シ１８，１９を上枠ブツシユ２２及び下枠ブツシ
ユ２４にあてがうと、上枠ブラシ１８は上枠ブツ
シユ２２の孔を貫通し、該孔の内壁を清掃する。

また下枠ブラシ１９においては、まず先端の刷
毛２５が下枠ブツシユ２４の孔を貫通して該孔の
内壁を清掃し、次に基部の刷毛２６が下枠ブツシ
ユ２４の外周部を清掃する。

清掃作業完了後シリンダ６のロツド７を上昇さ
せてブラシ１８，１９をブツシユ２２，２４から
引き上げ、ローラコンベヤ１上の鋳枠３，４を１
枠分だけ前進させる。これにより、上枠ブラシ１
８の下方には下枠ブツシユ２８が、また下枠ブラ
シ１９の下方には上枠ブツシユ２９がそれぞれ位
置することになる。

次にロータ１１を作動させ軸１０を180゜回転
させると、下枠ブラシ１９が下枠ブツシユ２８
と、また上枠ブラシ１８が上枠ブツシユ２９とそ
れぞれ対応することになる。そして前記と同じ要
領でブツシユ２８，２９の清掃を行う。

清掃作業完了後ブラシ１８，１９が上昇し、各
鋳枠３，４が再び１枠分前進する。すなわちブラ
シ１８，１９とブツシユ２２，２４あるいは２
８，２９の対応関係が逆になるから、ロータ１１
を作動させて軸１０を180゜逆回転させ、ブラシ
と鋳枠ブツシユの対応関係を調整する。以後同じ
作業がくり返し行われるものである。

以上の説明から明らかなように、本考案は１基
のエアーシリンダと２台のモータによつて上枠ブ
ラシと下枠ブラシ各々１ケを働かせ、以て上枠ブ
ツシユと下枠ブツシユを最小本数のブラシにより
同時に清掃すると共に、該両ブラシをロータによ
つて180゜正逆回転させることにより、上下枠が
交互に搬入される状況に対処せんとするものであ
る。従つて従来のこの種清掃装置に較べて装置が
コンパクトになり、設置スペースが大巾に縮少で
きるから、鋳造工場の合理化、省力化が促進され
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一部切欠正面図、第２図
は第１図の要部拡大断面図である。 １……ローラコンベヤ、２……ローラフレー
ム、５……フレーム、６……シリンダ、９……軸
受、１０……軸、１１……ロータ、１７，１７ａ
……モータ、１８……上枠ブラシ、１９……下枠
ブラシ、２２，２９……上枠ブツシユ、２４，２
８……下枠ブツシユ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローラコンベヤ１の上方にシリンダ６を下向き
   にして配設し、該シリンダ６のピストンロツド７
   下端に、下方に突出指向する軸１０を回転自在に
   嵌合した軸受９を取り付け、該軸受９の外側部に
   180度正逆回転を行うロータ１１を下向きに取り
   付けると共に、該ロータ１１の回転軸１１ａと前
   記軸１０とを回転伝達機構で連結し、かつ前記軸
   １０の下端に取付板１６，１６ａを垂設し、該取
   付板１６，１６ａに２台のモータ１７，１７ａを
   適当な間隔をおいて下向きに取り付け、該モータ
   １７，１７ａの回転軸２０，２０ａの下端に上枠
   ブラシ１８と下枠ブラシ１９を着脱可能に取り付
   けたことを特徴とする鋳枠ブツシユ清掃装置。