JPS6124249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は患者用載せ替え移動装置に関し、寝た
きり患者をベツト等から担架等に移すのに用いて
有用なものである。

病院等において寝たきり患者を他のベツドや担
架等に移すには熟練した多数の介護人が必要であ
る。そして患者をベツドから持ち上げるときや一
度持ち上げた患者をベツド等に載せるときには、
患者に悪影響を与えないよう患者を静かに移さね
ばならないのでたいへん難しい作業となつてい
た。そこで患者を安全且つ容易に移すことのでき
る装置の出現が望まれていた。

本考案は、上記要望を実現するものであり、異
和感や悪影響を与えることなく安全に患者を他の
ベツド等に移すことのできる患者用載せ替え移動
装置を提供することを目的とする。かかる目的を
達成する本考案の構成は、平板状をなす２枚のブ
レードにその先端から後端に亘り夫々エンドレス
で幅広のベルトを巻きつけるとともに、ベルトが
巻きつけられた２枚のブレードどうしを双方の先
端及び後端が対応するように相対向させて固定
し、長に固定された前記ブレードの後端側に前記
２本のベルトをブレードの周面に沿い等速で互い
に逆方向に回転させる駆動装置を備える一方、前
記ブレードの先端に沿い配設されてブレードの先
端に位置する２本のベルトを微小な隙間を介し覆
うとともに反ブレード側に向うに従い漸次厚さが
薄くなる先端案内金具を備えたことを特徴とす
る。

以下本考案の実施例を第１図ないし第４図を基
に説明する。このとき第１図は本実施例を一部破
断して示す平面図、第２図ａは第１図のＡ−Ａ線
断面図、第２図ｂは本実施例の正面図、第３図は
第１図のＢ−Ｂ線断面図、第４図は第２図ｂのｃ
部を抽出・拡大して示す断面図である。これらの
図に示すように平板状をなすブレード１，２はそ
の両端が枠体３に固定されて相対向している。エ
ンドレスのベルト４及びベルト５はブレード１，
２と同幅であり、このうちベルト４はブレード１
の先端から後端に亘り巻きつけられるとともに枠
体３に回転可能に支持されたガイドローラ６及び
ドライビングプーリ７に巻きつけられており、ま
た同様にベルト５はブレード２に巻きつけられる
とともに枠体３に回転可能に支持されたガイドロ
ーラ８及びドライビングプーリ９に巻きつけられ
ている。このとき互いに外径の等しいドライビン
グプーリ７及びドライビングプーリ９内には夫々
ケーブル１０及びケーブル１１を介して電力が供
給されるモータ（図示省略）が備えられるととも
に、ドライビングプーリ７に備えられた歯車７ａ
とドライビングプーリ９に備えられた歯車９ａと
が噛み合つている（第３図参照）。そしてケーブ
ル１０及びケーブル１１を介して前記モータに電
力を供給するとドライビングプーリ７とドライビ
ングプーリ９とが等速で互いに逆方向に回転する
ようになつている。そこでドライビングプーリ
７，９が回転すると、ベルト４はブレード１の周
面に沿い、またベルト５はブレード２の周面に沿
い夫々回転する。一方、棒状をなす先端案内金具
１２は、ブレード１，２の先端に位置するベルト
４，５を微小な隙間δを介して覆うようにその両
端が枠体３に固定されるとともに（第４図参
照）、反ブレード側に向うに従い漸次厚さが薄く
なつている。

次に本実施例の動作を説明する。まず第２図ａ
に示すようにドライビングプーリ７，９内に備え
られたモータに所定の電力を供給すると前記ドラ
イビングプーリ７及びドライビングプーリ９は
付々図中実線の矢印で示す方向に回転し、この回
転に伴ないベルト４はブレード１の周面に沿い、
またベルト５はブレード２の周面に沿い互いに等
速で図中実線の矢印で示す方向に回転する。そこ
で第５図に示すように患者１３とベツド１４との
間にブレード１，２を差し込めば、ベルト４はブ
レード１の下面から上面に向いまたベルト５はブ
レード２の上面から下面に向い続々に繰り出さ
れ、これに伴ないブレード１，２は図中左方向に
進む。このときブレード１の上面に位置するベル
ト４と患者１３との相対速度及びブレード２の下
面に位置するベルト５とベツド１４との相対速度
が零となる。したがつてブレード１，２は患者１
３とベツド１４との間にスムーズに差し込まれる
結果、患者１３は異和感や悪影響を受けることな
くブレード１，２上に移される。そこでブレード
１，２に患者１３を載せたまま本装置を移動させ
ることにより患者１３を他の場所に移動させるこ
とができる。なお先端案内金具１２は、反ブレー
ド側に向うに従い漸次その厚さが薄くなる形状と
なつているため、ブレード１，２の差し込みをよ
りスムーズにする効果を奏する。一方、一旦ブレ
ード１，２上に載せた患者１３をベツド１４に移
すには、上述したのと逆操作、即ちベルト４，５
を上述したのと逆方向に回転させればよい。この
とき先端案内金具１２が、ブレード１，２の先端
に位置するベルト４，５を微小な隙間δを介して
覆つているため、ブレード１，２を患者１３とベ
ツド１４との間から引き抜く際にベツド１４のシ
ーツなどがベルト４とベルト５との間に巻き込ま
れる虞はなく、スムーズに所定の作業が行なわれ
る。

以上実施例とともに具体的に説明したように本
考案によれば、相対向するように相互に固定され
た２枚のブレードに夫々ベルトを巻きつけるとと
もに、このベルトを等速で逆方向に回転させる駆
動装置を備えたため、ブレードを患者とベツド等
との間に差し込んだり逆に患者とベツドとの間か
ら引き抜く作業がスムーズにできる結果、異和感
や悪影響を与えることなく患者をベツド等からブ
レードに載せ替えたり逆にブレードからベツド等
に載せ替えることができる。またブレードの先端
に位置するベルトを覆うとともに反ブレード側に
向うに従い漸次厚さが薄くなる先端案内金具を備
えたため、ブレードの差し込み作業がより一層ス
ムーズになるとともにブレードを引き抜く際にベ
ツドのシーツ等がベルトに巻き込まれる虞がなく
なり安全性が一層向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を一部破断して示す平
面図、第２図ａは第１図のＡ−Ａ線断面図、第２
図ｂは本実施例の正面図、第３図は第１図のＢ−
Ｂ線断面図、第４図は第２図ｂのｃ部を抽出・拡
大して示す断面図、第５図は本実施例を実際に使
用している態様を示す断面図である。 図面中、１，２はブレード、４，５はベルト、
７，９はドライビングプーリ、１２は先端案内金
具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平板状をなす２枚のブレードにその先端から後
   端に亘り夫々エンドレスで幅広のベルトを巻きつ
   けるとともに、ベルトが巻きつけられた２枚のブ
   レードどうしを双方の先端及び後端が対応するよ
   うに相対向させて固定し、更に固定された前記ブ
   レードの後端側に前記２本のベルトをブレードの
   周面に沿い等速で互いに逆方向に回転させる駆動
   装置を備える一方、前記ブレードの先端に沿い配
   設されてブレードの先端に位置する２本のベルト
   を微小な隙間を介し覆うとともに反ブレード側に
   向うに従い漸次厚さが薄くなる先端案内金具を備
   えたことを特徴とする患者用載せ替え移動装置。