JPS6124214B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ベルトまたはロープの端部と連結さ
れかつハウジングに支承されているスプール軸を
有し、このスプール軸にベルトまたはロープを巻
き上げ可能である、車両および航空機用安全ベル
ト巻込装置に関する。

公知の安全ベルト巻込装置では、ベルトと巻き
つけるのに必要な戻し一回転モーメントは、相応
して附勢されていてかつその一端でハウジングに
他端でスプール軸と結合されている螺旋状の戻し
ばねにより惹起される。この実施形態では、ベル
トを引き出すために必要な力が非常に強く増大
し、戻しばねの力が連続的に増加することにより
制約され、同時にベルトロールが縮少し、従つて
有効な巻き半径が確実に減少する。

この事実のため、実際には安全ベルト巻込装置
の所有者がこれを利用しないことが多い。なぜな
ら、所有者は、この著しい圧力上昇が例えばベル
トの装着状態で前方へ動く際に厄介で不便である
ことを知るからである。

ベルト引出し力をなお大きくしないようにする
ために、戻しばねの附勢を非常に小さく設定しよ
うと試みられた。しかしながら、これと共に、小
さな始動モーメントではもはやベルトをその始動
位置に完全に巻き戻さないという別の欠点がもた
らされる。

従つて、本発明は、上述の欠点をもたないで、
ベルトを僅かな力の上昇の下に引き出すことがで
きる安全ベルト巻込装置を創造することを課題の
基礎としている。

この課題を達成するには、本発明により、スプ
ール軸を、気体または液体により駆動されるモー
タにまたは電磁的に駆動されるモータにしつかり
と連結し、前記モータを、乗物にある圧力気体源
または圧力液体源にまたは電源に接続部を介して
接続すれば良い。戻しばねの代りに、本発明によ
れば、ガスまたは液体駆動のモータが、戻し一回
転モーメントを生じるスプール軸と結合されてい
る。また、電磁的に駆動される、好適には短絡負
荷に設計されたモータがこのために適当である。
このモータは全体のベルト引出し範囲にわたつて
一定の戻し一回転モーメントを生じるので、ベル
ト引出し力の僅かな増加が有効な巻き半径の減少
に相応して起るにすぎない。このために必要なガ
ス状、液体状または電気的エネルギーの準備は乗
物に与えられている。

本発明の別の特徴は、明細書の特許請求の範囲
および図面から明らかになる。

以下、本発明の実施例について図面を参照して
詳細に説明する。

第３図と第４図から明らかなように、ベルト１
がスプール軸２に巻きつけられており、その端部
はモータを収容するハウジング部分３と、必要時
にベルト１を錠止するための、例えばラチエツト
機構のようなベルトロツク機構を有するハウジン
グ４に支承されている。スプール軸２は、いつぱ
いのスプール５がハウジング部分３，４を越えて
突出しないように両ハウジング３，４の間に配設
されている。両ハウジング３，４がフランジ７に
より相互に結合されており、それによつて巻込装
置６全体がねじ８で乗物に固定される。ハウジン
グ３に収納された駆動装置としてのモータ（ここ
では後述する第５図の公知の羽根セルモータであ
る）を駆動するために、ハウジング３の外壁９に
圧力媒体即ちガスまたは液体用の２つの接続口１
０と１１が設けられており、後述されるようにし
てモータが駆動される。

第５図の実施例では、巻込装置６のモータとし
て空気圧または液圧で駆動される羽根セルモータ
が設けられている。これはハウジング３に偏心し
て支承されている駆動部材としての回転子１２を
有し、その上に半径方向に移動可能な４枚の羽根
１３が互に直角をなして配設されている。ハウジ
ング３と回転子１２の間にある空間が羽根１３に
より個々の室に分離されており、それらの容積は
回転すると羽根１３の半径方向位置が変るため変
化する。個々の室は、回転中あるときは入口１０
とまたあるときに出口１１と連結される。

羽根セルモータの入口１０は、駆動ユニツト例
えばすでに乗物にあるオイルポンプまたは別に設
けたオイルポンプの吐出口に接続すると共に、出
口１１は導管を介して油だめに開口するようにす
る。圧縮空気を利用する場合は、駆動ユニツトと
して例えば乗物の原動機により駆動されるポンプ
を据付ければ良い。羽根セルモータは負圧でも正
圧でも作動でき、その際回転子１２の回転が直接
巻込装置のスプール軸に伝達される。

巻込装置用のモータはまた電気的な駆動ユニツ
トとして例えば乗物のバツテリーを介して駆動す
ることもできる（第６図）。この場合に、駆動装
置としては例えば円板回転子モータが用いられ
る。このモータは、モータハウジング３にあるス
プール軸２の端部に配設された駆動部材としての
回転子１４を有し、この回転子は絶縁材料で作ら
れていてかつ両側の銅箔製の通路を担持してい
る。回転子１４は、一様な磁界を生じる磁石１５
の間で回転する。しかしながら、円板回転子モー
タの代りにかご形回転子モータを用いることもで
きる。

羽根セルモータおよび円板回転子モータは小さ
い寸法のみを有することができ、それ故乗物に附
属品として容易に収めることができる。

本発明によれば、ベルト１を引き出すときの力
の上昇を最小量に減らすことができる。第１図
に、ベルト１がスプール５から引き出される引張
力Ｚを巻きスプール半径にわたつて慣用の戻しば
ねの場合にプロツトされているダイアグラムが示
されている。ベルト１が完全に巻きつけられたと
きに、巻きスプール５は半径Ｒを有する（第３
図）。これまでの通常のばねはこの状態で定めら
れた力に付勢されている。ベルト１を引き出す
と、戻し力が巻きスプール５の半径の減少と共に
強く増大して、ベルト１が全く引き出されたとき
の半径ｒでその最高値（引き出された線）に達す
る。この力の経過はばね力の増加によりかつ同時
に有効な巻き半径が減少する（細線）ことにより
惹起される。本発明による実施（第２図）では、
戻し一回転モーメントが一定の場合に巻き半径の
減少と共に上昇する戻し力は第１図の戻し力に比
較して著しく小さくなる。今や、有効な巻き半径
の減少が僅かに起ると共に、ばね力の影響が最小
になる。

本発明による安全ベルト巻込装置によれば、僅
かな力の上昇の下に安全ベルトを引き出すことが
でき、その際ベルトが完全にその始動位置に巻き
戻ることが保証される。

本発明の巻込装置は、大きさが小さいので乗物
に都合良く収納できる。巻込装置のモータを駆動
するために必要な駆動ユニツトが既に存在してい
るので、乗物に装置を取りつける作業は簡単にか
つ適当に実施される。

【図面の簡単な説明】

第１図は慣用の戻しばねの場合に巻回半径にわ
たるベルト引出し力の経過を示すグラフ、第２図
は一定の戻し一回転モーメントを有する本発明に
よる巻込装置の実施例の場合に、巻回半径にわた
るベルト引出し力の経過を示すグラフ、第３図は
本発明による実施例の巻きスプールの断面図、第
４図は本発明による巻込装置の斜視図、第５図は
羽根セルモータの駆動装置を有する巻込装置の部
分断面図、第６図は電気的駆動装置を有する巻込
装置を示す図である。 １……ベルトまたはロープ、２……スプール
軸、３，４……ハウジング、６……巻込装置、１
０，１１……接続部、１２，１３；１４，１５…
…駆動装置、１２；１４……駆動部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベルトまたはロープの端部と連結されかつハ
   ウジングに支承されているスプール軸を有し、こ
   のスプール軸にベルトまたはロープを巻き上げ可
   能であり、スプール軸がベルトまたはロープの全
   体の引き出し範囲にわたつて常に近似的に一定の
   戻し回転モーメントを受けるようになつている、
   車両および航空機用安全ベルト巻込装置におい
   て、前記スプール軸２が、気体または液体により
   駆動されるモータにまたは電磁的に駆動されるモ
   ータにしつかりと連結され、前記モータが乗物に
   ある圧力気体源または圧力液体源にまたは電源に
   接続部を介して接続されていることを特徴とする
   装置。