JPS6124191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は初期炊飯完了から所定時間後に一定時
間炊飯ヒータを再通電して所謂二度炊きを行ない
得るようにした炊飯器に関する。

従来、電気炊飯器において、炊飯完了温度にて
炊飯ヒータが断電（以下これを初期炊飯完了と称
することにする。）された後、所定のむらし時間
を置いて炊飯ヒータを一定時間再通電すると云う
所謂二度炊きを行なうと澱粉のα化が進んで水分
の少ない美味な御飯が得られることは良く知られ
ている。ところが従来、上記のようなむらし時間
及び炊飯ヒータの再通電時間を使用者が勘によつ
て決めていたので安定した二度炊き状態を得るこ
とができないと云う欠点があつた。

本考案は上記の欠点を除去すべくなされたもの
で、その目的は一旦、炊飯開始操作すると、初期
炊飯完了後のむらし時間及び炊飯ヒータの再通電
時間が自動的に決定されて二度炊き行程が自動的
に進行されると共にこのことを高価なタイマーを
用いずに実現できる炊飯器を提供することにあ
る。

以下本考案の一実施例について図面を参照して
説明する。１は鍋２を着脱自在に収容する内枠
で、外枠３内に断熱材４を介して配設してある。
５は外枠３に装着された化粧カバー、６は内枠１
の内底部に配置された鍋２を輻射加熱するための
炊飯ヒータである。７は基本的に周知構造の温度
検知作動機構であり、以下これについて詳述す
る。即ち８は内枠１の内底部に一体に形成した隆
起筒部で、これの下端開口部には支持体９を固着
し、これに案内筒１０を設けている。１１は案内
筒１０内に上下動自在に設けられた伝熱部材で、
その上端が鍋２の外底面に伝熱的に圧接するよう
に常時圧縮コイルばね１２によつて上昇付勢され
ており、その伝熱部材１１の上端下面には炊飯完
了温度T3（例えば130℃）に達すると非磁性体に
なる整磁鋼１３を固着している。１４は途中部分
にばね受座１５を固着した作動棒で、上端に整磁
鋼１３に吸着する永久磁石１６を備え、常には伝
熱部材１１の上端下面とばね受座１５との間に設
けられた圧縮コイルばね１７によつて下方へ移動
付勢されている。この結果、温度検知作動機構７
の特に作動棒１４はその永久磁石１６が整磁鋼１
３に吸着した鍋２の温度を検知する検知位置と永
久磁石１６が整磁鋼１３から圧縮コイルばね１７
の弾発力によつて離される非検知位置との二位置
間で上下動可能になる。１８は中間後に保持孔１
９を有してこれに作動棒１４の下端を係合により
連結して成る第一のレバー、２０は炊飯ヒータ６
を通断電制御する制御スイツチ、２１は電磁石２
２を補助温度スイツチ２３とで通断電制御する補
助スイツチである。ここで制御スイツチ２０及び
電磁石２２は図示しない取付部材に固定配置さ
れ、また補助スイツチ２１は静止部位たる支持枠
２４に固定配置され、更に補助温度スイツチ２３
は鍋２の温度に間接的に応動するように内枠１の
外底部に配置されている。さて、作動棒１４に連
結された第一のレバー１８は温度検知作動機構７
に連動して回動するものであり、即ちこの第一の
レバー１８は永久磁石１６が整磁鋼１３に吸着し
た検知位置にあるときの第一の位置Ｐ１（第２図
参照）と永久磁石１６が自動復帰して整磁鋼１３
から離れ下降した非検知位置にあるときの第二位
置Ｐ２（第３図参照）との間で回動可能であり、
特に第一，第二の位置Ｐ１，Ｐ２間の第三の位置
Ｐ３（第１図，第５図参照）をとる状態もあり、
この第三の位置Ｐ３でも永久磁石１６が整磁鋼１
３から離れた位置をとる。さて、前記第一のレバ
ー１８の図中左端には制御スイツチ２０の作動子
２５を該第一のレバー１８が第一の位置Ｐ１に回
動したときのみ押圧する第一の押圧片２６と、電
磁石２２のプランジヤ２７に該第一のレバー１８
が第二及び第三の位置に達したとき十分に近接対
向する押圧受片２８とを夫々一体に設けている。
また第一のレバー１８の図中右端付近には補助ス
イツチ２１の作動子２９を該第一のレバー１８が
第二の位置Ｐ２に回動位置したときのみ押圧する
ための第二の押圧片３０を一体に延出形成してい
る。ここで前記制御スイツチ２０はその作動子２
５が押圧されたき接片（ａ−ｂ）間オン（作動状
態）となりその押圧が解除されたとき接片（ａ−
ｏ）間オンとなる構成のもので、また補助スイツ
チ２１はその作動子２９が押圧されたときのみオ
ン（作動状態）となる構成のものである。さて、
３１は支持枠２４に設けられた支点軸３２に中間
部を回動自在に支持させた第二のレバーで、前記
第一のレバー１８と連繋機構３３を介して連繋さ
れ、且つ図中右端部には回動操作するための操作
摘み３４を取付けている。この第二のレバー３１
は第一のレバー１８とでレバー機構をなす。さて
前記連繋機構３３について詳述するに、３５は第
一のレバー１８中、その第二の押圧片３０の延出
部付近に設けたピンで、第二のレバー３１の図中
左端寄りに設けた舌片３６に形成した長孔３７に
挿入位置している。これにより、第一のレバー１
８は第二のレバー３１に対して長孔３７の略長さ
範囲で左右に移動できる。一方、第一のレバー１
８の図中右端は下方に折曲されており、その下端
にはこれを右方に折曲することにより係止片３８
を形成していると共に、この係止片３８と対応す
る関係位置にて第二のレバー３１に係合孔３９を
形成している。この係合孔３９は係止片３８が自
由に通電し得る大きさに定め且つピン３５が長孔
３７内の右端に相対的に移動した状態で該係止片
３８に係合する構成としている。また第二のレバ
ー３１の左端にはこれを上方に折曲することによ
つてストツパ４０を形成し、以てストツパ４０は
係合孔３９と係止片３８との係合が第３図に示す
ように外れたとき、第一のレバー１８のピン３５
を中心とする第３図中反時計方向への回動量を第
二の位置Ｐ２までに制御するように作用せしめて
いる。而して連繋機構３３は上記構成の結果係止
片３８と係合孔３９とが係合しているとき第二の
レバー３１をセツト方向である時計方向に回動操
作すると第一のレバー１８も同一方向に回動する
と云うように両レバー１８，３１間を互に連結す
る状態と、係止片３８が係合孔３９から外れた位
置にあるとき第一のレバー１８が第二のレバー３
１を残してピン３５を中心に時計方向に回動でき
ると云うように両レバー１８，３１間の連結を解
除した状態とを形成できる構成となるものであ
る。

次に第６図に示す制御回路において、４１は二
本の電源線４２，４３を引出して成る差込みプラ
グで、一方の電源線４２は制御スイツチ２０の接
片（ａ−ｂ）間及び炊飯ヒータ６を介して他方の
電源線４３に接続し、また、両電源線４２，４３
間には補助スイツチ２１，電磁石２２及び補助温
度スイツチ２３の直列回路を接続している。尚、
この第６図において、４４は鍋２の上面開放口を
閉鎖する蓋への露付きを防止するための周知の蓋
ヒータ、４５は周知の保温ヒータ、４６は保温ヒ
ータ４５を通断電制御する熱応動形リードスイツ
チ、４７は炊飯表示ランプ、４８は保温表示ラン
プ、４９，５０は各表示ランプ４７，４８の保護
抵抗である。

第７図には縦軸に温度Ｔをとり横軸に時間ｔを
とつた鍋２の温度特性曲線５１と共に前記制御ス
イツチ２０，補助スイツチ２１，電磁石２２及び
補助温度スイツチ２３のタイムチヤートが示され
ている。このタイムチヤートにおいて、斜線帯は
スイツチオンまたは通電状態を意味する。この第
７図に示す如く前記補助温度スイツチ２３は鍋２
の上昇温度が略100℃（T2）に達するとオフし、
そして、その降下温度が略98℃（T1）に達する
と再びオン（応動状態）する特性に定めてある。

次に上記構成の作用について説明する。今、炊
飯開始前の状態として各部が第１図の状態（第５
図もこれと同一状態）にあつたとする。この状態
即ち非セツト位置から操作摘み３４によつて第二
のレバー３１を時計方向に第２図に示すセツト位
置まで回動操作したとすると、第一のレバー１８
は係合孔３９と係止片３８との係合より第二のレ
バー３１と連結状態になつているから支点軸３２
を中心に第一の位置Ｐ１まで時計方向に回動さ
れ、これに伴つて作動棒１４が上昇しその永久磁
石１６が整磁鋼１３に吸着される。従つて全体と
しては第２図の状態になり、制御スイツチ２０は
第一のレバー１８の第一の押圧片２６によつて作
動子２５が押圧された状態となるためその接片
（ａ−ｂ）間がオンとなり炊飯ヒータ６が通電さ
れて初期炊飯が開始される。一方、作動棒１４の
上記のような上昇が圧縮コイルばね１７により付
勢された状態での垂直上昇であるのに対して第一
のレバー１８は回動移動であるので、該第一のレ
バー１８は第５図と第２図との比較から明らかな
ようにピン３５が長孔３７に沿いながら若干左方
に移動し係止片３８と係合孔３９との係合が外
れ、両レバー１８，，３１間の実質的な連結が解
除され、この状態で初期炊飯が続行される。さ
て、第７図中、時刻t1にて示す如く、鍋２が炊飯
完了温度T3に達すると、温度検知作動機構７が
自動復帰し、即ち整磁鋼１３が急速に非磁性体に
変化するから、作動棒１４は圧縮コイルばね１７
の弾発力により下方に移動し、これに追従して第
一のレバー１８は第３図に示す第二の位置Ｐ２ま
でピン３５を中心に回動される。このような第一
のレバー１８の回動は第２図に示す如く初期炊飯
状態で係止片３８が係合孔３９から外れてこれを
通過し得る状態、即ち第二のレバー３１に対する
連結が解除された状態にあることによつて許容さ
れる。第一のレバー１８が上記のように第二のレ
バー３１をセツト位置に残して第二の位置Ｐ２に
移動した第３図の状態になると制御スイツチ２０
の作動子２５は第一の押圧片２６による押圧から
解除されるため、制御スイツチ２０は接片（ａ−
ｂ）間オフ，接片（ａ−ｃ）間オンとなり、炊飯
ヒータ６が断電されると共に保温ヒータ４４が通
電される。これと同時に、上記のような第一のレ
バー１８の第二の位置Ｐ２への回動に伴い、その
第二の押圧片３０によつて補助スイツチ２１はそ
の作動子２９が押圧されてオン状態になる。一
方、このような動作によつて炊飯ヒータ６が断電
された時刻t1から鍋２の温度は徐々に降下し、そ
して時刻t2にて澱粉のα化に寄与しなくなる直前
の温度、即ち略98℃（T1）に達すると補助温度
スイツチ２３がオンとなる。この結果、電磁石２
２が通電されそのプランジヤ２７が第４図に示す
如く突出変位して第一のレバー１８をその押圧受
片２８を介して斜め方向に押し上げる。そうする
と、第一のレバー１８の垂直上昇成分によつて永
久磁石１６が作動棒１４により上昇されて整磁鋼
１３に吸着し、以て温度検知作動機構７が再セツ
トされ且つこの過程で第一のレバー１８は自身の
水平方向成分の移動によつて第４図に示す如く係
止片３８を係合孔３９に係合させ、以て両レバー
１８，３１は互の連結状態を回復する。このよう
にして第一のレバー１８は第４図に示す第一の位
置Ｐ１へ再回動され、補助スイツチ２１はその作
動子２９への第二の押圧片３０による押圧が解除
されオフとなるから電磁石２２は断電される。さ
て、上記の如く電磁石２２によつて第一のレバー
１８が第４図に示す第一の位置Ｐ１へ回動される
と、その第一の押圧片２６によつて制御スイツチ
２０の作動子２５が押圧されるため再度接片（ａ
−ｂ）間オンになり、炊飯ヒータ６が再通電され
る。従つて鍋２は再び略98℃から昇温されそして
再び炊飯完了温度である略130℃（T3）に達する
と、温度検知作動機構７が前述のように自動復帰
し、即ち整磁鋼１３が非磁性体となつて作動子１
４が圧縮コイルばね１７により下方に移動されこ
れと一体に第一のレバー１８も反時計方向に回動
される。このとき、第一のレバー１８と第二のレ
バー３１とは係止片３８と係合孔３９とがすでに
係合していて互に連結状態となつているから、第
二のレバー３１も第一のレバー１８と一体に支点
軸３２を中心に反時計方向即ち非セツト位置に復
帰回動し、各部は最終的に第１図及び第５図の復
帰状態に戻る。この場合、第一のレバー１８の反
時計方向への回動量は第２図の状態から第３図の
状態への変化の場合と異なりストツパ４０によつ
ては制限されないので第三の位置Ｐ３までとな
る。

以上のようにこの炊飯器によれば、第二のレバ
ー３１をセツト位置に一旦操作するのみで、炊飯
ヒータ６の通電による初期炊飯を開始するもの
で、そして炊飯完了温度で作動する温度検知機構
７によつて炊飯ヒータ６が断電された後のむらし
時間は補助温度スイツチ２３により自動的に決定
され、その後電磁石２２によつて温度検知作動機
構７が自動的に検知位置へ再設定されて炊飯ヒー
タ６が再通電され、そしてその再通電時間は温度
検知作動機構７が非検知位置へ自動復帰するまで
の時間とするように決定される。このようにして
初期炊飯完了後のむらし時間及びその後の炊飯ヒ
ータ６の再通電時間が自動的に決定されるので常
に安定した二度炊き状態を得ることができると共
に、これを実行するのに高価なタイマーを用いる
必要がないので安価な構成となり、しかも、むら
し時間及び炊飯ヒータ６の再通電時間を鍋２の温
度との関係で決定しているのでそれら各時間をタ
イマーによつて鍋２の温度とは無関係に一義的に
定めるものに比して最良の澱粉α化作用と水分除
去作用とが得られる。

本考案は以上述べたように、高価なタイマーを
用いずとも常に安定した二度炊き作用を得ること
ができる炊飯器を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は炊飯器主要部の縦断側面図、第２図乃至第５図
は主としてレバー機構部分を示す状態説明図、第
６図は制御回路の結線図、第７図は温度特性曲線
と共に示すタイムチヤートである。 図中、２は鍋、６は炊飯ヒータ、７は温度検知
作動機構、１８は第一のレバー（レバー機構）、
２０は制御スイツチ、２１は補助スイツチ、２２
は電磁石、２３は補助温度スイツチ、３１は第二
のレバー（レバー機構）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍋を加熱する炊飯ヒータと、前記鍋の温度の検
   知位置と非検知位置との二位置間で移動するよう
   に設けられ該鍋が炊飯完了温度に達したとき非検
   知位置へ自動復帰される温度検知作動機構と、こ
   の温度検知作動機構に連動して前記炊飯ヒータを
   通断電制御する制御スイツチと、前記温度検知作
   動機構を前記二位置間で移動させる手動操作可能
   なレバー機構と、通電されたとき前記レバー機構
   を介して前記温度検知作動機構を前記検知位置に
   再セツトさせる電磁石及びこの再セツトに応動す
   る補助スイツチと、前記炊飯ヒータの断電に伴う
   前記鍋の降下温度に応動して前記補助スイツチが
   応動状態にあることを条件に前記電磁石を通電さ
   せる補助温度スイツチとを具備して成る炊飯器。