JPS6123877Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、たとえばエスカツシヨン等の板状
体に形成した開口にスイツチ類操作用の操作部材
を脱落しないようにして配設したカーラジオ、カ
ーステレオ等の操作部に関するものである。

従来のこの種のものには、第１図に示すよう
に、エスカツシヨン１に形成した開口２に不透明
でかつ弾性を有する爪３を一体に形成したもの
や、第２図に示すように、不透明でかつ弾性を有
する爪１３を具えた爪部材１４をエスカツシヨン
１１の開口１２位置にねじ１５等で取付けたもの
があり、これらはいずれも爪３，１３のはたらき
により、開口２，１２内に周囲に間隙をあけて配
設した不透明な操作ボタン４，１６がエスカツシ
ヨン１，１１から脱落することを防止していた。
爪３，１３が不透明である理由は、一般に照明用
に利用される透明樹脂は材質が脆弱であるため爪
３，１３を形成することが困難であるからであ
る。第１，２図において、５，１７は操作ボタン
４，１６の進退動作により切換えられるスイツチ
である。

しかしながら、このよような従来のものは、前
者は図示しない内部光源の光を操作ボタン４と開
口２との間隙から漏洩させて操作ボタン４の周囲
を照明しようとした場合、不透明な爪３が光の透
過を妨げるから操作ボタン４の周囲を均等に照明
することができず、また後者は前者と同様の欠点
の他、部品点数が多いうえねじ１５等による取付
作業が必要であるから、工数が嵩んでコストアツ
プとなる等、いずれも種々の欠点があつた。

この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除
し、板状体に形成した開口に光透過性材料からな
る保持部材を一体に設け、この保持部材に進退可
能に保持された操作部材に脱落防止部材を設けた
カーラジオ等の操作部を提供することを目的とす
るものである。

この考案を図面に示す実施例を参照して説明す
る。

第３，４図において、２１は不透明材料からな
らるエスカツシヨンであつて、適所に開口２２が
形成されている。２３は光透過性材料好ましくは
透明材料からなる保持部材であつて、前端が開口
２２内に嵌入されてエスカツシヨン２１と一体に
構成され、内部に貫通孔２４が形成され、後部に
は前方係止面２５および後方係止面２６が形成さ
れている。２７は不透明材料からなる操作ポタン
であつて、保持部材２３の貫通孔２４に進退可能
に挿通して保持され、後部には保持部材２３の後
方係止面２６と協働する下向張出部２８が形成さ
れ、さらに、下向張出部２８の下端から前方へ延
びた弾性を有する延長部２９が形成され、延長部
２９の前端には保持部材２３の前方係止面２５と
協働する脱落防止用の爪３０が形成されている。
保持部材２３の材料としてはたとえばアクリル樹
脂等が挙げられる。３１はエスカツシヨン２１の
背後において保持部材２３の側部に配置された光
源、３２は操作ボタン２７の進退動作により切換
えられるスイツチであつて、矢印方向に復元力が
はたらくようになつている。

操作ボタン２７は下向張出部２８の前面が保持
部材２３の後方係止面２６と係合する第３図に実
線で示す位置と、下向張出部２８の後面がスイツ
チ３２の段部３３と係合する第３図に鎖線で示す
位置との間を進退してスイツチ３２を切換えるも
のであり、この進退ストロークａよりも、第３図
に実線で示す位置における爪３０と保持部材２３
の前方係止面２５との間の間隙ｂの方が長く形成
されていて、そのため爪３０は操作ボタン２７の
進退動作を何ら妨げないようになつている。

上記のものは、第４図に示ように操作ボタン２
７をエスカツシヨン２１の方から保持部材２３の
貫通孔２４に挿入すると、延長部２９が弾性を有
しているため爪３０は保持部材２３の後方係止面
２６を越えて前方係止面２５の前方へ入り込む。
このようになつた操作ボタン２７は、エスカツシ
ヨン２１を所定位置に組付けたり取外したりする
際に、下向張出部２８の前面が保持部材２３の後
方係止面２６と係合することによりんそれ以上前
方へは移動せず、また爪３０が保持部材２３の前
方係止面２５と係合することによりそれ以上後方
へは移動せず、したがつて保持部材２３から全く
脱落しないこととなる。

そして所定の組立てが完了したものにおいて光
源３１を点灯すると、光源３１から保持部材２３
に入射した光が開口２２内において操作ボタン２
７の周囲に位置した保持部材２３の前端から前方
へ放射され、それにより操作ボタン２７の周囲が
照明されることとなり、そのため周囲環境が暗く
てもに操作ボタン２７の位置ははつきりと確認さ
れることとなる。

なお、上記実施例では保持部材２３の前端をエ
スカツシヨン２１の開口２２内において操作ボタ
ン２７の周囲全体に設けたが、必要に応じて操作
ボタン２７の周囲の一部だけに設けてもよく、ま
た操作ボタン２７の下向張出部２８はもちろんた
とえば上向きに張出すこともでき、さらにカーラ
ジオに限らずカーステレオその他の電気機器にも
適用することができ、その他この考案は上記実施
例の種々の変更、修正が可能であることはいうま
でもない。

この考案は上記のように構成したので、操作部
材の周囲を均等に照明することができ、そのため
周囲環境が暗くても操作部材の位置をはつきりと
確認することができ、しかも透過照明であるから
照明効率がよくて光むらが発生しない。また板状
体を所定位置に組付けたり取外したりする際に操
作部材が板状体から脱落するおそれが全くないか
ら、組付時や取外し時における作業性がよく、さ
らに操作部材を保持部材に組付ける作業性もよい
等のすぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものの一例を示す要部の縦断側
面図、第２図は従来のものの別の例を示す要部の
縦断側面図、第３図はこの考案の実施例を示す要
部の縦断側面図、第４図は第３図のものの要部の
展開斜視図である。 ２１……エスカツシヨン、２２……開口、２３
……保持部材、２４……貫通孔、２５……前方係
止面、２６……後方係止面、２７……操作ボタ
ン、２８……下向張出部、２９……延長部、３０
……爪、３１……光源、３２……スイツチ、３３
……段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状体に形成した開口に、操作部材を進退可能
   に保持した光透過性材料からなる部材を一体に設
   け、前記操作部材に脱落防止部材を設けてなるカ
   ーラジオ等の操作部。