JPS6123722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、蒸気管中におけるドレンを自動的に
排出可能なトラツプ装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

通常のトラツプ装置においては、第１図に例示
するように蒸気本管１の支管２に設けられた一対
の開閉弁３，３、ストレーナ部４、トラツプ部５
等を有しており、かつストレーナ部４およびトラ
ツプ５等の点検、調整、換装等の作業に備えて開
閉弁６を有するバイパス管７が併設されている。
これら各部分３〜７は相互に独立した単品を組合
せて構成される場合が多いので大きな配管スペー
スを必要としかつ取付および配管に多くの手数を
要するばかりでなく、上記点検その他の作業に際
しても複数の開閉弁３，３，６を個別に操作しな
ければならないため著しく面倒である。また、試
験用分岐管８およびその開閉弁９等を有する場合
には取扱いがさらに煩雑にある。

〔考案の目的〕

本考案は上述のような問題点を解消するために
なされたもので、その目的とするところは、配管
スペースがごく小さくて済みかつ取付および配管
が簡単、容易であり、ストレーナ部およびトラツ
プ部に対する開閉自在なバイパス流路を備えてお
り、しかも取扱いがきわめて容易なトラツプ装置
を提供することにある。

〔考案の概要〕

本考案は、弁装置を介して蒸気管と接続される
トラツプ部を有するものにおいて、上記弁装置
は、流入口および流出口と上記トラツプ部とを連
通する各流路に設けられた一対の弁室と、相互に
連動して上記弁室に内装された上記トラツプ部に
関してそれぞれ１つの開位置と２つの閉位置とに
変位自在な一対の弁体と、これら弁体がそれぞれ
一方の閉位置にあるとき上記流入口および流出口
を相互に連通するバイパス流路とを具備してなる
ことを特徴とするものである。

〔考案の効果〕 本考案は上述のように構成されているので、上
記弁体が開位置にある場合には流入口→トラツプ
部→流出口の流路が形成されて通常のトラツプ運
転が行なわれる。また、弁体が一方の閉位置にあ
る場合には流入口→バイパス流路→流出口の流路
が形成されるとともにトラツプ部が閉状態とさ
れ、他方の閉位置にある場合にはバイパス流路お
よびトラツプ部が共に閉状態とされる。すなわ
ち、トラツプ部の開閉およびバイパス流路の開閉
を１つのハンドルによつて切換操作することがで
きるので、取扱いがきわめて簡単かつ容易であ
る。さらに、トラツプ部を弁箱と一体に構成して
おくことにより配管スペースはごく小さくて済み
かつ取付に際しては弁箱に蒸気管を接続するだけ
でよく、取付作業が著しく簡単である。しかも、
バイパス流路は弁箱の流入口と流出口との間に形
成されるので、トラツプ部およびこれと併設され
るストレーナ部等の点検、調整、換装等の作業を
行なうために他の開閉弁等を特設する必要もな
い。したがつてコストも節減できるなど、実用
上、多くの優れた効果を奏することができる。

〔考案の実施例〕

第２図において弁装置１０の弁箱１１は、一側
に位置して回動位置を可変設定自在に設けられた
一対のアダプタ１２および１３を備えており、こ
れらアダプタ１２，１３を介して蒸気管（図示
略）に接続されるようになつている。弁箱１１の
他側には、後述するストレーナ部１４およびトラ
ツプ部１５が設けられている。一方のアダプタ１
２に設けられた流入口１６と、ストレーナ部１４
およびトラツプ部１５とを連通する第１流路１７
には、第１弁室１８が設けられている。他方のア
ダプタ１３に設けられた流出口１９と、ストレー
ナ部１４およびトラツプ部１５とを連通する第２
流路２０には、第２弁室２１が設けられている。
各弁室１８および２１には弁座２２，２３および
２４，２５がそれぞれ設けられている。各弁室１
８および２１の内部には、弁座２２，２３および
２４，２５と回動自在に摺接する第１弁体２６お
よび第２弁体２７が配設されている。これら弁体
２６および２７はいずれも球状をなし、連結部材
２８を介して同動可能に連結されるとともに、一
方、たとえば第１弁体２６は弁箱１１の外方に延
在する駆動軸２９に連結されている。駆動軸２９
にはハンドルなどの操作部（図示略）が設けられ
ている。各弁体２６および２７には上記第１流路
１７および第２流路２０を開閉自在に連通する第
１弁孔３０および第２弁孔３１がほぼ平行に開設
されている。各弁体２６および２７の外周部に
は、弁孔３０および３１の各側方に位置して、上
記流入口１６と第１弁室１８および第２弁室２１
と流出口１９とをそれぞれ開閉自在に連通可能な
第１凹部３２および第２凹部３３が形成されてい
る。弁箱１１には第１弁室１８と第２弁室２１を
連通する連通路３４が設けられている。

上記ストレーナ部１４は、弁箱１１に設けられ
た外室３５および内室３６と、これら両室間に介
設された着脱自在なストレーナ３７とを備えてい
る。外室３５は上記第１流路１７と連通してい
る。ストレーナ３７は網状材料から筒状に形成さ
れ、弁箱１１に対して着脱自在に取付けられた蓋
体３８に支持されている。

上記トラツプ部１５は、上記第２流路２０と連
通して上記内室３６に開口する弁口３９と、内室
３６の内部に位置して蓋体３８に支持された駆動
部材４０と、弁口３９と開閉自在に対向位置して
駆動部材４０に支持された第３弁体４１とを備え
ている。図示例においては駆動部材４０が伸縮自
在なベローズおよびこれに封入された液体とを備
えている。

つぎに、上述のように構成された装置の動作に
ついて説明する。上記内失室３６の内部温度が低
い場合には、駆動部材４０を構成する上記液体が
収縮することによりベローズが短縮され、第３弁
体４１が上昇することにより弁口３９が開放状態
にある。このような状態において上記操作部を操
作することにより駆動軸２９を介して第１弁体２
６を開位置（図示位置と直交する位置）に回動変
位させると、連結部材２８を介して第２弁体２７
も開位置に回動変位される。したがつて、流入口
１６から流入されたスチーム等の高温蒸気は第１
弁孔３０→外室３５→ストレーナ３７→内室３６
→弁口３９→第２弁孔３１流出口１９の方向に流
動される。これにより駆動部材４０を構成するベ
ローベ内の液体が膨張してベローズが伸縮される
と、第３弁体４１によつて弁口３９が閉じられ蒸
気の流動は停止する。内室３６に低温のドレンが
滞留すると、上記液体が収縮することによりベロ
ーズが短縮して弁口３９が開放され、ドレンは弁
口３９→第２弁孔３１→流出口１９を経て排出さ
れる。なお、蒸気中に固形分等が含有されている
場合には、ストレーナ３７を通過する際に分離さ
れ外室３５内に保留される。

上記操作部を操作することにより駆動軸２９を
介して第１弁体２６および第２弁体２７を図示の
一方の閉位置に回動変位させると、流入口１６か
ら流入する蒸気は第１凹部３２、連通路３４、第
２凹部３３からなるバイパス流路を経て流出口１
９から流出され、ストレーナ部４およびトラツプ
部５に流動されることはない。したがつて蒸気の
流動を遮断することなくストレーナ部１４および
トラツプ部１５等の点検、調整、換装等を行なう
ことができる。

また、第１弁体２６および第２弁体２７を他方
の閉位置（図示位置と反対の位置）に回動変位さ
せると、流入口１６と流出口１９との連通が断た
れるので蒸気の流動が遮断される。

上記構成によれば３位置に切換可能な一対の弁
体２６，２７を相互に連動するように設けたの
で、トラツプ運転、バイパス運転および管路遮断
の３態様にワンタツチで切換えることができ、上
記従来例に比較して取扱いがきわめて簡単かつ容
易である。また、１つの弁箱１１に２つの弁体２
６，２７、ストレーナ部１４およびトラツプ部１
５を一体に設けるようにしたので、装置全体が小
形かつ軽量であり配管スペースがごく小さくて済
むばかりでなく、現場配管が少ないので取付作業
がきわめて簡単かつ容易であり、コストも節減す
ることができる。しかも、弁箱１１に対して流入
側アダプタ１２および流出側アダプタ１３の各回
動位置を可変設定自在に構成したので、装置本体
の姿勢を変えずに種々な方向の配管（たとえば水
平、垂直およびこれらの組合せ、または戻り配管
など）に容易に対応させることができる。さら
に、ストレーナ３７、駆動部材４０および第３弁
体４１等を蓋体３８に支持させるようにしたの
で、ストレーナ部１４およびトラツプ部１５の点
検、調整、部品換装等が容易である。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるも
のではなく、たとえば弁体２６および２７を球状
に形成する代りに他の適宣形状のものとしても、
あるいは回動型の代りに直動型のものとしてもよ
く、かつ両者を一体に形成するようにしてもよ
い。要すればストレーナ部１４およびトラツプ部
１５は弁箱１１に対して着脱自在に設けるように
してもよく、かつ構成および動作態様等を異にす
るものであつてもよい。場合によつてはストレー
ナ３７を省略することも可能である。また、凹部
３２および３３は形状および位置等を適宣に変更
してもよく、たとえば第３図に示すような扇形状
に形成すれば弁体の回動角度に応じて流路断面積
が異なるので、バイパス流量の調節が容易にな
る。必要に応じ弁箱１１に弁口３９と連通する試
験用開閉弁を取付けるようにしてもよい。その
他、本考案の要旨とするところの範囲内で種々の
変更ないし応用が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す系統図、第２図は本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は要部の変形例
を示す説明図である。 １０……弁装置、１１……弁箱、１４……スト
レーナ部、１５……トラツプ部、１６……流入
口、１７，２０……流路、１８，２０……弁室、
１９……流出口、２６，２７……弁体、２８……
連結部材、３２，３３……凹部（バイパス流
路）、３４……連通路（バイパス流路）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁装置を介して蒸気管と接続されるトラツプ部
   を有するものにおいて、上記弁装置は、流入口お
   よび流出口と上記トラツプ部とを連通する各流路
   に設けられた一対の弁室と、相互に連動して上記
   弁室に内装された上記トラツプ部に関しそれぞれ
   １つの開位置と２つの閉位置とに変位自在な一対
   の弁体と、これら弁体がそれぞれ一方の閉位置に
   あるとき上記流入口および流出口を相互に連通す
   るバイパス流路とを具備してなることを特徴とす
   るトラツプ装置。