JPS6122994B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はひげ侵入孔を有する剪断板と、この剪
断板に対し相対移動してこれに共働する切断ユニ
ツトとからなる型式（以下「上記型式」と言う）
の乾式ひげ剃り器用の切断ユニツトに関するもの
である。本発明は特に、複数個のカツターと複数
個のひげ引張素子とを具え、これら各ひげ引張素
子を対応するカツターの切断動作方向前方に配置
すると共に、該カツターに対し相対変位可能と
し、前記各ひげ引張素子に鋭利端縁を設け、切断
ユニツトがひげ剃り器内で作動する間、前記ひげ
引張素子が剪断板のひげ侵入孔上を通る時、これ
ら孔内に侵入したひげからの反力でひげ引張素子
がカツターに対し前記剪断板が、遠去かる方向へ
相対移動することにより、前記鋭利端縁が前記ひ
げを一層深くひげ侵入孔に侵入させるように引つ
張るようにした切断ユニツトに係わる。

この種切断ユニツトは英国特許第1467557号明
細書により周知のものである。この種既知の切断
ユニツトにおいては、各ひげ引張素子を相当広い
面積に亘り対応するカツターの傾斜前面に摺接さ
せ、この摺接を、カツターに対し相対的なひげ引
張素子の移動中全般に亘り行なわせる。しかしこ
の場合、ひげ引張素子とカツターとの間でひげが
切断されたり、その他の誤作動を生ずると、後者
に対する前者の相対移動が妨げられたり、不可能
になることがある。

本発明の切断ユニツトは上記型式の切断ユニツ
ト、即ち複数個のカツターと複数個のひげ引張素
子とを具え、これら各ひげ引張素子を対応するカ
ツターの切断動作方向前方に配置すると共に、該
カツターに対し相対変位可能とし、前記各ひげ引
張素子に鋭利端縁を設け、切断ユニツトがひげ剃
り器内で作動する間、前記ひげ引張素子が剪断板
のひげ侵入孔上を通る時、これら孔内に侵入した
ひげからの反力でひげ引張素子がカツターに対し
前記剪断板から遠去かる方向へ相対移動すること
により、前記鋭利端縁が前記ひげを一層深くひげ
侵入孔に侵入させるよう引つ張るようにした切断
ユニツトにおいて、前記各ひげ引張素子を、カツ
ターに対する前記相対移動中該カツター上で回動
するよう配置した点に特徴づけられる。

好ましくは、各ひげ引張素子を対応するカツタ
ーにほぼ線接触させて、この接触線の周りでカツ
ターに対し相対回動可能にするのが良い。

この場合、本発明によれば例えば、各カツター
に溝を設け、この溝内で対応するひげ引張素子を
回動自在に支持する。

本発明の他の例では、各ひげ引張素子に山形彎
曲面を設け、この面を対応するカツターにころが
り接触又は摺接させる。

本発明においては更に、各ひげ引張素子に、対
応するカツターの前側で前方に突出し、先端が鋭
利な第１部分と、この第１部分に結合され、該第
１部分より剪断板から遠去かる方向へ延在する第
２部分とを設け、ひげ引張素子を前記第１、第２
部分間の連結部においてカツターに枢動接触させ
ることもできる。

図面につき本発明を説明する。

第１図および第２図に示すひげ剃り器は、ハウ
ジング１上に３枚の剪断板３用の剪断板ホルダー
２を具える。剪断板３は円形とし、これらにひげ
入口孔としての溝孔４を円形模様に設ける。

回転切断ユニツト５（第２図参照）を各剪断板
３の内側と共働するよう位置させる。各切断ユニ
ツト５は第２図にその１個のみを示すが、第３図
につき後述するように、複数個のカツターとして
のひげ切断刃と、複数個のひげ引張素子としての
ひげ引張羽根とを具える。

切断ユニツト５は電動機１０により剪断板３に
対し相対回転させ、この目的のため電動機１０
に、中空スピンドル６、歯車７および電動機１０
の軸９に固着した歯車８を介して切断ユニツトを
結合する。歯車７を各々スピンドル１１上に回転
自在にジヤーナル軸受けし、スピンドル１１を取
付板１２上に固着する。歯車７に窪み１３を設
け、これを蓋板１４により閉塞する。窪み１３内
に、中空スピンドル６の一端に形成したフランジ
１５を収納する。フランジ１５は例えば方形等の
非円形とし、窪み１３の形状をこれに対応させる
ことにより、歯車７の回転がスピンドル６に伝わ
るよう両者を駆動結合する。ばね１６を大部分が
中空スピンドル６内に位置するように配置すると
共に、中空スピンドル６の端壁および窪み１３の
端壁間に縮設して設け、これによりスピンドル６
を切断ユニツト５に向け附勢する。スピンドル６
の円錐部分１７を切断ユニツト５に押付けてその
力を切断ユニツトに伝達すると共に、その後この
切断ユニツトを経て剪断板３に伝達し、これによ
り剪断板の周縁を囲むフランジ１８が剪断板ホル
ダー２に押付けられるようにする。ひげ剃り器の
使用中、剪断板３は、これを使用者の皮膚に押付
ける押圧力により切断ユニツト５およびスピンド
ル６と共に内方へ、ばね１６のばね作用に抗し押
動されることができる。

各スピンドル６から切断ユニツト５への回転の
伝達が行なわれるよう、スピンドル６の端部１９
を矩形断面形状とし、これを、対応する形状にし
た切断ユニツト５の中心孔２０に係合させて、ス
ピンドル６と切断ユニツト５との駆動結合を行な
う。

第１図および第２図に示すひげ剃り器において
は、３個の全ての切断ユニツトを上述したと同様
の方法で電動機１０に駆動結合する。即ち、３個
の歯車７を電動機軸９上の単一歯車８に噛合させ
て上記駆動結合を行なう。

第３図に示すように、各切断ユニツト５に切断
部材２１を設け、これに中心本体２２を設ける。
中心本体２２に複数個のひげ切断羽根２３を、中
心本体２２の周縁部に一様に配して形成する。中
心本体２２には係合孔２０を形成する。第３図乃
至第５図に示すように、各切断羽根２３の回転方
向（Ｐで示す）前方に傾斜面３７を設け、これ
を、剪断板３の内側と摺接する面４１に対し鋭角
的に傾斜させる。面３７，４１の合流縁３５を切
断羽根の切断刃とする。ひげ剃り器の作動中、切
断羽根の摺接面４１は剪断板に設けたひげ入口溝
孔４上を通過し、切断刃３５は溝孔４の周縁にお
いて剪断板と共働してこの溝孔を貫通するひげを
剪断する。

各切断ユニツト５には更に、複数個のひげ引張
羽根２４を各切断羽根２３の前方に配して設け
る。各ひげ引張羽根２４は関連する切断羽根２３
の前面３７上に回転自在に支持する。この目的の
ため、第３図乃至第５図の例では、各ひげ引張羽
根２４をその一端において屈曲させ、Ｌ字状とな
し、屈曲部の外側面を、切断羽根２３の前面３７
に設けた溝２５に傾動可能に係合させる。溝２５
は、切断羽根の切断刃３５の近くで、これに対し
ほぼ平行となるよう傾斜面３７の横方向に延在さ
せる。ひげ引張羽根２４は溝２５内において切断
羽根とほぼ線接触し、この接触線は切断羽根の切
断刃に対しほぼ平行となり、ひげ引張羽根を上記
接触線において回動自在に支持する。ひげ引張羽
根２４の長腕２４ａは剪断板３から遠去かる方向
へ延在して円板２８の孔２７に貫通させる。円板
２８は例えばスポツト溶接により切断部材２１の
中心本体２２に固着する。各孔２７を、ひげ引張
羽根２４が切断羽根２３上で回動し得るような大
きさとし、対向壁２９，３０を、ひげ引張羽根の
回動を制限するためのストッパとして機能するよ
う構成する。各ひげ引張羽根の長腕２４ａを、円
板２８の切断片を折曲して形成した板ばね３１に
よりストツパ壁２９に向う前方に附勢する。これ
により羽根２４の短腕２４ｂは剪断板３に向け附
勢される。各ひげ引張ばね２４は板ばね３１によ
り円板２８、従つて切断部材２１にも連結する。
この目的のため、板ばね３１の遊端３２を、ひげ
引張羽根の長腕２４ａに設けた孔３３に貫入させ
る。孔３３は、切断羽根と接するひげ引張ばねの
箇所とは反対の円板２８の側に配置し、これによ
りひげ引張羽根がストツパ壁２９と衝合する時、
板ばね３１のばね力がひげ引張羽根を切断羽根に
対し接触状態に保つようにする。ひげ引張ばね２
４の短腕２４ｂは切断羽根の前方に延在させて、
前端に鋭利な端縁２６を形成する。この端縁２６
はひげ引張羽根の折曲軸線に対し平行に延在さ
せ、ひげ引張ばねと切断羽根との接触線に対し平
行とする。

次に第４図および第５図を参照してひげ引張羽
根２４の作用を説明する。ひげ３４が溝孔４内に
捕取されると、矢印Ｐ方向に移動しているひげ引
張羽根２４の鋭利端縁２６がＡ点においてひげと
接触する（第４図参照）。鋭利端縁２６はＡ点に
おいてひげ３４を剪断することなくこれを僅かに
通過する。この時ひげ３４によりひげ引張羽根２
４に反力Ｋが生じ、この反力はひげ引張羽根２４
を切断羽根２３との接点の周りに回動させ、鋭利
端縁２６は剪断板３から遠去かる。これにより、
ひげ３４は使用者の皮膚に弾力があるため、鋭利
端縁２６によりひげ貫通溝孔４内で更に引つ張ら
れ、その後切断羽根２３の切断刃３５がＢ点にお
いてひげ３４をとらえる（第５図参照）。かく
て、ひげ３４は、剪断板３と共働する切断羽根２
３により切断される。従つて、この場合、ひげ引
張羽根を持たないひげ剃り器よりも、Ａ点および
Ｂ点間の距離だけひげ３４の切除長さが長くな
り、一層の深剃りが可能である。

反力Ｋによるひげ引張羽根２４の上記回動は、
板ばね３１に抗して行なわれる。ひげ３４が切断
されると、板ばね３１はひげ引張羽根２４を原位
置（第４図参照）に復帰させ、この位置で羽根２
４の鋭利端縁２６は板ばね３１の僅かな圧力によ
り剪断板３に係合される。

第６図の例では、ひげ引張羽根２４を基本的に
はＬ字状となるよう彎曲させ、長腕および短腕間
の彎曲外側面に山形彎曲面３６を設定する。この
彎曲面３６は切断羽根２３の傾斜前面３７に摺接
並びにころがり接触し、この場合傾斜前面には溝
を形成しない。作動中、ひげ引張羽根２４は反力
Ｋを受けると、切断羽根２３の前面３７上を剪断
板３から遠去かる方向へ摺動する。この結果、ひ
げ引張羽根２４のひげ３４を通過した鋭利端縁２
６は剪断板から遠去かる方向へ移動してひげを溝
孔４から一層引出す。同時に、切断羽根２３上の
ガイド面３７は剪断板３から遠いひげ引張羽根２
４の端部３８を後方にそらせて、羽根２４の彎曲
面３６を羽根２３の前面３７上で転動させ、これ
により羽根２４の端縁２６を一層剪断板３から遠
去かる方向へ移動させてひげ３４を溝孔４に一層
深く侵入させる。この時ひげ引張羽根２４は第６
図に破線で示す位置となる。ひげ３４が切断羽根
２３により切除されると、ひげ引張羽根２４は、
図示せざる弾性素子により原位置に戻されるよう
にする。

第７図の例は第６図の例と同様のものである
が、本例では、各ひげ引張羽根２４の端部３８を
リンク４０により後方へそらせ、このリンクでガ
イド面３９による代りにひげ引張羽根２４を切断
ユニツト５に連結する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明切断ユニツトを持つ乾式ひげ剃
り器の正面図、第２図は同じくその一部を第１図
の−線上で断面として示す乾式ひげ剃り器の
側面図、第３図は本発明切断ユニツトの拡大詳細
斜視図、第４図および第５図は同じくその作用説
明図、第６図は本発明切断ユニツトの他の例を示
す要部拡大側面図、第７図は本発明切断ユニツト
の更に別の例を示す第６図と同様の要部拡大側面
図である。 １……ハウジング、２……剪断板ホルダー、３
……剪断板、４……ひげ入口溝孔、５……切断ユ
ニツト、６……中空スピンドル、７，８……歯
車、９……軸、１０……電動機、１１……スピン
ドル、１２……取付板、１３……窪み、１４……
蓋板、１５……フランジ、１６……ばね、１７…
…円錐部分、１８……フランジ、１９……非円形
端部、２０……中心孔、２１……切断部材、２２
……中心本体、２３……切断羽根、２４……ひげ
引張羽根、２５……溝、２６……鋭利端縁、２７
……孔、２８……円板、２９，３０……ストツパ
壁、３１……板ばね、３３……孔、３４……ひ
げ、３５……切断刃、３６……山形彎曲面、３７
……傾斜前面、３９……ガイド面、４０……リン
ク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個のカツターと複数個のひげ引張素子と
   を具え、これら各ひげ引張素子を対応するカツタ
   ーの切断動作方向前方に配置すると共に、該カツ
   ターに対し相対変位可能とし、前記各ひげ引張素
   子に鋭利端縁を設け、切断ユニツトがひげ剃り器
   内で作動する間、前記ひげ引張素子が剪断板のひ
   げ侵入孔上を通る時、これら孔内に侵入したひげ
   からの反力でひげ引張素子がカツターに対し前記
   剪断板から遠去かる方向へ相対移動することによ
   り、前記鋭利端縁が前記ひげを一層深くひげ侵入
   孔に侵入させるように引つ張るようにした乾式ひ
   げ剃り器の切断ユニツトにおいて、前記各ひげ引
   張素子を、カツターに対する前記相対移動中該カ
   ツター上で回動するよう配置したことを特徴とす
   る乾式ひげ剃り器の切断ユニツト。 ２ 各ひげ引張素子を対応するカツターにほぼ線
   接触させて、この接触線の周りでカツターに対し
   相対回動可能にしたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の乾式ひげ剃り器の切断ユニツ
   ト。 ３ 各カツターに溝を設け、これら溝内で対応す
   るひげ引張素子を枢支したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項又は第２項記載の乾式ひげ剃り
   器の切断ユニツト。 ４ 各ひげ引張素子に小形彎曲面を設け、この面
   を対応するカツターにころがり接触および摺接さ
   せたことを特徴とする特許請求の範囲第１項又は
   第２項に記載の乾式ひげ剃り器の切断ユニツト。 ５ 各ひげ引張素子に、対応するカツターの前側
   で前方に突出し、先端が鋭利な第１部分と、この
   第１部分に結合され、該第１部分より剪断板から
   遠去かる方向へ延在する第２部分とを設け、ひげ
   引張素子を前記第１、第２部分間の連結部におい
   てカツターに枢動接触させたことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれかに記載
   の乾式ひげ剃り器の切断ユニツト。