JPS6122905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、折畳まれた状態で多数積重された
積重コンテナーを支持し、該積重コンテナーから
１個づつのコンテナーを分離供給すると共に、積
重コンテナーの残存数が少なくなつた場合、残存
コンテナー上に補充積重コンテナーを補充する装
置に関する。

（従来の技術） 不使用時には小嵩且偏平に折畳まれて、その保
管並びに運搬を容易とし、使用時には組立てられ
て函体となる折畳み式コンテナーは公知である。
この折畳み式コンテナーは、第８図乃至第１０図
に示される通り、上部枠１と、四周に起立縁３を
設けた底板２と、上下両端を夫々上記上部枠１と
底板２とに枢支４及び５し、中間部の蝶着６して
内側に２つ折り可能とした左右両側板７，７と、
上部両端を上記上部枠１に枢支８，８し、内側上
方に回動可能とした前後板９，９から構成されて
いる。そして折畳まれた状態では、第８図に示さ
れる通り前後板９，９が上方に跳ね上げられて上
部枠１と平行にされ、左右両側板７，７がその中
間の蝶着部６から２つ折りされて内側に収めら
れ、上部枠１と底板２とが重ねられており、組立
てられた状態では、第１０図に示される通り、左
右両側板が開かれて起立され、前後板９，９が
夫々垂直に起立され、この前後板９，９が左右両
側板の内向き折曲を阻止して函体形状が維持され
るようになつている。而もこの折畳み式コンテナ
ーは、折畳み状態及び製函状態の何れかにおいて
も積重ねられた状態で上下のコンテナーの横ずれ
を防止するために上部枠１の４隅に切欠凹部１
０，１０が形成され、底板２の下部に上記切欠凹
部１０，１０と対応する嵌合凸部１１，１１が突
設されている一方、上部枠１の前後枠材の中間下
部に切欠部分１２を形成して、折畳み状態で把持
用透孔１３′が形成され、特に折畳み状態におい
て上記上部枠１の把持を容易にするようにしてあ
る。

（考案が解決しようとする問題点） このように構成された折畳み式コンテナーは、
その保管時あるいは運搬時に、折畳み状態で積重
ねられているが、これを使用する際には、函体と
して組立てなければならない。従前ではこのコン
テナーの組立作業を全て人手により行つていたた
め、作業能率が悪かつた。

考案者は、上記人手による組立作業の非能率に
着目し、高能率に組立作業を行う折畳み式コンテ
ナーの自動組立機を開発した。然しこの自動組立
機を高能率に稼働させる為には、折畳み式コンテ
ナーを定間隔に而も早く供給しなければならな
い。一方折畳み式コンテナーとは異なるが、積重
ねた箱体をその最下段に位置するものから順次一
個づつ自動的に分離して送り出し、而も積重ねた
箱体が全て送り出された後補充の積重箱体を送り
出し位置に追加する装置が知られているが、この
公知の分離送出装置は、積重された箱体の全てを
送り出した後補充の積重箱体を追加する際、一時
箱体の送り出しが中断してしまい、箱体を連続し
て間断なく送り出すことができない。

（問題を解決する為の手段） この考案は、上記の点に鑑み折畳まれたコンテ
ナーを定間隔に而も間断なく高能率に供給するこ
とを目的としたもので、積重コンテナーの最下段
コンテナーと係合することにより積重コンテナー
を支持し、内向き同期回動によつて最下段コンテ
ナーとの係合を解除すると共に２段目のコンテナ
ーと係合する対向配置した一対の羽根車と、該羽
根車に臨み且つこの羽根車より高い位置に位置し
て補充積重コンテナーを待機載置するコンベヤー
と、このコンベヤーより僅かに低い位置によつて
羽根車上の数個の残存コンテナー上に出入自在に
配置した受け板と、補充積重コンテナーを待機載
置するコンベヤーの側方に位置し、羽根車に支持
される残存コンテナー上に出された受け板上に補
充積重コンテナーを押し送るプツシヤーとからな
ることを特徴とする。

（実施例） 図面は本考案装置を折畳み式コンテナーの自動
組立機に組込んだ状態を示してある。

先ず上記自動組立機の概略を説明する。Ｂが本
考案に係るコンテナー分離供給装置で、このコン
テナー分離供給装置によつて供給されたコンテナ
ーＡは、搬送装置Ｄによつて側方に移送される。
この搬送装置Ｄは、中間に支持爪片１５を有する
押動杆１４を定間隔に架設した一対のチエーン１
３と、コンテナーＡを支える一対のガイドバー１
６と、終端に位置し上記チエーン１３の進行速度
より早く進行する循環ベルト１７からなる急進部
Ｅを有し、上記本考案分離供給装置Ｂの下方に位
置する部分を第１図に示す通り進行方向上向きに
傾斜させてあり、中間或で上記ガイドバー１６を
下降させてある。そして上記支持爪片１５を折畳
み式コンテナーＡの把持用透孔１３′（第８図
示）に挿入してコンテナーＡを進行させ、ガイド
バー１６の下降位置でコンテナーＡを半製函す
る。Ｃがコンテナー予備製函装置で、作動ロツド
１９を有するシリンダー１８を具備し、該作動ロ
ツド１９の突出作用によりコンテナーＡの前板９
を押し下げ、コンテナーＡの予備製函を行う。

このようにして予備製函されたコンテナーＡは
急進部Ｅによつて急速進行され、支持爪片１５を
抜き出して駆動ローラーコンベヤー２０，２１上
に送なれる。而る後このコンテナーＡは第６図及
第７図に示されるコンテナー製函装置Ｆに送ら
れ、該製函装置のシリンダー２３，２３によつて
作動される製函アーム２２，２２によつて前後板
９，９が押し拡げられ、完全製函される。

扨て第１図乃至第３図に示された２４，２４が
本考案装置の主要部を構成する一対の羽根車で、
不動の枠２５の内側に固設した軸受２６，２６に
軸支した回動軸２７，２７に固設してあり、これ
ら一対の羽根車２４，２４を対向配置させて、こ
の羽根車２４，２４により積重コンテナーA′を
支持している。即ちこれら羽根車２４，２４の１
つの羽根が積重コンテナーA′に最下段のコンテ
ナーＡの上部枠１に形成した切欠部分１２に挿入
して、この羽根により積重コンテナーA′を支持
しており、羽根車２４，２４が回動した際、次に
位置する羽根が下から２段目のコンテナーＡの切
欠部分１２に挿入して積重コンテナーA′を支持
し、該羽根車２４，２４の回動によつて最下段の
コンテナーＡを支持していた羽根が切欠部分１２
から抜け出して最下段のコンテナーＡの支持を解
き分離落下させるようにしてある。

上記一対の羽根車２４，２４を同期回動させる
ため、上記一対の回動軸２７，２７の外端部をベ
ベル機構２８，２８によつて一本の駆動軸２９に
夫々連繋し、該駆動軸２９を駆動源３０に連繋さ
せてある。

A″は補充用の積重コンテナーで、ローラーコ
ンベヤー３１によつて積重コンテナーA′に臨む
位置にまで送られ待機しており、積重コンテナー
A′の残りが少なくなつた際に補充供給されるも
のである。そのため上記積重コンテナーA′の残
量が少なくなつた際に、上記残存積重コンテナー
A′上であつて而も上記ローラーコンベヤー３１
の上面より僅かに低い位置に出入する受け板３２
が設けてあり、この受け板３２の出入動作を受け
板用シリンダー３３によつて行うようにしてあ
る。

３４が上記補充積重コンテナーA″をローラー
コンベヤー３１上から上記受け板３２上へ移し替
えるためのプツシヤー用シリンダーで、そのピス
トンロツド３５及びこれと平行する上下の案内棒
３６，３６の先端にプツシヤー３７を固設し、こ
のプツシヤー３７の押動により補充積重コンテナ
ーA″を移し替えるようにしてある。そしてこの
補充積重コンテナーA″が残存する積重コンテナ
ーA′の直上に位置付けられるよう不動の枠２５
に位置決め用ストツパー３８が固設されている。

上記受け板用シリンダー３３及びプツシヤー用
シリンダー３４は、作業員の手動スイツチ操作に
よつて行うようにしてもよいが、公知の光感応装
置（図示せず）によつて積重コンテナーA′の残
量数が一定となつた場合にこれを感知し、タイミ
ングよく自動的に作動するようにすることが望ま
しい。

斯かる構成からなる本考案装置Ｂにおいて、積
重コンテナーA′は、図示する通り一対の羽根車
２４，２４の羽根によつて支持されている。即ち
該羽根車２４，２４の羽根が最下段のコンテナー
Ａの上部枠１の切欠部分１２に挿入し、この羽根
が積重コンテナーA′の荷重を支えている。従つ
て該羽根車２４，２４を夫々内向きに回動すれ
ば、上記羽根が上記切欠部分１２から抜け出し、
該羽根との係合が解かれることになり、最下段の
コンテナーＡは落下する。それと同時に次の羽根
が下から２段目のコンテナーＡの切欠部分１２に
挿入され、２段目より上に位置する積重コンテナ
ーA′を支持する。

斯くしてコンテナーＡが搬送装置Ｄによつて受
け止められるが、その直上に位置し羽根車２４，
２４によつて支持されている最下段のコンテナー
Ａが、第９図に示すような半組立の状態となり、
その底板２が落下供給されたコンテナーＡの上部
枠１と当接する惧はあるが、搬送装置Ｄのこの部
分を進行方向に向つて上向きに傾斜させてあるか
ら、両コンテナー同志が係合する惧なく、落下供
給されたコンテナーＡを円滑に搬送することがで
きる。

斯くして積重コンテナーA′のコンテナーＡ
が、最下段のものから順次分離供給されてその残
量が少なくなると、例えば図示した実施例では上
記残量が３個となると、図示しない光感応装置の
作用により感知し、受け板用シリンダー３３が作
動し、その作動ロツドが突出して受け板３２が上
記残留している積重コンテナーA′上にまで移動
する。この受け板３２の移動と略同期してプツシ
ヤー用シリンダー３４が作動してピストンロツド
３５が突出し、プツシヤー３７により補充積重コ
ンテナーA″を第３図上右方向に押し動かし、上
記受け板３２上に供給する。この際補充積重コン
テナーA″は位置決め用ストツパー３８により位
置決めされる。斯くした後プツシヤー用シリンダ
ー３４の引込み作動によつて、プツシヤー３７は
原位置に復帰し、次の補充積重コンテナーA″の
ために待機すると共に、受け板用シリンダー３３
の引込み作動により受け板が第３図上右方向に避
退して、上記補充積重コンテナーA″を残留して
いる積重コンテナーA′上に補充積重する。

（考案の効果） 叙上の如く本考案装置では、夫々が内向きに同
期回動する一対の羽根車を対向配置し、この羽根
車の羽根を積重コンテナーの最下段コンテナーと
係合させて該積重コンテナーを支持し、上記羽根
車の内向き同期回動によつて、上記羽根と最下段
コンテナーとの係合を解除すると共に、次の羽根
と２段目のコンテナーとを係合するようにしたか
ら、最下段のコンテナーを自然落下させることに
より分離装置することができ、コンテナーの横ず
れを防止する為に上下に位置するコンテナー同志
を係合作用するようにしたものでも、円滑且つ迅
速に連続して分離供給することができる。従つて
コンテナーの自動組立機に組み付けて組立機の能
力に応じ、人手によることなく自動的に折畳まれ
たコンテナーを供給することができ、コンテナー
の組立作業の能率を高めることができる効果を有
する。

更に本考案では、補充コンテナーを待機載置す
るコンベヤーを上記羽根車より高い位置に配置
し、羽根車上の数個の残存コンテナー上に出入す
る受け板を出入自在に配置し、而も上記補充積重
コンテナーを該受け板上に押し送るプツシヤーを
設けてあるから、羽根車上の積重コンテナーが数
個になつて残り少なくなつた際、補充コンテナー
を上記残存コンテナー上に補充供給することがで
き、コンテナーの供給を連続して間断なく行うこ
とができる従前装置には全く期待し得ない効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置を組み付けたコンテナー組立
機の実施例を示すもので、第１図は最終工程であ
る製函装置を除いた部分の正面図、第２図はその
平面図、第３図は本考案装置の側面図、第４図は
搬送装置の要部の断面図、第５図はコンテナーの
移送中途状態を示す斜面図、第６図は製函装置の
側面図、第７図は同じく正面図、第８図乃至第１
０図は折畳み式コンテナーの斜面図で、第８図は
折畳まれた状態を、第９図は製函される中途状態
を、第１０図は製函された状態を夫々示す。 Ａ……コンテナー、A′……積重コンテナー、
A″……補充積重コンテナー、２４……羽根車、
３１……コンベヤー、３２……受け板、３７……
プツシヤー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 積重コンテナーの最下段コンテナーと係合する
   ことにより積重コンテナーを支持し、内向き同期
   回動によつて最下段コンテナーとの係合を解除す
   ると共に２段目のコンテナーと係合する対向配置
   した一対の羽根車と、 該羽根車に臨み且つこの羽根車より高い位置に
   位置して補充積重コンテナーを待機載置するコン
   ベヤーと、 このコンベヤーより僅かに低い位置によつて羽
   根車上の数個の残存コンテナー上に出入自在に配
   置した受け板と、 補充積重コンテナーを待機載置するコンベヤー
   の側方に位置し、羽根車に支持される残存コンテ
   ナー上に出された受け板上に補充積重コンテナー
   を押し送るプツシヤーと、 からなることを特徴とする折畳み式コンテナー
   の組立機におけるコンテナー分離供給装置。