JPS6122805Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は延伸性の合成樹脂製のフイルムを使用
する包装装置、特に前記フイルムをトレイに容れ
た被包装物の周りに筒状に被せる装置に関するも
のである。

（従来の技術） 延伸性のフイルムは薄くて柔かいので摩擦係数
が極めて大きく、他の固形物体に対して粘着に近
い現象が起るので、この種フイルムを使用する包
装機は普通のフイルムに使用するような筒状の製
筒型を使用することはできない。つまりこの種の
包装機は成筒型を使わずに、両側をクリツプで支
持したフイルムを直接被包装物の周りに巻きつけ
て包装するようにしている。この場合、従来の包
装機では、第４図に示す如くトレイ１に容れた被
包装物２の周りに巻きつけた延伸性フイルム３の
両側縁３ａ，３ｂを略Ｖ字型の配置した一対のエ
ンドレスベルト４，４で挾みその回転で重ね合
せ、これら側縁３ａ，３ａをトレイ１の底面に合
掌重ねする如くしている。

（考案が解決しようとする問題等） しかし前記の如くトレイ１の下面で合掌重ねさ
れたフイルムの両側縁３ａ，３ｂは、その固有弾
性による収縮作用並びに粘着性によつて、第５図
の如くトレイ１の下面において「しわ」状にな
り、商品価値を低下させる欠点があつた。また同
フイルムの両端３ｃ，３ｃをトレイ１の底面に折
り曲げたとき、しわ状の両側縁３ａ，３ｂに重な
つた部分３ｄ，３ｄが密着しにくい欠点もある。

本考案は上記の点に鑑みフイルムの両側縁がし
わにならないように平たい状態でトレイの下面に
重ねるようにした包装装着を提供することを目的
とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記の目的を達成するために、多数の
クリツプを備えた両サイドの一対のフイルム誘導
チエンの後端に一対の円板を設けると共に、前記
円板に続いてエンドレス状のベルトをトレイの進
路に交又するように設けたものである。

しかして、フイルム誘導チエンに補えられた該
チエンと一体に走行する各クリツプは、同チエン
の前端で一時的に開放して帯状フイルムの両側縁
を挾持し、走行中にトレイの周りにフイルムを直
接巻きつけ、フイルムの両側縁を一対の円板の間
に誘導したあとフイルムの側縁を開放し、一方両
円板の間に挾まれたフイルムの両側縁はトレイの
下面で合掌状に重ね合わされ、重ね合わされたフ
イルム両側縁はベルトの回転でトレイの下面に平
たく倒されるのである。

（実施例） 以下本考案の実施例をを図面に基づき説明す
る。

第１図ないし第３図においては、じやがいもの
如き被包装物ＡをトレイＴに容れた状態で示し、
その周りに無色透明の延伸性のフイルムＦを被せ
た状態を示している。第１図において左右に図示
した一対のエンドレス状のチエン５，５は、その
前後の端を図示するチエンホイル６，６と図示し
ていないチエンホイルとにそれぞれループ状状に
支持すると共に、これらチエン５，５に多数のク
リツプ７，７……を一定間隔で設けている。前記
トレイＴは所定のコンベアに乗つて水平状に搬送
されるが、前記チエン５，５は前記トレイＴの搬
送方向（矢印Ｂ）に向つて下降傾斜し且つまたは
同チエン５，５は前記搬送方向Ｂに向つて先細状
に配置している。このため前記各クリツプ７，７
……によつて両側縁を挾持される帯状のフイルム
Ｆは、チエンホイル６，６の矢印Ｃ，Ｃ方向への
回転によつてトレイＴと同方向に移動しながら、
該トレイＴに周りに所定の張力を保ちつつ巻きつ
けられるものである。

一方、前記のチエンホイル６，６の軸８，８の
上端には円板９，９をそれぞれ固定し、これら円
板９，９の後位にエンドレス状のベルト１０を複
数のプーリ１１，１２，１３に支持して設置して
いる。前記各プーリ１１，１２，１３の軸１１
ａ，１１ｂ，１１ｃの中心線がトレイＴの進行方
向に平するように配置しており、従つてこれらプ
ーリ１１，１２，１３に張設されたベルト１０の
回転方向に前記トレイＴの進行方向に直交する方
向であり、第２図に示す如くトレイＴの底面と対
向する部分に直線で平行な部分１０ａを形成して
いる。なお第１図において１５はベルト１０の後
位に設けた一対の溶着ロールの下側のものを示し
ている。

本考案は上記の如く構成するものにして、以下
作用を説明する。

すでに説明したように、クリツプ７，７……で
両側縁F₁，F₂を挾持されるフイルムＦは、チエ
ン５，５の前下り状の傾斜と、先細り状の配置と
によつて、トレイＴと同方向に移動しながら該ト
レイＴの周りに巻き着くが、各クリツプ７，７…
…は最も接近した位置でカム１７，１７の圧力を
受け、スプリング（図示せず）が圧縮されて開放
されるので、前記フイルムＦの両側縁F₁，F₂は
クリツプ７，７から外れる。この場合、フイルム
Ｆの両側縁F₁，F₂の外側には一対の円板９，９
が回転しているので、フイルムＦの両側縁F₁，
F₂は前記円板９，９に挾持されて強制的に合掌
状に重なる傾向になる。しかし、前記円板９，９
の後位にはベルト１０がトレイＴの進行方向に直
行するようにトレイＴの底面に沿つて回転してい
るので、合掌状に重ねられたフイルムの両側縁
F₁，F₂は前記ベルト１０の回転で合掌重ねされ
たまゝ横方向に折り曲げられる。

（効果） 叙上の如く本考案の製筒装置は、多数のクリツ
プ７，７……を備え且つこれらクリツプ７，７…
…によつて挾持したフイルムＦを被包装物Ａの周
りに巻きつけるが如くした左右一対のエンドレス
状チエン５，５の後端を互に接近した位置で支持
するチエンホイル６，６の上部の一対の円板９，
９に続いて、ベルト１０をその回転方向が前記フ
イルムＦの進行方向に直交するように設置し、前
記円板９，で合掌重ねしたフイルムの両側縁
F₁，F₂をベルトの摩擦力によつて第３図の如く
横方向に折曲げることができ、従つて第５図に示
す従来の合掌重ねのもののようにトレイＴの底に
「しわ」を生ずることなく平たく体裁の良好な状
態に保持され、またその上にフイルムの両端を折
り曲げたときにこれら両端との密着が良好である
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は前図の−線図、第３図は包装製品の底面斜
視図、第４図及び第５図は従来例の説明図であ
る。 １……被包装物、８……トレイ、Ｆ……フイル
ム、５……チエン、７……クリツプ、９……円
板、１０……ベルト、１５……溶着ロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプリングの附勢力を作用させたクリツプ７，
   ７……を多数備えた一対のエンドレス状チエン
   ５，５を被包装物の運搬用コンベアの両側に配置
   し、前記コンベアの進行方向に向つて、その前位
   の方で前記両チエン５，５の端をそれぞれ支持す
   る２個のチエンホイルよりも、後位の方でこれら
   両チエンの端を支濠する２個のチエンホイル６，
   ６の方が低くなるようにこれらチエン５，５に傾
   斜をもたせると共に、前記の後位の方の両チエン
   ホイル６，６を走行する被包装物の下側で接近状
   に配置する一方、前記の各チエンホイルの軸にス
   プリングの附勢力に抗して各クリツプ７，７……
   を開放させるカム１７，１７を設けると共に、前
   記の後位のチエンホイル６，６の上部に該チエン
   ホイルと同軸に一対の円板９，９を設け、前記各
   クリツプによつて挟持され且つ被包装物に巻つけ
   られたフイルムＦの両側縁F₁，F₂を前記の両円
   板９，９間に挾み込むように構成し、さらに前記
   被包装物の進行方向に向つて前記円板の後位に複
   数のプーリに支持したエンドレス状のベルト１０
   をその回転が前記フイルムの進行方向に直交し且
   つ同ベルトの上面を前記円板９，９の上面と略同
   じ高さになるように設置したことを特徴とする運
   搬中の被包装物に帯状のフイルムを巻つける装
   置。