JPS6122774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスクリユードライバーに関し、特にフ
ロントキヤツプを外すことなく外部よりトルク調
整を行うことができるスクリユードライバーに関
する。

この種スクリユードライバーとしては、スピン
ドルに嵌合されたラチエツトの外径部に溝を設
け、この溝とケースに固定されたボルトとを係合
することによりスピンドルの回転を阻止した状態
でスピンドルの外周に螺合したナツトを螺進退さ
せることによりクラツチスプリングのバネ圧力を
変更し、これによりトルク調整を行うよう構成し
たもの（実開昭55−165775号）や、チヤツク軸の
外周に螺合した冠状筒部外周に設けたクラツチと
機筐前部内周に設けたクラツチと係合させること
により冠状筒部の回転を阻止した状態でチヤツク
軸内に外部よりトルク調整工具を挿入してチヤツ
ク軸を回転させ、軸方向移動を阻止された状態の
チヤツク軸に対して冠状筒部を相対螺進退させて
クラツチスプリングのバネ圧力を変更し、これに
よりトルク調整を行うよう構成したもの（実公昭
52−21995号）等がある。

しかし乍ら、前者の構成のものは、トルク調整
に先立つてスピンドルを軸方向に移動させ、ラチ
エツトの溝とケースに固定されたボルトとを係合
させるというスピンドルの回転阻止作業が必要で
あり、後者の構成のものでも同様に機筐前部を軸
方向に移動させて冠状筒部のクラツチと機筐前部
のクラツチとを係合するという冠状筒部の回転阻
止作業が必要となるものであつて、調整作業が煩
わしいものとなつている。

本考案は、上記の如き事情に鑑み、トルク調整
をワンタツチで簡単に行い得るスクリユードライ
バーの提供をその目的とする。

この為、本考案に係るスクリユードライバー
は、ギアケースの先端に取付けられたフロントキ
ヤツプ内に支承されたスライドシヤフトに所定値
以上のトルクが掛かると前記スライドシヤフトと
クラツチシヤフトとを連繋するクラツチが外れる
構成としたものにおいて、前記ギアケースの内周
面に前記に切り欠きを形成したクラツチスリーブ
を回動自在に螺合させ、該クラツチスリーブとク
ラツチ間にクラツチスプリングを介在させるとと
もに、クラツチスリーブの前記切り欠きに前記フ
ロントキヤツプに備えられたスプリングピンを係
合し、前記フロントキヤツプを回転すると前記ク
ラツチスリーブがギアケースに対して相対螺進退
することにより前記クラツチスプリングのバネ圧
力が変化してトルク調整が行われるよう構成され
ている。

このように構成したスクリユードライバーで
は、クラツチスリーブがギアケースに対して相対
螺進退することによりクラツチスプリングのバネ
圧力を変更することとなるので、従来必要とされ
ていたトルク調整に先立つ回転阻止作業が不要と
なり、単にフロントキヤツプを回動させるという
単一操作丈でトルク調整を簡単に行い得るもので
ある。

以下、本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

図示スクリユードライバーでは、インナーカバ
ー２と一体接合されたギアケース１の先端に固定
用リング２２によりスチールボール２０を介して
フロントキヤツプ３が相対回動自在に支承されて
いると共に、フロントキヤツプ３内にはスチール
ボール２１を介してスライドシヤフト１５が相対
回動自在に支承されている。

ギアケース１の内周面には螺子状部１ａが形成
されており、これと噛合する螺子状部４を外周に
形成したクラツチスリーブ５が回動自在に螺合さ
れている。クラツチスリーブ５内には、アジヤス
トスプリング１６を介してスライドシヤフト１５
に連結されたクラツチ板８ａと、モータシヤフト
１０により中間ギヤ１１・回転軸１２・フアイナ
ルギヤ１４を介して回動されるクラツチシヤフト
１３に固着されたクラツチ板８ｂとがクラツチピ
ン部分２３で係合して成るクラツチ８が設置され
ており、クラツチ板８ｂとクラツチスリーブ５後
端側内周との間にクラツチスプリング９が介装さ
れている。尚、１９・１９はいずれもスラストワ
ツシヤーである。

クラツチスリーブ５の先端側には、径方向対称
位置に一対の切り欠き７・７が形成されており、
フロントキヤツプ３の内周に取付けられた一対の
スプリングピン６・６が係合されている。

このように構成するスクリユードライバーで
は、クラツチスリーブ５とフロントキヤツプ３と
がスプリングピン６・６によつて相互に係止され
ているので、フロントキヤツプ３を回転するとク
ラツチスリーブ５も同期回動する。クラツチスリ
ーブ５が回動すると、その外周に形成した螺子状
部４とギアケース１の内周に形成した螺子状部１
ａとの噛合関係によつて、クラツチスリーブ５が
ギアケース１に対して相対螺進退する。これによ
りクラツチ板８ｂとクラツチスリーブ５の後端側
内周との間隔が変動してクラツチスプリング９の
橈み量が変化し、クラツチ８に作用するトルクが
変更されることとなる。

以上の如く、本考案に係るスクリユードライバ
ーに依れば、トルク調整の為のクラツチスプリン
グのバネ圧力変更は、フロントキヤツプの回転と
いうワンタツチ操作で行うことが出来るものであ
り、しかも構造が極めてシンプル且つコンパクト
なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスクリユードライバーの
実施例を示す要部縦断面図、第２図はそのクラツ
チスリーブの平面図である。 １……ギアケース、３……フロントキヤツプ、
５……クラツチスリーブ、６……スプリングピ
ン、７……切り欠き、８……クラツチ、９……ク
ラツチスプリング、１５……スライドシヤフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ギヤケースの先端に取付けられたフロントキヤ
   ツプ内に支承されたスライドシヤフトに所定値以
   上のトルクが掛かると前記スライドシヤフトとク
   ラツチシヤフトとを連繋するクラツチが外れる構
   成としたものにおいて、前記ギアケースの内周面
   に前端に切り欠きを形成したクラツチスリーブを
   回動自在に螺合させ、該クラツチスリーブとクラ
   ツチ間にクラツチスプリングを介在させるととも
   に、クラツチスリーブの前記切り欠きに前記フロ
   ントキヤツプに備えられたスプリングピンを係合
   し、前記フロントキヤツプを回転すると前記クラ
   ツチスリーブがギヤケースに対して相対螺進退す
   ることにより前記クラツチスプリングのバネ圧力
   が変化してトルク調整が行われるよう構成したこ
   とを特徴とするスクリユードライバー。