JPS6122678B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、搬送行程の中間部では端部よりも
増速される乗客コンベヤに用いる手摺装置に関す
るものである。

最近の乗客コンベヤは、搬送行程が長大化する
傾向にあり、この場合に乗客コンベヤに乗つてか
ら降りるまでに長時間を要する。そこで、乗客コ
ンベヤに乗つている時間を短縮させてサービスを
向上させる必要がある。このために、乗客コンベ
ヤとして、これの乗口付近では乗客が安全に乗れ
るように遅い速度で駆動し、中間部に近づくに従
つて徐々に加速し、中間部では一定の高速で移動
し、降口に近づくと徐々に減速し、降口付近では
乗客が安全に降りられるように遅い速度で運転す
る、中間高速形のものが提案されている。

この発明は、上述のような中間高速性の乗客コ
ンベヤに設けられて、移動手摺が欄干の端部では
低速に、これの中間部では高速に移動でき、しか
も中間部では外側レール１本で簡単な構成である
と共に駆動効率が高く、かつ確実に動作し、乗客
の安全を保つことができるようにした、乗客コン
ベヤの手摺装置を提供することを目的としてい
る。

以下、第１図ないし第７図によつて、この発明
による乗客コンベヤの手摺装置の一実施例を説明
する。

第１図ないし第４図中、１は乗客コンベヤ、２
はトラス、３はトラス２内に無端状に配置された
中間高速ステツプであり、図示しない駆動機によ
り駆動されるように構成されている。４はトラス
２に立設された欄干であり、４ａは欄干４の内側
板、４ｂは内側板４ａの上端板、４ｃは外側板す
なわちカバーである。５は横断面Ｃ字状の外側レ
ールであり、この外側レール５は、欄干４の長手
方向に沿つて設けられ、欄干４の両端部には第３
図に示す半径寸法Ｒの反転曲部５ａが設けられ、
欄干４の中間部には反転曲部５ａの接線方向に延
長された直線部５ｂが設けられ、かつ欄干４の外
周付近に配置されて無端状に形成され、適宜の手
段で欄干４に固定されている。６は横断面が外側
レール５と同じＣ字状の内側レールで、内側レー
ル６は、欄干４の端部には上記外側レール５の反
転曲部５ａと同心円弧状であり、かつその半径寸
法Ｒより小さい半径寸法γの反転曲部６ａが設け
られ、この反転曲部６ａの接線方向に延長されて
外側レール５の直線部５ｂの欄干４端部寄り部分
に接続部７によつて欄干中間部側両端が接続され
る傾斜部６ｂが設けられ、かつ外側レール５の内
周側に配置されて、これの両端側に別れて形成さ
れ、適宜の手段で欄干４に固定されている。な
お、内側レール６の傾斜部６ｂは欄干４の端部に
近づくに従い外側レール５の直線部５ｂから次第
に大きく離れるように傾斜されている。８は外側
レール５に係合されてこの外側レール５内を転動
するガイドローラであり、これらのローラ８は多
数が１列に配置され、軸８ａがそれぞれ突設され
ている。９は多数の手摺片であり、手摺片９は、
第５図ないし第７図にも示すように、一端部に設
けた軸支部９ａにローラ８の軸８ａがそれぞれ枢
着され、軸支部９ａと一体に設けたグリツプ部９
ｂが欄干内側板４ａの上端板４ｂを覆うように形
成され、グリツプ部９ｂ内に下面が開口した凹部
９ｃが形成され、この凹部９ｃ内にローラ９ｄが
収容され、ローラ９ｄが軸９ｅでグリツプ部９ｂ
に軸支されて上記上端板４ｂ上を転動するように
され、さらにグリツプ部９ｂの前後両方向に姿勢
保持部９ｆ，９ｇがローラ８の半径より長い長さ
にそれぞれ突設されている。１０は内側レール６
および外側レール５の前記接続部７より中央側の
直線部５ｂに係合されて、これらの内部を転動す
るローラからなる案内子であり、案内子１０は多
数が１列に配置され、軸１０ａがそれぞれ突設さ
れている。１１は第１リンク１１ａと第２リンク
１１ｂとからなるリンク組立である。第１リンク
１１ａか、手摺片９のローラ８に設けた軸８ａに
一端部が枢着され、かつ他端部が案内子１０の軸
１０ａに枢着されている。第２リンク１１ｂは、
第１リンク１１ａの内側すなわち手摺片９のロー
ラ８および案内子１０側に配置されて、第１リン
ク１１ａが枢着されたローラ８の軸８ａに一端部
が枢着され、かつ他端部が第１リンク１１ａが枢
着された軸１０ａをもつ案内子１０と隣接する案
内子１０に軸１０ａに枢着され、さらに第１リン
ク１１ａと同じ長さに形成されている。上記第１
リンク１１ａの一端部すなわち手摺片９のローラ
８側端部および他端部すなわち案内子１０側端部
には、外側レール５に対する外周側および内周側
に配置されてピン１１ｃおよび１１ｄがこれぞれ
水平に突設され、これらのピン１１ｃ，１１ｄに
よつてガイドローラ１１ｅ，１１ｆがそれぞれ枢
支されている。そして、リンク組立１１は、手摺
片９のローラ８および案内子１０が外側レール５
の直線部５ｂに係合した部分では第１、第２リン
ク１１ａ，１１ｂは一直線状となり、かつ手摺片
９のローラ８が外側レール５に係合し案内子１０
が内側レール６に係合した部分では第１、第２リ
ンク１１ａ，１１ｂがＶ字形となるようにされて
いる。１２は蛇腹などからなる伸縮自在なカバー
であり、カバー１２は隣接する手摺片９に両端部
が固定されて手摺片９の相互間にそれぞれ配置さ
ている。１３はリンク組立１１によつて連結され
た手摺片９、案内子１０およびカバー１２などで
無端状に構成された移動手摺である。１４は案内
子１０の軸１０ａに枢着されて案内子１０とリン
ク組立１１との間に配置され、かつ案内子１０よ
り大径の円板状の姿勢保持具、１５は案内子１０
の軸１０ａ突出端部のリンク組立１１寄りに固定
された止め輪である。１６は駆動機であり、この
駆動機１６は、駆動用モータ１６ａの軸に駆動ス
プロケツト１６ｂが固定され、欄干４の内側板４
ａに固定された軸１６ｄに従動スプロケツト１６
ｃが枢持され、上記駆動スプロケツト１６ｂと従
動スプロケツト１６ｃにチエーンからなる連動帯
６ｅが巻き掛けられ、連動帯１６ｅのリンク外周
側には爪１６ｆが所定間隔で突出されており、こ
れらの爪１６ｆが案内子１０の軸１０ａに係脱可
能に係合してリンク組立１１が駆動されるように
構成されている。また、駆動機１６は外側レール
５の直線部５ｂと対応した内周側の位置に配設さ
れている。１７は方向選定部材であり、この方向
選定部材１７は接続部７近傍の内側板４ａに固定
されており、外側レール５と内側レール６の接続
部７から外側レール５と平行な外側案内面１７ａ
と、内側レール６の傾斜部６ｂに平行な内側案内
面１７ｂとが、ガイドローラ１１ｅと１１ｆの支
持可能にそれぞれ設けられている。

次に、上述のように構成された実施例の手摺装
置の動作について説明する。上記駆動機１６のモ
ータ１６ａが付勢されると、駆動スプロケツト１
６ｂが回転して連動帯１６ｅが移動し、これに伴
つて爪１６ｆも移動することにより、爪１６ｆに
案内子１０の軸１０ａが係合してリンク組立１１
が搬送される。そして、手摺片９のローラ８およ
びローラからなる案内子１０が共に外側レール５
の直線部５ｂに係合されている状態では第１リン
ク１１ａと第２リンク１１ｂとが一直線となつて
リンク組立１１が移動し、移動手摺１３は所定の
高速で移動する。リンク組立１１が第４図の矢印
に示すように右側に向つて移動して来ると、手摺
片９は第１リンク１１ａの外周側のガイドローラ
１１ｅが方向選定部材１７の外側案内面１７ａ上
に支持されて直進し、外側レール５の直線部５ｂ
を反転曲部５ａに向つて移動し、案内子１０は第
１リンク１１ａの内周側のガイドローラ１１ｆが
方向選定部材１７の内側案内面１７ｂ上に支持さ
れて内側レール６の傾斜部６ｂに進路を変更され
る。この傾斜部６ｂは外側レール５の直線部５ｂ
との間隔が欄干４の端部に近づくに従つて広くな
るので、リンク組立１１がＶ字形となり、Ｖ字形
の角度が次第に狭くなる。このため、欄干４の中
間部から端部に向う場合に、内側レール６の傾斜
部６ｂでは移動手摺１３の移動速度が次第に減速
する。また、外側レール５、内側レール６の反転
曲部５ａ，６ａでは、リンク組立のＶ字形の角度
が最も狭くなり、かつ相互間隔が一定となる。こ
のため、反転曲部５ａ，６ａでは所定の低速で移
動手摺１３が移動する。さらに、反転曲部５ａ，
６ａから傾斜部６ｂを経て直線部５ｂ方向にリン
ク組立１１が移動する場合には、移動手摺１３は
上述した動作とは逆の動作となり、反転曲部で所
定の低速で移動する手摺片が傾斜部で増速し、直
線部では所定の高速で移動する。したがつて、中
間高速ステツプ３の速度変化に対応させて移動手
摺１３に速度変化を与えて移動させることができ
る。

そして、外側レール５の直線部５ｂの内側レー
ル６との接続部７より中央側の範囲では、第１、
第２リンク１１ａ，１１ｂの軸８ａ，１０ａが一
直線に並ぶので手摺片９の移動速度が最高とな
る。また、リンク組立１１が上記軸１０ａで駆動
され、外側レール５の幅方向の分力が生じないた
めに、駆動効率がよく、外側レール５、軸８ａ，
１０ａ、ローラ８、案内子１０なぢの摩耗および
破損を防止できる。

さらに、手摺片９の移動速度は、外側レール５
と内側レール６との間隔または第１、第２リンク
１１ａ，１１ｂの長さを変更させることにより変
化させることができるので、上記間隔および長さ
を適切にすることで、手摺片９の移動速度を中間
高速ステツプ３の速度変化に合せることができ
る。なお、移動手摺１３の移動速度の変化率を高
くするには半径寸法ｒ／Ｒを小さくし、また加減
速を徐徐に行うには内側レール６の傾斜部６ｂの
長さを長くすることで達成できる。

この実施例では、外側、内側レール５，６の反
転曲部５ａ，６ａおよびこれらの付近では、リン
ク組立１１のＶ字形の角度が狭くなり、第１、第
２リンク１１ｃ，１１ｂの相互長さや反転曲部５
ａ，６ａの半径寸法Ｒ，ｒの製作誤差によつてリ
ンク組立１１の２等辺三角形が崩れ、移動手摺１
３の移動が阻害されることが考えられる。しか
し、隣接する手摺片９の姿勢保持部９ｆ，９ｇが
互に当接し、また姿勢保持具１４が隣接するもの
と互に当接するので、隣接する案内子１０が接し
てこれらの回転を阻害し、円滑な移動ができなく
なるなど、リンク組立１１の姿勢の崩れによる障
害の発生を防ぐことができる。

また、この実施例の手摺装置では、中間高速ス
テツプ３に乗つた乗客は、最寄りの手摺片９をつ
かみ、乗客コンベヤを降りるまで、他の手摺片９
をつかみ直すことなく、安定した姿勢で搬送され
る。さらに、カバー１２を備えているので、乗客
が誤つて内側板４ａの上端壁４ｂに触れることが
なく、安全に乗客を搬送することができる。

この発明において、乗客コンベヤ１の搬送行程
が長い場合には、欄干４の長手方向に複数の駆動
機１６を設置すれば、長い搬送行程をもつものに
も容易に対処できると共に、１つの駆動機１６を
大形化する必要がないので、むだなスペースを必
要としない利点が得られる。

以上説明したとおり、この発明は、外側レール
と、この外側レールの内周側に配設して外側レー
ルの直線部に欄干中間部側端をそれぞれ接続し、
かつ反転曲部をもつ内側レールを備え、外側レー
ルに係合する手摺片と、外側レールの直線部およ
び内側レールに係合する案内子とを、第１、第２
リンクからなるリンク組立で連結して移動手摺を
構成し、手摺片および案内子が外側レールの直線
部に係合した部分で第１、第２リンクが一直線状
になると共に、手摺片が外側レールに係合し案内
子が内側レールに係合した部分で第１、第２リン
クがＶ字形になるようにして、移動手摺の移動速
度を欄干の端部では低速に、中間部では高速に移
動でき、かつこれらの間では次第に速度が変化す
るようにしたので、中間高速ステツプに同期して
移動し、確実に動作して乗客を安全保つことがで
きると共に、とくに中間部の一定速度での高速移
動部では第１、第２リンクを一直線状にし、かつ
外側レールのみの１本のレールにしたので、中間
部にも外側および内側レールを有するものに比
べ、駆動効率を高め、構成部品の摩耗や破損を防
止でき、さらに構成部品数を少くして、安価に提
供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による乗客コンベ
ヤの手摺装置を示す概略側面図、第２図は同概略
平面図、第３図は第１図の欄干一側部を拡大し外
側板を除去して示す―線矢視側面図、第４図
は第３図の部の拡大部分図、第５図は第４図の
―線に沿う断面図、第６図は第３図の部の
拡大部分図、第７図は第３図の部の拡大部分断
面図である。 ３…中間高速ステツプ、５…外側レール、５ａ
…反転曲部、５ｂ…直線部、６…内側レール、６
ａ…反転曲部、６ｂ…傾斜部、７…接続部、９…
手摺部、１０…案内子、１１…リンク組立、１１
ａ…第１リンク、１１ｂ…第２リンク、１３…移
動手摺、１７…方向選定部材。なお、図中同一符
号は同一部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 欄干の長手方向に沿つて設けかつ欄干の中間
   部には直線部、欄干の端部には反転曲部を設けて
   無端状に形成した外側レールと、この外側レール
   の内周側に配設して外側レールの直線部に欄干中
   間部側端をそれぞれ接続し、かつ、欄干の端部に
   近づくに従い上記直線部と次第に大きく離れて反
   転曲部を形成した内側レールと、上記外側レール
   に移動可能に係合して１列に配置した多数の手摺
   片と、上記内側レールおよび外側レールの内側レ
   ールとの接続部より中央側の直線部に移動可能に
   係合して１列に配置した多数の案内子と、上記手
   摺片の１つに一端部を同軸に枢着し、かつ、他端
   部を隣接する２つの案内子にそれぞれ枢着した第
   １、第２リンクとを備え、手摺片および案内子が
   外側レールの直線部に係合した部分で第１、第２
   リンクが一直線状となると共に手摺片が外側レー
   ルに係合し、かつ案内子が内側レールに係合した
   部分で第１、第２リンクがＶ字形となるリンク組
   立を形成し、これらのリンク組立で手摺片および
   案内子を連結して無端状の移動手摺を構成したこ
   とを特徴とする乗客コンベヤの手摺装置。 ２ 外側レールと内側レールとの接続部に手摺片
   および案内子の移動方向を選定する方向選定部材
   を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載した乗客コンベヤの手摺装置。