JPS6121726Y2

JPS6121726Y2 -

Info

Publication number: JPS6121726Y2
Application number: JP10545979U
Authority: JP
Priority date: 1979-07-31
Filing date: 1979-07-31
Publication date: 1986-06-28
Also published as: JPS5622645U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、たとえば光学式文字読取機などに
おいて紙葉類を送る搬送装置に関する。

光学式文字読取機において、紙葉類たとえば紙
テープを連続的または間欠的に送る搬送装置とし
ては、従来はたとえばモータにより連続回転され
る駆動ロール軸にクラツチブレーキを直結して、
このクラツチブレーキを断続することにより、紙
葉類を間欠的あるいは連続的に送るようになつて
いる。しかしながらクラツチブレーキを使用した
場合には、間欠搬送が頻繁に行なわれるとクラツ
チの摩耗等によつて次第に停止精度に誤いを生
じ、停止位置がずれてくる場合がある。このよう
に位置ずれを生ずると、紙葉類に記録された文字
等の情報を正しく読み取ることができなくなるた
め、長期にわたつて高精度を維持できる搬送装置
の開発が望まれていた。

そこで、搬送駆動源として、パルスモータ（ス
テツプモータとも呼ばれる）を使用したものが開
発されたが、このものはクラツチブレーキのよう
な摩耗部分が無く、長期にわたつて高い停止精度
を維持できる長所がある代りに、間欠走行時にお
いて起動時から定速に至るまでに比較的時間がか
かるとともに、停止時には慣性により急には停止
できずに多少振動するために、読取り精度の向上
に限界があり、また送り速度の高速化および定速
化にも限界があつた。

この考案は上記事情にもとづきなされたもので
その目的とするところは、従来のクラツチブレー
キのような摩耗部分が無く長期にわたつて高精度
を維持できるとともに、起動停止特性が良く、安
定した速度で搬送できる紙葉類の搬送装置を提供
することにある。

以下この考案の一実施例を、光学式文字読取装
置に適用した図面にもとづき説明する。図中１は
駆動ローラであつて、この駆動ローラ１はプーリ
２およびタイミングベルト３を介して駆動源とし
てのパルスモータ４によつて回転駆動されるよう
になつている。上記パルスモータ４には４相のも
のが使用されていて、このパルスモータ４は駆動
装置５から出されるパルスによつて駆動される。

すなわち、この駆動装置５から出されるパルス
は第２図に示されるような４個のパルス６ａ〜６
ｄを一単位としたもので、後述するごとくこれが
複数組ずつ間欠的に発生される。上記パルス６ａ
〜６ｄは、最初と最後のパルス６ａ，６ｄのパル
ス幅t₁，t₄が、中間パルス６ｂ，６ｃのパルス幅
t₂，t₃よりも大である。そして上記パルスモータ
４はこの一連のパルス６ａ〜６ｄが一回出される
ごとにモータの回転子が最小間欠回転をなして駆
動ローラ１を回転させ、その結果紙葉類Ａを最小
単位送り量としてたとえば0.1mm搬送するように
なつている。なお、紙葉類Ａは１個のパルス当り
0.025mm搬送されることになる。

また８は押付ローラであつて、この押付ローラ
８と駆動ローラ１との間に紙葉類Ａが適度な摩擦
力で挾まれるようになつている。

また、９は読取り機構である。この読取り機構
９は、一例としてたとえば一対の発光素子１０，
１０と反射鏡１１、および集光レンズ１２、光電
変換素子１３とより構成されている。

以上のように構成された一実施例装置は、前記
した一単位分のパルス６ａ〜６ｄを整数倍した数
だけ連続して出すことにより、パルスモータ４の
１回の間欠回転量が決まる。たとえば上記パルス
６ａ〜６ｄを60回連続して出し、かつこれを間欠
的に繰り返すことにより紙葉類Ａが６mmずつ間欠
的に搬送される。そして、間欠走行の一旦停止時
に読取り機構９による読取りが行なわれる。すな
わち発光素子１０，１０から照射された光が紙葉
類Ａ上で反射されて、紙葉類Ａに記録された文字
等の情報が反射鏡１１および集光レンズ１２を介
して光電変換素子１３に与えられ、この光電変換
素子１３にて電気信号に変換されて出力されるも
のである。

しかして上記実施例によれば、４個のパルス６
ａ〜６ｄにより最小単位送り量を得て、この倍数
で間欠送り量を得るようにしたから、間欠送り量
を種々の値に設定しても、常に、第１パルス６ａ
が起動時のパルスとなる。すなわち、トルク幅の
大きな第１パルス６ａによつてパルスモータ４を
起動できるため、大きな起動トルクを与えること
ができる。したがつて起動から定速に至るまでの
時間を短縮できる。そして一旦回転が始まると慣
性が作用するため、パルス幅の小さな第２・第３
パルス６ｂ，６ｃでも安定した回転を続けること
ができるとともに、この第２・第３パルス６，６
ｃのトルクは小さいから、モータの慣性回転に対
してブレーキ作用をなすこともなく、円滑な回転
が可能となる。そして、停止時には常にパルス幅
の大きな第４パルス６ｄがモータの回転を停止さ
せるので、大きな停止トルクを与えることができ
る。このため、停止時に慣性が作用しても、この
大きな停止トルクによつてモータの回転は瞬時に
停止せしめられる。したがつて従来のパルスモー
タのように停止時にドリフトと呼ばれる振動を発
出することがなく、停止特性を向上させることが
できる。

このように上記実施例によればパルスモータ４
の起動停止特性が向上し、間欠走行時における回
転速度が安定化するため、光学式読取機のように
送り速度および停止位置精度に高精度を要求され
る場合にきわめて効果的である。しかもパルスモ
ータは従来のクラツチブレーキ式のものに比べて
摩耗部分が無いので、長期にわたつて高精度を維
持できる。また、４相のパルスモータを４パルス
で駆動するようにしたから、いつも同じ相から励
磁をかけることができ、励磁ミスがなくなる。よ
つて連続搬送の時には速度むらを極小に押えるこ
とができる。

なお、最小単位送り量を得るためのパルス数は
４個に限らず、複数個であればよい。またこの考
案は光学式文字読取機に限らず、要するに紙葉類
を高精度に送る必要のあるものであれば同様に適
用できる。

以上説明したようにこの考案によれば、搬送の
駆動源となるパルスモータを、複数パルスで最小
単位送り量を得るようにし、上記パルスは最初の
パルス幅を中間部のものよりも大きくしたから、
起動時には常に大きなトルクで回転を開始でき、
また停止時には大きなトルクを与えて回転を停止
できる。よつて、起動、停止停性が向上し、起動
から停止に至るまでの送り速度を一定に保つこと
ができるとともに停止精度も向上できる。したが
つて例えば光学式文字読取機等に使用した場合に
は、読取り精度の向上が図れるとともに、送り速
度の高速化も可能となる。しかも従来のクラツチ
ブレーキ式の間欠送り装置のように摩耗による精
度低下を生じることもなく、長期にわたつて高精
度を維持できるなどの優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は概
略的構成図、第２図はパルスの説明図である。４……パルスモータ、５……駆動装置、６ａ〜
６ｄ……パルス、９……読取機構、Ａ……紙葉
類。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

パルスモータを搬送の駆動源として用いること
により紙葉類を連続または間欠的に送るようにし
た搬送装置において、上記モータに複数のパルス
を与えて紙葉の最小単位送り量を得るようにし、
上記複数のパルスは最初と最後のパルス幅を中間
部のパルス幅よりも大きくしたこと特徴とする紙
葉類の搬送装置。