JPS6121681B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属板から打ち抜かれてプレスにより
凹凸構造を設けた、実質的に矩形の多数のプレー
トがその台枠の枠板とカバー板との間に整列して
備えられて面と面とを向き合わせた分解可能に一
個の結合体に組付けられており、その際これらの
プレートは相互の間に交互に、それらの間に配置
されてプレートの対応する溝の中に着座している
周縁部シールによつて密閉されたその蒸発される
べき媒体のための流れ空間と、これに平行に延び
ているその凝縮されるべき媒体のための流れ空間
とを形成し、これら両空間は、互いに一線に並ん
でこれらプレートの切り抜き穴により形成された
流入開口と流出開口とを通して、上記周縁部シー
ルの対応的形成によつて一方はその蒸発されるべ
き媒体を、そして他方は凝縮されるべき媒体を通
すことができ、またその際これらのプレートはこ
れらに載せた凹凸構造によりそれらの両面にわた
り多数の位置で互いに接し且つ支えられているよ
うなプレート式蒸発または凝縮装置に関する。

このような類の公知の蒸発機又は凝縮機におい
ては、一般にその凝縮されるべき媒体を上方から
下方へ通じ、一方その蒸発されるべき媒体はこれ
と並流で、但し一般により好ましくはこれに対し
向流で流される。それら公知のプレートはその蒸
発されるべき媒体の流出入のため及びその凝縮さ
れるべき媒体の流出入のためにいくつかの切り抜
き穴を有しており、それらは通常はそれらプレー
トの矩形断面のコーナー部又はそれらプレートの
上側及び／又は下側の横幅方向の一部分にわたつ
て設けられており、それによつて、それら媒体は
そこから先づ各プレートの間に形成される空間全
体に分配されて最後に再びある一定方向に集合さ
せなければならないということが条件づけられ
る。すでにこのことだけでも各媒体がプレートの
全表面に不均一な、又は不均等な流過分布状態を
もたらし、そして不均一な、一部中断した流体膜
の形成をもたらす。

その上にそれらのプレートは全空間にわたり小
突起又は球欠の形のエンボスによつて、更に一部
またはその液体の流れを案内するリブによつて相
互に支持されており、これがその蒸発側において
形成される液膜の断続的な中断や妨害を、また従
つて好ましくない乱流をもたらす。

もしその蒸発されるべき媒体が固形分を含むも
のである場合には更に加えて、高い熱負荷で操作
することができず、そしてその蒸発空間にその媒
体に含まれる固形分が容易に沈着し、その際中で
も各プレートの流れ状態が不均一であるか又はそ
の固形分を含む媒体によつて交互に洗われるよう
な表面部分に問題が生じ、その部分に過熱が現わ
れてその媒体中に含まれている固形分が焼き付く
というようなことが起り得る。しかもその上にそ
の液体膜がそれらのプレートの間に設けられた支
持用突起、球欠等によつてたえず乱されること
は、先づ第一の均一な熱交換を阻害し、そして第
２にはその結果としてまた上述の過熱現象が現わ
れ得るということをもたらすであろう。例えば蒸
発装置においてはこれら突起等に高粘稠の濃縮物
が固着し、それによつてその運転の間に流動断面
積の関係が追加的に変えられて悪い影響をもたら
し、従つてそのプレート結合体のクリーニングや
開放をしばしば行わなければならないことにな
る。

それら公知のプレート式蒸発又は凝縮装置にお
けるもう一つの欠点はその凝縮液中に含有される
熱量をあまり良好に利用することができないとい
うことである。それら公知のものではこの熱量は
無駄に捨てられるか又は追加的に必要なポンプ及
び同様に追加的に必要となる熱交換器を用いて凝
縮液をその蒸発されるべき媒体の予熱のために利
用している。本発明の課題は、本文のはじめに挙
げた類のプレート式蒸発又は凝縮装置のためのプ
レートを次のように構成することであり、即ちそ
の蒸発されるべき媒体に対して中断部等によつて
阻害されないような直線状の流路をそのプレート
間空間内に入口と出口との間で与えるようにし、
更にその蒸発されるべき媒体に対して殆んど何等
の断面積変化を生じないような流路が通じてい
て、それにより各プレートの間の必要な支持点が
その媒体流路の外側に存在するようにし、そして
その凝縮されるべき媒体に指定されたプレート面
の全体にわたつてこの媒体の一様で且つ完全な分
配が保証されるようにすることである。本発明の
態様の一つとして、多段式蒸発又は凝縮装置の場
合にある一つの段階の凝縮液を直接次の段階にお
いて蒸気を得るために用いるという可能性が開か
れていなければならない。これはその凝縮又は凝
縮装置に何等の費用的影響を与えないような方式
で達成されるものでなければならない。

この発明の課題は本文のはじめに挙げたプレー
ト式蒸発又は凝縮装置より出発して、次のように
して解決される。即ち各プレートに設けた凹凸構
造がその蒸発されるべき媒体の流れ空間中に突出
したそこで重なり合う、媒体の流れに平行に鉛直
方向に延びて互いに間隔を置いて配置されたリブ
と、及びこれらリブの間でその凝縮されるべき媒
体のための流れ空間中に突出してそこで重なり合
う突起等とによつて形成されており、その蒸発さ
れるべき媒体の流入及び流出が各プレートの両長
手方向端のところで周縁部に設けたシールの間に
全プレート幅にわたつて延びているそれぞれの切
り抜き穴と、及びそれらによつて形成される各通
路とによつて行われるようにし、そしてその凝縮
されるべき媒体の流入及び流出が各プレートの上
端部及び下端部の側方に設けたそれぞれの張り出
し部の中に配置された切り抜き穴と、及びそれら
によつて形成される各通路とによつて与えられる
ようにするのである。

本発明によるこのような構成によつて、その蒸
発されるべき媒体の流れがこの媒体のために指定
された、入口と出口との間の各プレート間空間に
関してほとんど何らの断面積変化を与えることな
く直線状に延び、その際その媒体通路中に存在す
る断面狭隘部が除かれており、又その蒸発される
べき媒体中に含まれる固形分が沈着するような流
れの方向変換部も同時に除かれるということが達
成される。また一方、本発明による蒸発プレート
に設けた凹凸構造はその凝縮されるべき媒体が各
プレートの側方から、その蒸発されるべき媒体の
流れの過程にそれによつて悪影響を及ぼしたりま
たはそのようなことを心配する必要なく、流入し
且つ流出することを可能にする。これによつて全
体として各プレートの高い熱負荷及び蒸発される
べき媒体と凝縮されるべき媒体との間でのその蒸
発又は凝縮装置の一段階的構成が可能であり、そ
れによつてこの装置はその構造において簡単且つ
安価になる。

それぞれの切り抜き穴から各プレート間空間中
への凝縮されるべき媒体の流入断面がそれらプレ
ートの間でこれらプレートの長手方向線に対して
横断方向に与えられる作業空間の部分内にあるの
が好都合であることが示されている。このように
した場合に圧力損失を避けることができるが、こ
れはまた本発明によれば、そのプレートに設けた
各突起の間隔がプレートの長手方向と横断方向と
においてほゞ等しい大きさを有し、それによりそ
の凝縮されるべき媒体のプレート間空間中への側
方からの流入と次にこれに垂直な方向へ向かう流
れとの間に何等の断面積変化も生じないようにす
ることによつて更に促進される。更にまた、その
蒸発されるべき媒体の流出入とその凝縮されるべ
き媒体の流出入との間の部分のプレート凹凸構造
が媒体の流れに対して横方向に延びる実質的にサ
イン曲線状波形として構成されており、そして各
隣り合つたプレートのこの波付けが、ある一つの
プレート間空間に関してその中に突出する両波形
の頂部がその媒体の流れに対して平行に互いに接
するような形に相互に半波長幅だけずらせて配置
されているようにするのが有利である。

これによつて各プレート間空間がその熱交換に
関与する各媒体の流入と流出との間の部分におい
て実際上管束として構成され、これがその平滑な
囲壁によつて良好な熱交換にも拘らず僅から流動
抵抗しか示さず、そして一定の幾何学的流動状態
をもたらす。

全体として、上述した本発明による態様におい
てはその各プレート間各空間がその蒸発されるべ
き媒体及びその凝縮されるべき媒体によつてそれ
ぞれ極めてよく貫流されてそれにより全熱交換面
積の高い利用度がもたらされる。

本発明の更に別な態様において、各プレートが
その凝縮されるべき媒体の流出入に用いられる切
り抜き穴の設けられた各張り出し部の間に、それ
ぞれ切り抜き穴を設けたもう一つの側方張り出し
部と、これによつて形成されるその凝縮されるべ
き媒体の供給のための通路とを有し、この追加的
な通路が周縁部シールの対応的な構成によつてプ
レート間空間に対して閉じられており、そして枠
板又はカバー板の中にその凝縮されるべき媒体を
上記追加的な通路から第一の通路へ案内する案内
手段が設けられているのが有利である。

この態様によつて、特に大型のプレート結合体
の場合に、その凝縮されるべき媒体のためのプレ
ート間空間にこのプレート結合体の両側から媒体
の供給を行うことが可能となり、それによつてこ
のプレート式装置の外部に設ける特別な導管系を
そのために必要とすることなくその凝縮されるべ
き媒体の流入の有効度が上昇する。加えてまた上
述の態様は、各プレートや打抜き工程やエンボス
工程において行われる各プレート自身の形成と配
置とによつてその凝縮されるべき媒体のための第
２の流入口の形成を許容する。

またこの追加的通路は本発明によればその枠板
又はカバー板の中の案内手段の連結部の下方にそ
の凝縮されるべき媒体の凝縮液の抜き出し用接続
管を有していることができる。これによつていく
つかのプレート式蒸発又は凝縮装置が前後して連
結されているような多段階装置において先行側の
ある一つの段階の凝縮液を次の段階の上記追加的
通路に供給し、ここでこの凝縮液がこの追加的通
路によつて減圧膨脹空間を見出してそれによりこ
の凝縮液から更にある量の蒸気を取り出すことが
でき、これが第一の通路の凝縮されるべき媒体に
加えられてそれによりこの第一の通路中の蒸気の
量を特別なポンプや熱交換器をそのために必要と
することなく増大させることが可能になる。この
段階に残留している上記追加的通路の凝縮液は前
述した追加的な接続管から抜出し、そして第一の
通路を通つて供給された蒸気の凝縮によつて与え
られた凝縮液と一緒にプレート式蒸発又は凝縮装
置の形の次の段階へ同様に供給することができ
る。

本発明のその他の特徴及び詳細は以下に添付の
図面を参照して挙げる詳細な説明から明らかとな
るであろうが、これらの図面は本発明の技術的範
囲を、ある蒸発されるべき生成物のためのプレー
ト式蒸発装置のみに限定しようとするものではな
い。

第１図は公知の二段式プレート蒸発装置をその
各構成部が引離された状態で示しているが、これ
は枠板１及びカバー板２を有する台枠、並びにそ
れらの間にガイド３，４によつて整列して並べら
れた蒸発プレート５よりなり、これらは枠板１と
カバー板２との間で図示されていない公知の手段
で一緒に押し合わされて一つの結合体に形成され
ており、これは各プレートの間に対応的に配置さ
れた周縁部シール６によつて交互にその蒸発され
るべき媒体のための空間と、その凝縮されるべき
媒体のための空間とを形成している。

各プレート５のコーナー部に対応的に設けた切
抜き穴並びにその周縁部シール６の対応的な形成
によつてこれらのプレートは蒸気、即ちその凝縮
されるべき媒体のための２つの進入路７と、この
ものゝ凝縮液のための排出路８と、その蒸発され
るべき生成物のための流入通路９とを形成し、そ
の際このものゝ濃縮液及び蒸気はこのプレート結
合体から２つの段階１０および１１の中で蒸発し
たあとでこれらのプレートによつて形成される通
路１２を通つて排出される。この通路１２は濃縮
液１４を蒸気１５と分離するための装置１３の中
に開口している。

第２図は上記第１図による装置の１枚のプレー
トを示しているが、これは加熱用蒸気の供給管
７、その蒸発されるべき生成物の第１の蒸発段階
へ送り込むための流入通路９、この生成物を第２
の蒸発段階１１へ送り込む生成物案内路１６、お
よびこの第２の蒸発段階から生成物を排出する生
成物流出通路１２からなつている。他方側にその
凝縮されるべき媒体の蒸気凝縮液出口８が見られ
る。

第２図にみられるように各プレート５は球欠状
の突起１７及び１８をその両側に有しており、こ
れらを介して各プレートは互いに接しており、そ
して図示されていないけれどもそれと共に周縁部
シールの全面とも接している。その他に幾つかの
リブ１９がみられるがこれらはその生成物の一定
の案内の役目をしている。

この第２図にあげた公知のプレート５について
は、その処理されるべき生成物が先づ最初その流
入通路断面部９によつて与えられる断面部分を介
してこのプレートの全幅にわたつて分配され、次
にこれをその第１の蒸発段階のあとで開口１６を
通してその第２の蒸発段階において再びこのプレ
ートの全幅にわたつて分配し、この流れが流出通
路１２を通つて流出できるようにしなければなら
ないということがわかる。このように種々変化す
る断面積拡大及び縮小はある場合にそのプレート
の全表面への不均等な負荷をもたらし、またそれ
と共にそのプレートの全表面にわたつて均等でな
い蒸発過程を生ずる。これに加えてその処理され
るべき生成物の流れがそれら球欠状突起１７又は
１８によつて中断され、乱され、これが渦巻きの
形成、また従つてその蒸発されるべき媒体の側で
の固形分の焼き付きの過熱を含む蒸発過程の著し
い障害をもたらす。

各プレートの蒸気側、即ちその凝縮されるべき
媒体の側については、その両側に設けられた進入
路７の断面積によつてすでにその全プレート断面
にわたる蒸気のできるだけ一様な分布に対して貢
献しているけれども、しかしながらこの蒸気の凝
縮液は最後に排出路８を通して排出しなければな
らず、これがその流れに基いてその流入通路９の
部分が蒸気側において被処理物にあまりよく役立
たないということをもたらす。これによつてはま
た、被処理物に流入通路の部分においてもあまり
良好でない熱交換状態がもたらされる。

第３及び第４図は本発明によるプレートをそれ
ぞれ示すものであるが、第３図のプレート２０は
その蒸発されるべき媒体用として、また第４図の
プレート２１は凝縮されるべき媒体用として示さ
れている。これらのプレートにはこれらがその周
縁部シール２２又は２３の間の全断面範囲にわた
つて下方に矩形の被処理物流入口２４を有してい
ることが共通しており、この流入口はこのプレー
トの被処理物側（第３図）に向つて延びてそのプ
レートの全幅にわたつて開放している。これらプ
レートの被処理物側はその蒸発された蒸気と凝縮
物から形成される蒸発した生成物の出口のための
切取り穴２５に終端し、この出口は同様にその周
縁部シール２２又は２３の内側でプレートの全幅
にわたつて延びている。

これらプレートの矩形断面部の隣りにそれらプ
レートに形成された張り出し部２８，２９の切り
取り穴２６，２７によつて加熱媒体又は蒸気の流
入のためのそれぞれの通路が生成物用の排出通路
２５の下方にそれらプレートの上部内に形成され
ており、一方これらプレートの下部には張り出し
部３０，３１の中に加熱媒体の凝縮液を排出する
ための通路が切り取り穴３２，３３によつて形成
されている。

第３図及び第４図に示したプレートのエンボス
はそれらプレートが通路２６，２７及び３２，３
３の部分において被処理物側でその被処理物空間
中に突出し且つそこで重なり合つてその生成物の
流れに平行に垂直に延びるリブ３４によつて相互
に支持されており、一方その蒸気空間に向う方向
の相互の支持はこれらリブ３４の間に配置されて
この蒸発空間中に突出し、そしてそこで互いに重
なり合う突起３５等によつて形成されているよう
に、異つた形状に形成されている。これによつて
その被処理物側プレート２０と蒸気側プレート２
１との間に与えられる互い違いになつた断面形状
は上記第３及び第４図における通路２６と２７と
の間の断面で第５図に示してある。

この凹凸構造は中でも第５図からわかるように
その被処理物の流れに対してこれが流入通路２４
から流入して直ちにそのプレートの全幅にわたつ
て流れの方向に平行な通路３６中に入り込み、こ
れらの通路に沿つてこれはプレート式蒸発装置が
一段階の構成の場合に断面が縮小や方向転換なく
流出通路２５に達することができるということを
もたらす。

他方においてその加熱媒体、即ちその凝縮され
るべき媒体は加熱用蒸気の形で第４図に示すよう
に通路２６及び２７を通つてこれらの通路に指定
された各プレート間空間の上方部分において前述
の突起３５による支持によつてこの中に流入する
ことができ、そして次にそのプレートの全断面に
分配されて排出開口３２，３３へ下向きに流れて
行く。

この場合に本質的なことは通路２６，２７から
出発する流入通路断面積が次に各プレートの間で
更に流れて行く部分においてその凝縮されるべき
媒体のための利用し得る断面積に等しいというこ
とである。これは中でも、各突起部３５の間の間
隔が各プレートの横方向にも、またそれと垂直な
方向にもほゞ等しくてそれによりこれらの突出部
の配置によつて断面積の変化が生じないようにす
ることによつて達成されている。

第３及び第４図によつて説明されるプレートの
凹凸構造はプレートの全高さにわたつて形成され
ていることができる。しかしながら第３及び第４
図に示すように、通路２５ないし２７と、および
２４，３３，３２との間の部分においてこのプレ
ートの凹凸構造が正弦曲線状の波形に構成される
ことも可能であり、その際互いに隣り合つたプレ
ートの各波形はある一つのプレート間空間に関し
てこの空間中に突出する両方の波形の頂部３７，
３８が媒体の流れに平行に互いに接しているよう
に相互に半波長幅だけずれているように構成され
ている。このプレート間空間のこのような断面形
状の構成が第６図に一部分の拡大図として示して
ある。これによつてその被処理物、すなわちその
蒸発されるべき媒体のための流れ空間と、及び加
熱媒体、すなわちその凝縮されるべき媒体のため
の流れ空間とが実際上平滑な管束として構成され
ており、またそれによつてその立体的関係に関し
て一定の流動／熱交換面が形成される。

第３及び第４図から明らかなように各プレート
２０，２１は垂直なプレート中心線に対して対称
的に両側に加熱用媒体のための流入路２６，２７
を有しているばかりでなく、その上にこれらの流
入路とその加熱媒体凝縮液のための還流路３２，
３３との間において追加的な張出し部４１，４２
の中に流入路３９，４０を有してこれらを介して
加熱媒体がその供給に関し枠板からか、又はカバ
ー板から追加的にその向い合つている板の中の案
内手段を通して流入通路２６，２７に送り込まれ
ることができ、それより長さの長いプレート式蒸
発装置においても加熱媒体の良好な供給が保証さ
れる。

これらの追加的な通路３９，４０は他方におい
て、前後して連結された多数のプレート装置より
形成されている多段式の蒸発又は凝縮装置におい
てそれぞれ先行側のある一つの段階からやつてく
る凝縮液がこれらの通路３０，４０によつて次の
段階に送り込まれ、ここがこの凝縮液のための減
圧膨脹空間を提供し、この中でこの凝縮液は更に
ある量の蒸気を形成することやでき、これはまた
追加的に通路２６，２７へ送り込まれることが可
能であつてそれによりこの前段階よりやつてくる
凝縮液中に含まれる熱量を特別にそのための手段
を必要とせず更に充分に利用することができると
いう可能性が与えられる。このようなことは従来
はプレート式蒸発又は凝縮装置においては全く実
現されていなかつた。上記の具体例において第２
の段階で通路３９及び４０の中で生じ、又は存在
する凝縮液は追加的な流出導管を介して抜き出す
ことができ、そして場合によつて設けられている
以下の段階の一つの対応的なやり方で再び送り込
むことができる。

以上説明した構成は第７図に図式的に示してあ
り、この図は第１図に対応するものであるが、但
しこの図では本発明によるプレート式装置を枠板
を省略して示してある。

第７図に示す装置ではプレート結合体４３にお
いて加熱媒体の供給、すなわちその凝縮されるべ
き媒体の供給は矢印４４に沿つて通路２６，２７
を介して行われるが、一方もう一つの加熱媒体の
供給は矢印４５に沿つて通路３９，４０を通して
行われる。この供給部に向い合う側にそれら下側
の通路と上側の通路との間に案内手段４６が設け
られており、こゝから加熱媒体又は蒸気が次に矢
印４７に沿つて向流で通路２６，２７の中に到達
する。好ましくはこれら両流入方向４４，４７の
間に隔離板４８が設けられてることができ、これ
は簡単にそのプレート結合体４３の中央部分にお
いて一枚のプレートの切り取り穴２６，２７を打
ち抜くことなく配置することによつて実現するこ
とができる。

第７図に示した具体例はその凝縮されるべき媒
体５０が一方において通路２６，２７を介して、
そして他方において通路３９，４０を介して、案
内手段４６及び隔離板４８を用いて供給される１
段階のプレート式蒸発装置である。しかしながら
前述したようにその凝縮されるべき媒体５０を通
路２６，２７へのみ送り込み、そして多段階式装
置において通路３９，４０には先行段階の凝縮液
を供給するということも可能であり、その際これ
らの通路３９，４０はこの凝縮液に対して減圧膨
脹空間を提供し、この中でこの凝縮液から更にあ
る量の蒸気が発生してこれが案内手段４６を介し
て通路２６，２７に供給されるがこの場合は一般
に隔離板４８は不要となる。上記減圧膨脹に際し
てそのまゝ残留した凝縮液の部分は下方に設けら
れた接続管５１，５２を介して凝縮液流出口５３
に送り込まれ、そして場合によりそれ以降に配置
されたいずれかの蒸発段階において前に通路３
９，４０に関して記述したと同様に利用すること
ができる。

一般的には更になお自明のように、案内手段４
６を隔離板４８の省略のもとに第７図について右
側のプレート結合体の終端をなすプレートの配置
することも可能であり、それに従つて左側の終端
材として示した板がそのような接続管又は切り抜
き穴なしに形成されているようにすることができ
る。これは個々の場合の条件による。

更にまた公知のようにプレート式蒸発または凝
縮装置において加熱媒体流入通路２６，２７の断
面積が凝縮液流出口の断面積３２，３３よりも大
きくて、一方被処理物側、即ちその蒸発されるべ
き媒体の側では流入連路断面積２４が流出断面積
２５よりも小さいということは自明である。第３
ないし第６図から更に明らかなように、ある一つ
の媒体の蒸発に用いられるプレートの凹凸構造
と、及びもう一つの媒体の凝縮に用いられるプレ
ートの凹凸構造とを異つた形に形成したことによ
り、これに対しそれぞれ対応する異つた型のプレ
ートが必要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプレート式蒸発装置を説明する
分解図、第２図はこの公知装置の１枚のプレート
の詳細図、第３および第４図は本発明によるプレ
ート式蒸発凝縮装置のプレートのそれぞれ蒸発側
および凝縮側の構造を示す図、第５および第６図
は第３および第４図のプレートを合せたところを
それぞれ説明する垂直断面図および水平断面図、
第７図は本発明による装置の上記第１図に対応す
る分解説明図である。 １……枠板、２……カバー板、３，４……ガイ
ド、５，２０，２１……プレート、６，２２，２
３……周縁部シール、７，８，９，１２，２４，
２５，２６，２７，３０，３１，３２，３３，３
９，４０……切抜き穴、１３……分離器、１４…
…濃縮物、１５，５０……蒸気、１９，３４……
リブ、１７，１８，３５……突起、２８，２９，
３０，３１，４１，４２……張り出し部、３６…
…プレート間空間、３７，３８……波形、４３…
…プレート結合体、４６……案内手段、４８……
隔離板、５１，５２……接続管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属板から打ち抜かれてプレスにより凹凸構
   造を設けられた実質的に矩形のプレートが、ひと
   つの台枠の中でその枠板をカバー板との間に面と
   面とを向き合わせに整列して分解可能に締めつけ
   られて一個の結合体に組立てられており、これら
   のプレートが相互の間に配置された周縁部シール
   によつて蒸発されるべき媒体、およびこれに平行
   に延びている凝縮されるべき媒体のために密閉さ
   れた流れ空間を交互に形成しており、これら両空
   間は周縁部シールが対応して形成されていること
   により、一線に並んでこれらプレートの切り抜き
   穴により形成された流入開口と流出開口とを通し
   てそれらの媒体を通じることができ、またこれら
   のプレートはその凹凸構造を形成するところの、
   蒸発されるべき媒体のための流れ空間の中に突出
   して鉛直方向に媒体の流れと平行に延び、かつ互
   に間隔を置いて配列されたリブにより、あるいは
   凝縮されるべき媒体のための流れ空間の中に配列
   された離間手段により相互に支えられているプレ
   ート式蒸発または凝縮装置において、 リブ３４は、蒸発されるべき媒体のための流れ
   空間３６の中で互に積み重つており、 離間手段は、リブの凝縮されるべき媒体のため
   の流れ空間の中に突出してそこで互に積み重なつ
   ている突起３５、あるいは類似のもので形成され
   ており、 蒸発されるべき媒体の流入および流出のための
   切り抜き孔２４，２５は、プレートの長手方向の
   両端部で周縁部シール２２，２３の間の全プレー
   ト幅に亘つて延びており、 凝縮されるべき媒体の流入および流出のための
   切り抜き孔穴２６，２７：３２，３３はプレート
   の上端および下端の部分にある側方の張り出し部
   の中に配置されており、 凝縮されるべき媒体の流入用切り抜き穴２６，
   ２７と流出用切り抜き穴３２，３３の間のプレー
   トの部分では、プレートの凹凸構造が媒体の流れ
   に対して横方向に延びる実質的にサイン曲線状の
   波形構造に構成されており、かつ、隣り合つたプ
   レートのこの波形が半波長分だけ互にずれて配置
   されていることを特徴とするプレート式蒸発また
   は凝縮装置。 ２ 切り抜き穴２６，２７から各プレート２０，
   ２１の間の空間への、凝縮されるべき媒体の流入
   断面が、それらプレートの長手に対し横方向に、
   これらの間で与えられる作業空間の範囲内にある
   特許請求の範囲第１項記載のプレート式蒸発また
   は凝縮装置。 ３ 各突起３５の間の間隔がプレート２０，２１
   の横方向及び長手方向においてほゞ等しい大きさ
   を有している特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載のプレート式蒸発または凝縮装置。 ４ 各プレート２０，２１が凝縮されるべき媒体
   の第１の通路として用いられている切り抜き穴２
   ６，２７：３２，３３を有する張り出し部２８，
   ２９：３０，３１の間に切り抜き穴３９，４０を
   有するそれぞれもう一つの側方の張り出し部４
   １，４２と、これらによつて形成される凝縮され
   るべき媒体の供給のための通路を有し、この追加
   的通路は周縁部シールが対応して形成されている
   ことによつてプレート間空間から隔離されてお
   り、そして枠板またはカバー板の中に凝縮される
   べき媒体を上記追加的通路から第１の通路へ導く
   案内手段４６が設けられている上記各特許請求の
   範囲のいずれか一つに記載されたプレート式蒸発
   または凝縮装置。 ５ 上記追加的通路３９，４０が枠板またはカバ
   ー板の中の案内手段４６の接続口の下方に凝縮さ
   れるべき媒体の凝縮液の排出のための接続管５
   １，５２を有している特許請求の範囲第４項記載
   のプレート式蒸発または凝縮装置。 ６ 凝縮されるべき媒体の流入のための第１の通
   路がそのプレート結合体４３の中央部分において
   閉じられている特許請求の範囲第４項または第５
   項記載のプレート式蒸発または凝縮装置。 ７ 上記第１の通路２６，２７の閉止が１つのプ
   レートに設けられた側方張り出し部２８，２９の
   切り抜き穴を省略することによつてもたらされる
   特許請求の範囲第６項記載のプレート式蒸発また
   は凝縮装置。 ８ 側方の張り出し部２８，２９：３０，３１：
   ４１，４２、これらの中に設けられた各切り抜き
   穴２６，２７：３２，３３：３９，４０およびそ
   れらによつて形成された各通路が対になつて各プ
   レート２０，２１の垂直な長手方向中心線に対し
   て鏡像的に配置されている上記特許請求の範囲の
   いずれか１つに記載されたプレート式蒸発または
   凝縮装置。