JPS6121119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気圧を動力として上下動するクレー
ン玩具に関し、その目的とするところは、排気と
吸気を交互に行なう簡潔な構成の空気供給源を使
用し、その排気のみを利用してクレーンを押上げ
るように構成することで、クレーンが徐々にかつ
段階的に持上げられるという玩具として興趣ある
動作を実現することにある。

そのため、本考案は排気と吸気を交互に行う空
気供給源と、基端を中心として回動可能に支持し
たクレーンアームをベローズの伸縮動作によつて
昇降させるクレーン本体と、前記空気供給源と上
記クレーン本体のベローズとを接続する空気通路
を含む弁装置とを具備し、その弁装置は正圧動作
弁と負圧動作弁とを有し、さらにベローズの伸長
によつて上昇したクレーンを下降させるため前記
ベローズ内の空気を排気する空気抜き弁を有す
る。

以下本考案の実施例を図面について説明する。

本考案に係る空気作動クレーン玩具は、空気を
供給するコンプレツサ装置１と、クレーン装置２
とからなり、両者は空気を送るための可撓性チユ
ーブ３によつて連結されている。

コンプレツサ装置１は、その外形を工事現場等
で使用されるコンプレツサを模して形成され、中
空のボデイ４を有し、その下部には車輪５が取付
けられている。ボデイ４の後半部の上部は、開閉
自在に蓋６ａを有する電池ボツクス６となつてお
り、第３図に示すように内部には電池７が収納さ
れる。

この電池ボツクス６と並んでボデイ４の前半部
分にはシリンダ装置８が設けられている。このシ
リンダ装置８は、第４図に示すように、冷却フイ
ンを模した透明な円筒状のカバー９と、その内部
に固定されたシリンダ１０とからなる。シリンダ
１０の上端はカバー９の上端から突出した小口径
の空気供給口１０ａとなつており、この供給口１
０ａに前記チユーブ３の一端が連結されている。

シリンダ１０内にはピストン１１が嵌合されて
おり、そのロツド１１ａの下端はボデイ４内に収
納された駆動機構に連結されている。すなわち、
ボデイ４内で、かつ前記電池ボツクス６の下方に
はモータ１２が配設されており、その出力軸の先
端に固定されたピニオン１３は、出力軸と平行に
横架された駆動軸１４に対して回転自在にゆるく
支承された歯車１５と噛合している。また、歯車
１５と一体に形成されたピニオン１６は、回転軸
１４と平行に横架された別の回転軸１７に支承さ
れた歯車１８と噛合している。更に、歯車１８と
一体に形成されたピニオン１９が、前記駆動軸１
４に固着された歯車２０とかみ合つている。

上述したピニオン１３以下の歯車列は減速機構
を構成しており、駆動軸１４に対し、所定の減速
比でモータ１２の回転を伝達する。前記ピストン
１１の下方において、駆動軸１４の一端にはフラ
イホイールを兼ねたカム板２１が固定されてお
り、このカム板２１の外側面の偏心した位置に、
突設された連結部材２２にピストンロツド１１ａ
の下端が連結されている。もちろん、ピストンロ
ツド１１ａの上端はピストン１１に対して揺動可
能にピン結合されている。

他方、ボデイ４の先端部の側面にはエンジン作
動レバー２３が取付けられている。このエンジン
作動レバー２３は、その上端につまみ２３ａを有
し、その下端はボデイ４の前端に突設された円筒
状の膨出部４ａ内において回動自在に軸承されて
おり、第４図に示すように、その側面には可動接
点２４が設けられている。この可動接点２４は、
ほぼ扇形に形成されており、その一部はリード線
２５を介して電源である電池の一方の極と連結さ
れている。

可動接点２４と対向して、膨出部４ａ側には固
定接点２６が取付けられており、リード線２７を
介して電池の他方の極と接続されている。したが
つて、エンジン作動レバー２３を回転させ、可動
接点２４と固定接点２６とを接触させれば、モー
タ１２の電源回路が閉成され、前述した歯車列を
介して所定の減速比をもつて減速された回転がカ
ム板２１に伝達され、このカム板２１の回転に伴
ないロツド１１ａを介してピストン１１が昇降
し、シリンダ１０内の空気を押し出したり、吸引
してチユーブ３を介して正圧および負圧をクレー
ン装置２に供給することがでる。

つぎに、前記クレーン装置は第１図、第２図及
び第５図以下に示すように構成されている。すな
わち、クレーン装置２は基枠２８を有し、該基枠
２８には車輪２９が取付けられている。また基枠
２８の先端には一対のブラケツト３０，３０が突
設され、その先端には第１のクレーンアーム３１
が回動自在に軸承されている。そして、このクレ
ーンアーム３１は細長い中空の筐体として形成さ
れており、その中には第２のクレーンアーム３２
が比較的強い嵌め合いにより嵌合されている。

したがつて、第２のクレーンアーム３２は、手
で引くことにより、第１のクレーンアーム３１の
先端から引出すことができる。この第２のクレー
ンアーム３２の先端には人形の乗るゴンドラ３３
が揺動自在に取付けられている。

一方、クレーン装置２の基枠２８は、中空に形
成されており、その内部には第７図、第８図に示
すように弁機構３４が収容されている。この弁機
構３４は密閉された細長い筐体として形成され、
その一部には前記チユーブ３が接続されるニツプ
ル３５が突設されている。このニツプル３５は、
第１の弁室３６内に連通している。第１の弁室３
６は密閉された筐体として形成されており、その
内部には一部切欠部３７ａが形成された筒体３７
が固定されており、該切欠部３７ａは第１の弁室
３６に連通している。

筒体３７の上端と第１の弁室３６の頂板との間
には弁３８が配置されている。この弁３８は、第
９に示すように馬蹄形の切抜部３８ａを形成する
ことにより、その内側に舌片３８ｂを形成したも
ので、ゴム等の弾性体で形成されている。そして
この舌片３８は、第１の弁室３６に形成された透
孔３６ａを下側から閉塞している。

第１の弁室３６は、その下層に形成された第２
の弁室３９に透孔３９ａを介して連通している。
第２の弁室３９には透孔３９ａを囲むようにし
て、第１の弁室３６に設けられたものと同一形状
の筒体３７′が配置されており、この筒体３７′と
第１の弁室３６との間には、前記弁３８と同一形
状の弁３８′が配置されており、その舌片３８′ｂ
が透孔３９ａを下側から閉塞している。

前記第２の弁室３９の一端の上面にはニツプル
４０が突設されており、このニツプル４０にはベ
ローズ４１の下端が連結されている。このベロー
ズ４１の外側には下方が開いた有底筒状で、上部
にローラ４３を有するカバー４２がかぶせてあ
り、ベローズ４１の伸縮に伴なつて昇降する。こ
のカバー４２は基枠２８の上面で、アーム３１の
基端近くに形成された開口５２（第６図）内に昇
降自在に位置しており、カバー４２の上昇時、前
記ローラ４３がクレーンアーム３１の下面に接触
して、該クレーンアーム３０の先端側を持上げ
る。

さらに、第２の弁室３９の他端には、第８図に
示すように排気ボタン４４が設けられている。こ
の排気ボタン４４は、第２の弁室３９を垂直な状
態で昇降自在に貫通して設けられた軸４５の上端
に設けられ、弁機構３４の外側で基枠２８の上面
に突出している。排気ボタン４４の軸４５を昇降
自在に支持する円筒部４６の内側には、ゴム等か
ら形成された封止板４７が固定されており、軸４
５はこの封止板４７を貫通している。封止板４７
は透孔４７ａを有し、この透孔４７ａと円筒部４
６に形成された軸４５が嵌合する透孔４６ａとを
介して弁室３９が外気に連通するようになつてい
る。

また、封止板４７の下側には、軸４５に固定さ
れた開閉板４８が位置しており、この開閉板４８
と第２の弁室３９の底面との間に設置されたスプ
リング４９によつて開閉板４８が封止板４７に押
しつけられ、透孔４７ａを閉塞している。

したがつて、排気ボタン４４をスプリング４９
に抗して下方に押圧すれば、開閉板４８が下降し
第２の弁室３９を透孔４７ａを介して大気中と連
通させることができる。

前記排気ボタン４４の近傍には安全弁５０が取
付けられている。この安全弁５０は、第２の弁室
３９に形成された透孔４９ａを介して大気と連通
する円筒状に形成されており、かつ透孔３９ａを
閉塞する弁５１を有し、弁５１はスプリング５２
によつて所定の押圧力を以つて透孔３９ａを閉塞
している。

次に、以上のように構成された本実施例の動作
につき説明する。

まず、コンプレツサ装置１の作動レバー２３を
ONの方向に回し、可動接点２４と固定接点２６
とを接触させれば、電気回路が閉成されてモータ
１２は駆動を開始する。それによりピニオン１３
及び減速歯車機構を介してカム板２１が回転し、
ロツド１１ａを介してピストン１１が昇降する。

ピストン１１が上下運動することにより、シリ
ンダ１０内の空気はチユーブ３を介してクレーン
装置の側への供給と吸引が繰返される。これをさ
らに説明すると、コンプレツサ装置のピストン１
１が上昇すると、シリンダ１０内の空気はチユー
ブ３を介してクレーン装置側の弁機構３４の第１
の弁室３６に供給され、第１の弁室３６に供給さ
れ、第１の弁室３６内の加圧空気は、第２の弁室
３９との間を閉塞している弁３８′の舌片３８′ｂ
を開いて筒体３７′の切欠部３７′ａから第２の弁
室３９内に入り、さらにニツプル４０を介してベ
ローズ４１内に供給され、該ベローズを伸長す
る。ベローズ４１が伸長するとカバー４２が持上
げられ、ローラ４３を介して第１のクレーンアー
ム３１が第１図、第２図中反時計方向に回動さ
れ、クレーンアーム３１の先端側が持上る。な
お、このとき第１の弁室３６内の圧力が高まるこ
とにより、弁３８の舌片３８ｂが透孔３６ａ閉塞
する。

次に、コンプレツサ装置のピストン１１が下降
すると、チユーブ３内の空気を吸引するので、第
１の弁室３６は負圧となり、該弁室３６の弁３８
が開き外気が透孔３６ａを介して導入される一
方、第２の弁室３９側の弁３８′は閉じるので、
該弁室３９の加圧空気は逃げず、ベローズ４１は
収縮しない。したがつて、チユーブ３を介してク
レーン装置側に加えられる正圧と負圧のうち、上
記弁機構により正圧のみを選択してベローズ４１
に加えることができる。

そして、上記動作の繰返しによりベローズ４１
は徐々に伸長し、カバー４２が上昇してクレーン
アーム３１の先端側が持上げられる。

次に、クレーンアーム３１の先端側を下げるに
は、排気ボタン４４を押すことにより、開閉板４
８が下降し、封止板４７の透孔４７ａを介して第
２の弁室３９が大気と連通し、該弁室３９内の加
圧空気は大気中に放出される。この弁室３９はベ
ローズ４１内部と連通しているからベローズ内の
圧力が下がり、クレーンアームの重量によつて押
下げられ、クレーンアームは殆んど水平の状態に
まで下降する。

なお、排気ボタン４４を押さずにコンプレツサ
装置１を作動し続けると、第２の弁室３９内の圧
力が大きくなつてベローズ４１を破壊する危険性
がある。これを避けるために第２の弁室３９が所
定以上の圧力となると安全弁５０の舌片５１が、
透孔３９ａを介して導かれる加圧空気によつてス
プリング５９に抗して開き、空気が大気中に放出
されるのでベローズ４１の破壊を未然に防止する
ことができる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、空気供給源から供給される吸気と排気のうち
クレーン本体に設けた弁装置により排気のみを選
択してベローズを伸長させ、このベローズの伸長
によつてクレーンアームを徐々に段階的に持上
げ、次に空気抜き弁を操作することにより、ベロ
ーズ内の高圧空気を大気中に逃がし、このときク
レーンアームの自重によつて下降させる構造を採
用しているため、クレーンアームの昇降という大
きな動作を空気圧を利用して行なうことができる
という今までになかつた興味ある玩具を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は全体斜視
図、第２図はクレーン装置の斜視図、第３図はコ
ンプレツサ装置の電池ボツクスを開いた状態の斜
視図、第４図はコンプレツサ装置の説明断面図、
第５図はクレーン装置の底面図、第６図は基枠の
斜視図、第７図は弁機構の斜視図、第８図は弁機
構の断面図、第９図は弁を構成する舌片とこれを
受ける筒体の斜視図である。 １……コンプレツサ装置、２……クレーン装
置、３……チユーブ、２８……基枠、１１……ピ
ストン、３１……クレーンアーム、３４……弁機
構、４１……ベローズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気と吸気を交互に行う空気供給源と、基端を
   中心として回動可能に支持したクレーンアームを
   ベローズの伸縮動作によつて昇降させるクレーン
   本体と、前記空気供給源と上記クレーン本体のベ
   ローズとを接続する空気通路を含む弁装置とを具
   備し、該弁装置は、前記空気通路の途中に配置さ
   れ、前記空気供給源から該空気通路へ空気が排気
   されるときその圧力によつて開いて空気を上記ベ
   ローズ内へ送り込む正圧動作弁と、該正圧動作弁
   と上記空気供給源との間の空気通路に設けられ、
   上記空気供給源へ空気が吸入されるときその圧力
   によつて開いて該空気通路を大気中に連通せしめ
   る負圧動作弁と、前記ベローズ内に送り込まれて
   これを伸長させた空気を排出して該ベローズを収
   縮する空気抜き弁とを有することを特徴とする空
   気作動クレーン玩具。