JPS6120792B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、湯沸器の温度制御装置、さらに詳し
く云うと、瞬間ガス湯沸器における給湯温度を所
望の一定値に維持するための温度制御装置に関す
るものである。

従来、給湯温度を検出してガス燃焼量を制御す
る方式として、感温抵抗素子の出力を比較増幅器
を介して電磁式比例制御弁に加えるものが知られ
ているが、この方式のものは過渡応答があつて制
御精度も悪く、暖房用の温度制御には問題となら
ないが、給湯用の瞬間湯沸器には不向きである。
すなわち、比例制御弁の弁自体は普通の開閉弁と
同じ構造であるから、弁捍の比例移動と流量は正
確に直線的に比例せず、ガス燃焼量の変動と温度
検出との間に遅れが生ずる。

本発明は上記の如き欠点を改善し、温度変化に
対する応答が早く、精度の高い制御を行なうこと
ができる瞬間ガス湯沸器の温度制御装置を提供せ
んとするものである。

本発明は前記の如き目的を達成せんがため、給
湯温度検出器の出力を特定の周期をもつ例えばの
こぎり波状比較波と比較してバーナ用電動弁の駆
動回路をオン・オフ制御し、前記比較波の特定の
周期内における電動弁のオン・オフ時間を変化さ
せることにより給湯温度を所望の値に保つように
したものである。

以下、本発明の実施の一例を添付図面について
説明する。

第１図において、１は瞬間湯沸器の熱交換器で
あり、主バーナ５の燃焼熱を給水管２から送られ
た来た水へ熱交換し、給湯管３を経て湯栓４から
給湯する。

ガスはガス供給管７よりガス栓８を介して、一
方は主ガス導管９を経て主バーナ５へ、他方はパ
イロツトガス導管１０を経てパイロツト・バーナ
６へ供給される。１１は前記主ガス導管９に設け
られた水圧応動ガス弁で、給水管２に介設された
水圧応動部１２に連動する。１３は同じく主ガス
導管９の前記水圧応動ガス弁１１の下流に設けら
れた電動弁で、後述の信号によつてオン・オフ制
御される。１４は必要に応じ介挿される緩衝タン
クである。１５は熱交換器後の給湯温度を感知し
て温度の変化を電気的に出力する温度検知器、１
６はその出力を変換して電動弁駆動回路１７に入
力させる変換器である。

前記変換器１６は、温度検知器１５が例えばサ
ーミスタの如き感熱抵抗素子である場合、第２図
に示す如き構成とする。すなわち、１８は温度検
知器の抵抗値を電圧値に変換して出力する抵抗―
電圧変換部、１９は特定の周期をもつて断続され
る例えばのこぎり波などの比較波発生部、２０は
前記抵抗―電圧変換部１８と比較波発生部１９の
出力を入力し、両者を比較して電動弁のオン・オ
フ信号を出力する制御信号発生部、２１は前記制
御信号発生部の出力に応じて電動弁駆動回路を駆
動する駆動信号発生部である。

第１図において、水系路は、通常の先止め式瞬
間湯沸器におけると同様に湯栓４を開ければ給水
管２から熱交換器１を経て給湯管３に流水し、水
圧応動部１２を作動させて水圧応動ガス弁１１を
開成させ、湯栓４を閉じれば流水が停止すると同
時に水圧応動ガス弁１１を開成させる。他方、ガ
ス系路は、ガス栓８を開けば前記水圧応動ガス弁
１１までガスが主ガス導管９に流れるとともにパ
イロツトガス導管１０にもガスが流れるから、適
宜な手段でパイロツト・バーナ６を着火させれば
パイロツト炎が樹立される。

次に第２図に示す実施例について本発明の温度
制御作用を説明する。

今、主バーナ５が定常燃焼をしているとき、水
系路の流水量を増減することにより給湯温度T₁
が第３図のイのごとくに変動したとすれば、感温
抵抗素子１５がその温度を感知して抵抗値の変化
としてT₁の温度変化を出力し、それを受けて抵
抗―電圧変換部１８が電圧Ｖ_Sの変化を第３図の
ロの実線のごとく出力する。一方、比較波発生部
１９から第３図のハに示す如き比較波が出力さ
れ、前記抵抗―電圧変換部１８の出力Ｖ_Sと比較
波発生部１９の出力とが制御信号発生部２０に入
力される。この場合、前記制御信号発生部は、前
記抵抗―電圧変換部１８の出力Ｖ_Sとのこぎり波
とが重畳されるとパルス信号Ｓ_Pを発生し、のこ
ぎり波の立下り時に駆動用パルス信号Ｄ_Pを発生
するものとする（第３図ニ参照）。

このようにすると、のこぎり波はある一定の周
期で立上り、立下りを繰返しているので、一定の
周期の立下り時毎に駆動信号発生部２１に対し駆
動用パルス信号を与え、抵抗―電圧変換部１８の
出力Ｖ_Sとのこぎり波とが重畳するとその瞬間に
駆動信号発生部２１に対し停止用パルス信号を与
えるので、駆動信号発生部２１の出力の幅は、第
３図のホの如く、抵抗―電圧変換部１８の出力に
対応して変化する。また、給湯温度T₁が前記比
較波による制御温度の下限ｂ以下の場合には、抵
抗―電圧変換部１８の出力Ｖ_Sと比較波発生部１
９の出力であるのこぎり波とが重畳しないので、
制御信号発生部には停止用パルス信号Ｓ_Pが発生
せず、駆動信号発生部２１からは連続的に駆動信
号が出力される。

従つて、検出温度が第３図のイの如く変化した
場合には、駆動信号発生部２１の出力幅はのこぎ
り波の各周期毎に第３図のホに示す如く変化し、
電動弁駆動回路１７はこの出力幅の時間分だけ電
動弁１３を開く。

このようにして、電動弁１３はのこぎり波の周
期内で駆動信号幅の時間に開となり、残余の時間
は閉となることを繰り返えし、それにより主バー
ナ５へのガスの送出が時間的に変化するようにな
る。緩衝タンク１４は電動弁１３の開閉動作の繰
り返えしによるガス送出の断続を平滑にするため
の溜り部であり、主バーナ５へのガス噴出口は一
定であるから、緩衝タンク１４後のガス流の変化
を圧力で示すと第３図のヘの曲線のようになる。
結局、第３図のイとヘでは曲線の山と谷が逆にな
り、温度T₁が高いときには主バーナ５の燃焼量
が小になり、温度T₁が低いときには燃焼量が大
になつて実際の給湯温度T₂は第３図トに示すよ
うに一定になる。そしてT₂の温度設定は、抵
抗―電圧変換後の電圧出力に対し直流バイアスを
かけることにより、またはのこぎり波の周期を
変えることにより、電圧波形とのこぎり波との重
畳点を変化させて行なうことができる。

以上の作用を要約すると、給湯温度が設定温度
ａより下がると一定時間幅（一周期）内で電動弁
を開けておく時間を長くすると共に閉じている時
間を短かくし、結果的にガス量を増して温度を上
げ、逆に設定温度より上昇すると開弁よりも閉弁
の時間を長くして温度を下げるのである。

なお、湯沸器の使用前、すなわち主バーナ５が
停止していて湯温が第３図イのｂ以下であるとき
には、前述のように電動弁は連続して開弁状態に
なつているから、使用に際して湯栓４を開けば直
ちに主バーナ５にガスが送られて燃焼を開始し、
給湯し得る。

電動弁１３から先の主ガス導管９が或る程度の
長さをもつているか、比較的太ければ緩衝タンク
１４を省くことができる。

上記は、給湯の場合について説明したのである
が、暖房用循環水の加熱の場合で負荷に応じて戻
り温水の温度が変動しても往きの温水温度を一定
に維持し得ることは言うまでもない。

以上述べた如く、本発明においては、給湯温度
を温度検知器により検出し、その検出値に基づく
出力波形と特定の周期で立上り立下りを繰返す比
較波とを比較してバーナ用電動弁の駆動回路をオ
ン・オフさせ、前記比較波の特定の周期内におけ
る前記オン・オフ時間幅を変化させることにより
給湯温度を所望の値に維持し得る如く構成したの
で、従来のこの種の温度制御装置に比較して下記
のような効果を奏させることができる。

1. 温度変化に対する制御装置の応答が早いの
で、給湯用瞬間湯沸器に適用できる。

2. 精度の高い制御が可能である。

3. 抵抗―電圧変換部または比較波発生部の調整
により設定温度を任意に変えることができる。

4. 湯温を安定させるために従来必須であつたガ
ス圧調整器、水圧調整器が不要になる。

5. 本発明に使用する電動弁は、単に開閉するだ
けであるので、従来の比例制御方式の如き特殊
なガス制御弁ではなく、一般的なガス電磁弁で
よいため、廉価に実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における温度制御構成
図、第２図は変換器の構成の一例を示すブロツク
図、第３図は第２図の変換器を用いた第１図に示
す構成の場合の温度および要部動作波形の経時図
表である。 １…熱交換器、２…給水管、３…給湯管、４…
湯栓、５…主バーナ、６…パイロツト・バーナ、
７…ガス供給管、８…ガス栓、９…主ガス導管、
１０…パイロツトガス導管、１１…水圧応動ガス
弁、１２…水圧応動部、１３…電動弁、１４…緩
衝タンク、１５…温度検知器、１６…変換器、１
７…電動弁駆動回路、１８…抵抗―電圧変換部、
１９…比較波発生部、２０…制御信号発生部、２
１…駆動信号発生部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガス湯沸器の給湯温度を温度検知器により検
   出し、その検出値に基づく出力波形と特定の周期
   で立上り立下りを繰返す比較波とを比較してバー
   ナ用電動弁の駆動回路をオン・オフ制御し、前記
   比較波の特定の周期内におけるオン・オフ時間幅
   を変化させることにより供給ガス量を増減して給
   湯温度を所望の値に維持し得る如く構成したこと
   を特徴とする湯沸器の温度制御装置。