JPS6120645A - 盲押湯用スリ−ブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、鋳物製品に、鋳造の際における溶湯の凝固
収縮に伴う引けによる欠陥が発生するのを防止するのに
使用される盲押湯用スリーブに関するものである。

（従来技術） 一般に、鋳物製品の鋳造においては、使用金属溶湯量に
対する鋳物製品の金属歩留りがかなり低いといえる。こ
の理由は、鋳物製品はその特徴から形状が複雑であるこ
とが多く、鋳物製品の厚肉部の付近あるいは引けが発生
しやすい個所の近傍には溶湯の凝固収縮に伴って生ずる
当該溶湯の不足を補うための押湯が設けられており、押
湯部分での溶湯の凝固が製品部分での凝固よりも遅くな
るようにしないと溶湯の補給ができないという理由によ
って、大きな押湯が鋳型の複数個所に設けられているた
めである。

そのため、鋳造製品の製造歩留りをできるだけ向上させ
るために、最適な押湯の数や大きさなどについてコンピ
ュータを利用した凝固シュミレーシゴンなどの種々の検
討がなされているが、それでもなお依然として長年の経
験によるところが多い。また、鋳物製品の後工程を考慮
すると、押湯の数や大きさなども重要であるが、押湯の
除去を容易にするための押湯取付位置および形状も大き
な比重を占めるものであり、このような観点からの改善
が望まれていた。

ところで、従来の横付盲押湯としては、例えば第１図に
示す構成をとるものがあった。すなわち、第１図におい
゛て、１は砂型、２は鋳造空間、３は押湯部、４は押湯
付根部である。

このような押湯においては、押湯部３の容積がかなり大
きくとっであるため、鋳物製品の部分で溶湯の引けが生
ずることはないが、押湯部３の容積が大きいため歩留り
がかなり低下するという問題がある。

そこでこのような問題を軽減するために、第２図に示す
ように押湯部３を比較的小さくしてその周囲に発熱保温
材５を設けて押湯体積の減少を試みることもある。この
ようにした場合には第１図の場合よりも歩留りの向上は
実現されるが、押湯付根部４に生ずる溶湯の凝固収縮が
製品部にまで至ることがあり、その結果第３図に示すよ
うに鋳造製品６の押湯部７に形成された引け８が製品部
にまで入り込んで製品不良をもたらすため、押湯部３の
大きさを小さくすることには限界があった。

（発明の目的） この発明は、上述したような従来の問題点に着目してな
されたもので、押湯部の大きさを比較的小さくしたとき
でも、製品部へ溶湯の引けが及ぶことがなく、健全な鋳
物製品を高い歩留りで得ることができる盲押湯用スリー
ブを提供することを目的としている。

（発明の構成） この発明は、鋳造しようとする鋳物の側面に設ける盲押
湯用スリーブに関し、前記盲押湯用スリーブの抑湯付根
相当部分とその他の部分とで材質を異ならせ、前記抑湯
付根相当部分を前記その他の部分よりも溶湯に対する冷
却能が大きい素材で構成したことを特徴としている。

すなわち、この発明においては、押湯部のうちとくに抑
湯付根相当部分のほぼ全体ないしは路上半分の部分とそ
の他の部分とで材質を異ならせ、前記抑湯付根相当部分
のほぼ全体ないしは路上半分の部分での金属溶湯の凝固
速度を他の押湯部分より若干速め、鋳造時における金属
溶湯の引けが前記押湯付根部よりも外側の押湯部分で生
ずるようにして、この引けが製品部に及ばないようにす
る盲押湯用スリーブの構成としたことを特徴とするもの
である。

（実施例） 第４図はこの発明の一実施例による盲押湯用スリーブを
示しており、この盲押湯用スリーブ１１は、抑湯付根相
当部分とその他の部分とで材質を異ならせたものであり
、図示例の場合には、抑湯付根相当部分の路上半分の部
分を溶湯に対する保温が比較的劣っている素材換言すれ
ば溶湯に対する冷却能か比較的大きい素材から形成した
部分１１ａとすると共に、その他の部分を溶湯に対する
保温が前記部分１１ａよりも優れている素材換言すれば
溶湯に対する冷却能が前記部分１１ａよりも小さい素材
から形成した部分１１ｂとしたものである。

また、第５図は砂型の押湯部分を一部拡大して示す図で
あって、１５は砂型、１６はＷ造空間、１７は押湯部で
ある。そして、この押湯部１７に前記した第４図に示す
盲押湯用スリーブ１１が設置しである。このとき、盲押
湯用スリーブ１１のうち冷却能が比較的大きい素材から
形成した部分１１ａが押湯付根部１８の路上半分のとこ
ろに位置するように設置している。

鋳造に際しては、上述した形状の盲押湯用スリーブ１１
を鋳造空間１６の側面に対して略直角方向に略水平に設
け、その囲りに鋳物砂番詰めることによって砂型１５を
製作する。次いで、鋳造空間１６内に金属溶湯を鋳込み
、金属溶湯の液面が次第に上昇して押湯部１７内に入る
と、盲押湯用スリーブ１１のうち冷却能が大きい素材か
ら形成した部分１１ａの溶湯に対する凝固速度が、冷却
能が小さい素材から形成した部分１１ｂの凝固速度より
も大きいため、前記上半分の部分１１ａの付近において
凝固が先に進行して吊下状の凝固壁が形成され、鋳造空
間１６における金属溶湯の凝固収縮に伴う溶湯補給は、
押湯部１７内の金属溶湯が前記吊下状の凝固壁の下側を
通して行われる。したがって、前記凝固壁よりも外方の
押湯部１７内で金属溶湯の凝固収縮に基く引けが形成さ
れる。

したがって、第６図に示すように、このようにして得ら
れた鋳造製品２０の押湯部２１に形成された引け２２は
、前記盲押湯用スリーブ１１の抑湯付根相当部分の上半
部に形成された凝固壁のために当該凝固壁よりも外方す
なわち第６図の右端側に位置することとなり、それゆえ
押湯部１７を比較的小容量のものとしたときでも鋳物製
品２０に引け２２が及ぶのを防ぐことが可能であり、引
け２２のない健全な鋳物製品を高い歩留りで得ることが
できる。

第７図はこの発明の他の実施例を示す図であって、盲押
湯用スリーブ１１の抑湯付根相当部分の全周を溶湯に対
する冷却能が大きい素材から形成した部分１１ａとする
と共に、その他の部分を溶湯に対する冷却能が小さい素
材から形成した部分１１ｂとした場合を示している。こ
のような盲押湯用スリーブ１１を用いたときでも、金属
溶湯の凝固収縮に伴う引けを当該スリーブ１１内で形成
させ、前記引けが鋳物製品に及ぶのを防ぐようにするこ
とができる。

（発明の効果） 以上説明してきたように、この発明による盲押湯用スリ
ーブは、鋳造しようとする鋳物の側面に設けるものであ
って、前記盲押湯用スリーブの抑湯付根相当部分とその
他の部分とで材質を異ならせ、前記抑湯付根相当部分を
前記その他の部分よりも溶湯に対する冷却能が大きい素
材で構成したものであるから、押湯部のうち製品部より
も比較的離れたところに引けを生じさせることができる
ようになり、したがってこの引けが製品部に及ぶのを十
分に防ぐことが可能であり、引けによる欠陥のない健全
な鋳物製品を高い歩留りで製造することができると共に
、押湯部は小さくて済むため後工程における押湯除去の
作業性をかなり向上させることができるという非常に優
れた効果な′もたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の横付盲押湯を備えた鋳型の
部分断面説明図、第３図は第２図の鋳型により製造した
鋳造製品の押湯部分説明図、第４図はこの発明の一実施
例による盲押湯用スリーブの斜視図、第５図は第４ｒＩ
！Ｊの盲押湯用スリーブを備えた鋳型の部分断面説明図
、第６図は第５図の鋳型により製造した鋳造製品の押湯
部分の説明図、第７図はこの発明の他の実施例にょる盲
押湯用スリーブの斜視図である。 １１・・・盲押湯用スリーブ、 １１ａ・・・溶湯に対する冷却能が大きい素材から形成
した部分、 １１ｂ・・・溶湯に対する冷却能が小さい素材から形成
した部分、 １５・・・鋳型、 １６・・・鋳造空間、 １７・・・押湯部、 １８・・・押湯付根部、 ２０・・・鋳物製品、 ２１・・・押湯部、 ２２・・・引け。 特許出願人　　大同特殊鋼株式会社 代理人弁理士　小　　塩　　　豊 第１図 第２図 第３図 第４図 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）鋳造しようとする鋳物の側面に設ける盲押湯用ス
   リーブであって、前記盲押湯用スリーブの押湯付根相当
   部分とその他の部分とで材質を異ならせ、前記抑湯付根
   相当部分を前記その他の部分よりも溶湯に対する冷却能
   が大きい素材で構成したことを特徴とする盲抑湯用スリ
   ーブ。