JPS6119459Y2 -

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【考案の詳細な説明】本考案はLNGタンクのモーター給電用ケーブ
ルなどのように、極低温下で使用するケーブルに
関するものである（極低温抵抗ケーブルのような
大電力用ではない）。

考案の背景この種のケーブルとして、すでに「第１図」に
示すようなものが提案されている（実開昭56−第
130217号参照）。

第１図において、１０はより線のケーブル導
体、１２は導体しやへい層。その上に、プラスチ
ツクテープ複数枚を交互逆巻きして形成した第１
の層１４と第２の層１６の２つの層が設けられ
る。

第１の層１４はケーブル絶縁層に相当する。こ
れは、厚さ数十μｍ（たとえば50μｍ）の薄いプ
ラスチツク（たとえばポリエステル）のテープ１
４０を数十枚（たとえば70枚）、突合せ、かつ１
枚ごとに交互逆巻きして構成したものである。

第２の層１６はケーブルシースに相当する。た
とえば、第１の層１４よりも厚い150μｍ厚程度
のポリエステルテープ１６０を10枚、交互逆巻き
したものである。

２０は金属がい装。たとえばオーステナイト系
のステンレス鋼の編組からなる。電気的しやへい
やケーブルの機械的保護などがその役目である。

このようにケーブル絶縁体ならびにケーブルシ
ースに相当する部分をプラスチツクテープの交互
逆巻きで構成すると、ソリツド形のもの（MIケ
ーブルやエチレン−四ふつ化エチレン共重合体の
押出し被覆）などに比べて、可とう性が非常によ
くなる。

また交互逆巻きしているので、曲げた時テープ
間のすき間が１部分に集中するようなことがなく
なる。

このケーブルを極低温下で厳しい曲げ試験を行
つた後も、電気特性に低下のみられなかつたこと
が実験で確められている。

本考案の特に解決しようとする問題点上記の極低温用ケーブルの配線近くで、溶接作
業が行われると、その火花でプラスチツクテープ
の層が損失を受ける。

金属がい装２０に波付きパイプを使用すれば、
その心配はなくなるが、折角の可とう性が悪くな
る。

本考案は、可とう性を落さずに、溶接火花からケ
ーブルを保護するようにしたものである。

実施例（第２図）金属がい装２０と第２の層１６との間に、金属
テープ１８０複数枚（たとえば２枚くらい）を突
合せかつ交互逆巻きした層１８を設ける。

金属テープ１８０としてはたとえば0.1mm程度
の厚さのものを使う。材質はアルミ、銅、真ちゆ
う、ブロンズ、ステンレスなどである。

金属だけのテープの代りに、ポリエステル樹脂
などのプラスチツクテープに金属をはり合せた複
合テープを使うこともできる。この場合は、金属
面を外側にして巻く。

その他の実施例 (1) 「第３図のように、層１８の下に、さらに、
薄い（たとえば50μｍ程度）のプラスチツクテ
ープ２２０複数枚を、突合せかつ交互逆巻きし
た層２２を設ける。

この層２２により、浸水を防止し、かつ可と
う性を損わないようにすることができる。

(2) 「第２図」における第２の層１６を省略する
こともできる。

その訳は、金属テープ１８０からなる層１８
により、ケーブルの機械的保護ができるからで
ある。

(3) さらに、「第２図」における金属がい装２０
を省略することもできる。

その訳は、金属がい装２０の役目である電気
的しやへい、相間短絡の防止、地絡の検出など
は、金属テープ１８０からなる層１８で行うこ
ともできるからである。

考案の効果少なくともプラスチツクテープの交互逆巻きか
らなる層の外方に、金属テープ１８０の複数枚を
交互逆巻きした層１８を設けているので、それに
より上記の溶接火花などからケーブルを保護する
ことができる。

またケーブルの可とう性を損わない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術の説明図、第２図と第３図
は、本考案の異なる実施例の説明図。１０……ケーブル導体、１４……プラスチツク
テープの交互逆巻き層、１８……層、２０……金
属がい装。

【実用新案登録請求の範囲】ケーブル導体１０の外方に、厚さ数十μｍの数
十枚のプラスチツクテープ１４０を交互逆巻きし
た層１４が存在し、そのさらに外方には、少なくとも、複数枚の金
属テープ１８０を交互逆巻きした層１８が存在す
ることを特徴とする、極低温用ケーブル。