JPS6119175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は巻取軸に連結した電動機をインバータ
で回転制御する定速度巻取装置に関するものであ
る。

合成繊維糸条を巻取る巻取機の速度制御は糸条
の張力を検出し該張力に基いて巻取軸の回転速度
制御するのが一般的であつた。しかし合成繊維糸
条製造プロセスの改良によつてゴデーロール等を
使用しない技術が開発され、糸条の張力を検出す
ることが困難になつた。又非常に細い糸条を低張
力で巻取る場合には現在使用されているような張
力検出装置では正確な張力を検出することはむづ
かしい等の問題が生じている。さらに第１図に示
すように糸条巻取にともなう巻厚の変化と巻取軸
の回転数の変化は一定の巻厚変化であつても巻取
軸の回転数の減少率は直線的でなく巻糸層の厚さ
方向の各所で大きく変化させる必要がある。

本考案は前記巻取制御の問題点を解決すること
を目的に検討の結果得られたものである。

すなわち本考案は巻取軸に連結した電動機と巻
取軸の回転速度を検出する装置と、速度制御装置
およびインバータとからなり、該インバータによ
り巻取軸に連結した電動機の回転数を制御する巻
取装置において、前記速度制御装置を速度設定器
と、該設定器からの信号と前記回転速度検出装置
からの信号とを比較し該検出装置の方が回転速度
が早い場合に出力する比較器と該比較器の出力を
入力とすると共に、インバータへ出力される制御
信号と同じ出力を自動利得の制御信号として入力
される自動利得制御付増幅器と、該増幅器の出力
を入力とする積分器と、該積分器の出力を速度設
定器からの信号から減算する演算器とにより構成
せしめることにより巻取速度を一定にする定速度
巻取装置を提供するものである。

本考案の定速度巻取装置の１実施例の概略制御
系統図を第２図に示し図面に基いて構成を説明す
る。

１は定速度で巻取られる糸条であり、２は綾振
り支点ガイドである。３は糸条の巻取速度検出装
置である。４は糸条を巻取る巻取装置であり、巻
取軸４１と、該軸を駆動する電動機４２と、巻取
軸４１に巻取られた糸条に接触し該糸条と同一速
度で追随回転するローラベール４３等を備えてい
る。５は速度検出装置３からの速度信号を受けて
巻取装置４の回転速度を制御するための制御信号
に変換する速度制御装置であり、周波数電圧変換
器５１と、該変換器５１からの信号と速度設定器
５７からの信号とを比較し、検出装置３の方が回
転速度が早い場合に出力する比較器５２と、比較
器５２からの出力を増巾する自動利得制御付増幅
器５３と、制御回路を切替える切替器５４と、増
巾器５３からの出力を積分する積分器５５と速度
設定器５７からの信号に対し積分器５５からの信
号を減算入力する演算器５６と、巻取速度を決め
る速度設定器５７を備えている。６は速度制御装
置５からの制御信号を受け、その信号の変化に対
応した制御電力を出力するインバータであり、該
インバータ６の出力が巻取装置４の電動機４２に
供給される。

前記構成の定速度巻取装置における速度制御動
作について説明する。

まず切替器５３をａ側の回路にし、速度制御装
置５とインバータ６のスイツチ（図示せず）を
ONにする。該速度制御装置５およびインバータ
６の回路がONになると、速度設定器５７からあ
らかじめ設定された巻取速度信号が演算器５６に
加えられ、該演算器５６の出力が速度制御装置５
の制御信号としてインバータ６に供給される。イ
ンバータ６に供給された制御信号は制御電力に変
換され巻取装置４の電動機４２に供給し、電動機
４２を回転する。該電動機４２に連結した巻取軸
４１の回転速度は巻取設定速度すなわち糸条１の
巻取速度に等しい速度で回転する。又巻取軸４１
の回転に伴ない該巻取軸４１に挿着したボビンに
接触したローラベール４３も回転する。

前記状態で回転軸４１に挿着したボビンに糸条
１を巻付け巻取りを開始する。

糸条の巻取りが開始されると切替器５４の回路
をａ側からｂ側に切替える。回路の切替により積
分器５５が動作を開始する。この時点では該積分
器５５の出力は零であるため巻取軸４１の回転速
度は変化しない。巻取軸４１に装着したボビンに
糸条が巻取られ巻糸の巻厚が徐々に大きくなると
巻取速度が増加し、ローラベール４３の回転数が
高くなる。このためローラベール４３の回転数を
検出している速度検出装置３の出力信号も増加す
る。該速度検出装置３よりの出力信号である周波
信号を周波数電圧変換器５１で電圧信号に変換
し、速度設定器５７からあらかじめ入力設定され
た巻取速度の電圧信号と比較器５２で比較する。
該速度設定値よりも超過した分を自動利得制御付
増巾器５３で増巾し、増巾した出力信号を積分器
５５に入れる。積分器５５に信号が入ると積分を
開始し、演算器５６へその出力信号を減算入力と
して入れる。このため演算器５６の出力信号は初
速度設定値より小さい制御信号としてインバータ
６に入る。該入力信号を制御電力に変換し電動機
４２に供給する。このため制御信号の低下した分
だけ巻取軸４１の回転速度は低下し巻取速度は設
定値に近づくように制御される。さらに巻厚が増
加すると前記の制御が繰返され常に設定速度に近
づくように制御されながら糸条の巻取が行なわれ
る。

本考案は前記のように実施することができるが
実施例に限定されるものではない。

Γ 巻取軸を駆動する電動機は実施例のように直
結した構成でもベルト等を介して連結する構成
でもよい。

Γ 糸条を巻付けるための綾振り装置は往復動ガ
イドでも溝付ドラムその他の構成でもよい。

Γ 巻取速度を検出する速度検出装置はローラベ
ールに設けた突起等を電光管により検出する構
成のものでもよく、非接触の状態で検出できる
ものがよい。

本考案は前記のように巻取軸に連結した電動機
と、巻取軸の回転速度検出装置と速度制御装置お
よびインバータとから構成し、該速度制御装置を
速度設定器と、比較器と、自動利得制御付増巾器
と積分器と、演算器とにより構成することによ
り、次のような効果を奏することができる。

(1) 糸条の巻厚の増加に従つて変化する巻径成分
を含んだインバータへの制御信号と同じ出力を
制御基準信号として速度制御装置に設けた自動
利得制御付増幅器に供給して、巻厚の増加に従
つて制御利得を変化させ、これに基づいて判定
された制御信号が速度制御装置からインバータ
に出力されるため、巻取速度の変動幅を非常に
小さくでき、高速度巻取においても張力変動の
小さい高精度の巻取制御を行なうことができ
る。

(2) 巻取軸の回転速度を回転数信号として検出
し、速度制御装置に入力しているため応答性が
早く、測定誤差が少ないため、巻取操作中に張
力斑を生じることがなく美麗な形状のパツケー
ジを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は糸条の巻厚とスピンドル回転数との関
係図。第２図は本考案の定速度巻取装置の１実施
例を示す制御系統図である。 １：糸条、２：綾振り支点ガイド、３：速度検
出装置、４：巻取装置、４１：巻取軸、４２：電
動機、４３：ローラベール、５：速度制御装置、
５１：周波数電圧変換器、５２：比較器、５３：
自動利得制御付増巾器、５４：切換器、５５：積
分器、５６：演算器、５７：速度設定器、６：イ
ンバータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻取軸に連結した電動機と、巻取軸の回転速度
   を検出する装置と、速度制御装置およびインバー
   タとからなり、該インバータにより巻取軸に連結
   した電動機の回転数を制御する巻取装置におい
   て、前記速度制御装置を、速度設定器と、該設定
   器からの信号と前記回転速度検出装置からの信号
   とを比較し、該検出装置の方が回転速度が早い場
   合に出力する比較器と、該比較器の出力を入力と
   すると共に、インバーターへ出力される制御信号
   と同じ出力が自動利得の制御信号として入力され
   る自動利得制御付増幅器と、該増幅器の出力を入
   力とする積分器と、該積分器の出力を速度設定器
   からの信号から減算する演算器とにより構成せし
   めたことを特徴とする定速度巻取装置。