JPS61190017A - 鉄損の低い一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損の低い一方向性珪素鋼板の製造方法

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JPS61190017A
JPS61190017A JP60030198A JP3019885A JPS61190017A JP S61190017 A JPS61190017 A JP S61190017A JP 60030198 A JP60030198 A JP 60030198A JP 3019885 A JP3019885 A JP 3019885A JP S61190017 A JPS61190017 A JP S61190017A
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iron loss
annealing
steel sheet
secondary recrystallization
silicon steel
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JP60030198A
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Tadao Nozawa
野沢 忠生
Tadashi Nakayama
正 中山
Yozo Suga
菅 洋三
Masao Yabumoto
薮本 政男
Toyohiko Konno
今野 豊彦
Yoshiyuki Ushigami
義行 牛神
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一方向性珪素鋼板時に鉄損の極めて低い珪素鋼
板の製造方法に関するものである。
〔従来技術〕
一方向性珪素鋼板(以下、G、0.と略記する)は低磁
化力で高磁束密度且つ低鉄損が得られると共に安価であ
るという理由によって極めて重要な鉄心材料である。ま
た、省エネルギーの為にもG、0゜の低鉄損化が重要な
課題となっている。トランス鉄心の具備条件は時代の変
遷に関係なく高設計磁束密度で低鉄損、低騒音であるこ
とにかわりはない。
最近の技術の進歩によってBe(磁化力800AT/m
における磁束密度を示し、(110) (001)方位
集積度の尺度となる)はかなり高いものが得られるよう
になっている。このように、素材のB、を高くすること
によって、トランスの小型化、低鉄損化、低騒音化が可
能となるのである。
本発明者らはC,O,の鉄損を減少させるために多くの
磁気物性的研究を行い、G、0.の鉄損減少効果は次の
要因によるものがほとんどであることを確認した。即ち
、■板厚方向に磁化成分をもつ還流磁区をできるだけ減
少させること、これは特に励磁磁束密度の高い場合、例
えばW+、/S。(励磁1.7Tesla、 50H2
における鉄損、watt/kg)の減少に重要である、
■磁化に関与する活動磁壁(主として、180°磁壁お
よびスパイク状磁区)をできるだけ多くすること、これ
は、比較的低励磁、例えばW 、 、、、。の減少に特
に有効である。■試料内で磁化の程度にかたよりのない
こと、全体が一様に磁化されることによって局部的高励
磁による鉄損の増加を緩和できること、■板厚を薄くす
ること、板厚を薄くすることは、上記の還流磁区を減少
させることにも連なり、鉄損減少のためにきわめて重要
である、■素材の固有抵抗を増加させること、■介在物
等による磁壁のピンニング効果による鉄損増加をできる
だけ少なくすること、などである。
第1図は項目のについて説明したものであり、3%5i
−Fe単結晶の張力下の鉄損、180°磁壁間隔および
還流磁区の面積率のβ角((001)軸の圧延面に対す
る傾き角度)依存性(板厚0.20++n)を表示して
いる。
第1図において角度βが約2°のときに還流磁区の主磁
区中に占める面積率が小さくかつ180゜磁壁間隔が適
当にせまくなる理由によって鉄損が小さくなる。約2°
の傾きは、B s = 1.98Tesla(2,95
%Siで約5μmのグラスフィルムが鋼板の片表面に付
いた状態)に相当する。即ち、G、0゜の鉄損を小さく
するためにはB8を現在の工業製品のB a 61.9
1Teslaにくらべて、かなり高くする必要がある。
例えば、尖鋭な(110) (001)方位のみを2次
再結晶焼鈍において優先的に成長させることができるな
らばきわめて高いBS(例えばβ=0°)を実現するこ
とができる。幸いなことに、G、0.の2次再結晶焼鈍
はコイル状で行われその後通常コーティング乾燥及び形
状修正のため平坦化焼鈍が行われるので、尖鋭な(11
0) (001)方位粒を核化、成長させることができ
るならば、工業製品において、各結晶粒の中に2°前後
の傾きを形成させることは、きわめて容易である。
第2図は鋼板表面を化学的に研磨した材料の圧延方向に
約1にぎ/ tm ”の張力を付加した状態での鉄損と
板厚の関係を示したものである。素材の88が低い場合
(素材a)は最低鉄損となる板厚が存在するがB、が高
い場合(素材b)は0.1fi以下の厚みに最低値があ
る。G、0.の工業的に生産可能な板厚限界は約0.1
 mmと想像されるので、現在の6.0.よりもBll
を高くかつ、板厚を極力薄くすることによって6.0.
の最低鉄損が得られることになる。
第3図はSEMによるG、0.の交流磁化状態(b)お
よび消磁状態+alの磁区図形を示したものである。
この図は全てのiso’磁壁が同様に磁化に関与する状
態を示している。即ち板金体が一様に磁化し、磁化のか
たよりは全く生じていないことがわかる。
なお、ここで用いた試料は2.95%S i 、 0.
15■1厚、約5f1間隔でレーザー照射しているもの
で、磁気特性はBe =1.987.V/+t/5o=
0.53watt/kg、W+azso=0.30wa
tt/ kg)であった。、ニー(DようなN化状態で
はきわめて低い鉄損が得られることは自明である。かか
る磁化状態はG、0.のB8を高くすることによっては
じめて可能となる。B8が掻めて高くしかも板巾方向(
圧延方向と直角方向)の結晶方位が同じであれば、各励
磁位相における磁化状態がほとんど同じとなり、磁束の
偏りが全く生じない低鉄損のための理想状態となる。
第4図は板K O,3mにおけるG、0.中に含まれる
Si量と鉄損の関係を示したものである。Siの高いほ
ど、固有抵抗が増加する。しかしながらSiが増加する
と脆性の問題があり、工業的には4〜4.5%が限界と
云われている。
このほかに、鋼中に介在物を含まないこと、鋼板とGl
ass−filmの界面をできるだけ平滑にして、磁壁
ピンニングを減少させることが重要である。
本発明者らは上記に説明した各要件を出来るだけ同時に
満足することによって極めて鉄損の低いG、0.が得ら
れることを理想化されたラボ実験によって確認したが、
工業的に上記のような優れたG、0.を得ることは従来
技術では不可能であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は従来技術では得られなかった磁気特性の6.0
.即ち、St含有量が3%以上で、B8が1.94T以
上、板厚0.30mで鉄損W+?/Soが0.9w/k
g以下のG、0.を工業的に製造する方法を提供するも
のである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決するため、次のような方法に
より成立っている。即ち、本発明は、C:0゜025〜
0.075%、Si:3.0〜4.5%、酸可溶性Al
 : 0.010〜0.060%、N : 0.003
0〜0.0130%、S :  0.007%以下、M
 n : 0.08〜0.45%、P:0.015〜0
.045%、Cr : 0.07〜0.25%、残部F
e及び不可避的不純物よりなる一方向性珪素綱板用スラ
ブを1280℃を超えない温度に加熱した後、熱間圧延
により熱延板となし、次いで該熱延板に冷間圧延を施し
て最終板厚とし、得られた冷延板を脱炭焼鈍し、次いで
焼鈍分離剤を塗布した後、1次再結晶領域と2次再結晶
領域との境界部位の鋼板に2.5℃/cm以上の温度勾
配を与えながら2次再結晶焼鈍することを特徴とする。
上記の方法は本発明者らが尖鋭な(110) (001
)方位のみを極めて大きく粒成長させてG、0.成品の
Bsを高くする方法、粒長径を大きくする方法、固有抵
抗の高い薄板をつくる方法等を組合せることによって完
成せしめたものである。
本発明によってえられた鋼板は、板厚0.3 tarで
W+?/$6が0.9 watt/ kg以下の低鉄損
を有しく板厚0.23*n以下では、Wl!/S。〈0
.4、WIT/S。く0.8)、また、板厚0.30鶴
以下(Wl?/S。<0.9の場合)、および0.23
鶴以下(W 13yso < 0.9、W+?/S。<
 0.8 )で1.947以上の高いB、を有する。
以下、本発明の詳細な説明する。本発明者らはまず、素
材のB、を出来るだけ高くする研究を行った。
多くの研究者によって従来から行われいる高Bfiプロ
セスについて追試することから始めたが、その結果、B
s 21.957を工業的に安定して実現することは極
めて困難であるとの結論に達した。そこで、従来方式に
よる2次再結晶焼鈍方法をあきらめ、本発明者らが提案
した温度勾配下2次再結晶(特公昭58−50295号
公報で開示)を更に究明し、該方法によって工業的に8
8を1.96T以上にすることの見通しが得られた。
即ち、約り℃/a11以上の温度勾配下で2次再結晶焼
鈍することにより、尖鋭な(110) (001)方位
をもつ粒が優先的に成長し、コイル巾(圧延方向と直角
方向)全体をほとんど1個の2次再結晶粒で覆うことが
可能となった。しかしながら、全てのコイルでつねに上
記のような理想的高B、が得られるとは限らず、時には
第5図に示すように、コイルの上端から圧延方向と直角
の方向に成長した高配向粒が圧延方向に連なった綿状混
粒によって粒成長を阻止される場合があった。このよう
な場合には高いB、を得ることは困難であった。
(図中の数字は局所領域(3X9cm)のB、を示す。
) 次に0.3 tm以下の薄手鋼板の温度勾配を焼鈍を究
明した。第6図は、AIN+MnSをインヒビターとす
る2、3鶴厚熱延板からの1回冷延材を脱炭焼鈍後約5
℃/cffIの温度勾配下で2次再結晶焼鈍した試料の
各種板厚とB、の関係を示したものである。冷延圧下率
が90%をこえると(0,20mで91.3%、0.1
5Mで93.5%に相当する)2次再結晶がきわめて不
安定となり、B、が低下する。2次再結晶焼鈍時の温度
勾配を高くすることによってB、の低下傾向はかなり緩
和できるが、工業的には、コイル全体を高温度勾配下で
2次再結晶焼鈍することは困難であることが予想された
特開昭58−24396で示されるような粒界偏析型析
出物によってインヒビター効果を強化した場合は前者に
くらべて2次再結晶が安定する。しかしながら温度勾配
下で2次再結晶焼鈍した場合は粒成長抑制効果が太きく
Beを高くすることが困難であった。
以上述べた理由により特にB、の高い薄手G、0゜即ち
、鉄損の低いG、0.を製造することはほとんど不可能
であった。
本発明者らは上述の諸問題を解決するために更に多(の
研究を行った結果、線状細粒が生ぜず、かつ、板厚を薄
クシた場合でも不安定な2次再結晶を生じないG、0.
を製造する方法が見出されたのである。即ち、鋼成分と
して、特開昭59−190325に開示している低S、
高Mn、Cr人等を特徴とする珪素鋼を対象とし、該ス
ラブを低温加熱することにより線状2次再結晶粒不良を
完全に解消し得ることを究明して従来に見られなかった
粒成長を可能ならしめ、かつ、St含有量を高めた場合
及び冷延圧下率を高めて薄手鋼板にした場合に発生する
2次再結晶不良も解消することができたのである。
次に、本発明に必要な製造工程の構成要件のうち、鋼成
分及びその限定理由について述べる。本発明で用いる溶
鋼は、その溶製方法として転炉、電気炉、平炉いずれで
も良いが、成分含有量は次の範囲に入る必要がある。
Cは0.025%未満になると二次再結晶が不安定にな
り、かつ二次再結晶した場合でも磁束密度(B++で1
.80T以下しか得られず)が悪いので0.025%以
上とした。一方、Cが多くなり過ぎると脱炭焼鈍時間が
長くなり、経済的でないので0.07.5%以下とした
。Siは4.5%を超えると冷延時の割れが著しくなる
ので4.5%以下とした。
又、3.0未満では製品厚0.30111でWl’l/
S。が1.00以下の最高等級の鉄損が得られないので
3.0%以上とした。望ましくは3.2%以上である。
本発明では二次再結晶に必要な析出物としてAINを用
いる。したがって必要最低量のAINを確保するために
酸可溶性Alとして0.010%以上、Nとして0.0
030%以上が必要である。酸可溶性Afが0.060
%を超えると熱延板のARMが不適切となり、二次再結
晶が不安定になるので0.060−%以下とした。Nに
ついては、0.0130%を超えるとブリスターと呼ば
れる“鋼板表面のふくれ”が発生するので0.0130
%以下とした。
次に、本発明の特徴の一つはSを0.007%以下とす
ることにある。本発明者等は二次再結晶に必要な析出物
として、A IlNを用いる製造方法において、素材中
のSt含有量が多いスラブを低温度で加熱、熱延した場
合に発生する二次再結晶不良をSが助長することを見い
出した。
かかる現象はSiが4.5%以下の範囲であればS含有
量が0.007%を超える場合特に明瞭に現われ、これ
以下では二次再結晶不良の発生が全くないことが判明し
た。
したがって、本発明では0.007%以下を限定範囲と
した。このSの影響の冶金的原因は正確には分らないが
、恐らくSが増加すると二次再結晶に不適切なAIM析
出物が多くなるためと考えられる。Sが0.007%以
下の範囲内ではS量が少ないほど二次再結晶が若干安定
するようであり、また溶鋼段階でSを下げておけば、仕
上高温焼鈍時の脱S処理が容易によるので望ましい。現
状の溶製技術ではコストを高くせずにSを容易に下げ得
る範囲として0.001%以上が一般的である。
本発明の成分上のもう一つの特徴はMn、Pにある。本
発明では、最高等級の鉄損を得るために素材中のSi量
を3.0%以上とすることを目標としているが、この高
St材を低温スラブ加熱どその後の熱延を採用した場合
に発生する二次再結晶不良を低S化によって解決してい
る。したがって、二次再結晶に対する析出物としてのM
nSの働きが無くなるので、得られる製品の磁束密度が
比較的に低い。本発明者等は、MnとPをそれぞれ適切
な量に制御することによって、B8として1.94Te
ala以上の磁束密度が安定して得られることを見い出
した。
Mn量が少なくなると二次再結晶が不安定になり、Mn
量が多くなると88が高くなるが、一定収上添加しても
改善効果が無く、添加合金量が多くなり不経済である。
Pについては、少ないとB。
が悪く、多くなると、冷延時に割れる頻度が多くなり又
二次再結晶不良の発生割合が多くなる0以上の理由から
B、が1.94Tesla以上の磁束密度で、かつ二次
再結晶が安定しており、割れ問題の少ない範囲としてM
 n : 0.08〜0.45%、P:0.015〜0
.045%を本発明範囲とした。
もう1つの特徴はCrの含有にある。本発明では上述の
ようにインヒビターとしてAJNを用いることから、高
磁束密度を得るためは鋼中酸可溶性/lを厳密に制御す
る必要がある。本発明者らは適当量のCrを鋼中に含有
させることにより高磁束密度の得られる酸可溶性1量の
範囲が広がることを見い出した。Crが0.025%を
越えると効果の増加が見られず、むしろ脱炭焼鈍時の脱
炭速度が遅れるという問題が生じるので、上限を0.2
5%とし、0.07%未満では上記効果が得られないの
で、下限を0.07%とした。
次にスラブ加熱温度の限定理由について述べる。
本発明で限定した成分範囲の場合、スラブ加熱温度とし
て従来においては常識となっていた1300℃を越える
高温加熱が必要ではなくなる。さらに、画期的なことに
同一磁束密度下の比較をした場合に、むしろスラブ加熱
温度の低いものほど鉄損が大巾に良いことを見出した。
すなわち、本発明の構成要件の一つである低温スラブ加
熱は、製造コストを下げ、そして連続鋳造鋳片を容易に
採用し得るという目標であると同時に、鉄損を向上させ
る手段ともなっているのである。
更に、本発明鋼のスラブ加熱温度を1300℃以下にす
ることにより、2次再結晶焼鈍時に線状細粒が発生しな
いという現象の把握によって2次再結晶粒の長大化とい
う本発明の特徴を可能ならしめ得たのである。
上述の理由に基づき、スラブ加熱時のノロ発生のない温
度として、本発明では1280℃以下をスラブ加熱温度
の限定範囲とした。スラブ加熱の下限は特に決めないが
、1050℃より下ると熱延時の必要動力が大きくなり
、又鋼板形状も悪くなるので、工業的安定生産のために
は1050℃以上が望ましい。
本発明で用いるスラブは連続鋳造法によるもの、分塊法
によるもの、いずれでも良い。特に省力化、歩留向上の
他に、化学成分の均一化による成品長手方向の磁性均一
化の期待出来る連続鋳造スラブが望ましい。熱延板焼鈍
については、必ずしも必須としないが850℃〜120
0℃の温度範囲で短時間焼鈍するのが望ましい。
次に、本発明の特徴の他の1つである温度勾配下2次再
結晶焼鈍について説明する。1次再結晶焼鈍後二次再結
晶を目的とした高温焼鈍するわけであるが、この時の必
要条件は一次再結晶領域と二次再結晶領域の境界部位の
鋼板に2.5℃/値以上の温度勾配を与えながら二次再
結晶する必要がある。この−次再結晶領域と二次再結晶
領域の境界温度は成分、工程条件によって変化するが、
はぼ820〜1100℃の範囲にある。2.5℃/cm
以上の温度勾配をつけることによりB、で1.947以
上の高い磁束密度が得られる。温度勾配が2.5℃/c
m未満では高い磁束密度を得ることができない。高温焼
鈍の型として箱型、連続型いずれでも良く、その勾配の
付与方法として例えば炉内に温度差をつけて昇熱するこ
とによって可能である。鉄損特性を良好にするため、温
度勾配下で二次再結晶完了させた後に純H2中で高温度
純化焼鈍すること°が普通である。
次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。C:
 0.053%、S i : 3.28%、酸可溶性A
l二0.027%、T、N : 0.0076%、S 
: 0.0067%、Mn:0、164%、P : 0
.028%、Cr:0.12%、残部F、eおよび不可
避不純物よりなる一方向性電磁鋼板用連続鋳造スラブを
1200℃で加熱後、熱間圧延により2.3鶴及び1.
8 m厚の熱延板となし、次いで、該熱延板を1140
℃で連続焼鈍後、夫々2.3fl厚のものは0.290
m、1.8fl厚のものは0.195m、0.175m
に冷延し、得られた冷延板を湿水素中で連続脱炭焼鈍し
、次いでMgOを塗布し、乾燥後巻取り、各板厚のもの
をまとめて約5トンのコイルにした。
このコイルをNz90%十HzlO%を雰囲気中で温度
勾配下で2次再結晶焼鈍した。昇温速度は室温から65
0℃まで50℃/hr、  650℃から1200℃ま
で10℃/hrであった。
コイル全体を所定の温度勾配下で焼鈍するため焼鈍中に
コイルを上昇するようにした。即ち、コイルの上端面が
2次再結晶温度に到達するまで、該上端面を炉床と同一
高さになるように沈めておき、次いで該上端面が2次再
結晶し始めると、2次再結晶粒の成長速度に対応した速
度でコイルを上昇せしめた。この間温度勾配をつける目
的でべ−スプレート中に冷却ガスを流しコイル下部から
抜熱を行った。このような方法で焼鈍したコイルの、板
温か1050℃における温度勾配が約2.5℃/■以上
の領域のB8の平均は約1.95Tであった。
このような方法で製造した材料の特徴は次のものである
(1)  結晶粒の形状 第7図は本発明材の2次再結晶粒組成の1例を示したも
のである。各厚みにおいてコイル上端に発生した粒は圧
延方向と直角の方向に直線的に成長する。即ち、圧延方
向と直角の方向にきわめて長い結晶粒である。このよう
な結晶粒では、2次再結晶焼鈍時のコイルセットおよび
平坦化焼鈍によって生ずる微少方位変動((001)軸
の圧延面に対する傾き)以外はほとんど理想的Goss
方位に近いものである。即ちコイル上端から下端までほ
とんど同じ結晶方位であることを示すものである。
このような粒形状を有するG、0.は従来にないもので
ある。
(2)  結晶方位および磁区模様 第8図は本発明材の結晶方位(b)および磁区模様(a
)の1例を示したものである。前にのべたように、(0
01)軸の圧延面に対する傾き角(β)が結晶粒内で変
化している。このβの絶対値の平均はほぼ2°に近いこ
とがわかる。一方、磁区模様はβの小さな領域はやや巾
が広いが、全体的に一様に狭い。即ち、コイルの上端か
ら下端までほとんど同じ磁区模様であることを示してい
る。
(3)強いグラスフィルムの鋼板におよぼす張力鋼板表
面に形成されるグラスフィルムによって鋼板に張力が生
じることは周知のことである。本発明材の場合は、この
張力が従来材にくらべてかなり大きい、即ち、0.30
m厚の鋼板で0.5kg/m”以上、0.20fl厚の
場合は0.9 kg / van ”以上である。
工業的には、このグラスフィルムの上にさらに、鋼板に
与える張力の大きな絶縁皮膜をコーティングする。従っ
て、コーテイング付着量を調節することによって両者の
張力を合わせて約2kg/ vm ”(0,20m厚)
の張力をひき出すことができる。
第9図は3.3%S L 、 0.20m厚の本発明材
の鉄損におよぼす表面皮膜及び外部張力の影響を示した
ものでグラスフィルムと絶縁皮膜のある本発明材の鉄損
とグラスフィルムを完全に除去した本発明材の外部張力
下の鉄損とを比較している。グラスフィルムの除去によ
って鉄損は大巾に増加するが張力付加によって減少する
のがわかる。図中のO印はグラスフィルムを除去する前
の値である。
本発明材では1β122° (図中に示しである)であ
り、かつ高張力なのではじめにのべたような理由(第1
.2図参照)で理想的低鉄損になっている。張力の増加
によって本発明材の鉄損の低減はさらに期待できる。本
発明材のように1β1?:32°でありかつ張力のつよ
いグラスフィルムが付いている場合は磁区中がきわめて
狭くなりこれが低鉄損の主要因になっている。
(4)  均一な磁化 第10図、第11図は本発明材(第10図)および従来
材(第11図)の磁化状態の相違を説明したものである
。第10図において本発明材の結晶粒寸法は従来材にく
らべてきわめて大きいが(al、180°磁壁間隔はき
わめてせまいことを示している(b) @ (C) 、
 (d)は+8)と同種の従来材の試料の消磁状[(0
)および磁化状態(d)の磁区図形を示したものである
。本発明材の場合、多くの磁壁が一様に磁化に関与する
ことを示している(d)。従って磁束の偏りがなく、低
鉄損の原因となる。一方、従来品は第11図に示すよう
に粒寸法がきわめて小さいが(a)、磁壁間隔の大きさ
にバラウキが°あり山)、かつ磁化状態は本発明材とか
なり異なり、一様磁化とは云えない(d)。例えば、同
じ位相でみると、はとんど飽和磁化したところとまた飽
和に達していないところがある。これは、同位相におけ
る磁束の偏りを示しとくに高励磁における鉄損増加の原
因となる。B、が高く粒寸法の大きいG、O,ではこの
ような非一様磁化は生じに<<、一様磁化は鉄損の増加
をさまたげることは明らかである。特に本発明材のよう
なコイル上端から下端まで同じ結晶粒、結晶方位を有す
る場合にはコイル全体が第10図に示すような一様磁化
を行うことになる。このような特徴を有するG、0.は
従来存在しなかった。
(5)  極めて低い鉄損値 本発明の以上の材料特性により鉄損値は極めて低い。
第12図は本発明材と従来材(現在市販されている工業
製品の中でもっともすぐれたもの)の鉄損の比較を示し
たものである。各厚みにおいて、本発明材の鉄損が小さ
い。本発明材のB、は0.30鰭厚で1.94T以上、
0.24 、0.20 、0.18鶴厚で各々1.94
T以上である。鉄損は、板厚0.3鶴でw+ffzs。
< 0.9 wattl kgSo、23m以下でWl
?/S(1< 0.8、W+3/So < 0.4wa
tt/ kgである。特に薄手材テコのような低い鉄損
を有するG、0.は過去に存在しなかったものである。
なお、本発明材は上記(2) 、 (31等で磁区中が
狭いことを特徴としているが、第13図で示すようにレ
ーザー照射等による磁区中細分化による鉄損減少効果は
ほとんどない。レーザー照射による鉄損減少効果は80
0℃の歪取焼鈍によって消失することは周知のことであ
る。この点からも、本発明材はレーザー照射等の磁区細
分化を必要としない優れたG、0.材である。
〈実施例1〉 C: 0.06%、Si:3.23%、酸可溶性A1:
0.027%、T、N : 0.0083%、S : 
0.005%、Mn:0.244%、P : 0.02
9%、Cr:0.1%、残部Feおよび不可避不純物よ
りなる一方向性電磁鋼板用連続鋳造スラブを1200℃
で加熱後、熱間圧延により2゜3mm厚の熱延板となし
次いで該熱延板を1140℃で連続焼鈍後、0.290
mに冷延し、得られた冷延板を湿水素中で連続脱炭焼鈍
し、次いでMgOを塗布し、乾燥した。このように処理
した巾21(Jl(圧延方向に平行)×長さ84cmの
鋼板を10枚積層し温度勾配下で2次再結晶焼鈍した。
この時の焼鈍方法は加熱炉が6帯に分かれた炉長1mの
炉に上記試料を挿入し、10℃/hrの昇温速度で加熱
し、各帯の温度を制御することにより650℃〜110
0℃の温度域のある試片部分に5℃/cmの温度勾配が
つくように炉温を設定した。この場合の温度勾配の方向
は圧延方向に直角である。鋼板は引続き純化を目的に乾
燥Ht中で1200℃X20hr焼鈍した。このような
方法で製造した鋼板の粒組織及び温度勾配2次再結晶焼
における温度勾配の値と純化焼鈍後のBs及び鉄損(い
ずれもグラスフィルム付き)の1例を第14図に示す。
該図で判る通り、本発明の方法によれば鋼板の全長にわ
たり、線材細粒が全くないこと、かつB、が高(、w+
tzsoがほぼ0.9 wattl kgという低鉄損
が得られることがわかる。
〈実施例2〉 実施例1と同様な2.3fi厚の熱延板を1140℃で
連続焼鈍後、0.20 tsに冷延し、得られた冷延板
を脱炭焼鈍板としたのちMgOを塗布し、実施例1と同
じ方法で2次再結晶焼鈍し、かつ純化焼鈍した。
このような方法によって得られた鋼板の88と鉄損の関
係の1例を第15図に示す。図に示すように、本発明に
よるときわめて低い鉄損のえられることがわかる。例え
ばWll/S。=0.35、WIT/S。=0.70@
att/kgの低鉄損となることがわかる。このような
低鉄損は従来の一方向性珪素鋼板では得られたことのな
い鉄損である。即ち、本発明材の場合は、グラスフィル
ムがついた状態ですでに、レーザー照射した効果と同様
大巾な鉄損減少効果があることを示しているBe >1
.90Tの通常のG、O。
で上記のような性質を示した例がない。
〔発明の効果〕
本発明は従来方法では得られない高磁束密度極低鉄損の
特性を有する一方向性珪素鋼板を提供しうるものであり
、特に、薄手材にその特性を発揮すると共に磁区制御手
段を必要としないなど、その工業的効果は極めて大きい
【図面の簡単な説明】
第1図は(001)軸の圧延面に対する傾き角βと鉄損
、180°磁壁間隔及び還流磁区の面積率との関係を示
す図、 第2図は鉄損と板厚の関係を示す図、 第4図は鉄損におよぼすSi含有量の影響を表わした図
、 第5図は線状細粒により粒成長が阻止された状態を表わ
す奮漏延楕顕微鏡写真、 第6図は板厚とB、の関係を示した図、第7図は各板厚
における本発明材の2次再結晶粒組織を示した秦為組織
顕微鏡写真、 第8図は本発明材の磁区図形を表わす金属組織顕微鏡写
真(alと結晶方位(b)を示した図、第9図は鉄損と
励磁磁束密度との関係を示す図、第10図は本発明材の
粒m m (al、ビッタ−法による磁区図形中)、走
査電顕による磁区図形消磁状態(C)、磁化状態(d)
を夫々示す金属組織顕微鏡写真、第11図は従来材の粒
組織(a)、ビッタ−法による磁区図形(b)、走査電
顕による磁区図形、消磁状B(C)、磁化状態(d)を
夫々示す金属組織顕微鏡写真、第12図は本発明材と従
来材の鉄損と板厚との関係を示す図、 第13図は本発明材のレーザー照射前(a)照射後(b
)の鉄損値を示した図、 第14図は本発明材の粒組織、B、及び鉄損を示す金属
組織顕微鏡写真、 第15図は本発明材(薄手材)の鉄損と88との関係を
示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. C:0.025〜0.075%、Si:3.0〜4.5
    %、酸可溶性Al:0.010〜0.060%、N:0
    .0030〜0.0130%、S:0.007%以下、
    Mn:0.08〜0.45%、P:0.015〜0.0
    45%、Cr:0.07〜0.25%、残部Fe及び不
    可避的不純物よりなる一方向性珪素綱板用スラブを12
    80℃を超えない温度に加熱した後、熱間圧延により熱
    延板となし、次いで該熱延板に冷間圧延を施して最終板
    厚とし、得られた冷延板を脱炭焼鈍し、次いで焼鈍分離
    剤を塗布した後、1次再結晶領域と2次再結晶領域との
    境界部位の鋼板に2.5℃/cm以上の温度勾配を与え
    ながら2次再結晶焼鈍することを特徴とする磁束密度が
    高く、かつ鉄損の低い一方向性珪素鋼板の製造方法。
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