JPS6118841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は洗浄前の食器類内に残つている残り物を
除くための浸漬装置に関し、槽内に入れた食器類
を下向きにした状態で搬出可能にするものであ
る。

洗浄前の断面凹形の食器類、例えば、わん、
皿、弁当箱などの内部に残つている残り物を除く
ために、それを漬けるための浸漬装置はすでに公
知で、その槽内には食器類を搬出するためのコン
ベアと食器類を流動させるための水を噴出するた
めのノズルが設けられている。したがつて、槽内
に入れられた食器類は、水中でほとんど上向きに
なつて流動し、コンベアで搬出される。浸漬槽か
ら出された食器類は、コンベアとその上下に洗浄
液を噴出するノズルが配置された洗浄機で洗浄す
るが、洗浄機のコンベアに対しては、食器類は下
向きに置かれる。したがつて浸漬槽から上向きで
取出された食器類を洗浄機のコンベアに載せると
きには、下向きに反転することが必要で、従来
は、作業者が下向きにして洗浄機に送り込んでお
り、能率が低い、とともに、洗浄コストが高くな
る問題を内包している。

本案は、浸漬槽から食器を搬出するときに、そ
れを下向きに反転させることで、上記の問題を解
決するもので、槽内に、その底壁に沿つて進行し
たのち、上方に傾斜した搬出部を経て槽外に出る
コンベアを有し、槽内の水をコンベアの進行方向
に流動させるための給水口が、コンベアの進行方
向と反対の槽内の端部に、他方の端部に吸込口が
それぞれ設けられ、水と空気または水を上方に噴
出するノズルが槽内の底部に設けられた食器類の
浸漬装置において、コンベアの搬出部に向け、か
つやや上向きまたはほぼ水平に水を噴出する反転
用ノズルが、搬出部の前段において、水面下にな
る位置に設けられ、コンベアが、その表面側に突
出した三角形状の係止板を有し、かつ係止板が、
コンベアの搬出部では、コンベアの進行方向側の
辺がほぼ水平またはその頂点側が上方になつて傾
斜するようになり、他の辺が立起状態になること
を要旨とする。

本案を図面の実施例について説明すると、１は
浸漬槽で、その長手方向の一方の内部に給水ノズ
ル２を有し、それと相対した位置に水の吸込口３
が設けられ、給水ノズル２と吸込口３とはポンプ
４を介在させた循環パイプ５で接続され、槽１内
の水を給水ノズル２側から吸込口３側へと流動さ
せるようになつている。給水ノズル２は、槽１内
に水を供給するものであるから、その方向は任意
である。そして、パイプ５に給水ノズル２を接続
して、水を噴出させれば、槽１内の水を流動させ
ることに対して適するが、給水ノズル２を設ける
ことなく、循環パイプ５の端部を槽１内に開口さ
せてもよい。６は食器類を移送するためのコンベ
アで、その往路が槽１内の、底壁に近い位置を槽
１の長手方向に、かつ水の流動方向と同方向に進
行して、槽１外に出たのち、復路が槽１外をその
底壁に沿つて進行するように配置されている。７
はコンベア６の端部の排出部で、この部分は傾斜
して上端が槽１外に出ている。コンベア６はそれ
を、その厚さ方向に水が通過する構造のものであ
ればよく、例えば、第３図に示すように、平行に
された一対のチエン８，８間にバー９が架設され
たもの、またはネツト、パンチングシートなどが
使用される。１０はコンベア６の表面側に突出さ
せてコンベア６に設けられた係止板で、これはそ
のコンベア６から突出部が、コンベア６の巾方向
においてほぼ三角形となり、かつ、係止板１０が
搬出部７に達したときに、その進行方向側の辺Ａ
が、そのコンベア６から遠い頂点Ｂ側が上位とな
つて傾斜またはほぼ水平となり、それと逆の辺Ｃ
がほぼ立起した状態になるように、その形状また
は搬出部７の角度が設定されている。そして、係
止板１０は、コンベア６の全面に分散して設けら
れている。１１は槽１の内壁に固着されたコンベ
ア６のレールである。

１２は槽１内の水面下でコンベア６よりも上方
において、搬出部７に近い位置に設けられた反転
用ノズルで、これはコンベア６の進行方向とほぼ
同方向において、やや上向きまたはほぼ水平方向
に水を噴出する。槽１の深さ方向における反転用
ノズル１２の位置は、中間またはそれよりもやや
浅い程度が適当であるが、特に限定は不要であ
る。すなわち、第４図に示すように、係止板１０
の辺Ｃに上向きになつて当つている食器類を、反
転用ノズル１２から噴出する水の圧力で反転させ
るもので、反転用ノズル１２を深い位置に設ける
と、深い位置で食器類を反転させる結果となり、
食器に対する水圧が大きくなるから、反転しにく
くなる。このため、中間またはそれよりも浅い位
置に反転用ノズル１２を設け、浅い所で食器類を
反転させる方が、食器類の反転が容易である。し
かし、反転用ノズル１２から噴出させる水の圧力
を高くすれば、深くても食器の反転は可能である
から、反転用ノズル１２の深さは任意である。反
転用ノズル１２から噴出させる水をやや上向きに
するときは、その角度は小さくする。

１３は槽１内においてコンベア６のほぼ水平部
の全長にわたつて配置した空気を上方に噴出する
エアノズルで、これから噴出させる空気で水をか
くはん状態として、互いに重ねて投入された食器
類を分散させる、とともに、その内部に残つてい
る食器などを食器類から分離させ、かつ食器類を
浮遊させて、それの流動を容易化する。１４はエ
アノズル１３と同様にコンベア６の下側におい
て、反転用ノズル１２の前段と、反転用ノズル１
２の下位に設けられ、上方に水を噴出する浮上用
ノズルで、これから噴出する水の圧力で、沈んだ
食器類を上昇させ、その浮遊を確実化するもので
ある。エアノズル１３は、そのすべてを水を噴出
するノズルに代えることも可能である。

１５は浮上用ノズル１４よりも前段で、槽１内
の水面下で、コンベア６よりも上方に配置され、
コンベア６の進行方向と逆の方向に向けられたか
くはんノズルで、これから噴出される水で、投入
された食器類を水中に滞留、流動させることで、
重なつた食器類の分離と、それらに付着した食品
などの分離を促進するものである。かくはんノズ
ル１５は、食器類が沈みやすいアルミニウム製な
どの場合には、やや下向きにして、水を上下方向
に流動させることが適し、合成樹脂製などの浮き
やすいときは、ほぼ水平にすることもできるが、
限定は不要である。１６はかくはんノズル１５と
ほぼ同位置に、コンベア６の進行方向と同方向に
設けられたガイドノズルで、これから噴出する水
で形成する水流で、滞留している食器類を反転用
ノズル１２の方向に順次に流動させる。ガイドノ
ズル１６も、この例では、やや下向きにしている
が、この方向はかくはんノズル１５と同様で、特
に限定は不要である。

１７は洗浄装置の洗浄コンベア、１８はコンベ
ア６の端部と洗浄コンベア１７間に配置されたシ
ユート、１９は水面、２０は食器である。

この装置による使用後の食器類の処理は、給水
ノズル２側の端部において槽１内に食器類を投入
する。投入された食器がアルミニウム製のときは
そのほとんどが沈み、合成樹脂製の食器も、それ
が投入されるのと、その内部に食品が残つている
ことなどによつて沈んだのち浮上する。そして、
投入された食器類は、給水ノズル２から噴出する
水の圧力による水流によつて、吸込口３側に流動
するが、給水ノズル２の後段には、前記水流と逆
方向に水を噴出しているかくはんノズル１５があ
るから、その水圧で食器類の流動は阻止され、食
器類は滞留状態になる。滞溜状態になつた食器類
は、その下方から噴出するする空気による気泡、
給水ノズル２とかくはんノズル１５から噴出する
水の圧力で、水と共にかくはんされる状態とな
り、この間に互いに重なつていた食器などは分離
し、かつその内部の食品なども分離される。この
ようにして水と共にかくはんされ浮上する食器類
のほとんどは、抵抗が小さくなる上向きになつて
いる。

一方、かくはんノズル１５と同位置には、コン
ベア６の進行方向と同方向に水を噴出するガイド
ノズル１６があるから、これから噴出する水の圧
力で生じた水流に載つた食器類は吸込口３側に流
動する。この間にも、その下方からは水と空気が
噴出されているから、食器類は上向きで流動して
反転ノズル１２に達し、このノズル１２から噴出
する水の流れでコンベア６の搬出部７に送られ
る。コンベア６は、その表面側に突出した係止体
１０を有し、かつ傾斜した搬出部７における係止
板１０は第４図に例示するように、コンベア６の
巾方向においてほぼ３角形で、そのコンベア６の
進行方向と反対側の辺Ｃは立起状態になつてい
る。このため、食器類は第４図で示すように、係
止板１０の辺Ｃに当つて停止し、コンベア６と共
に上昇するが、この食器は、反転ノズル１２から
搬出部７に向けて噴出している水の圧力で押され
るから、上方に回転し、第４図で鎖線で示すよう
に下向きになる。下向きになつた食器類は、その
内部に係止板１０がはいり、その辺Ａが食器類の
口縁に引掛る状態になるから、コンベア６で槽１
外に下向きのまま搬出され、シユート１８を介し
て洗浄機のコンベア１７に転送される。

食器類がわんや皿のように、その周壁にかなり
のテーパが付されている物の場合には、上向きに
なつたわんや皿の周壁に当つた反転用ノズル１２
からの水は、周壁の傾斜のためにそれを上方に移
動させるように作用するから、反転ノズル１２は
ほぼ水平にしても、十分にわんや皿を反転させう
る。しかし、弁当箱のように、周壁のテーパが少
ない物のときは、反転用ノズル１２をやや上向き
にすれば、弁当箱などを持ち上げるようになるか
らより適するが、コンベア６の搬出部７に接した
食器類はコンベア６で上昇させられるから、弁当
箱などのときも反転用ノズル１２をほぼ水平にし
ても、それを反転させることが可能で、反転用ノ
ズル１２を上向きに限定することは不要である。

この実施例におけるかくはんノズル１５は、多
量の食器類が同時に投入された場合に、それらを
ノズル１５の水の圧力で、一時的に滞留させるこ
とで、各食器類を分散させ、かつ、それらに付着
した食品などの分離を確実化する。そして、ガイ
ドノズル１６による水流で、投入された食器類を
少量ずつ後段に流動させることで、それらの反転
を確実化するものであるから、食器類を適量ずつ
分散させて投入するときは、かくはんノズル１５
とガイドノズル１６はなくとも、各食器類を十分
に処理できる。したがつて、かくはんノズル１５
とガイドノズル１６を設けることについては限定
不要である。なお、コンベア６の搬出部７に接し
たときの食器類の状態は、食器類は水中でありか
つコンベア６が移動しているから種々の状態にな
るものであつて、第４図の食器類は、その一例を
示したにすぎない。

上記のように本案は、使用後の食器類を槽１内
に入れ、槽１の底部から噴出させる空気と水また
は水で前記食器類をかくはん状態にすることで、
それらの内部の残り物を除き、上向きになつて流
動する食器類を、それらがコンベア６の搬出部７
に接したときに、その前段に設けた反転用ノズル
１２から噴出させる水の圧力で反転し、下向きに
して槽１外に出すことができる。したがつて、実
施例のように、槽１の側部に洗浄機を配置してお
けば、槽１から搬出した食器類をそのまま洗浄機
に送り込み洗浄をすることが可能である。上向き
のままコンベア６で搬出されるものがあつたとし
ても、それは一部であり、作業者はそれを反転す
るのみでたりるから、槽１から搬出した食器類を
下向きにして洗浄機に送り込むことの労力と手間
を大巾に削減することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の実施例を示し、第１図は平面図、
第２図は断正面図、第３図はコンベアの平面図、
第４図はコンベアの搬出部の拡大正面図である。 １：槽、２：給水ノズル、３：吸込口、６：コ
ンベア、８：チエン、９：バー、１０：係止板、
１２：反転用ノズル、１３：エアノズル、１４：
浮上用ノズル、１５：かくはんノズル、１６：ガ
イドノズル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 槽内に、その底壁に沿つて進行したのち、上
   方に傾斜した搬出部を経て槽外に出るコンベア
   を有し、槽内の水をコンベアの進行方向に流動
   させるための給水口が、コンベアの進行方向と
   反対の槽内の端部に、他方の端部に吸込口がそ
   れぞれ設けられ、水と空気または上方に噴出す
   るノズルが槽内の底部に設けられた食器類の浸
   漬装置において、コンベアの搬出部に向け、か
   つやや上向きまたはほぼ水平に水を噴出する反
   転用ノズルが、搬出部の前段において、水面下
   になる位置に設けられ、コンベアが、その表面
   側に突出した三角形状の係止板を有し、かつ係
   止板がコンベアの搬出部では、コンベアの進行
   方向側の辺がほぼ水平または頂点側が上方にな
   つて傾斜するようになり、他の辺が立起状態に
   なる食器の浸漬装置。 (2) 給水口と反転用ノズル間において、コンベア
   の上方で水面下に、吸水口側に水を噴出するか
   くはんノズルと、それとコンベアの巾方向に並
   んで吸込口側に水を噴出するガイドノズルが設
   けられた実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   食器類の浸漬装置。