JPS6118728B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レーザ光線の如きビーム光を使用し
て文字、数字、図形などを高速で紙面に記録する
レーザプリンタのための光走査装置に関する。

最近電子計算機の出力情報量が急激に増加し更
には漢字、図形、特殊記号などの記録を可能とす
るために、文字を微細黒点（ドツトと云う）の集
合で表わすことが行われ、電子回路による制御お
よび電子複写技術を利用したノンインパクトプリ
ンタが知られている。これらのうち特に高速性も
兼ね備えたものとして、エネルギー密度の高いレ
ーザ光線を応用した装置が発表されている。既に
知られているレーザプリンタの従来例を第１図，
第２図に示す。

第１図ａにおいて、レーザ装置１の出力である
レーザ光線２が適当なレンズ系（図では省略）を
通して、結像すべき感光ドラム３の上の走査面４
に達する。このレーザ光線２は途中変調器５を通
過する際、制御装置６からのドツト信号によつて
レーザ光の強度が時間の関数として変化する光線
となる。変調されたレーザ光は、高速（15000−
30000RPM）で回転する多面体鏡７に向かい、こ
の多面体鏡の一面８により反射される。多面体鏡
７は駆動電源によつて回転するモータ９に連結さ
れており、反射光１０は第１図ｂに示すように、
ある平面内で扇状に走査されながら進行し、感光
ドラム面に達する。

第２図ａは変調されたレーザ光を感光ドラム面
上に走査するための手段としてガルバノメータ
（Galvanometer）におけるものと同等な反射鏡に
よつてレーザ光を走査する例である。この場合、
レーザ光を反射する反射鏡１１はある角度だけ往
復回転動作を行うため、回転多面体鏡のように走
査が一方向ではなく、第２図ｂの点線のように反
対方向にも走査する。そこでこの時間帯では変調
器５からのレーザ出力を０にするかあるいは弱め
ておけば記録には無関係となる。

以上のように光ビームを変調して感光ドラム上
に潜像を与え、この潜像を現像し記録紙に転写し
て定着する。潜像の現像及び転写については既に
多数の例を複写機に見ることができるので詳細な
説明は省略する。

さて、レーザ光線を使用した上記の如き記録装
置においては、感光ドラム上に潜像を与える手段
として、光源、変調器、光走査器の３要素が必要
である。そして特に印字文の品質および記録速度
を高める場合に等比級数的に走査面の精度が必要
で、光路長が大なる場合は、光学機器を搭載して
いる取付架台の温度変化による伸縮で光軸のずれ
を引き起こすこともある。例えば、走査密度240
本／インチで走査精度を±３／100ミリ以内にお
さえるためには、例えば走査面と回転多面体鏡と
の距離を78cm程度とした場合、回転多面体鏡の回
転軸に対する面倒れが±３秒以内でなければなら
ず、非常に走査機構の精度を上げなければならな
い。このため装置の構造が複雑となりその組立に
高度な技術を要し、従つて高価とならざるを得な
い。

そこで本発明の目的は、光学系のずれ、高精度
転多面体鏡の製作などの問題を解決し、更には部
品点数を減らして信頼性向上および小形化、低価
格化をはかつた光走査装置を提供することにあ
る。

本発明では、発光器として半導体レーザを使用
し、これを所定角度だけ往復回転する振動子に取
付けて光走査を行なうことを特徴とするものであ
る。

以下本発明の実施例について説明する。

第３図は本発明の一実施例となる光走査装置を
示している。第３図において、２２は所定角度だ
け往復回転する振動子で、これは図示しない手段
で駆動される。この駆動手段は例えばガルバノメ
ータにおける反射鏡の駆動手段と同じで与えられ
る電源によつて往復回転するものでよい。振動子
２２の片面には半導体レーザ２３が載置され、ま
た同じ面には半導体レーザ２３を外部と電気的接
続するための導体パターン２４が設けられてい
る。２１は振動子２２の上下端を固定部材２７に
係止するためのバネで、これは導体より成り、そ
の一端は導体パターン２４に、また他端は制御装
置２６に電気的接続されている。なお、半導体レ
ーザ２３は一般にナノ秒の程度の値で電流パルス
を加えたときに、繰返しビーム状の光を発光する
ため、制御装置２６からのドツト信号をそのまま
印加することにより変調されたレーザ光を得るこ
とができる。

以上のように構成すれば、制御装置２６からの
ドツト信号によつて半導体レーザ２３は発光し、
変調されたレーザ光が半導体レーザ２３から直接
得られ、第１図，第２図の場合と同様に感光ドラ
ム２５上を走査することができる。なおこの場合
も、第２図ｂの場合の破線と同様、反対方向に走
査するので、この時間帯では半導体レーザ２３の
出力を０にするかあるいは弱めておけば記録には
無関係となる。

漢字を表現するために文字をドツトの集合とし
て扱うことは前述したが、例えばドツト密度を
240ドツト／インチとし、記録紙の移動速度を15
インチ／秒（感光ドラム２５の周速も同じにす
る）とすると振動子２２の振動数は 240×15＝3600（回／秒） となり、3.6KHzの振動となる。一方１回の走
査で15インチ幅の記録紙に記録する場合、半導体
レーザ２３に印加するドツト信号の周波数は となり、半導体レーザ２３は25.92MHzの周波
数で応答する必要がある。以上のような振動子２
２の振動周波数や半導体レーザ２３の応答周波数
は通常の電子回路技術で実施し得る程度のもので
ある。

４図は本発明の他の実施例を示すものである。

この実施例は、振動子２２に複数個の半導体レ
ーザ２３を取付けることにより、１走査で複数本
分のドツトラインを引くことができるようにした
ものである。もちろんこの例では、各々の半導体
レーザ２３に別々なドツト信号を与えることが必
要である。この実施例によれば、走査速度を複数
倍に向上させることができる。

以上本発明を実施例について説明したが、これ
から理解されるように、本発明では発光器として
半導体レーザを使用し、さらにこれを振動子に取
付けるものであるため、光路長が短くなり、変調
器は不要となり、装置の小形化、高信頼化、低価
格化に大いに寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ及び第２図ａ，ｂはレーザプリン
タの従来例を示す図、第３図および第４図は本発
明の実施例を説明するための図である。 ２２……振動子、２３……半導体レーザ、２５
……感光ドラム、２６……制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両端をパネによつて支持されかつ与えられる
   電流によつて所定角度回動する振動子に半導体レ
   ーザを取付け、該半導体レーザに文字印字のドツ
   ト信号を与えることによるレーザ光を感光ドラム
   上に走査させることを特徴とするレーザプリンタ
   用光走査装置。