JPS6118562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は前照灯ユニツトに関する。詳しくは、
合成樹脂製の前面レンズを備えた前照灯ユニツト
に関するものである。

従来、ガラス製の前面レンズに換えて合成樹脂
製の前面レンズを備えた前照灯ユニツトが提案さ
れている。例えば第１図乃至第３図に示す如く、
この種の前照灯ユニツトはガラス、金属又は合成
樹脂製のリフレクターａとこのリフレクターａの
前面に配設された合成樹脂製の前面レンズｂとバ
ルブｃとを備え、バルブｃのサブフイラメントｄ
から出射された光線は、リフレクターａの内面で
反射して前面レンズｂに対し集光状態になる。

前述すると、リフレクターａはその内面に反射
膜を施した略回転放物面状の反射面が形成してあ
り、その後部開口に固定したバルブホルダーｈに
着脱自在に装着したバルブｃのサブフイラメント
ｄは、リフレクターａの焦点ｆよりも前方でかつ
光軸線ｉ上に位置し、略下半分が遮光板ｇにて被
覆されており、また他方のメインフイラメントｅ
は焦点ｆよりも後方で光軸線ｉのやや下方に位置
している。従つて、メインフイラメントｅから出
射されてリフレクターａの内面で反射する光線は
やや拡散した状態となるが、サブフイラメントｄ
から出射された光線は、第１図で示す如く、前面
レンズｂの中央部近傍の符号b′に集光するように
なり、同時にサブフイラメントｄから出射されて
リフレクターａの内面で反射された熱線（赤外
線）集光部b′に集中する。また、略密閉状態とな
したユニツト内の雰囲気は、赤線（赤外線）によ
り熱せられ、対流現象を起こしてユニツト内の上
方に留まることになる。従つて、合成樹脂製の前
面レンズｂは、これらの現象により集光部b′にお
ける上部b″がより高温となり、変形あるいは軟
化してしまう欠点を有する。

上記事情に鑑み、本考案は合成樹脂製の前面レ
ンズにリフレクターより反射した光線が集光して
も前面レンズ、特に上部の変形、軟化を防止し、
しかも軽くて精度の良い安価な前照灯ユニツトを
提供することを目的としたものである。

本考案は上記欠点を解決するために前面レンズ
の集光部における上部へ反射せしめる反射面の一
部、すなわち集光反射部を覆う遮蔽板を反射面と
バルブとの間に配設したものである。

以下、本考案にかかる前照灯ユニツトの実施の
一例を第４図及び第５図の図面を参照して説明す
る。

本例は、角型前照灯ユニツトに適用した例で、
１はガラス、金属又は合成樹脂製のリフレクター
であつて、該リフレクター１は内面が反射膜を施
した略回転放物面状の反射面１３に形成され、そ
の後部の略中央に開設した後部開口にはバルブホ
ルダー１１が固設してある。バルブ２はその先端
に遮光塗料が施されていると共に内部にサブフイ
ラメント２２とを有し、サブフイラメント２１の
下部には遮光板２３が該サブフイラメント２１の
下方略半分を覆うように設けて構成したもので、
かかる例でのバルブ２は所謂のハロゲンH₄バル
ブである。そしてバルブ２はサブフイラメント２
１がリフレクター１の焦点ｆより前方で且つ光軸
線ｉ上に位置し、メインフイラメント２２が焦点
ｆよりも後方で光軸線ｉのやや下方に位置するよ
うにバルブホルダー１１に着脱自在に装着してあ
る。詳しくは、バルブホルダー１１に着脱可能に
係止させた押圧スプリング５によりバルブ２のつ
ば部２４がバルブホルダー１１に圧接しているも
のである。

前面レンズ３はポリカーボネートあるいはアク
リルなどの透明合成樹脂からなり、その周縁部３
１はリフレクター１の前面周縁に形成された環状
の凹部１２に接着剤４を介して気密に配設してあ
る。

そして、このように構成されたユニツト内には
遮蔽板６が反射面１３とバルブ２との間に配設し
てある。詳しくは、かかる例では遮蔽板６は平板
状で反射面１３の上方の一部、すなわち光軸線ｉ
に垂直上方に位置する前面レンズ３の集光部b′に
おける上部b″に反射せしめる反射面１３の集光
反射部１４を覆う長さと幅に形成されており、前
述したバルブホルダー１１の上方にユニツト内に
突出し、わずかに離間した一対の支持片１１ａ，
１１ｂを設け、この支持片１１ａ，１１ｂ間に挿
入嵌合して取付けられているものである。

このように上記実施例では構成してあるので、
集光反射部１４に出射される光線は遮蔽板６によ
り遮光され、従つて熱線（赤外線）が前面レンズ
３の集光部b′における上部b″に集中することを阻
止しているので、ユニツト内で対流現象が発生し
ても上部b″の軟化あるいは変形を防止すること
ができる。また、かかる例ではバルブホルダー１
１に設けた支持片１１ａ，１１ｂ間に挿入嵌合し
て取付けているので、組付けに多くの工数等を必
要としない。

第６図は第２の実施例であつて、この実施例は
バルブホルダー１１に取付座部１１ｃを設け、こ
の取付座部１１ｃにビス７でバルブ２と反射面１
３と離間し、且つ反射面１３に沿つて集光反射部
１４を覆う遮蔽板６を取付けているものである。
また、かかる例での遮蔽板６は、該遮蔽板６自体
が黒色塗装を施されて無反射となしてあるか、又
は凹凸形状を施して乱反射、あるいは上部b″に
集光しないように拡散する面に形成してある。

従つて、この例においても上記の実施例と同様
に上部b″に熱線（赤外線）が集中しないことに
なるので、軟化あるいは変形を防止することがで
きるものである。

第７図は上記第２の実施例の変形例であつて、
遮蔽板６は、図示の如く、リフレクター１の上部
平担部１′にリベツト７１で固定しても良いもの
である。

以上の各実施例から明らかなように、本考案は
内面が略回転放物面状の反射面に形成されたリフ
レクターと、該リフレクターの焦点より前方に位
置するフイラメントを有するバルブと、前記リフ
レクターの前面に配設された合成樹脂製の前面レ
ンズとを備える前照灯において、前記前面レンズ
の集光部における上部へ反射せしめる前記反射面
の集光反射部を覆う遮蔽板を該反射面と前記バル
ブとの間に配設してなることを特徴とするもので
あるから、前面レンズの集光部における上部に集
中する熱線（赤外線）は遮蔽板により阻止されて
いるので、ユニツト内で対流現象が発生しても上
部の軟化あるいは変形を防止することができ、ま
た従来実用化し得なかつた合成樹脂の特性を生か
した精度が良く、しかも軽重量で低価格な合成樹
脂製の前面レンズを使用することができるので、
安価な前照灯ユニツトが提供できるなど優れた効
果を奏するものである。

尚、当然のことではあるが、本考案は上記の実
施例に現定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す正面図、第２図は第１図
の−線断面図、第３図は第１図の−線断
面図、第４図及び第５図は本考案の第一実施例を
示し、第４図は一部切欠正面図、第５図は第４図
の−線断面図、第６図は第２の実施例を示す
断面図、第７図は第２の実施例の更に変形例を示
す要部断面図である。 １……リフレクター、１３……反射面、１４…
…集光反射部、２……バルブ、２１……サブフイ
ラメント、２２……メインフイラメント、３……
前面レンズ、６……遮蔽板、b′……前面レンズの
集光部、b″……集光部の上部、ｆ……焦点、ｉ
……光軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内面が略回転放物面状の反射面に形成されたリ
   フレクターと、該リフレクターの焦点より前方に
   位置するフイラメントを有するバルブと、前記リ
   フレクターの前面に配設された合成樹脂製の前面
   レンズとを備える前照灯において、前記前面レン
   ズの集光部における上部へ反射せしめる前記反射
   面の集光反射部を覆う遮蔽板を該反射面と前記バ
   ルブとの間に配設してなることを特徴とする前照
   灯ユニツト。