JPS61185186A - 熱安定性の低下改善された改質微生物レンネツト及びその製法 - Google Patents

熱安定性の低下改善された改質微生物レンネツト及びその製法

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JPS61185186A
JPS61185186A JP2275085A JP2275085A JPS61185186A JP S61185186 A JPS61185186 A JP S61185186A JP 2275085 A JP2275085 A JP 2275085A JP 2275085 A JP2275085 A JP 2275085A JP S61185186 A JPS61185186 A JP S61185186A
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JP
Japan
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treatment
rennet
microbial rennet
thermal stability
microbial
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JP2275085A
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English (en)
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Toshihiko Azuma
俊彦 東
Yoshinori Kobayashi
良則 小林
Shinjiro Iwasaki
岩崎 慎二郎
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Meito Sangyo KK
Original Assignee
Meito Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、微生物レンネツ) (microbiaLr
ttnngt )の難点であるPイ(蛋白分解活性)/
ネット(凝乳酵素)様の顕著に改善された低PA/MC
イ比を有し且つ熱安定性の低下改善された改質微生物レ
ンネット及びその製法に関する。
更に詳しくは、本発明は未処理微生物レンネットのPA
1MCA比を100とした時のPA/MCAの指数が5
0未満であって且つ未処理微生物レンネットのPAに対
する熱処理(温度40℃、pH6,3,60分の加熱処
理)後の残存PAが60%以下である熱安定性の低下改
善された改質微生物レンネットに関する。
上記改質微生物レンネットは、たとえば、微生物レンネ
ットをジカル?ン酸無水物によるアシル化処理及び酸化
剤による酸化処理の両処理に賦することによって製造で
き、本発明は該製法にも関する。
チーズの製造には、仔牛の第四胃からのレンネットが古
くから実用に供されてきたが、近年、チーズ消費の増大
及び食肉消費増大に伴って、量的にも価格的にも上記仔
牛レンネットに代わる凝乳酵素の開発が望まれ、所謂”
微生物レンネット”が注目され且つ実用に供されている
このような微生物レンネットの例としてムコール属に属
する凝乳酵素生産菌たとえばムコール・プシルス(Mr
bcor pwsillus )が生産するムコール・
プシルス微生物レンネット、ムコール・ミーヘイ(Mx
cor値6んgj)が生産するムコール・ミーヘイ微生
物レンネット、エンドシア・・9ラシチカ(Endot
hia parasitica )が生産するエンドシ
ア・パラシチカ微生物レンネット、等が知られておシ且
つ実用に供されている。
仔牛レンネットも微生物レンネットも蛋白分解酵素の一
種であるが、これらレンネットはその特徴的な性質とし
てカッA−(k )  −カゼインの特定部位を切断し
て凝乳現象を惹き起す凝乳活性(Milk clott
ing activity I MCI )で示される
特異的蛋白分解活性と、通常の蛋白分解活性す彦わち非
特異的な蛋白分解活性(proteolyticαct
ivity ; p A )との両者の活性を有する。
そしてチーズ製造に用いる微生物レンネットとして適し
た最も重要な性質は、仔牛レンネットと同様にMCイが
高く且つPAが低いこと、すなわちPA1MCA比が仔
牛レンネットと同程度に低いこと、及びチーズ製造への
利用に際してチーズに苦味発生や組織悪化のような品質
上のトラブルを伴ったり、さらにはホエー蛋白利用の障
害となったシしない程度に、製造処理工程で失活するよ
うな低い熱安定性を有することである。
微生物レンネットの熱安定性とも関連するので一義的に
は云えないが、微生物レンネットのPA1MCA比は仔
牛レンネットのそれに比して高すぎるので、チーズ製造
の各工程で過度の加水分解が起って、カードの収率低下
、更にはチーズの熟成過程における不都合な苦味発生、
チーズの組織の悪化などの品質上のトラブルを生ずる欠
陥があり、又、微生物レンネットの熱安定性が仔牛レン
ネットのそれに比して高すぎると、上記欠陥は一層生じ
易くなるし、ホエー蛋白利用にも障害となる。例えば、
チーズ製造工程において、レンネットの添加によって凝
固したカードからホエーを分離収集するに先立って、カ
ードからのホエーの排出分離を促進し、カードの組織の
均一化と水分調整のための加温処理(cooking 
)が行われるのが普通であるが、微生物レンネットの熱
安定性が高すぎると、該加温処理条件ではほとんど失活
を生じ表いためにカード中に移行した微生物レンネット
がその高いPAを維持していて、チーズ熟成中に不都合
な苦味発生や組織悪化を伴なうトラブルがある。更に、
上記カードから分離収集されたホエーは、例えば、加熱
殺菌処理したのち、乳菓子類その他の各種の加工食品類
の如き食品類(嗜好品を包含するンなどに有用な添加物
として利用されるが、微生物レンネットの熱安定性が高
すぎると、該加熱殺菌処理によって充分な失活を生ぜず
、その結果、乳凝固を生じて該ホエ一部分の利用に不都
合な制約を受けるトラブルがある。
微生物レンネットの開発は、修生レンネットの供給の隘
路を克服し得るものとして画期的な開発であったが、修
生レンネットに比べてPA1MCA比が高すぎるという
難点があった。そして、従来、PA1MCA比のより低
い微生物レンネットを生産し得る微生物のスクリーニン
グに努力が払われてきた。そして、このような努力の結
果、実用に供されるようになった前記例示の如き微生物
レンネットにおいても、上記技術的課題は満足し得る程
度に解決されていないのが実情である。
例えば、前記例示のムコール・グシルス微生物レンネッ
トにおいても、そのPA1MCA比は修生レンネットの
それに比して、後記TNBS法(pff5.5)で測定
して約25倍程度に高く、その熱安定性も修生レンネッ
トのそれに比して著るしく高い、又、前記例示のムコー
ル・ミーヘイ微生物レンネットにおいても、PA1MC
A比は修生レンネットのそれに比して約z5倍程度高く
、その熱安定性はムコール・プシルス微生物しンネツ)
K比してIKH著に高い。更に又、前記例示のエンビシ
アリ9ランチカ微生物レンネットでは、その熱安定性は
修生レンネットのそれよシ低いが、そのPA1MCA比
は修生レンネットのそれに比して約7倍程度と格段に高
いトラブルがある。
従って、前述した微生物レンネットにおける技術的課題
を克服して、修生レンネットに匹敵する顕著に改善され
た低PA1MCA比を有し且つ熱安定性の点でも前述の
技術的課題を克服できる熱安定性の低下改善された微生
物レンネットの開発が要望されている。
従来、ムコール豐プシルス微生物レンネットのMCIを
増大させる提案として、米国特許第4.362.818
号明細書に記載の提案が知られている。
この提案においては、特定のジーもしくはトリーカルが
ン酸無水物を用いてムコール・プシルス微生物レンネッ
トをアシル化することによって、咳レンネットのMCI
を増大する方法を開示している。更に、この提案の実施
例2中には、具体的な、データは示されていないが、無
水マレイン酸を用いたアシル化によってPAが低下した
ことが記載されている。
更に、特開昭58−175487号には、微生物レンネ
ットをジカルボン酸無水物でアシル化することによって
低PA/MC4比で且つ高MCIの改質微生物レンネッ
トが提供できることが開示されている。
これらジーもしくはトリーカルボン酸無水物による微生
物レンネットのアシル化によるMCI増大の従来提案に
おいては、微生物レンネットの熱安定性についての技術
的課題及びその低下に関しては全く言及されていないし
、これら提案には熱安定性低下の技術的思想は存在しな
い。
一方、微生物レンネットの熱安定性を低下させる目的の
いくつかの提案′が知られている。
例えば、英国特許出願公開GBス038,339A(対
応西ドイツ国特許出願公開0L52,951゜793.
41;対応米国特許第4.255.454号)には、微
生物レンネットをC8〜C0のモノ−カルざン酸無水物
でアシル化することによって、55℃以上の温度条件で
の熱安定性を低下できることが開示されている。しかし
ながら、熱安定性の低下とMCIの維持は両立させ得す
、熱安定性の低下に伴ってMCIも低下するので、該ア
シル化による微生物レンネットの熱安定性の低下には自
ら制約のあることが記載されている。
同様に、微生物レンネットの熱安定性を低下させる目的
で微生物レンネットを酸化剤で酸化処理する提案も知ら
れている。
例えば、特開昭55−7092号にはムコール属微生物
レンネットを過酸化水素で酸化処理する提案が、又、特
開昭56−45192号にはムコール属微生物レンネッ
トを酸素及び光増感剤の存在下で光酸化処理する提案が
なされている。そして、前者の提案では60’〜70℃
の温度条件での熱安定性を低下できることが開示され、
後者の提案では66℃の温度条件での熱安定性を低下で
きることが開示されている。
又例えば、特許出願公表昭56−500520号には、
微生物レンネットを、例えば、過塩素酸塩、過ホウ素酸
塩、過臭素酸塩、過酸化物の如き酸化剤で酸化り理して
、60℃の温度条件での熱安定性を低下できることが開
示されている。
更に、英国特許出願公開GB2,045,772.((
対応西ドイツ国特許出願公開OLEλ01ス924A1
 i対応米国特許第4.357.357号)には、微生
物レンネットを活性ハロダン含有酸化剤たとえば次亜塩
素酸ソーダ(Nα0CI)で酸化処理して、50℃以上
の温度条件での熱安定性を低下できることが開示されて
いる。
又更に、特開昭56−85286号にも類似の提案がな
されており、この提案では、微生物レンネットを過酢酸
、過ヨウ素酸、次亜塩素酸および亜ヨウ素酸のナトリウ
ム、カリウムおよびカルシウム塩並びにそれらの混合物
から成る群から選ばれる試薬によって酸化処理し、温度
60℃以下でMCIの主部分を保持しくすなわち実質的
に失活しない)、温度60℃以上で実質的にすべてのM
CIを失う(失活する)感熱性の微生物レンネットが得
られることが開示されている。
さらに又、英国特許出願公開GB2,045.773A
には微生物レンネットを無機過酸化酸、低級脂肪族過酸
化酸及びその塩類からえらばれた過酸化酸で酸化処理し
て、55℃の温度条件での熱安定性を低下できることを
開示している。そして、一般に活性損失を伴なうので、
酸化処理は活性損失約50%以内にとどまるような条件
で行う制約がある旨が記載されている。
以上に微生物レンネットの熱安定性を低下させる目的の
従来提案に関して説明したように、モノーカルボン酸無
水物によるアシル化処理及び酸化剤による酸化処理の従
来提案においては、微生物レンネットのPA/MCAが
高い技術的課題及びそれを低下させる技術的思想につい
ては全く言及されていない。熱安定性の低下に関するこ
れらの従来提案においては、むしろMCIの低下のトラ
ブルが屡々生ずることが示されており、PA/MCA比
を同時に低下させることは困難であろうことが予期され
る。更に、微生物レンネットの熱安定性の低下を目的と
する従来提案では、上述したように、50℃以上の温度
条件での微生物レンネットの熱安定性の低下について開
示するだけであって、世界で渚も生産量の多いチェダー
(cha−ddαr)チーズの製造工程中で最も高い加
熱条件である前記加温処理(cooking)温度であ
る約38°Cの如き40℃付近の温度条件における微生
物レンネットの熱安定性の低下に関しては、全く言及さ
れていないし且つ又そのような温度条件における熱安定
性の低下に関しては、何等、企図されていない。
チーズの中で最も高い加温処理(cooking )温
度が採用されるエメンタール(EmmentaL )チ
ーズでは、50°〜55℃程度の加温処理温度が採用さ
れ、ホエーの加熱殺菌には62°〜74℃程度の加熱殺
菌処理温度が採用される。従って、このような温度で充
分実用性ある熱安定性の低下が達成できれば、これらの
用途には利用できても、上記チェダーチーズを包含する
広い用途への利用には、なお制約を受けるという技術的
課題がある。
本発明者等は、前述の如き微生物レンネットの改質に関
する従来提案における技術的課題を克服し、仔牛レンネ
ット様の顕著に改善された低PA1MCl比を有し且つ
仔牛レンネットの熱安定性に匹敵もしくはより低下され
た熱安定性を示す改質微生物レンネットを提供すべく研
究を行ってきた。
その結果、微生物レンネットをジカルボン酸無水物でア
シル化することによってPA1MCA比を低下させる前
述した従来提案において、これら提案が全熱言及してい
ない熱安定性に関して、ジカルボン酸無水物の種類によ
シ程度の差はあるにせよ、熱安定性の低下が認められる
こと、但しその低下の程度は全く不満足なものであって
、例えば、ジカルボン酸無水物の使用量を増加して更に
熱安定性を低下させようとすると、MCIが実質的に失
活してしまうこと、従って、所望のMCIを保持して且
つ熱安定性を仔牛レンネットに匹敵するレベルに低下さ
せることは、不可能であることを発見した。
更に、本発明者等は、微生物レンネットをモノ−カルメ
ン酸無水物によるアシル化処理もしくは酸化剤による酸
化処理に賦することによって熱安定性を低下させる前述
した従来提案において、これら従来提案のいくつかが指
摘していたようにMC,4の損失を伴うことが回避でき
ないという事実が認められるほかに、Pイにも低下を生
ずること、但しその低下の程度には限界があり且つその
低下はMCIの低下に比して少ないためPA1MCA比
を仔牛レンネットに匹敵するレベルにまで低下させるこ
とは、不可能であって、例えば酸化剤の使用量を増加し
てMCIが著るしく損失する程に酸化処理しても、p、
47MCl比は、尚、仔牛し/ネットのそれに比して遥
かに高いことを発見した。
更に研究を進めた結果、上述したように、微生物レンネ
ットをジカルボン酸無水物でアシル化してPイ/MCA
を低下させる技術によって、仔牛レンネットに匹敵する
レベルに熱安定性をも低下させようとすると、MCIが
実質的に失活してしまう事実、及び微生物レンネットを
酸化剤で酸化処理して仔牛レンネットに匹敵するレベル
に熱安定性を低下させる技術によってはMCIの実質的
な低下が回避できまい事実が認められるにも拘わらず、
意外なことにも、微生物レンネットをジカルボン酸無水
物によるアシル化処理及び酸化剤による酸化処理の両処
理に賦することによって、MCIの低下を伴うことなし
に、むしろMCIの増大を伴って、仔牛レンネットに匹
敵するレベルにPA/MCイ比を低下させ且つ仔牛レン
ネットに匹敵するレベルもしくはそれ以下に熱安定性も
低下させることが出来る・ことを発見した。
更に又、本発明者等は、上記アシル化処理及び酸化処理
の両処理に賦することによって、これらの各々の単独処
理の結果から予期される期待値(各単独処理効果の積)
からは、全く予想外且つ驚くべき優れた相剰効来が達成
できること、及び斯くて従来完全に未知で且つ如何なる
公知文献にも未記載の改質微生物レンネットが提供でき
ることを発見した。
該新規改質微生物レンネットは、未処理微生物レンネッ
トのp、47MCA比を100とした時のPAlMCI
の指数が50未満であって且つ未処理微生物レンネット
のPAに対する熱処理(温度40℃、pH6,3,60
分の加熱処理)後の残存PAが60%以下である熱安定
性を有することにより特徴づけられ且つ従来公知の微生
物レンネット及び改質微生物レンネットと区別できるこ
とがわかった。
従って、本発明の目的は、微生物レンネットであるにも
拘わらず、仔牛レンネットに匹敵し得る低PA1MCA
比で且つ熱安定性の低下改善された改質微生物レンネッ
トを提供するKある。
本発明の他の目的は、上述のような改質微生物レンネッ
トを製造する方法を提供するにある。
本発明の上記目的及び更に多くの他の目的及び利点は、
以下の記載から一層明らかとなるであろう。
本発明の新規な改質微生物レンネットは、未処理微生物
レンネットのPA/MCイ比を100とした時のp、4
7MCイの指数が50未満好ましくは45以下であって
且つ未処理微生物レンネットのPAに対する熱処理(温
度40℃、p H6,3,60分の加熱処理)後のPA
が60%以下である低下した熱安定性を有する。更に、
好ましくは、未処理微生物レンネットのMCIを少なく
とも維持し、多くの場合、むしろ増大したMCIを示す
のが普通である。
このような本発明改質微生物レンネットは、例えば、微
生物レンネットをジカルボン酸無水物によるアシル化処
理及び酸化剤による酸化処理の両処理に賦することによ
って製造することができる。
原料微生物レンネットの例としては、前述したムコール
彎りシルス微生物レンネット、ムコール・ミーヘイ微生
物レンネット、エンドシア・ノぐラシチカ微生物レンネ
ットなどを例示することができる。これら微生物レンネ
ット及びその製法は公知であり、且つ又商業的に入手可
能であって、本発明で原料微生物レンネットとして利用
できる。
これら微生物レンネットの中でも、ムコール属微生物レ
ンネットの利用が好ましく、ムコール・グシルス微生物
レンネットの利用が特に好ましい。
本発明方法の実施に際して、ジカルボン酸無水物による
アシル化処理と酸化剤による酸化処理とは、そのいづれ
の処理を先に行っても差支えないが、アシル化処理を行
った後に酸化処理を行う態様を採用した方が、より良好
な結果が得られるのが普通であり、本発明方法の実施に
好ましい。
既述のとおり、ジカルボン酸無水物によるアシル化処理
の手法それ自体も、酸化剤による酸化処理の手法それ自
体も、それぞれ知られておシ、本発明方法の実施に利用
することができる。アシル化処理と酸化処理とは、別個
の系で行なう盛観はマく、アシル化処理を行った系に酸
化剤を添加して酸化処理を行うことができるし、また酸
化処理を行った系にジカルボン酸無水物を添加してアシ
ル化処理を行うことができる。
(1)  アシル化処理は、たとえば、水性媒体中で原
料微生物レンネット(未処理微生物レンネットもしくは
酸化処理した微生物レンネット)とジカルボン酸無水物
とを接触させることにより行うことができる。この際、
適当な緩衝剤及び/又は食塩の如き安定化剤の共存下で
アシル化処理を行うのが好ましい。
アシル化処理の実施に際しては、ジカルボン酸無水物の
種類、添加量及び添加条件、緩衝剤及び/又は安定化剤
の種類及び濃度、原料微生物レンネットの種類及び濃度
、系のpH1温度などは適宜に選択でき、アシル化処理
と酸化処理の両処理後の所望のPイ/MCA比及び所望
の熱安定性低下の程度に応じて、実験的に容易に選択設
定することができる。
アシル化処理の実施に際して、原料微生物レンネットの
濃度は上述のようにして適宜に選択できるが、蛋白質濃
度として例えば0.1〜20W/V%、より好ましくは
2〜16F/F%の如き濃度を例示することができる。
又、上記緩衝剤の例としては、たとえば、O,OS〜0
.lf炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム、0.05
〜0.2M炭酸ナトリウム/水酸化ナトリウム、0.0
5〜0.2 M炭酸水素す) IJウム/水酸化ナトリ
ウム、O,OS〜0.2Mリン酸二ナトリウム/リン酸
−カリウム、O,OS〜0.1Mピロリン酸ナトリウム
/水酸化ナトリウムなどを例示することができる。さら
に、上記安定化剤としては5〜20W/V%の食塩を例
示することができる。
アシル化処理の実施に際して、アシル化剤の添加は適宜
な態様で行うことができるが、たとえば、攪拌条件下に
アシル化剤を少量ずつ連続して若しくは回分式に分割し
て添加する磨機を例示することができる。本発明方法に
おいて、アシル化剤として用いるジカルボン酸無水物の
例としては無水コハク酸、無水マレイン酸の如きC4ジ
カルゴン酸無水物を好ましく挙げることができるが、体
内摂取の点でもトラブルのない無水コハク酸の利用がよ
り好ましい。又、ジカルボン酸無水物の添加量も前述の
ようにして適宜に選択できるが、蛋白質に対して例えば
約0.1〜約3F/Fの如き添加量を例示することがで
きる。
アシル化処理の実施に際して、アシル化剤(ジカルボン
酸無水物)を添加すると系のpgは低下するが、適当な
アルカリたとえば0.05〜2M水酸化ナトリウムなど
の如きアルカリを添加して系のpHを調整することがで
きる。この際、系のpHをはY一定に調整してアシル化
処理を行ってもよいし、硯はまた、系のpHを間歇的に
所望pHK’tA整してアシル化処理を行ってもよい。
系のpHをはy一定に調整してアシル化処理を行う態様
を採用する場合には、例えば、pH6〜10゜より好ま
しくはp H6,5〜9程度のpHK調整するのがよい
。又、系のpHを間歇的に調整する態様を採用する場合
には、例えば、アシル化剤を回分式に分割して添加し、
その際、各々の添加前に系のpHを例えば10に調整し
てアシル化剤を添加し、pHの低下速度が遅くなってか
ら再び系のpHを10に調整して次回のアシル化剤の添
加を行うなどの態様を例示することができる。この態様
を採用する場合には、アシル化剤添加時のpHとして例
えば、7〜11.より好ましくは7.5−10.5程度
のpHを例示することができる。
又、アシル化処理の実施に際して、処理温度も適宜に選
択変更できるが、例えば約00〜約30℃、好ましくは
約θ°〜約20’Cの温度を例示することができる。
所望のアシル化処理後、たとえば、アシル化剤の全量を
添加した後、さらに30−90分間反応を継続した後、
例えば5〜50V/V%酢酸、0.1−2&水酸化ナト
リウムの如き中和剤で、系のpHをたとえば5−6.5
に調整してアシル化反応を終了させ、所望により、アシ
ル化後、濃縮処理例えば減圧濃縮、膜濃縮など、また脱
塩処理例えば透析、限外−過、rルー過などの如き後処
理を行なうことができる。
なお、アシル化処理に際して、アシル化剤として無水コ
ハク酸を使用して未処理微生物レンネットをアシル化し
た場合には、アシル化直後のMCI(凝乳活性)は低い
が、上記の中和処理後に、たとえば5℃で5日間〜60
℃で10分間の如き条件で放置もしくは加温処理するこ
とによってMCIを回復増大させることができる。但し
、酸化処理を先に行って得られた酸化処理微生物レンネ
ットをアシル化処理した場合には、該レンネットの熱安
定性が著しく低下しているため、上記の中和処理後、た
とえば5℃で5日間〜25℃で1日間の如き条件での放
置処理によってMCIを回復増大させることができる。
(2)  酸化処理は、たとえば、水性媒体中で原料微
生物レンネット(未処理微生物レンネットもしくはアシ
ル化処理した微生物レンネット)と酸化剤とを接触させ
ることにより行うことができる。この際、食塩の如き安
定化剤の共存下で酸化処理を行うのが好ましい。
アシル化処理の実施に際しては、酸化剤の種類及び濃度
、安定化剤の種類及び濃度、原料微生物レンネットの種
類及び濃度、系のpHs温度、酸化剤との接触時間など
は適宜に選択でき、アシル化処理と酸化処理の両処理後
の所望のPA1MCA比及び所望の熱安定性低下の程度
に応じて、実験的に容易に選択設定することができる。
酸化処理の実施に際して、原料微生物レンネットの濃度
は上述のようにして適宜に選択できるが、蛋白質濃度と
して例えば0.1〜20W’/V%、より好ましくは0
.5〜10W/V%の如き濃度を例示することができる
。又、上記安定化剤としては5〜2 oW/V%の食塩
を例示することができる。
該酸化処理に利用する酸化剤の例としては、過酸化水素
、次亜塩素酸塩類及び過酸化低級脂肪族カルボン酸なら
びにその塩類よりなる群からえらばれた酸化剤を好まし
く例示でき、これらの中でも過酸化水素及び次亜塩素酸
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩よりなる群か
らえらばれた酸化剤をより好ましく例示できる。上記金
属塩の例としてはNα塩、K塩、Cα塩などを挙げるこ
とができる。又、過酸化低級脂肪族カル?ン酸ならびに
その塩類の例としては、過酸化酢酸、過酸化プロピオン
酸及びそのNα塩を例示できる。酸化剤の濃度も前述の
ようにして適宜に選択できるが、蛋白質に対して、例え
ば、過酸化水素の場合には0.1〜5F/V%、より好
ましくは1〜3W/〆%程度、例えば、次亜塩素酸ナト
リウムの場合には、0.1〜20W/W%、より好まし
くは0.5〜10W/W%を例示できる。
酸化処理の実施に際して、系のpHや処理温度も前述し
たように適宜に選択することができるが、例えば、4〜
8、より好ましくは5〜7程度のpE条件、及び例えば
0°〜30℃、より好ましくは06〜20℃程度の温度
条件を例示することができる。酸化剤との接触時間も適
当に選択でき酸化剤の種類や濃度によっても適宜に変更
されるが、例えば、約0.5時間〜約4日間の如き酸化
処理時間を例示することができる。
所望の酸化処理後、必要に応じ、酸化剤を除去し、更に
、所望に応じて、濃縮処理たとえば減圧濃縮、膜濃縮な
ど、また脱塩処理たとえば透析、限外濾過、rルp過な
どの如き後処理を施すことができる。
上記酸化剤の除去処理は、たとえば、過酸化水素で酸化
処理した後には、カタラーゼなどの酵素もしくはアスコ
ルビン酸などの還元剤により残存過酸化水素を除去する
か、またはエタノールなどの有機溶剤による分別沈澱を
行って残存過酸化水素を除去することができる。又、た
とえば、次亜塩素酸ナトリウムなどで酸化処理した場合
には、残存酸化剤の濃度は一般に低く、とくに酸化剤の
除去処理を行わなくてもよいが、所望のときは亜硫酸ナ
トリウムの如き還元剤で処理して除去することができる
上述のようにして得ることのできる本発明の改質微生物
レンネットは、 (i)  未処理微生物し/ネットのp A1MCA比
を100とした時のPA/MCAの指数が50未満好ま
しくは45以下であって、且つ (ii)  未処理微生物レンネットのPイに対する熱
処理(温度40℃、j)H6,3,60分の加熱処理)
後の残存pi4が60%以下である という低PA1MCA比を有し且つ低下された熱安定性
を示すという特性を兼備する点で、公知の未処理微生物
レンネット及び改質微生物レンネットと明瞭に区別でき
る。
本発明の改質微生物レンネットは、たとえば前述したよ
うに、微生物レンネットとくに好ましくはムコール・デ
シルス微生物レンネットを、ジカル?ン酸無水物とくに
好ましくは無水コノ・り酸によるアシル化処理及び酸化
剤による酸化処理と〈K好ましくは過酸化水素及び次亜
塩素酸アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩より
なる群からえらばれた酸化剤による酸化処理の両処理に
賦することにより得ることができる。
本発明の改質微生物レンネットの上記(1)及び(ii
)の特性の兼備は、アシル化処理及び酸化処理の各各の
単独処理の結果から予期される期待値(各単独処理効果
の積)からは、全く予想外且つ驚くべき優れた相剰効果
であることは、既に述べたが、以下にその一例について
更に詳しく説明する。
後記実施例1のRun NCL4 (無水コハク酸によ
るアシル化処理後、過酸化水素による酸化処理;本発明
)、RlLnNIILl(過酸化水素による酸化処理単
独:比較)及びRun N12 (無水コハク酸による
アシル化処理単独:比較)の結果を要約して下掲表Aに
示した。更に、期待値に対する本発明方法による該表イ
に示した予想外の効果について添付図面第7図に示した
上掲表4及び添付第7図に示したとおり、各単独処理の
結果から予期されるMCI活性回収率の期待値(図中、
白樺線)に比して、本発明によればMCイ活性回収率(
図中、点棒線)は予想外且つ顕著に高いことがわかる。
更に、上掲表1及び添付第7図に示したとおり、各単独
処理の結果から予期される熱安定性の低下(熱処理後の
残存活性率)の期待値(図中、白樺線)に比して、本発
明によれば熱安定性の低下(図中、点棒線)においても
予想外且つ顕著な効果の達成されることがわかる。
更に、本発明者等により、既述のように、ジカルボン酸
無水物によるアシル化処理単独又は酸化剤による酸化処
理単独のいづれによっても、MCIが実質的に失活する
のを回避してPA1MCA比を仔牛レンネットに匹敵す
るレベルにまで低下させるのは不可能であることが発見
されたが、後に多数の実施例に示すとおり、本発明方法
によれば、MCIの低下を伴うことなしに、むしろMC
Iの増大を伴ってPA1MCA比を修生しンネツ)K匹
敵するレベルに低下させ得るという予想外且つ優れた改
質効果が達成できる。
添付図面第8図に、後記比較例1に示した無水コハク酸
によるアシル化処理単独及び過酸化水素による酸化処理
単独、更に後記比較例2に示した次亜塩素酸す) IJ
ウムによる酸化処理単独に於ける各処理剤の添加量の変
化に対するP itlMCA比及びMCI活性回収率の
変化の様子を示した。
第8図に於て、上記のいづれの場合にも、各処理剤の添
加によるPA1MCA比(図中−0−0−)の低下には
制約があり、仔牛レンネットのPA1MCA比約40の
レベルには到達できず、添加量を増すとMCA(図中→
1(ト)が実質的に失活することがわかる。
以下、実施例により、本発明の改質微生物レンネットの
製造の数態様について、更に詳しく説明する。
尚、不発明において、MCI(凝乳活性:特異的蛋白分
解活性)、PA(非特異的蛋白分解活性)および熱安定
性の測定決定は、下記の測定法による。
MCI:− 岩崎慎二部ら; t4gr、  Biol、  Ch#
m、  31 r546.1967年に記載の方法によ
る。
PAニー プロテアーゼによって蛋白質が切断されて遊離するアミ
ノ基をTNBS(2,4,6−ドリニトロベンゼンスル
ホネート・Nα塩)を用いて定量する。R,Field
s; Eiochem、 J、  124 。
581.1971年に記載の方法の下記変法による。
35℃に予熱したジメチルカゼイン基質(pH5,5の
50mMリン酸二ナトリウム/クエン酸緩衝液中、0.
25F/Fのジメチルカゼインを含む)0.4−に被検
液0.11Rtを加える。35℃、60分反応後、o、
iM四ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム(pH9,
5)2−を加える。次いでTNBS試薬(o、xoF/
V%TNBS@液と10mM重亜硫酸ナトリウムとを等
容量混合したもの)1mを加え、40℃、40分発色後
、盲検を対照として420nmの吸光度(A4to )
を測定スル。
盲検は、基質0.4−に0.1 M四ホウ酸す) IJ
ウム/水酸化ナトリウム(7)H9,5)2−を加えた
後に被検液0.1−を加え、以下同様に操作する。
測定された’41゜は、蛋白分解活性(PA)によって
蛋白質が切断されて遊離したアミン基の量に比例する。
基質のジメチルカゼインは、Y、 LifLら;J。
Biol、Chgm、244,789.1969年に記
載の方法に従って調製した。
PA/MC4比を測定する場合には、被検液の凝乳活性
(MCI)を正確に100単位/−となるように稀釈し
て供試する。上記のA4t6はPA/MCA比を示すこ
とになる。
熱安定性ニー ホエーの加熱殺菌は通常pH5゜5〜aOで62℃、3
0分〜74℃、15秒の条件で行われる。
しかし、この条件で熱処理を行うと、本発明の改質微生
物レンネットでは熱安定性が著しく低下しているために
残存MCIは微奇すぎて前出MCI測定法では定量でき
ない。そこでpH5,7,60°12分の熱処理後に残
存するMCIを測定して熱不安定化の尺度としだ。
チーズ製造工程におけるカードの加温処理(cooki
ng )は、チーズのタイプによって異なるが、硬質チ
ーズでは通常pH6,0−6,5で38℃〜55℃、3
0〜60分の条件で行われる。従って本発明による熱不
安定化の尺度としてpH6,3で40℃、60分〔本発
明の要旨における熱処理条件〕〜55℃、5分の熱処理
後に残存するFAを測定した。FAは前出のPA測定法
によるが、熱処理後の残存PAはそのA4t。と未処理
微生物レンネットの濃度対/44!。の標準曲線とから
求めた。
熱処理の実際は、所定温度に予熱した7、35W/V%
oホx−溶液z o o Wtt(1o V/V%乳酸
または2N水酸化ナトリウムでpHを5.7または6.
3に調整したもの)に、MCイ6300単単位−を含む
被検溶液0.10mを加え(MCIは300単位/11
1t1ホエーは7.ooW/V%トナル)、所定温度に
所定時間加熱処理した後、直ちに氷冷し残存するMCI
(pHs、7.60’、2分の場合)、または残存する
P/4(pH6,3,40°、60分〜55° 、5分
の場合)を測定した。
実施例1および比較例1 この例は、ムコール・プシルス微生物レンネットについ
て過酸化水素処理および無水コハク酸処理の組合せ処理
を行った一例である。
ムコール・プシルス菌を固体培養し、その水抽出液を減
圧濃縮して食塩を添加し、蛋白質濃度を10W/V%お
よび食塩濃度を10W/V%とした。MCIは132X
103単位/−であった。
該溶液について過酸化水素処理単独、無水コハク酸処理
却独、過酸化水素処理後に無水コハク酸処理の組合せ処
理、および無水コハク酸処理後に過酸化水素処理の組合
せ処理のそれぞれを行った。
過酸化水素処理単独は、次のようにして行った。
即ち、該ムコール・プシルヌ微生物レンネット溶液10
m/を5℃に冷却し、2M水酸化ナトリウム溶液を用い
て、pH6,5に調整した。これに34W/V%過酸化
水素溶液α30−を加え、(最初の容量10−に対し、
過酸化水素濃度はI W/V%)、再び2M水酸化す)
 IJクム溶液を用いてpH6,5に調整し、5℃で4
8時間処理した。処理後、2M水酸化ナトリウム溶液で
p H7,0に調整し、ウシ肝臓カタラーゼ(ペーリン
ガー・マンハイム山之内社)1,000単位を加え、残
存する過酸化水素を25℃、90分間で分解除去した。
無水コハク酸処理単独は、次のようにして行った。即ち
該ムコール・グシルス微生物レンネット溶液10−(蛋
白質1fを含む)を5℃に冷却し17!−5W/V%炭
酸ナトリウム溶液0.20 rat (最初の容量10
−に対し、炭酸ナトリウム0.25W/V%)および炭
酸水素ナトリウム粉末25■(最初の容量10Wtに対
し、炭酸水素ナトリウム0.25M’/V%)を加え、
2M水酸化ナトリウム溶液を用いてpHra、sに調整
した。5℃で攪拌しながら、これに無水コハク酸粉末5
ooWI9(該溶液中の蛋白質に対してQ、5F/F)
を50■宛の10回に分割して5分間隔で添加した。無
水コハク酸を添加すると7)Hが低下するが、添加後約
4分から5分までの間に2M水酸化す) IJウム溶液
を加えてpHを再び9.5とし、次回の無水コハク酸を
添加した。この無水コハク酸添加時のpHを、後掲の各
表では初発pHと表示した。無水コハク酸の最終添加後
、反応をさらに60分間継続し、次いでsoV/V%酢
酸溶液を用いてp H6,sとし、25℃で24時間放
置した。
過酸化水素処理後に無水コハク酸処理を行う場合、およ
び無水コハク酸処理後に過酸化水素処理を行う場合は、
最初の処理によって、容量が増大しているので減圧濃縮
により最初の容量の10−とした後に上記した単独処理
法に従って次の処理を行った(濃縮を行っても行わなく
ても得られる結果には、殆んど影響を与えないので濃縮
は実用上、とくに必要としない)。
以下の全実例、および全比較例においてそれぞれの処理
後、25℃以下の20mM酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液
(pH6,0)で所定の活性に稀釈し前記した測定法に
従ってMCI 、 p A1MCA比および熱処理後に
残存するMCA1たけPAを測定した。その結果を下掲
表1および添付図面第1図に示した。また単独処理にお
いて過酸化水素および無水コハク酸の添加量を変えて、
単独処理の効果をより詳しく検討した結果を比較例1お
よび第2図の1、第2図の2に示した。
上掲表1および第1図に示されるように過酸化水素処理
と無水コハク酸処理の組合せ処理によってそれぞれの単
独処理から期待されるよυもはるかに熱安定性が低下し
、MCI回収率も期待以上に増大し、さらにPA/MC
A比は修生レンネット以下に低下することがわかった。
比較例1および第2図の1及び第2図の2に示されるよ
うに単独処理のみでは、MCI活性の損失を伴わずに有
効に熱安定性を低下させることは不可能であり、さらに
Pイ/MCA比はMCI活性の著しい損失を伴うまで該
処理をしても修生レンネットまで低下させることが不可
能であることがわかった。
実施例2 この例は、ムコールφグシルス微生物レンネットについ
て無水コハク酸処理後に過酸化水素処理を行った一例で
ある。
その際、無水コハク酸および過酸化水素の添加量を変え
て処理物の熱安定性、MCI回収、およびPA1MCA
比に及ぼす影響を検討した一例で示しである。
実施例1で用いたと同様のムコール・プシルス微生物レ
ンネット溶液10−について無水コハク酸処理後に過酸
化水素処理をしたが、無水コハク酸および過酸化水素の
添加量を下掲表2に示したように種々変更したほかは、
実施例1と同様にして行った。
その結果を下掲表2および第3図の1、第3図上掲表2
および第3図の1、第3図の2、第3図の3、第3図の
4からも、前掲衣1および第1図について述べたと同様
のことがわかる。
実施例3 この例は、ムコール・デシルス微生物レンネットについ
て過酸化水素処理、および無水コハク酸処理の組合せ処
理を行った他の一例である。その際、ムコール1fシル
ス微生物レンネツトの粉末標品を溶液としたものについ
て検討した一例で示しである。
ムコール・デシルス菌を固体培養し、その水抽出液ニエ
タノールを添加してエタノール濃度30〜7oV/V%
区分で沈殿する部分を減圧乾燥して該レンネットの粉末
を得た。
この粉末標品に水と食塩を加えて蛋白質濃度16W/V
%および食塩濃度10W/V%の溶液とした。
MCIは393X10”単位/−であった。該溶液につ
いて過酸化水素処理単独、無水コハク酸処理単独、過酸
化水素処理後に無水コハク酸処理の組合せ処理、および
無水コ・・り酸処理後に過酸化水素処理の組合せ処理を
行った。
該ムコール1fシルス微生物レンネツトの粉末標品の溶
液10−を過酸化水素処理では過酸化水素の添加量を2
. OF/ V% (34F / V %過酸化水素溶
液0.60ゴ)、処理pHを2M塩酸でり、0、処理時
間を20時間とし、また、無水コハク酸処理では該溶液
中の蛋白質に対する無水コハク酸の添加量を0.3F/
F、無水コハク酸の添加は全量480■を8019宛6
回に分割して5分間隔で添加し、炭酸ナトリウムの添加
量はo、 s W / V%、炭酸水素ナトリウムの添
加量はo、5F/F%としたほかは、実施例1と同様に
して行った。その結果を下掲表3および第4図に示した
上掲表3および第4図に示されるように過酸化水素処理
と無水コハク酸処理の組合せ処理によって前掲衣1およ
び第1図について述べたと同様のことがわかる。
実施例4 この例はムコール・デシルス微生物レンネットについて
次亜塩素酸ナトリウム処理および無水コハク酸処理の組
合せ処理を行った一例である。
蛋白質濃度4F/V%、食塩濃度10M’/V%および
MCCeB63X10”単位/fn1.を含むほかは実
施例3で用いたと同様のムコール・プシルス微生物レン
ネット粉末標品の溶液について次亜塩素酸ナトリウム処
理単独、無水コハク酸処理単独、次亜塩素酸す) IJ
ウム処理後に無水コハク酸処理の組合せ処理および無水
コノ・り酸処理後に次亜塩素酸す) IJウム処理の組
合せ処理を行った。
次亜塩素酸す) IJウム処理単独は次のようにして行
った。即ち、該ムコール骨プシルス微生物レンネット溶
液10−(蛋白質400■を含む)を5℃に冷却し、2
M塩酸を用いてpH5,0とした。
この溶液に10W/V%次亜塩素酸ナトリウム溶液0.
040d(次亜塩素酸ナトリウム4岬を含み、蛋白質に
対して1.OF/Fの添加量)、またはo、osoWt
t(次亜塩素酸ナトリウム8岬を含み、蛋白質に対して
2−Or/IF’の添加量)を添加し、2M塩酸を用い
再びpHを5.0とし、5℃で16時間処理した。
処理後、1M亜硫酸す) IJウム溶液を、添加した次
亜塩素酸ナトリウムと約同モルを加えて、残存次亜塩素
酸す) IJウムを除去した。
無水コハク酸単独処理は次のようにして行った。
即ち、該ムコール・プシルス微生物レンネット溶液1O
−(蛋白質400岬を含む)を10℃に冷却し、IZ5
F/l/’%炭酸ナトリウム溶液0.40−(最初の容
Jl 10 thlに対し、炭酸す) IJウム0.5
0F/V%)および炭酸水素ナトリウム粉末50■(最
初の容量10−に対し、炭酸水素ナトリウム0.50F
/V%)を加え、1M水酸化ナトリウム溶液を用いてp
H8,0に調整した。10°Cで攪拌しながら、これに
無水コハク酸240■(該鋸液中の蛋白質に対して0.
6W/FV)を40q宛の6回に分割して5分間隔で添
加しIJ/水酸化す) IJウム溶液を用いp H8,
0を保持した。無水コハク酸の最終添加後、反応をさら
にpH8,0で30分間継続し、次いでsoV/V%酢
5!溶液全5!溶液116.5とし、25℃で24時間
放置した。
丈施例1で述べたように、組合せ処理を行う場合には最
初の処理によって容量が増大しているので減圧濃縮によ
り最初の容量の10−とじた後に上記した単独処理法に
従って次の処理を行った。
その結果を下掲表4および第5図の1、第5図の2に示
した。
また単独処理において次亜塩素酸ナトリウムの添加量お
よび無水コ・・り酸の添加量を変えて単独処理の効果を
より詳しく検討した結果を比較例2および第6図の1、
第6図の2に示した。
上掲表4および第5図の1、第5図の2および比較例2
および第6図の1、第6図の2に示されているように次
亜塩素酸ナトリウム処理と無水コハク酸処理との組合せ
処理により前掲表1および第1図および比較例1および
第2図の1、第2図の2について述べたと同様のことが
わかる。
【図面の簡単な説明】
添付図面第1図は実施例1のRvnNKL3およびRu
nb’a4におけるMCイ活性及び熱安定性についての
tli線グラフ、第2図の1及び第2図の2は比較例1
におけるMCイ活性回収率、熱安定性およびPA/MC
A比相対値を示すグラフ、第3図の1、第3図の2、第
3図の3及び第3図の4は実施例2の結果を示す棒線グ
ラフ、第4図は実施例3のRwnNa3およびl’?w
nNo、4におけるMCI活性及び熱安定性についての
棒線グラ、フ、第5図の1及び第5図の2は実施例4の
RwnNa4〜RwnNa7における。JtCイ活性及
び熱安定性についての棒線グラフ、第6図の1及び第6
図の2は比較例2におけるMCI活性回収率、熱安定性
およびPA1MCA比相対値を示すグラフ、第7図は表
イの結果を示す棒線グラフ、そして第8図は比較例1及
び比較例2の結果を要約したグラフである。 第1図 (MCA冶性〕       〔熟ン定a)口    
邸侍4直 (lのRun No、 4) 募2図の1 (比較例1141する*tlLtt杖系処理粕l、ms
イし木12に−ta l、 ’/y ’/。 (o)MCA池性面性回収 % (Δ) PA/MCAル昶灯橡 熱V定妊 (X) pH5,7,60℃、  2介!81L第2図
の2 (北!L伊月1;ぢ1する島木コへ7泣υd理単っ丈)
畳台質1;討丁5!、率コへ2酸本噛σt7ラー(ol
 MCA賠帽収牟、 % (Δ) PA/MCA冗爬討姪 熱平定性 (x)pH5,乙ωt、  2分処理 茶3図の1 (&2+:S+t6 Run No、 7〜Run N
o、 If n MCAita回収)表2つRun N
o。 口    a IpIイ直 −!、木コ八へ皮処′111稜1:JI!!銭几水免処
理第3図Q2 (421,:おけるRunNo、75Xtp”RunN
o、8o熟!?定性)熱零定性 (pi−16,3で熟処理漬り残存透性率9%)sIW
綺rll<会)6o  eo   30       
so  60 30口   期(丹イ直 ■    息水コハクWU&理イ支にih西賛)し米素
処理第3図の3 (長2+=おけるRunNα9Sよひ:  RunNo
、IQrdb?定棧 )、番g芝性 (pH6,3て゛2sq埋渣っA存活性車2%)J@罐
11?間(溌)ω ω 犯      ω ω 刃口 
   Upやトイ−【 ■    ゑ木コハク帥メ↓哩狼1;遥斂イ6本素想環
第3図つ4 (&2t=bけろRun No、 II tQ HA?
定性)87定・戊 (pH6,3ぞ241哩す釦つ819合1・を癖、  
%)列理温度(°C)  リ 45  父 是■叶閲(分) ω ω 30 口   」す■字ギ1イメ!] ■   照ベコへりMし匹1J欠(:M1叙イ巴未素叉
ル埋第4図 ([3+=HけろRunNo、3 SよひRunNo、
4)(MCA活性〕〔$7定性〕 愚P1時間(今)ω ω 父  52 0   ll11シ141−一 第5(2)f)f (lj41:bすろ RunNo、4 HよびRun 
No、5 )(MCA冶性〕      〔熱ン定性〕
口   」Eり将イ連 !J5図の2 (94+:Fp+76  Run No、65よひ゛ 
Run No、7 )(MCA活性〕      〔,
8宇定性〕刈埋晴間(#1  60 60 30  5
  20  期狩(直 (災4のRun No、 7 ) 第6図/)1 (ル較例2+:GlするN0OCI 、aq軍g +蛋
白買1;対する Na0CI ”lA’vaf、 、 
  w/w(0)MCA活性回収干、 % (A)  F’A/MCAjtJl#(!(X)  p
l−15,7°、  60”C,2/?M)L第6図の
2 (比較?121:ぢける熊大コへり舗し1理束杖)蛋白
%+=対ずろ厚木コへり赦冷加t、”/w(0)  M
CAj古性回収車、C/。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、未処理微生物レンネットのPA(蛋白分解活性)/
    MCA(凝乳活性)比を100とした時のPA/MCA
    の指数が50未満であって且つ未処理微生物レンネット
    のPAに対する熱処理(温度40℃、pH6.3、60
    分の加熱処理)後の残存PAが60%以下である熱安定
    性の低下改善された改質微生物レンネット。 2、該微生物レンネットがムコール(Mucor)属微
    生物レンネットである特許請求の範囲第1項記載の改質
    微生物レンネット。 3、該微生物レンネットがムコール・プシルス(Muc
    or Pusillus)微生物レンネットである特許
    請求の範囲第2項記載の改質微生物レンネット。 4、微生物レンネットをジカルボン酸無水物によるアシ
    ル化処理及び酸化剤による酸化処理の両処理に賦するこ
    とを特徴とする未処理微生物レンネットのPA(蛋白分
    解活性)/MCA(凝乳活性)比を100とした時のP
    A/MCAの指数が50未満であって且つ未処理微生物
    レンネットのPAに対する熱処理(温度40℃、pH6
    .3、60分の加熱処理)後の残存PAが60%以下で
    ある熱安定性の低下改善された改質微生物レンネットの
    製法。 5、該ジカルボン酸無水物がC_4ジカルボン酸無水物
    である特許請求の範囲第4項記載の製法。 6、C_4ジカルボン酸無水物が無水コハク酸である特
    許請求の範囲第5項記載の製法。 7、該酸化剤が過酸化水素、次亜塩素酸塩類及び過酸化
    低級脂肪族カルボン酸ならびにその塩類よりなる群から
    えらばれた酸化剤である特許請求の範囲第4項記載の製
    法。 8、該酸化剤が過酸化水素及び次亜塩素酸アルカリ金属
    塩もしくはアルカリ土類金属塩よりなる群からえらばれ
    た酸化剤である特許請求の範囲第7項記載の製法。
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