JPS6117089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、前端面を隣りの蓋の後端面に向き合
せて側溝本体の蓋受面に載置され、側溝本体から
の取出しに際しては前端面側を中心に回転させて
引起こされる側溝用蓋に関するものである。

（従来の技術） 実開昭55−92790号公報に開示されているよう
に、従来の側溝用蓋は平板状に形成され、蓋の前
端面と後端面は上面及び下面に対し直角であり、
前後方向に切断した縦断面は長方形をなしてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような断面形状の側溝用蓋
では、前端上縁部から後端下縁部に至る長さが、
前端面と後端面間の長さ即ち蓋の長さ寸法より長
いため、蓋を側溝本体から取出す際、前端上縁部
や後端上縁部を回転中心にして蓋を回転引起しで
きない。

そのため、雨水等の排水を兼ねて蓋の前端面と
後端面に設けた切欠部に引起し器具の先端アーム
を差込んで蓋を前後両端でつかみ、フオークリフ
ト車等の機械力によつて該引起し器具を垂直に持
上げる方法が採られている。

しかし、この方法では側溝本体の点検や掃除を
する度にフオークリフト車等を準備し、その運転
要因を確保しなければならないので、側溝の保守
コストの底減が困難である。

また、布設に当つて隣り同志の蓋の前端面と後
端面を隙間なしに密着させることは容易でなく、
仮に当初密着させても走行車両による振動衝撃等
によつて隙間が生じることは避けられない。この
垂直に形成された前端面と後端面間の隙間には砂
や土等が侵入し目詰まりしているため、蓋を前後
端面に沿つて垂直に引起すとき、該目詰まりの砂
や土等が大きな滑り摩擦抵坑を生じさせ、非常に
大きな操作力を必要とする。目詰まりが激しいと
きには、引起し対象の蓋が隣りの蓋と噛み付き状
態となつて蓋の引起し自体が不可能になつた。

従つて本考案の目的はフオークリフト車等の特
別の器具や機械力を何等必要とせず、前端上縁部
を中心にして簡単に回転引起し可能であり、側溝
本体の保守コストの低減も可能な側溝用蓋を提供
することである。

（問題点を解決するための手段） 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と本考案の側溝用蓋１０は、前端面１１を斜め上
向き凹面に形成する一方、後端面１２を斜め下向
き凸面に形成し、蓋１０が前端上縁部１３を中心
として上方に回転可能となるように、前記後端面
１２を傾斜角度の異なる上位斜面部１２ａと下位
斜面部１２ｂとで構成し、前記前端面１１をそれ
ぞれ後端面１２の上位斜面部１２ａと下位斜面部
１２ｂに符号した上位斜面部１１ａと下位斜面部
１１ｂとで構成すると共に、前端下縁部１４を前
端面１１の下位斜面部１１ｂに対し逆傾斜の下向
き小斜面に形成し、前記後端面１２に引起し操作
用切欠部１６を設けて成るものである。

（作用） 蓋１０を側溝本体１に付設するときには、前後
隣り同志の蓋の前端面１１と後端面１２を突合せ
るようにして、各蓋１０を側溝本体の蓋受段部２
に嵌合させる。

布設後、側溝本体１内部の点検や掃除のため蓋
１０Ａを取外すには、第９図に示したように後端
面１２の引起し操作用切欠部１６に手Ｈを掛け
て、前端上縁部１３を中心として引起し対象の蓋
１０Ａを上方に回転させればよい。

そうすると、前端面の下位斜面部１１ｂに対し
逆傾斜の下向き小斜面に形成された蓋１０Ａの前
端下縁部１４は、前隣りの蓋１０Ｂの後端面１２
の下位斜面部１２ｂと側溝本体１の蓋受面２との
間に拘束されて角欠けを起こすことなく回転移動
して、側溝本体１の蓋受面２に当接する。そして
斜め下向き凸面に形成された蓋１０Ａの後端面１
２は、斜め上向き凹面に形成された後隣りの蓋１
０Ｃの前端面１１に引掛けることなく、蓋１０Ｃ
の回転につれて該前端面１１から次第に離れるよ
うに移動する。

そのため、蓋１０Ａの後端面１２と蓋１０Ｃの
前端面１１との間に砂や土等が目詰まりしていて
も、それらは蓋１０Ａが回転引起しされる際の滑
り摩擦抵坑要因としては作用せず、蓋１０Ａは砂
や土等を噛み込むことなく比較的小さな力で円滑
に引起される。

（実施例） 図示の実施例では前端上縁部１３を上向き小斜
面に形成してあるので、蓋１０の回転移動につれ
て前端上縁部１３が前隣りの蓋１０Ｂの後端面１
２に摺接するとき、当該部分の角欠けが起こらな
い。更に、蓋１０の後端上縁部１５が前端上縁部
１３と同様に上向き小斜面に形成されているため
歩行者の靴先の損傷が防止される。

本実施例では後端面１２にＵ字状に形成した引
起し操作用切欠部１６は排水用通路を兼ねてお
り、後端面１２には該引起し操作用切欠部１６の
底部に連通した傾斜溝部１７，１８を更に設けて
ある。また、前端面１１には、排水用通路を兼ね
た手差込み用切欠部１９を前記引起し操作用切欠
部１６に対応した部位に設け、また、手差込み用
切欠部１９の底部には傾斜溝部２０，２１を連通
させて設けてある。

更に、斜め下向き凸面の後端面１２が隣の蓋１
０の斜め上向き凹面の前端面１１上に重なるよう
に布設されるので、両蓋１０，１０の突合せ部分
に負荷された輪荷重や上載荷重は、互いに全面に
て当接する前端面１１と後端面１２の各上位斜面
部及び下位斜面部に分散支持される。そのため、
蓋１０，１０の突合せ端部分の強度が蓋の主体部
分に比べて低下することがなく、上載荷重や輪荷
重によつて折損や破枠される恐れがないので、蓋
の耐久性が向上する。

（考案の効果） 以上のように本考案の側溝用蓋では、前端面１
１を斜め上向き凹面に形成する一方、後端面１２
を斜め下向き凸面に形成し、蓋１０が前端上縁部
１３を中心として回転可能となるように、後端面
１２を傾斜角度の異なる上位斜面部１２ａと下位
斜面部１２ｂとで構成すると共に、前端面１１を
後端面１２に符合した上位斜面部１１ａと下位斜
面部１１ｂとで構成し、かつ、前端下縁部１４を
前端面１１の下位斜面部１１ｂに対し逆傾斜の下
向き小斜面に形成したので、側溝本体１の点検や
掃除等のため蓋１０を側溝本体１から取外す際に
は、後端面１２の引起し操作用切欠部１６に手等
を掛けて前端上縁部１３を中心に蓋１０を上方に
回転させることによつて、蓋１０を簡単に引起す
ことができ、フオークリフト車等の機械力で蓋を
垂直に引上げる場合と比較して、蓋の取外し作業
の簡便性に優れている。

また、この蓋の取外し作業にはフオークリフト
車等の特別の器具や機械力が不要であり、その運
転要員の確保も必要ないので、側溝の保守コスト
の低減も可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係る側溝用蓋を示
し、第１図は該蓋の正面図、第２図は該蓋の背面
図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第４図は
該蓋の右側面図、第５図は該蓋の平面図である。
第６図は該蓋を装着した側溝本体の縦断面図、第
７図は該蓋の背面側からの斜視図、第８図は該蓋
を２枚突合せたときの正面側からの斜視図、第９
図は第６図のＢ−Ｂ縦断面図である。 １……側溝本体、２……蓋受面、１０……側溝
用蓋、１１……前端面、１２……後端面、１３…
…前端上縁部、１４……前端下縁部、１５……後
端上縁部、１６……引起し操作用切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前端面１１を斜め上向き凹面に形成する一方、
   後端面１２を斜め下向き凸面に形成し、蓋１０が
   前端上縁部１３を中心として回転可能となるよう
   に、前記後端面１２を傾斜角度の異なる上位傾斜
   面部１２ａと下位斜面部１２ｂとで構成し、前記
   前端面１１をそれぞれ後端面１２の上位斜面部１
   ２ａと下位斜面部１２ｂに符合した上位斜面部１
   １ａと下位斜面部１１ｂとで構成すると共に、前
   端下縁部１４を前端面１１の下位斜面部１１ｂに
   対し逆傾斜の下向き小斜面に形成し、前記後端面
   １２に引起し操作用切欠部１６を設けて成る側溝
   用蓋。