JPS6116917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は縦型ダイカストマシンの製品押出し板
を結合支持する装置に関する。

更に詳細には、ダイカストマシンの押出装置側
の押出板側面にクランプ装置を設け、この押出板
と金型側の押出板とを重ね合せてクランプ装置で
両者を一体的にクランプし、押出板相互を一体的
に結合し、金型交換に伴う押出板相互の結合の簡
単化、作業性の向上、時間経済性の向上等を図つ
た装置に関する。

ダイカストマシンは、それに付設される金型に
対し、金型毎に製品形状に見合つた製品押出手段
が設けられる。そしてダイカストマシンの押出装
置は金型を交換しても共通で、金型の交換の都
度、金型側の押出板とダイカストマシンの押出装
置の押出板とを脱着している。

ところで従来の押出板相互の脱着は、押出板相
互をボルトで結着し、又取り外しているが、金型
内の狭い空間でこれを行うため作業がしにくく、
作業性が極めて悪い。このため金型交換に費消す
る時間がこの分長くなり、金型交換が効率良く行
われず、終局的には生産性にも影響する等好まし
くない。

本考案者等は金型交換時の製品押出装置の脱着
における以上の如き問題点を解決すべく本考案を
なしたものである。

本考案の目的は、ダイカストマシンの押出装置
側の押出板側面にクランプ手段を設け、この押出
板と金型側の押出板とを重ね合せてクランプ手段
で両押出板をクランプして一体的に結合するよう
にした縦型ダイカストマシンの製品押出し板結合
支持装置を提供し、かくすることにより金型内部
でのネジ止め作業等を廃し、押出板の結合作業の
容易、迅速化、作業時間の短縮、金型交換効率の
向上等を企図することを本考案は目的とする。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図はダイカストマシンの一部を破断した正
面図で、ベツド１上に固定ダイプレート２が設け
られ、コラム３……を介して上方に移動ダイプレ
ート４が設けられている。固定ダイプレート２の
下にはコラム５……を介してスライダ６が嵌装さ
れ、スライダ６は押出し用シリンダ７で上下動せ
しめられ、スライダ６には押出しロツド８……が
垂直に起設されている。ロツド８……は固定ダイ
プレート２に縦設したガイド孔２ａ……に摺動自
在に嵌合し、固定ダイプレート２上に設けた金型
収納凹部２ｂ上に臨む如く配設された押出板９に
ロツド８……の上端は結着されている。

固定ダイプレート２上には下型１０が配設され
るとともに、移動ダイプレート４には上型１１が
固着され、上型１１には射出スリーブ１２が設け
られ、この上のダイプレート４上にシリンダ１３
で作動せしめられる射出プランジヤ１４が設けら
れ、上型１１、下型１０の各型合せ面には製品キ
ヤビテイをなす凹部１１ａ，１０ａが各形成され
ている。そして下型１０の凹部１０ａに臨む如く
製品押出しピン１５……が摺動自在に下型１０を
縦貫する如く設けられ、ピン１５……は下型下部
の空間１０ｂから垂下され、その下端を押出板１
６に結着している。

ところで押出板９，１６を結合し、上・下型１
１，１０のキヤビテイ１１ａ，１０ａ内で鋳造
後、上型１１を第１図の如く上昇せしめ、押出し
用シリンダ７を駆動し、スライダ６、ロツド８を
介して押出し板９，１６を上動させ、押出ピン１
５を上昇せしめ、製品を突き上げて型から離脱せ
しめ、払い出す。

以上において、押出し装置側の押出し板９の左
右の外側面にクランプ装置１７を夫々設ける。ク
ランプ装置１７はその詳細を第４図、第５図に示
す如くで、押出板９の各外側面に前後方向に離間
して二本のロツド１８，１８を外側方に突設し、
ロツド１８，１８の外端部間にベースプレート１
９を架設し、図示例ではロツド１８をボルトとし
た。このベースプレート１９の中央部にはクラン
プシリンダ２０を固設するとともに、ロツド１
８，１８間にはクランプ部材を架設し、部材２１
は孔２１ａをもつてロツド１８，１８と摺動自在
に嵌合し、部材２１は既述のクランプシリンダ２
０のロツド２０ａと係合連結している。

クランプ部材２１は第４図で明らかな如く端断
面コ型をなし、コ型部２１ｂが押出板９の側面と
対向し、上下の爪２１ｃ，２１ｃは、押出板９，
１６の合せた高さと等しい高さ分離間し、且つ開
放端側が広く、奥が狭くなるように傾斜面２１
ｄ，２１ｄを備え、雌テーパー状に形成されてい
る。

一方、押出板９及び１６は側面の重ね合せ以外
の端縁、即ち一方９は下、他方１６は上の端縁が
既述の傾斜面２１ｄと対応する如く傾斜面９ａ，
１６ａとして形成されている。

次に金型交換時の押出板９，１６の結合を説明
すると、押出装置側の押出板９に付設したクラン
プ部材２１はシリンダ２０の作動で後退し、押出
板９の側面から離間している。第２図左側に想像
線で示される如く上型１１、下型１０のユニツト
を台車２２に運搬し、ダイカストマシンの固定ダ
イプレート２上に搬入し、リフトアツプしてお
き、上型１１を第３図に示される如く移動ダイプ
レート４に固着する。一方、下型１０は固定ダイ
プレート２上に降ろし、これを固着するととも
に、下型１０の押出板１６をこの下の押出板９上
に重ね合せ載置する。この状態でクランプシリン
ダ２０を駆動し、これを前進動させ、クランプ部
材２１は重ね合せられた押出板１６，９の側面に
寄り、これの爪２１ｃ，２１ｃ間で押出板１６，
９の側部上下を挾み込み、この挾み込みは傾斜面
２１ｄ，２１ｄ，１６ａ，９ａでガイドされ、確
実になされ、且つ斜面のカム作用で両者１６，９
は強固に相寄つて挾持される（第３図参照）。か
くして双方の押出板１６，９は強固に、一体的に
結合支持されることとなり、爾後双方１６，９は
クランプ装置１７と一体に上下動し、既述の製品
押し出し動を行う。

金型交換は上記の如くなされるが、金型取外し
時はシリンダ２０の逆駆動でクランプ部材１７を
後退させることにより押出板９の１６への拘束は
解除され、取り外し可能となる。

以上で明らかな如く本考案によれば、金型交換
時に型側の押出し板と押出装側とのそれとのボル
ト結着、取り外し作業を不要とし、狭い金型内の
作業を廃し、簡易、迅速に押出板相互の着脱が行
え、作業能率の向上、時間の短縮、省力化を図る
ことができ、延いては生産性向上を企図し得る等
その実用的効果は頗る甚大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はダイカストマシンの全体を示す要部破断正面
図、第２図は同要部のみの図で金型搬入状態の
図、第３図は同押出板結合状態の図、第４図はク
ランプ装置の側面図、第５図は同平面図である。 尚図面中９，１６は押出板、１７はクランプ装
置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイカストマシンの製品押出装置において、押
   出装置側の押出板側面にクランプ装置を付設し、
   金型側の押出板と該押出板とを重ね合せ、クラン
   プ装置で両押出板を側面より挟み込み、結合一体
   化するように構成したことを特徴とする縦型ダイ
   カストマシンの製品押出し板結合支持装置。