JPS6116910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は連続鋳造設備において使用されるダ
ミーバーの蛇行を防止を防止する装置に関する。

従来の連続鋳造設備においては、鋳片の引抜方
向に直交する水平方向（以下、側方と称する。）
への横ずれを防止するサイドローラは、鋳型直下
部付近に少数本設けられているだけであり、鋳片
の引抜および矯正をおこなうピンチロール付近に
は設けられていない。このためダミーバーを介し
て鋳片を引抜く際に、ダミーバーが側方への剛性
が小さいためピンチロール付近で蛇行し、これに
伴いダミーバーに続く鋳片が冷却帯内で蛇行して
鋳片の冷却にアンバランスを生じ、鋳片の内部割
れを生じることが多かつた。この内部割れは特に
側方への剛性の小さいビレツトやブルーム等のよ
うな正方形に近い小断面鋳片の場合に多発する。

この考案は上記従来の欠点を解消するもので、
ダミーバーの側方への蛇行を抑制し鋳片の内部割
れを防止するダミーバー蛇行防止装置を提供しよ
うとするものである。

以下図面によつてこの考案の一実施例を説明す
る。

図中、１は鋳型、２はローラーエプロンなどの
冷却帯、３はピンチロール、４はこのピンチロー
ルの前段側（鋳型側）に配設したダミーバー蛇行
防止装置、５は同じくピンチロールの前段側に配
置した鋳片彎曲面案内用のガイドローラである。
また６は鋳片、７はこの鋳片に先端が連結固着さ
れたダミーバーである。このダミーバーは鋳片６
に固着されるきのこ状の連結金具８をそなえたダ
ミーバーヘツド９に、多数個のダミーバー本体１
０をピン１１により連結して成る。ダミーバー７
のダミーバー本体１０は、ピンチロール３により
押圧される上下両押圧面のうちの上側押圧面１２
の側方の両周縁部に面取部１３，１３を形成して
ある。一方１４はダミーバー蛇行防止装置の基台
で基礎１５上に固設されている。この基台に取付
けた軸受１６により受けローラ１７が回転自在に
支持されている。１８は基台１４に立設固着した
支柱で、この支柱の上部を折曲げた形で傾斜辺部
１９が形成してある。２０はダミーバーの面取部
１３に係合するガイドローラで、軸受２１を介し
て移動台２２に回転自在に取付けられ、この移動
台は傾斜辺部１９に長手方向に往復移動自在に支
持された支腕２３の下端部に固着してある。２４
は支腕２３を案内するローラで、傾斜辺部１９に
突設した軸２５に回転自在に取付けられている。
また２６は移動台往復駆動用の油圧シンダで、そ
のシリンダは傾斜辺部１９の基部に、そのピスト
ンロツド２７は支腕２３に、それぞれブラケツト
２８および２９を介して連結されている。なおガ
イドローラ２０およびその支持構造物はダミーバ
ーの両隅の面取部に対応してダミーバー中心の上
側位置に一対設けてある。

上記構成の装置を用いてダミーバーを介して鋳
片の引抜をおこなうには、油圧シリンダ２６によ
り移動台２２を第２図に矢印Ｘで示すダミーバー
面取部に向う方向に前進させ、油圧シリンダ２６
の油圧回路をロツクして２個のガイドローラ２
０，２０を第２図実線図示の状態にセツトする。
この状態でダミーバー７をダミーバー蛇行防止装
置４内を引抜方向に通過させれば、ダミーバー７
の下面は受けローラ１７に係合し、両面取部１
３，１３はそれぞれガイドローラ２０，２０に係
合してダミーバー７の上下方向および側方への移
動が規制される。従つてダミーバー７および後続
の鋳片６の蛇行の発生が防止されるのである。鋳
片６の先端部がガイドローラ２０に接近した時点
において、油圧シリンダ２６により移動台２２を
矢印Ｘと反対の方向に駆動して、ガイドローラ２
０を鋳片６の隅部と干渉しない位置まで後退させ
れば、鋳片６は支障なく受けローラ１７とガイド
ローラ２０の間を通過する。

鋳片６およびダミーバー７のサイズを変更する
場合も、面取部１３の傾斜角度（上側押圧面１２
に対する面取面の傾斜角度）を同一にしておきさ
えすれば、上記ダミーバー蛇行防止装置４は支障
なく使用できる。但しガイドローラ２０の前進、
後退位置は鋳片およびダミーバーのサイズに応じ
て適宜設定変更する必要がある。

なお上記実施例においてガイドローラ２０と受
けローラ１７とは複数組設けてもよく、またこれ
らのローラの設置位置としては、ローラエプロン
２の出口直後位置など、冷却帯および他のガイド
ローラの配置に応じてピンチロール前段側の適宜
の位置を設定すればよい。

以上説明したようにこの考案に係るダミーバー
蛇行防止装置は、ピンチロール前段側に配置され
た受けローラと、該受けローラ上を通過するダミ
ーバー本体の上側両隅の面取部に係合する一対の
ガイドローラと、該ガイドローラを上記面取部に
向つて進退自在に支持するガイドローラ支持装置
とをそなえて成るので、ピンチロール前段側にお
ける引抜時のダミーバーの側方への蛇行が抑制さ
れ、鋳片の蛇行に起因する鋳片内部割れを防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す連続鋳造設
備の略示正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線拡大
断面図、第３図は第２図のＢ−Ｂ線拡大断面図、
第４図は第１図のダミーバーの部分平面図であ
る。 ４……ダミーバー蛇行防止装置、７……ダミー
バー、１０……ダミーバー本体、１２……上側押
圧面、１３……面取部、１７……受けローラ、２
０……ガイドローラ、２２……移動台、２３……
支腕、２４……ローラ、２６……油圧シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピンチロールの前段側に配置された受けローラ
   と、該受けローラ上を通過するダミーバー本体の
   上側両隅の面取部に係合する一対のガイドローラ
   と、該ガイドローラを上記面取部に向つて進退自
   在に支持するガイドローラ支持装置とから成るダ
   ミーバー蛇行防止装置。