JPS601878Y2 - 連続鋳造機における鋳片短辺支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続鋳造機における鋳片の短辺支持装置に関す
るものであって、特に鋳片中に鋳片幅を変更するに当り
短辺側モールドの移動による鋳片幅の変動に追従して複
数個のサイドロールのそれぞれが常に適当の鋳片押付力
で一様に鋳片の短辺を支持して、鋳片のサイドバルジン
グ発生を防ぐことを目的とするものである。

一般に連続鋳造は第１図に示すように通常鋳型２２内に
溶鋼をタンディシュ（図示しない）より注入し、鋳型内
冷却を経て冷却水等により抜熱されて徐々に凝固シェル
４を形成しながら行なわれる。

シェル形成初期においては、静鉄圧によりロール間でシ
ェルが膨らむバルジングを生じる。

この状況を第２図に示す。

バルジング量８が増すと、割れなどの欠陥が発生するば
かりか時にはブレークアウトにつながる。

従って、鋳込が高速化するとそれに合わせて、サイドガ
イドの支持量も増すことが必要となる。

特に高速鋳造用連鋳機では鋳型直下だけでなく、その後
方にも数本のロール（例えば第１図の如きサイドロール
）５が設けられている。

これは第１図に示すように進退棒７と移動装置６とで構
成され、鋳込中に幅を変更する必要が生じると鋳込みを
中断して鋳型短片側銅板と、サイドロールの先端を面一
に調整して、幅の異なる鋳片を鋳造していた。

ところが近年生産性向上の要求から鋳込中の幅変更が定
常化してきたので、幅変更時にサイドロールが固定だと
サイドガイドとしての機能を果たせなくなるため、サイ
ドロールを、変更させた鋳片幅に合わせて移動させれる
ようにする種々の工夫がなされている。

そのうちの代表的なものとしては鋳込速度■と幅変更速
度Ｖを関数として、サイドロール位置を制御する方法や
サイドロールの鋳片押付力を検出しながら、押付力が一
定になるように制御する方法等があるが、いづれも数本
のサイドロールを同時に平行移動させるために、第３図
に示すように一部のサイドロールしか鋳片支持に寄与し
ないという欠点がある。

また全サイドロールを鋳片支持に寄与させようとすると
、ロール毎に、押付力の検出装置や移動装置を設けるこ
とが必要になり取付空間（取付位置が充分にない）や費
用の面から不利である。

現状は前述のような状態であるので、高速鋳造への移行
と生産性向上の目的で、鋳造中に鋳片幅を変更するため
に不可欠な鋳片の短辺支持に関し鋳片のサイドバルジン
グを防止し、しかも経費の嵩まない鋳片の短辺支持装置
の提案が要望されている。

本考案はこのような当該技術分野の要望に応え且つ従来
装置の欠点を克服した、連続鋳造機おける鋳片の短辺支
持装置を提供するものである。

本考案は連続鋳造中の鋳片幅の変更に対応して、鋳片の
短辺を支持しサイドバルジングの発生を防止するための
サイドガイドに関するものであって、サイドロール支持
金具の鋳片側にはサイドロールを回転自在に取り付け、
また前記サイドロールと反対側には進退棒を固定して取
り付けて構成されたサイドガイド部材の複数個と、それ
ら複数個のサイドガイド部材のそれぞれの進退棒が共通
のフレームに所定の間隔で摺動自在に組み込まれて構成
されたサイドロール支持フレームとを有する。

また前記サイドロール支持金具と前記サイドロール支持
フレームとの間には、前記進退棒をガイドとした圧縮バ
ネを設置して、サイドロール支持金具とサイドロール支
持フレームとの間に所定の間隔を保持させ且つ所定の鋳
片押付力を附与し、鋳片幅変更に対応して各サイドロー
ルを小範囲に追従移動させる。

またサイドガイド移動装置の駆動により、連結金具を介
して前記サイドロール支持フレームを鋳片側に押付け、
鋳片幅変更に対応して各サイドロールを所定の圧力で鋳
片に圧接させて広範囲に追従移動させる鋳片支持装置で
ある。

すなわち、本考案は連続鋳造中に鋳型の短辺を移動して
鋳片幅を変更する場合、鋳型直下の複数個のサイドロー
ルを鋳片幅変更に対応して広範囲と小範囲とに追従させ
る機構を備えた連続鋳造機における鋳片短辺の支持装置
である。

次に本考案を、その実施態様の一例を示す装置の図面に
ついて説明する。

第４図は本考案の実施例の説明図であって、複数個のサ
イドロール５は、サイドロール支持金具８に回転自在に
取付ける。

このサイドロール支持金具８はロールと反対側に進退棒
７を有する。

進退棒７はサイドロール支持フレーム１０と摺動自在に
組み立て各サイドロールの鋳造方向の位置を決める。

またサイドロール支持金具８とサイドロール支持フレー
ム１０との間には進退棒７をガイドにした、圧縮バネ９
を設置し、支持金具８と支持フレーム１０との間隔ａの
調整と必要な鋳片押付力を発揮させる。

各サイドロール５を支持するフレーム１０は、連結金具
１１を介して、支持フレーム１０の移動装置６により駆
動される。

尚第４図において１は鋳片、２は鋳型、３は鋳型移動装
置である。

次に本装置を使用した場合の鋳片幅変更方法を幅狭めを
例に説明する。

（第４図参照）タンディシュ（図示なし）から溶鋼が鋳
型２に注入されている状態で、鋳片１の幅を鋳型移動装
置３（油圧シリンダや各種モータを用いた方法あり）を
用いて、短辺側鋳型２を速度ｙｙｚ／ｍｉｎで幅狭めの
方向に移動させていく。

この時の鋳込速度をＶｍ／ｍｉｎとすると、鋳型通過後
のバルジング発生防止のために備えられたサイドロール
部を鋳片が通過する時上方のサイドロールと下方のサイ
ドロールとの間には幅方向でΔ／！閣の幅差が生じる。

この幅差Δｅは最上方のサイドロールから、ｎ番目のサ
イドロールまでの間隔がＬ″′でありこのＬ″′を鋳片
が通過する間中、幅狭めが実施されているとすれば、Δ
ｆ＝ （Ｖ／Ｖ）Ｌで表わされる。

勿論各サイドロール間の距離をＬｌｍ。Ｌ２″′−Ｌｎ
−１″′とすれば、鋳片幅差はΔＩ）１＝（ｖ／Ｖ）Ｌ
ｌ、Δｌ ｎ−１＝ （ｖ −Ｖ） Ｌｎ−１で表わさ
れる。

この時サイドロールが、鋳片を支持するのに必要な力を
Ｆｎとする（Ｆｎ＝Ｐｎ十αＰｎ：静鉄圧）とサイドロ
ール支持金具８とサイドロール支持フレーム１０との間
に設置した圧縮バネが反力Ｆｎを発揮するような間隔ａ
ｎが必要となる。

そこで支持フレーム１０はサイドロール支持フレーム移
動装置６によって、圧縮バネ９の長さがａ。

になるように、移動位置決めを行なう。従って各サイド
ロール部に設置する圧縮バネ９は、各サイドロールでの
支持力Ｆｎに対応したバネ定数を有するよう設計する。

一方鋳片支持のための必要押付力Ｆｎは各段のサイドロ
ール毎に異なるが、これらはいづれも鋳片幅が変化して
いない時即ちΔで一〇のときの出力となるようバネを設
計する。

従って本考案の実施例では幅変更中は中央のサイドロー
ル部の出力Ｆ３が最適となるよう（第５図参照）移動装
置６を用いて支持フレーム位置をセットすると、１段目
サイドロールバネはΔｌ！／２分伸びた状態で、５段目
サイドロールはΔｌ／２分縮んだ状態で鋳片を押付ける
ことになるから鋳片押付力は１段目ロール部Ｆ１は適正
値よりも小さくなり、５段目ロール部Ｆ５は大きくなる
が、この値はバネ定数を小さく設計することで許容でき
、実施例ではバネ定数＝ ４０ｋｏ・０のとき、５％以
内であり、鋳片品質に与える影響は僅少である。

内幅拡げ時は全くこの逆の動作を行なわせる。

以上のように本発明はｎ個の鋳片支持用サイドロールを
、取付けた支持フレームを鋳込速度（または鋳片引抜速
度）Ｖ”／ｍｉｎと短辺側鋳型移動速度ｖｒｒｒｍ／ｍ
ｉｎを検出してこの結果より適正な指令を発して支持フ
レーム移動装置で各サイドロールの鋳片押付力が適正に
なるよう位置制御をし、かつサイドロール支持フレーム
とサイドロール支持金具間に設置したバネで各サイドロ
ール間で異なる鋳片幅差に対応し、いづれのサイドロー
ルも、幅変更中宮に適正または適正に近い値で鋳片支持
を行ないバルジングの抑制と品質の向上をはかるもので
ある。

またサイドロール支持フレーム１０とこれを移動させる
支持フレーム移動装置６とを接続する連結金具１１は１
本でも或いは第４図に示すように上、下２本あるいはそ
れ以上としてもよいが、取付空間が充分でないこと、お
よび維持費削減のうえからは２本以下が望ましい。

先の実施例ではサイドロール支持フレームを、平行移動
する装置としたが連結金具１１と支持フレーム１０との
接続を回転可能にすれば第６図に示すように、各段サイ
ドロール間での鋳片幅差によって定まるバネ９の変形量
を小さくできるので各サイドロール毎の鋳片押付力はよ
り適正値に近い値とすることができる。

その他サイドロール押付用バネは支持フレームの反鋳片
側に取付けてもよく、更にはバネのかわりに鋳片幅差Δ
ｌに対応して、その間隔変化に追従し、かつ鋳片押付力
を発揮できるようなものならいかなるものを設置しても
本考案から何ら逸脱するものではない。

本考案の鋳片の短辺支持装置によれば、連続鋳造の鋳込
中の鋳片の幅変更に際して、鋳型下方のサイドロールで
必要な範囲において鋳片の支持が可能であり、サイドロ
ール支持範囲を適当の長さにすることで、幅変更中も鋳
片品質を低下させることなく高速鋳造が可能となる。

しかも従来のように各サイドロール毎に移動装置を設け
る必要がなく、１〜２組の移動装置で必要数のサイドロ
ールを使用して鋳片を支持できるので、取り付は部の空
間が広くなることと合わせて、保全が容易になり且つ設
備費の低減も可能であるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な鋳片幅変更可能な連続鋳造機の説明図
、第２図イおよび口はバルジング発生状態の説明図でイ
は鋳片方向に直角な面での断面図、口は鋳込方向に平行
な面での断面図、第３図は従来の一般的な幅変更可能な
連続鋳造機におけるイは幅狭め時日は幅広げ時の幅変更
状態の説明図、第４図は本考案の実施例による幅変更状
態の説明図、第５図は幅変更時のサイドロール支持フレ
ームとサイドロールとサイドロールの設置状態の一例に
ついての説明図、第６図は鋳片押付力を適正にするため
にサイドロール支持フレームを傾斜可能に取付けた他の
実施例の説明図である。 １・・・・・・鋳片、２・・・・・・鋳型、３・・・・
・・鋳型短辺移動装置、４・・・・・・凝固シェル、５
・・・・・・サイドロール、６・・・・・・サイドロー
ル移動装置、７・・・・・・進退棒、８・・・・・・サ
イドロール支持金具、９・・・・・・バネ、１０・・・
・・・サイドロール支持フレーム、１１・・・・・・連
結金具、１２・・・・・・サイドスプレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続鋳造中の鋳片幅の変更に対応する鋳片短辺の支持装
   置において、サイドロール支持金具の鋳片側にサイドロ
   ールを回転自在に取り付けまた前記サイドロールと反対
   側には進退棒を固定し市取り付けてなる複数個のサイド
   ガイド部材を有し、該複数個のサイドガイド部材のそれ
   ぞれの進退棒を共通のフレームに所定の間隔で摺動自在
   に組み込んでサイドロール支持フレームを構成上、前記
   サイドロール支持金具と前記サイドロール支持フレーム
   との間には前記進退棒をガイドとした圧縮バネを設置し
   、且つ前記サイドロール支持フレームには移動装置を設
   置して前後進を可能としたことを特徴とする連続鋳造機
   における鋳片短辺支持装置。