JPS6115714Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アンダーチエーン式とアツパーチエ
ーン式の２種の穀稈搬送チエーンを直列状に配置
した穀稈搬送装置に関するものである。

上記構成の搬送装置では、両チエーンの受継ぎ
部において穀稈が両チエーンの後端及び前端の間
に形成された通路を通ることになり、不測に多量
の穀稈が上手側搬送チエーンに送り込まれると前
記通路巾が不足して詰まりを生じることがあつ
た。

例えば、コンバインにおいてはアンダーチエー
ン式の脱穀フイードチエーンの後部にアツパーチ
エーン式の排ワラチエーンが設けられたものがあ
り、バインダーで刈取り結束した枕地穀稈束を上
記コンバインのフイードチエーンに手作業で供給
して定置脱穀を行うような場合に、一時に多量の
束を供給して排ワラ搬送チエーンとの受継ぎ部で
詰まらせてしまい、掃除のために作業の中断を強
いられることがあり、甚だしく作業能率を低下さ
せるものであつた。

本考案は、係るトラブルを未然に防止して連続
作業を能率的に行える搬送装置を提供しようとし
たものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図はコンバインの側面を示し、脱穀装置２を搭
載した走行機体１の前部に刈取前処理部３が設け
られ、この前処理部３で刈取つた穀稈を脱穀装置
２の側部に沿つて架設した脱穀フイードチエーン
４に供給し、又、脱穀後の排ワラをフイードチエ
ーン４の終端から排ワラ搬送チエーン５に受渡し
て円盤型の排ワラカツタ６に供給するよう構成さ
れている。排ワラカツタ６の下部には細断ワラを
回収する樋２３が設けられるとともに、この樋２
３に底に設けたスリツト２４を送り爪２５が往復
螺旋送り溝つきの送り軸２６によつて往復移動す
るよう構成されている。そして、この送り爪２５
は排ワラ穂先側への移動時に突出し、株元側への
移動時には倒伏するよう構成されるとともに、送
り軸２６の往動送り溝と復動送り溝とのリード角
を異ならせて穂先側への送りを低速で行い株元側
への戻りを早く行うよう構成され、もつて、回収
した細断ワラを樋２３の穂先側（既刈り側）端部
より送り出し放出することによつて、細断ワラの
未刈り穀稈へのふりかかりを防止するとともに、
脱穀装置２の排塵フアン２７からの排風流出口２
８の外部を広くあけて排風の流出を円滑にしてい
る。

前記フイードチエーン４はアンダーチエーン式
で、その上部に沿つて分割型の挟持レール７が挟
持付勢状態で対向配備されるとともに、排ワラ搬
送チエーン５はアツパーチエーン式で、その下部
に沿つて棒状の挟持レール８が挟持付勢状態で対
向配備されている。

又、前記フイードチエーン４は後端駆動スプロ
ケツト９で駆動されるものであり、搬送終端近く
のチエーンレール片１０が主チエーンレール１１
の後部に支点Ｐを中心に上下に回動可能に枢支さ
れ、上方に移行すると排ワラ搬送チエーン５との
受継ぎ部Ａの通路巾が小さくなり、下方に移行す
ると前記通路巾が広がるようになつている。つま
り、フイードチエーン４の終端とこれに対向位置
する排ワラ搬送チエーン５の始端との前後方向、
即ち、穀稈搬送方向に沿つた方向での間隔が大・
小変更されるように構成されているのである。

そして、前記チエーンレール片１０はフイード
チエーン４における搬送穀稈のボリユームに応じ
て後述のように正逆駆動制御される電動モータ１
２及びネジ送り機構１３によつて自動的に上下動
されるようになつている。

つまり、前記フイードチエーン４に対向する挟
持レール７の中間には、該レール７の一部が穀稈
ボリユーム増大によつて一定以上上方に退避変位
したことを検出するセンサスイツチ１４が設けら
れており、このスイツチ１４が第４図に示すモー
タ制御回路を介して前記モータ１２の正転駆動回
路１５及び逆転駆動回路１６に接続されている。
図において、１７は反転回路、１８及び１９は信
号の立上りを一定時間Ｔだけ遅らせる遅れ回路、
又、２０及び２１は一定時間ｔのモータ駆動信号
を出す回路である。第５図は前記モータ制御回路
中の各点ａ，ｂ……での信号を示すタイムチヤー
トであつて、フイードチエーン４にボリユームが
一定以下の穀稈が流れているときにはチエーンレ
ール片１０は上限位置にあつて、このときの受継
ぎ部通路巾が前記一定以下のボリユームの穀稈の
通過に支障のない巾に設定されている。

そして、この状態で局部的に多量の穀稈がフイ
ードチエーン４に供給されると、スイツチ１４が
ONし、それから一定時間Ｔの後に回路２０が起
動されて一定時間ｔのモータ正転駆動信号が出
る。この場合前記一定時間Ｔは、穀稈がスイツチ
１４の配設位置から受継ぎ部Ａに至る間の所要時
間に設定され、且つ他方一定時間ｔはチエーンレ
ール片１０を上限と下限の間で移動させるのに要
する時間に夫々設定されている。

従つて、ボリユームの多い穀稈が受継ぎ部に至
るとモータ１２が正転駆動しはじめて通路巾が拡
大され、詰まりなく排ワラ搬送チエーン５に受渡
される。

又、ボリユームの多い穀稈がスイツチ１４相当
箇所から外れると、スイツチ１４がOFFとな
り、それから一定時間Ｔの後に回路２１が起動さ
れて一定時間ｔの逆転駆動信号が出る。従つて、
ボリユームの多い穀稈群の終端が受継ぎ部に至る
とモータ１２が逆転駆動しはじめて通路巾が元の
状態にまで減少され、後続のボリユームの少い穀
稈が抜け落ちなく排ワラ搬送チエーン５に受渡さ
れてゆく。

又、前記モータ１２の正逆転によつてフイード
チエーン４の戻り経路側タイトナー２２を前記チ
エーンレール片１０と反対方向にネジ送りしてフ
イードチエーン４の弛みを取るようになつてい
る。

尚、本考案は、フイードチエーンと排ワラチエ
ーンに限ることなく、アンダーチエーン式とアツ
パーチエーン式の２種の穀稈搬送チエーンを直列
状に配置したあらゆる形態の搬送装置にも利用で
きるものである。又、実施例では受継ぎ部通路巾
を大小２段にのみ自動変更する場合を示したが、
穀稈ボリユームを無段階に検出し、これに応じて
通路巾を無段階に変更すると一層適確な受継ぎが
可能となるものである。

以上実施例で説明したように、本考案によれ
ば、アンダーチエーン式とアツパーチエーン式の
２種の搬送チエーン間での受継ぎ部の通路巾を常
に穀稈ボリユームに応じて適正に維持でき、詰ま
りのない円滑な搬送を連続して行えるようになつ
た。しかも、広狭変更される通路巾とは、受継ぎ
部での両搬送チエーン端部の穀稈搬送方向に沿つ
た方向の相対間隔であるから、この相対間隔の変
更にかかわらず、両穀稈搬送チエーンによる穀稈
搬送作用、つまり挟持圧力等にはなんらの変化も
与えないため、搬送ミス、たとえば穀稈の脱落や
姿勢乱れ等、を生じず円滑、良好な搬送が可能と
なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀稈搬送装置の実施例を示
し、第１図はコンバインの全体側面図、第２図は
要部の拡大側面図、第３図は要部の拡大正面図、
第４図は排ワラカツタ部の側面図、第５図はその
一部の背面図、第６図は概略の制御回路図、第７
図はタイムチヤートである。 ４，５……穀稈搬送チエーン、１２……駆動機
構、Ａ……受継ぎ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 アンダーチエーン式とアツパーチエーン式の
   ２種の穀稈搬送チエーン４，５を直列状に配置
   した穀稈搬送装置において、搬送上手側での搬
   送穀稈ボリユームを検出する機構を設け、検出
   ボリユームの増大に基づいて受継ぎ部Ａでの両
   穀稈搬送チエーン４，５端部の穀稈搬送方向に
   沿う方向の相対間隔を駆動機構１２を用いて自
   動的且つ可逆的に増大させるよう構成してある
   ことを特徴とする穀稈搬送装置。 上手側搬送チエーン４はアンダーチエーン式
   の脱穀フイードチエーンであり、下手側搬送チ
   エーン５はアツパーチエーン式の排ワラ搬送チ
   エーンである実用新案登録請求の範囲第項に
   記載の穀稈搬送装置。