JPS6115065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は河川、用水路その他の水路に塵芥を捕
捉するために設けられたバースクリーンで捕捉し
た塵芥を掻上片で掻上げ、ワイパーで排除する自
動除塵装置に関するものである。

従来水力発電、その他に供せられる用水路には
ごみ類を除去するためにバースクリーンと、この
バースクリーンに添つて移動するレーキとからな
る除塵機が備えられ、水路中のごみ類を水路外に
自動的に除去するものであるが、この種の自動除
塵機ではレーキは櫛状の歯、又は爪を有する形状
のため、水藻、ビニール、布類がレーキに巻きつ
いたり、からまつたりするとそれらが重力等で自
動的に離れることは殆んどなく、特別の装置を設
けない限り除去できずレーキの能力を甚だしく阻
害するばかりでなく余分な負荷となつて駆動力も
無駄となり、省エネルギー化に役立たない。従つ
て既にこれに対応する掻落し腕によるワイパー方
式、あるいは圧力水による水洗方式が種々提案さ
れているが、水洗方式は消極的であり、機械的掻
落し方式となるワイパー方式が重要視されてい
る。

しかし従来のワイパー方式は、積極的な掻取り
力が与えにくいので、作業効率も満足すべきもの
ではないし、レーキチエーンの逆行がわずかの区
間しか許されないか、若しくは全く不可能でしば
しば噛み込みによる運転休止をよぎなくされ、運
転管理面でもやつかいである等の問題点がある。
特にレーキ上に乗つてくる塵芥の大きさは予想で
きぬ程雑多であり、大型のゴミも排除可能とする
にはワイパーの軌跡は非常に複雑となることと、
この種の除塵機では主スクリーンとレーキの間、
其他各所に起こるであろう異物の噛み込みはチエ
ーンの逆行によつて容易に排除できることが多い
ので、逆行が制約されたりまた不可能であること
は除塵機として致命的な欠点となることが多いも
のである。

本考案は、従来の諸欠点を除去しようとしたも
ので、無端チエーンにレーキを取付けて水路スク
リーン上に捕捉した塵芥を掻上げる方式の自動除
塵機において、レーキ上に附着した塵芥を効率良
く自動的に排除し、その運転制御も簡易にできる
装置を提供しようとすることを目的とするもので
ある。

本考案は水路中に備えたバースクリーンに沿つ
てごみ類の掻上片を無端状のチエーンを介して昇
降可能に配備し、該掻上片上のごみ類を排除する
ワイパーをその往行はレーキの走行により復行は
バランスウエイトの重力により施回するように設
けた除塵装置において、前記ワイパーの施回軸と
なるワイパー軸にカムをワイパー軸に、ワイパー
による掻取擦掃時にバランスウエイトのモーメン
トが大となるように偏心して設け、該カムの外周
面に形成した案内溝にロープを掛装し、このロー
プにバランスウエイトを連結したことを特徴とす
る自動除塵装置である。

本考案を前面掻上げ、背面下降方式の自動レー
キ式除塵機の実施態様例につき説明すると、１は
無端チエーン、２はチエーンに取付けられたレー
キで主スクリーン３に沿つて移動し、レーキ外端
は軌跡２′に示すように運転される。ワイパー４
は上部フレーム５に固定された軸受６に支承され
ているワイパー軸７で揺動可能に支えられたアー
ム８の先端に着脱自在に設けられ、通常は待期位
置４Ａに位置するよう適宜手段により設定されて
いる。

前記ワイパー軸７にはカム９を介してバランス
ウエイト１１がロープ１２で配備される。

即ちワイパー軸７と一体に回転するようにワイ
パー軸７の端部に設けた一部切欠した円板状のカ
ム９は、前記レーキ２とワイパー４の当接中の前
半即ち掻取擦掃時において、バランスウエイト１
１のそのモーメントが大となるように偏心してワ
イパー軸７に固着されており、そのカム９の外周
にはバランスウエイト１１を吊垂する例えばステ
ンレス製のロープ１２が止着され、カム９をシー
ブとして、往行時にはカム９の回転に追随して巻
回しバランスウエイト１１を上昇させ、また復行
時にはバランスウエイト１１の下降によりカム９
を往行とは逆に回転させるように構成してある。

このカム９としては円板状のものに限らず楕円
形、三角形等前述のモーメントの推移を実現させ
る形状であればよく、その外周面にはロープ１２
を案内する溝１３を穿設し、さらに止具１４でロ
ープ１２が外れるのを防止してある。

前記ロープ１２はカム９が偏心して回転するの
でバランスウエイト１１が垂直に昇降するように
ガイドとしてシープ１５をフレーム５にブラケツ
ト１６を介して取付け、円滑なロープ１２の走行
を図つている。

また前記ワイパー４はレーキ２と強い力で対接
するので補強片４′を付設してワイパー４の損傷
を防いでいる。

さらにカム９の適宜位置にはシヨツクアブソー
バとして油圧シリンダ１０がそのロツド１８端を
枢支された状態で接結され、該油圧シリンダはフ
レーム５にブラケツト１７を介して揺動自在に支
えられている。

図中、１９はロープ止着具、２０は緩衝ゴム、
２１は少なくともバランスウエイト１１の一部と
嵌合するガイド部を有するバランスウエイトガイ
ド枠、２２はウエイトカバー、２３はシリンダカ
バー、２４は支承ピン、２５はチエツク弁付可変
絞り弁、２６は油圧ホース、２７はストツプ弁、
２８はオイルタンク、２９は鎖車、３０は転輪、
３１は駆動輪、３２はモータ、３３は架台、３４
はシユート、３５は搬出コンベアである。

しかして、第１図に示すようにワイパー４がそ
の待期位置４Ａにあるとき、カム９によつてモー
メントが最大の位置にアーム８がある。即ちバラ
ンスウエイト１１は最下方位置にある。そしてレ
ーキ２が上方から下降走行してきてレーキ２の走
行軌跡中に突出したワイパー４を下方に施回させ
る。この場合、ワイパー４の先端かレーキ２の下
面を擦掃して異物をシユート３４中へ掻き落す動
作範囲４Ｂにおいてバランスウエイト１１はワイ
パー軸７を支点としたそのモーメントが最大とな
つているので、レーキ２の下降走行に対するワイ
パー４の抵抗は最大で強力な掻取力で異物を排除
する。その後掻取終了から解放されるまでの範囲
４Ｃにおいてバランスウエイト１１はそのモーメ
ントが小さくなつてきて、レーキ２はワイパー４
をスムースに解放位置４Ｄまで施回させ、レーキ
２から解放されたワイパー４はバランスウエイト
１１の重力により待期位置４Ａに復帰して次のレ
ーキ２の走行に備える。このときモーメント最小
のアーム４Ｄ位置では復帰力が小さいので動作が
緩く、レーキ２と離れる際の擦過力も小さいので
静粛でアーム４Ａ位置に戻るにつれて力が増しそ
れを油圧シリンダ１０で緩衝する。

なお、レーキ２の反転下降時に掻上げた異物が
シユート３４外に自重落下するのを、例えば反転
部位を傾斜させたり、異物案内板を付設したりす
ることで、防止するのもよいし、ワイパーをレー
キが押上げながら異物を払い落されるように即ち
スクリーンの直上部にワイパーを配して作動させ
るように例えばロープにシープを介在させる等で
バランスウエイトよる復元トルクを逆に構成する
ことも可能である。

本考案は水路中に備えたバースクリーンに該掻
上片上のごみ類を排除するワイパーをその往行は
レーキの走行により復行はバランスウエイトの重
力により施回するように設けた除塵装置におい
て、前記ワイパーの施回軸となるワイパー軸にカ
ムをワイパー軸に、ワイパーによる掻取擦掃時に
バランスウエイトのモーメントが大となるように
偏心して設け、該カムの外周面に形成した案内溝
にロープを掛装し、このロープにバランスウエイ
トを連結したことによりカム作用でワイパーの復
帰力が大から小、小から大と変化して作動が静粛
で清掃力が大きくなり、単なるウエイトによる単
純な力の作用とは異なり掻落時にワイパーを強力
に作動させて異物を排除し、掻落終了後は小さな
力で当接するので機能的であり、ワイパーの損傷
を防ぐと共に作業性が向上し保守保安が楽な自動
除塵装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は正面図、第３図は油圧シリンダの回
路図、第４図は使用状態の系統説明図である。 １……無端チエーン、２……レーキ、３……主
スクリーン、４……ワイパー、５……フレーム、
６……軸受、７……ワイパー軸、８……アーム、
９……カム、１０……油圧シリンダ、１１………
バランスウエイト、１２……ロープ、１３……
溝、１４……止具、１５……シープ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 水路中に備えたバースクリーンに沿つてごみ
   類の掻上片を無端状のチエーンを介して昇降可
   能に配備し、該掻上片上のごみ類を排除するワ
   イパーをその往行はレーキの走行により、復行
   はバランスウエイトの重力により施回するよう
   に設けた除塵装置において、前記ワイパーの施
   回軸となるワイパー軸７にカム９をワイパー軸
   ７に、ワイパーによる掻取擦掃時にバランスウ
   エイト１１のモーメントが大となるように偏心
   して設け、該カム９の外周面に形成した案内溝
   １３にロープ１２を掛装し、このロープ１２に
   バランスウエイト１１を連結したことを特徴と
   する自動除塵装置。 ２ 前記カムが、ジヨツクアブソーバとしての油
   圧シリンダに連絡されているものである実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の自動除塵装置。