JPS6115022B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、リング状の固定部材と共に円形のケ
ージを形成する棒状の保持部材から成るラツプク
リールであつて、保持部材が固定部材を越えて半
径方向に突出している形式のものに関する。

糸状の繊維物を受容するためには、棒状の保持
部材から成る種々異なるラツプクリールが公知で
ある。これらの公知のラツプクリールに於ては保
持部材はラツプクリールの中心軸線に対して平行
に延び、半径方向外側に向かつて１つの共通の円
筒面内に突入しており、唯一の端リングに固定さ
れている。

このようなラツプクリールに於ては端リングは
保持部材の横断面に略合わせられた切欠きを有し
ている。切欠きの数は保持部材の数に相応してお
り、ラツプクリールは同軸的に内外に差嵌められ
るようになつている。この場合には端リングのほ
かに、保持部材の高さに亘つて分配された所謂支
持リングが配置されている。これによつて隣接す
るラツプクリールは、１つのラツプクリールの保
持部材の端リングと反対側の端部が他方のラツプ
クリールの端リングに最も近く位置している支持
リングに当たるまでしか内外に差嵌められなくな
る。

このような構成の利点は内外に差嵌められたラ
ツプクリールが運搬並びに貯蔵に僅かなスペース
しか必要としなくなる許りではなく、１つのラツ
プクリールが隣接するラツプクリール内に押込ま
れる程度が一定限度に制限されるので、糸状の繊
維物の均一な圧縮が得られることである。しかし
ながらこれらのラツプクリールの欠点はラツプク
リールが高価な材料から製造されていないと十分
の固有強度を持たないことである。すなわち、支
持リングの数は処理媒体のできるだけ妨げられな
い流れを得るために制限されており、固有強度を
高めるために支持リングをふやすことはできな
い。公知のラツプクリールの更に重要な欠点は、
繊維物の後加工に際して１つのラツプの糸の終端
部を別のラツプの糸の始端部と一時的に結合する
ために役立つ、自由に接近可能な予備糸をラツプ
クリールの上に形成することができないことであ
る。すなわち、ラツプクリールの端部に於ては切
欠きを備えた端リングが予備糸の形成を妨げ、反
対側の端部に於ては保持部材の端部に丸味が付け
られていないと、巻付けられた予備糸が妨げられ
ずに滑り落ちることになるものと思われる。

本発明の課題は同じように構成されたラツプク
リール内に同軸的に全体の長さの規定された部分
だけ押込むことができるだけではなく、十分な固
有強度を得るために高価な材料を必要とせず、し
かも意図しないずれを阻止された、自由に接近可
能な予備糸が形成されるラツプクリールを提供す
ることである。

この課題を解決するためには冒頭に記載したラ
ツプクリールに於て、保持部材の外側の縦線がラ
ツプクリールの中心軸線に対して鋭角を成して延
びていて、保持部材がラツプクリールの外径の最
大範囲に於いて固定部材を半径方向内側に突出し
ており、ラツプクリールの内径が小である範囲に
於て固定部材を半径方向外側に突出している。

本発明による構成は特に固有強度の大きいラツ
プクリールをもたらす。何故ならばこの場合には
保持部材を越えて半径方向外側に突出する端リン
グを必要とすることなしに、固定部材が保持部材
の横断面に亘つて分配されて作用するからであ
る。従つて本発明のラツプクリールにおいては一
方の端部から他方のの端部へ達する自由な巻取り
面が与えられるので、特に外径の大きな端部に自
由に接近可能な予備糸を形成することが出来る。
この予備糸はラツプクリールが円錐形であること
に基づいてラツプクリールから滑落することが防
止されている。本発明のラツプクリールの上にあ
るラツプを圧縮する際の障害は、ラツプが主とし
てラツプクリールの直径の小さい端部から直径の
大きい端部に向かつて圧縮されるとはいえ生じる
ことはない。つまり本発明によるラツプクリール
の円錐性は、圧縮に際して減少する交叉する巻層
の傾斜度が直径の拡大をもたらすので圧縮過程を
妨げることはない。

ラツプクリールを規格化された自動巻取機に困
難を伴うことなしに使用できるようにするために
は、本発明の１実施例によれば、ラツプクリール
の最大直径範囲に於ける少なくとも１つの固定部
材が円錐台の外套を形成しており、この外套の外
周面が粗面化されておりかつリング溝を備えてい
る。

本発明によるこの構成によつてラツプクリール
は巻取り過程にとつて良好な支持能力の大きい、
第１の糸巻層の意図しないずれ動きを阻止する巻
取り面を持つようになる。

巻取り過程にとつては円錐台の外套をラツプク
リールの下端部から保持部材の長さの1/3を越え
て延在するようにし、この範囲にラツプクリール
の安定性を損うことなしに、処理媒体がラツプク
リールの高さに亘つて貫流することを許すパーフ
オレーシヨンを設けておくことが有利である。

１つのラツプクリールが隣接するラツプクリー
ルに侵入する深さを制限するためには、本発明の
１実施例によれば、ラツプクリールの上端部から
保持部材の長さの1/3の間隔をおいて１つの固定
部材が配置されており、この固定部材にこの1/3
内に配置された他の固定部材の外径よりも大きな
直径が与えられている。

外径の大きな固定部材がこのように配置される
ことによつて、１つのラツプクリールの保持部材
の下方の端部は妨げられずに、その下に配置され
たラツプクリールの直径の大きい固定部材に達す
るまで侵入させられる。

本発明のラツプクリールの特に有利な実施例に
よれば、保持部材の端部は円錐台の外套の、半径
方向内側に向いた側に、段部を形成する切欠きを
有している。これによつてラツプクリールの内部
には保持部材の上方の1/3内に配置された固定部
材の外径よりも内径の大きい空室が生ぜしめられ
る。

このような構成によつて保持部材は隣接するラ
ツプクリールの差嵌めを妨げることなしに、円錐
台の外套の以外では比較的幅広く形成され得るよ
うになる。

本発明の別の１実施例によれば、保持部材は略
台形の棒から構成されている。この棒は角に丸味
の付けられた、半径方向外側に減少した横断面積
を有している。

保持部材がこのように構成されることによつ
て、個々の保持部材の固有強度が高められ、処理
媒体に申し分のない流れが与えられるようにな
る。

繊維物を損うことのない巻解き過程を保証する
ためには、保持部材の半径方向外側に向けられた
縁部はラツプクリールの上端の範囲に於てラツプ
クリールの中心軸線に向かつて円弧状に延びてい
る。これによつて特に巻解き過程の終りに於て糸
が保持部材の上端と接触することが阻止される。

次に図面について本発明を説明する： 第１図が示すように、ラツプクリールは棒状の
保持部材１から構成されている。これらの保持部
材１は台形に構成されておりかつ円錐形の、半径
方向外側に減少する横断面積を有している。ラツ
プクリールの上端の範囲に於ては保持部材１の半
径方向外側に向けられた縁部はラツプクリールの
中心軸線に向かつて円弧状に延びている。保持部
材１はリング状の固定部材２，３，４，５によ
り、円形のケージを形成するように保持されてい
る。

保持部材１が固定部材２，３，４を越えて半径
方向外側に突出しているのに対し、固定部材５は
保持部材１が固定部材５から半径方向内側に突出
するように構成されかつ配置されている。固定部
材３と４は同じように構成されているのに対して
固定部材２は固定部材３，４の内径と同じである
か又かそれよりも小さい外径を有している。この
ような構成と、保持部材１の間の自由な中間室が
保持部材の横断面と同じ大きさであるか又はそれ
よりも大きいことによつて、本発明のラツプクリ
ールは、１つのラツプクリールの保持部材の下端
部が他方のラツプクリールの固定リング３に当る
まで、内外に差嵌めることができる。この場合固
定部材５の内径は内外に差嵌められたラツプクリ
ールが挾持されないように選ばれている。

予備糸巻き部を形成するために固定部材５は粗
面化された表面にリング溝６を有している。

固有強度を高めるためには固定部材２は互いに
同軸的に配置され、半径方向のウエブ９で互いに
結合された内リング７と外リング８とから構成さ
れている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図は本発明のラツプクリールの鉛直断面図、
第２図は第１図のラツプクリールの平面図であ
る。 １……保持部材、２，３，４，５……固定部
材、６……リング溝、７……内リング、８……外
リング、９……ウエブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リング状の固定部材と共に円形のケージを形
   成する棒状の保持部材から成るラツプクリールで
   あつて、保持部材が固定部材を越えて半径方向に
   突出している形式のものに於て、保持部材１の外
   側の縦縁がラツプクリールの中心軸線に対して鋭
   角を成して延びており、保持部材１がラツプクリ
   ールの外径が最大である範囲で固定部材５を半径
   方向内側に突出しており、ラツプクリールの内径
   が小である範囲で固定部材４，３，２を半径方向
   外側に突出していることを特徴とする、棒状の保
   持部材から成るラツプクリール。 ２ ラツプクリールの外径が最大である範囲に、
   於ける少なくとも１つの固定部材５が円錐台の外
   套を形成していて、この外套の外周面が粗面化さ
   れておりかつリング溝６を備えている、特許請求
   の範囲第１項記載のラツプクリール。 ３ 円錐台の外套がラツプクリールの下端部から
   保持部材の長さの略1/3に亘つて延びておりかつ
   パーフオレーシヨンを備えている。特許請求の範
   囲第２項記載のラツプクリール。 ４ ラツプクリールの上端から保持部材１の長さ
   の略1/3の間隔をおいて、この1/3内に配置された
   他の固定部材２よりも大きな外径を有する固定部
   材３がある、特許請求の範囲第３項記載のラツプ
   クリール。 ５ 保持部材１の端部が円錐台部の外套の半径方
   向内側に向けられた側に段部を形成する切欠きを
   有し、この切欠きによつてラツプクリール内に空
   間が形成されており、この空間の内径が保持部材
   １の上方の1/3内に配置された固定部材２の外径
   よりも大きくなつている、特許請求の範囲第４項
   記載のラツプクリール。 ６ 保持部材１が略台形の棒から構成されてい
   て、これらの棒が円錐台の、半径方向で外方へ減
   少せしめられた、角に丸味の付けられた横断面積
   を有している、特許請求の範囲第５項記載のラツ
   プクリール。 ７ 保持部材１の半径方向外側に向けられた縁部
   がラツプクリールの上端部の範囲に於てラツプク
   リールの中心軸線に向かつて延びている、特許請
   求の範囲第６項記載のラツプクリール。