JPS61134438A - 水中構造用ブロックの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、河川、湖沼、湾岸、海洋などの水底に水中
マウンド基礎又は水中マウンド構造物を構築する際に構
造体基礎材料（構造要素）とじて使用される水中構造要
素と、その製造方法及び同水中構造要素を用いて水中マ
ウンド基礎又は水中マウンド構造物を構築する使用方法
に関する。

（従来技術とその問題点など） 従来、護岸、防波堤、防潮堤などの水中マウンド基礎は
、砂、砂利、玉石等の良質土を使用して施工した。また
、同水中マウンド構造物や水中構造物はコンクリートブ
ロック、ケーソン、鋼矢板セル、鋼板セルなどを使用し
て施工していた。

しかし、次のような欠点があった。

■　水中マウンド基礎の場合、マウンド材料として使用
できる材料は、砂、砂利、玉石等の良質土に限られる。

そして、これら材料の使用量は甚だしく多量となり不経
済であった。しかも、マウンド基礎の施工が水中で行な
われるため、十分なる締め固め密度を得ることは困難で
あった。

■　水中マウンド構造物、水中構造物の場合、それがコ
ンクリートブロック構造物、ケーソン構造物、又は鋼矢
板、鋼板セル構造物のいずれで施工されても、甚だしく
高価なものとなった。勿論、不良上や廃棄物を構造体の
一部として利用することは困難であった。

■　なお、ソイルブロック工法、土のう工法による施工
の場合は、有害廃棄物を充填物に使用すると、有害物の
水中への溶出が懸念される。また、ソイルブロック、土
のうは、耐候性、耐久に乏しい上に強度的安定性に欠け
る。しかも、水中においては一層その安定性が低下する
いう問題があった。

（発明の目的） そこで、この発明の目的は、第一に、シルト、粘土など
の不良上、石炭の焼却灰のような廃棄物、場合によって
は有害廃棄物をも含む各種の土質材料及び土質型材料を
、有効に、かつ、経済的に水中の構造体基礎材料として
使用可能ならしめるところの水中構造要素を提供するこ
とである。

第二の目的、は前記水中構造要素を工業的に一定の品質
で能率良く量産するための製造方法を提供することであ
る。

第三の目的は、前記水中構造要素を使用し、一定の手順
で効率よく水中マウンド基礎、又は水中マウンド構造物
を構築するための使用方法（施工法）を提供することに
ある。

（第１の発明の構成）上記目的を達成するために、この
発明の水中構造要素は、必要とされる程度の膜強度を有
し、十分に柔軟で、かつ、完全な気密性会水密性がある
１例えばゴム又は合成樹脂の袋状に形成されたもののよ
うな外殻体の中に、砂、砂利１石灰、石灰などの焼却灰
、混合土などの土質材料又は土質型材料から成る充填物
を詰め込み、外殻体内をほぼ真空状態にして密封し充填
物を固めた構成とされてい′る。

（第２の発明の構成） 同上の目的を達成する手段として、この発明は、上記第
１の発明に係る水中構造要素を工業的に製造する方法で
あって、 （イ）型わくを、水中構造要素に望む形態に組立てる工
程と、 （ロ）前記型わくの中に、袋状の外殻体を大きく開口し
た状態で定着させセットする工程と、（ハ）前記外殻体
中に、砂、砂利、シルト、粘土、廃棄物などの土質材料
又は土質型材料から成る充填物を投入して締め固める工
程と、 （ニ）前記外殻体の開口部を気密的に閉じ、真空ポンプ
等により真空引きして外殻体内を可及的に真空状態とな
し、もって大気圧作用により充填物を固め、そのまま外
殻体の口部を気密的に密封する工程と、 より成る構成としている。

（第３の発明の構成） さらに、同上の目的を達成する手段として、この発明は
、上記第１の発明に係る水中構造要素を使用する方法で
あって、 （ａ）水中マウンド基礎又は水中マウンド構造物を施工
するべき水底の対象地盤の整地を行ない、（ｂ）上記第
１の発明に係る水中構造要素をば設計手順にしたがって
水中の前記対象地盤上に敷き並べあるいは積み重ねて設
置し、 （ｃ）もって、水中マウンド基礎又は水中マウンド構造
物を構築する、 ことを特徴とする構成としている。

（実施例） さらに、図示した実施例により詳細に説明する。

（水中構造要素について） 第１図と第２図は、通常形態（直方体）に製造された水
中構造要素１を示している。

これは通常方法による使用に支障ない程度の膜強度を有
するゴムシート製（又は合成樹脂シート製）の袋状に形
成された外殻体２の中に、砂、砂利、玉石などの良質土
、又はシルト、粘土などの不良上、石炭の焼却灰のよう
な廃棄物、場合によっては有害廃棄物を有む混合土その
他各種の土質材料あるいは土質型材料から成る充填物３
を詰め込み、締め固め、かつ、外殻体ｚ内を真空引きし
ほぼ真空状態に密封して同充填物３を固めた構成とされ
ている。

この水中構造要素１は、直方体形状とされており、その
大きさの一例を示すと、たてＸよこ×高さＸ　＝　ｌ　
ｍＸ　ｌ　ｍＸ５０ｃｍ位である。

充填物３は、外殻体２内を真空状態に密封する結果、は
ぼ大気圧に等しい等方圧力によって拘束され固められて
、相当な強度を発現する。

ちなみに、充填物３の強度は、その強度定数Ｃ１Φに依
存するのであり、例えばΦ１＝３０°の場合τｒｒ＝　
Ｉ　　Ｋｇｆ／　ｃｍ”、Φ２−２０°の場合、τｔｚ
＝　０．５　Ｋｇｆ／　ｃｔｎ’となる。これを公知の
強度模式図で示したものが第３図である８図中のモール
円イが前者、口が後者の強度を示している。

（第２の実施例） なお、充填物３は、外殻体２中に詰め込むに際し、予め
石灰、セメントその他の硬化剤を混ぜて固化させること
も行なう、かくすれば、有害な廃棄物を安定に封じ込め
て外界への溶出の懸念、を排することができる。

のみならず、充填物３の強度の条件中、０項（粘着力）
が改良されるので、前述した強度の例に関しいえば、ｃ
Ｈ＝　ｌ　　Ｋｇｆ／　ｃｒｒｆ、τｒｚ＝　０．５Ｋ
ｇｆ／ａｍ’は、改良効果による強度ΔＣが付加されて
、それぞれおよそτｆｌ＝　０．５＋ΔＣＫｇｆ／ｃｍ
’、　　ｃｔｚ＝　　１．ｏ＋Δｃ　Ｋｇｆ／　ｃｒｎ
’位に向上する、（その他） なお、この水中構造要素１は、水中で使用されることを
前提としており、水中では大気圧のほかに水深レベルの
静水圧として加わるので、その拘束力、強度は一層増大
したものとなる。　ちなみに、水深２０ｍでΦ＝３０”
＋７）ときτｔ　＝　２．９　Ｋｇｆ／ｃｒｎ’、同Φ
＝　２０＠テｃ　ｒ　＝　　１．５　Ｋｇｆ／　ｃ　ｒ
ｎ’となる。これを第３図の模式図ではそれぞれモール
円ハ、二で示している。

（製造方法について） 次に、第４図〜第１０図は、上記水中構造要素１の製造
方法について示している。

特に、第４図〜第６図Ａ、Ｂは、型わく５の形態及び構
造詳細について示している。

型わ〈５は鋼製であり、底版型わく６と側枠７との組合
せより成る。

底版型わく６は、その外周部に揚重用の吊金具８・・・
を有する。側枠７は、その組立て、解体を容易ならしめ
るため、四隅部に隅角継手９を有している。但し、隅角
継手９には、第６図Ａ、Ｈに示したとおり、取り外し不
可能な構造の約束継手９１（第６図Ａ）と、ナツト１０
をゆるめて外すことができる着脱可能な自由継手９２（
第６図Ｂ）とがある。

気密、水密性を確保でき、接着、溶着が容易で柔軟なゴ
ム又は合成樹脂シートで袋状に作られた外殻体２は、第
４図のように組立てた型わく５の中に、第５図のように
セットする。そして、第７図に示したように、蓋２　を
大きく開き、同着２　を密封する溶着代１０をば第７図
、第８図示した如く側枠７の上面におき、これを例えば
マグネット片又はクリップなどの固定具で止めてしっか
りと定着しセットする。

しかる後に、外殻体ｚ内に充填物２を詰め込み、かつ、
層厚３０ｃｍ位ごとに重錘、油圧プレッサー等で押して
締め固める。かくすると、充填物３は、型わく５の形態
となる（第８図）。

なお、充填物３を硬化剤で固化する場合は、予め硬化剤
を混ぜて詰める。

かくして、所定レベルまで充填物３を詰め終ると、蓋２
゛を閉じ、接着又は溶着の方法で外殻体２の開口部を気
密的、水密的に封鎖する（第９図）。

そして、蓋２゛に予め用意しである排気用弁体１１・・
・に真空ポンプ１２を接続し、真空引き操作により外殻
体２内をできるだけ高度の真空状態にする（第１０図）
。

すると、柔軟である程度伸縮性のある外殻体２を介して
大気圧が等方圧力として充填物３に作用し、これを押し
固めて既述した強度を発現させるのである。

なお、排気用弁体１１は、真空ポンプ１２による真空引
き操作が容易で、しかも外気の侵入は完全に阻止する逆
上弁構造のものとし、第１１図に示した如く蓋２′に溶
着して設ける。

従って、外殻体ｚ内を所定の真空状態にしたあと、真空
ポンプ１２と排気用弁体１１との接続を外すと、そのま
まで外殻体２内を気密的に密封したことになる。

最後に、側枠７を解体して水中構造要素ｌの製造工程が
完了する。

なお、底版型わく６は、製造した水中構造要素１の運搬
その他のハンドリングに利用する。その際、吊金具８（
第４図）が重宝されることになる。

上記水中構造要素１の製造は、水中マウンド基礎又は水
中マウンド構造物を施工する現場近くの海岸等で行ない
、もって海上輸送を効率的に経済的に行なうようにする
。

（使用方法について） 次に、第１２図は、上記の如く製造した水中構造要素ｌ
を使用して水中マウンド基礎１３を施工した状態を示し
ている。

その手順としては、まず水底の対象地盤１４の整地を行
なう、その際、対象地ｆｉ１４が軟弱地盤であるときは
、第１２図に示しているとおり、　０．５ｍ〜１．０ｍ
位の層厚で良質の砂質土ＭＩ５を形成する。

もしも硬質で凹凸の多い、しかも角ばった地盤の場合は
、その凹凸を均す程度に砂質土などを埋立て基礎の整地
処理を行なう。

しかる後に、上記水中構造要素ｌをクレーン等で吊り、
設計の手順に従って水中の前記対象地盤１４上に敷き並
べ、あるいは積み重ねて設置し、水中マウンド基礎１３
を構築する。

このとき、水中構造要素１．１相互間の継目は、迫り継
目とならないようにする。そして、斜線を施した外皮部
分の水中構造要素１・・・につぃては、充填物３を硬化
剤で固定したものを使用し、構造の安定性を図る。

なお、上記のようにして構築した水中マウンド基礎１３
が恒久的なものであるときは、マウンド基礎表面に水中
コンクリートを打設し、被覆、保護する。

次に、第１３図は、同じく水中構造要素ｌを使用して構
築した水中マウンド構造物１６の施工図を示している。

もっとも、水面上に突出するか否かの形態の相違を除き
、対象地盤１４の整地、水中構造要素ｌの設置の手順、
要領は、上記水中マウンド基礎１３の施工の場合とほぼ
同じである。

（作用効果） 以上に説明したとおりであって、この発明の水中構造要
素１によれば、砂、砂利、玉石等の良質土のみならず、
シルト、粘土等の不良上、さらには石炭灰その他の廃棄
物、場合によっては有害廃棄物であっても、土質材料、
土質型材料であれば区別なく有効利用できる。しかも、
単純に良質土のみで水中に施工する場合に比して、いわ
ば初層を使用するが如くに必要最少限度の量で水中施工
ができ、材料消費量が大きく減少する。従って、省資源
的効果が大きく、経済的であると共に、施工の手数も省
略化できる。

しかも、この発明の製造方法によれば、水中構造要素１
は、大気圧により等方圧を利用して充填物２を固めて製
造されるので、強度の大きいものが得られる。しかも、
水中で使用すると一層高強度なものとなる特性がある。

そして、大気圧利用により品質一様のものを量産するこ
とができるという特長を有する。

従って、この発明の上記水中構造要素ｌを使用する方法
によれば、河川、湖沼、湾岸、海洋などにおける水中マ
ウンド基礎、水中マウンド構造物あるいは護岸、防波堤
、防潮堤などの水中構造物を簡易に効率良く構築するこ
とができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る水中構造要素の斜視図、第２図
は同断面図、第３図は水中構造要素が発現する強度を表
わした模式図、第４図は型わくの組立て外観図、第５図
は同断面図、第６図Ａ。 Ｂは側枠の隅角継手の正面図、第７図〜第１０図は水中
構造要素の製造手順を示した斜視図、第１１図は排気用
弁体を示す断面図、第１２図と第１３図は水中マウンド
基礎、水中マウンド構造物の施工図である。 ｆａ１図 第２Ｖｍ 第３図 の　　　１・ 第４ｉ！１ 第５図 第６図Ａ 第６！ｉｎＢ 第９８１１ｍ 第１０１３ 第１１図 第１２１１、 一；＝ 第１３１３

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. （１）所要の膜強度を有し、柔軟で、気密性・水密性の
   ある外殻体（２）の中に、砂利、石灰、石炭などの焼却
   灰、混合土などの充填物（３）を詰めてあり、かつ、外
   殻体（２）内を真空に近い状態に密封して固めているこ
   とを特徴とする水中構造要素。
2. （２）特許請求の範囲第１項に記載した充填物（３）は
   、セメント、石灰などの硬化剤で固化されている水中構
   造要素。
3. （３）特許請求の範囲第１項に記載した外殻体（２）は
   、ゴム又は合成樹脂の袋状に形成されたものである水中
   構造要素。
4. （４）（イ）型わく（５）を所望の形態に組立てる工程
   と、 （ロ）前記型わく（５）の中に外殻体（２）をセットす
   る工程と、 （ハ）前記外殻体（２）中に充填物（３）を入れて締め
   固める工程と、 （ニ）外殻体（２）を閉じ、真空引きして所定の真空状
   態となし、そのまま気密的に密封する工程と、 より成ることを特徴とする水中構造要素の製造方法。 （４）（ａ）マウンド基礎（１３）等を施工する対象地
   盤（１４）の整地を行ない、 （ｂ）気密性・水密性の外殻体（２）中に充填物（３）
   を詰め同外殻体（２）内を真空に近い状態に密封し固め
   て成る水中構造要素（１）を設計手順にしたがって水中
   の前記対象地盤（１４）上に設置し、 （ｃ）水中マウンド基礎（１３）もしくは水中マウンド
   構造物（１６）を構築する、 ことを特徴とする水中構造要素の使用方法。
5. （５）特許請求の範囲第４項に記載した対象地盤（１４
   ）の整地は、軟質地盤の場合は良質の砂質土層（１５）
   を所要の層厚で施工し、硬質地盤で凹凸が多く、かつ角
   ばった地盤の場合はその凹凸をならすように砂質土など
   を埋立てることにより行なう、水中構造要素の使用方法
   。
6. （６）特許請求の範囲第４項に記載した水中構造要素（
   １）は直方体形状となし、これを整地した対象地盤（１
   ４）上に敷き並べ、積み重ねて設置し、水中マウンド基
   礎（１３）もしくは水中マウンド構造物（１４）を構築
   する、水中構造要素の使用方法。
7. （７）特許請求の範囲第４項又は第６項に記載した水中
   構造要素（１）のうち水中マウンド基礎（１３）もしく
   は水中マウンド構造物（１６）の外皮部分のもの（１）
   は、外殻体（２）中の充填物（２）をセメント、石灰な
   どの硬化剤で固化したものである、水中構造要素の使用
   方法。