JPS6113391Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ウオームシヤフトの正逆回転にとも
なつてピツトマンアームを前後方向に揺動させる
ようにした自動車のステアリング装置に関するも
のである。

従来のこの種のステアリング装置としては、例
えば第１図に示すように、図示しないステアリン
グシヤフトにカツプリングを介して連結されたウ
オームシヤフト１にボールナツト２を螺挿し、前
記ウオームシヤフト１と直角に軸支されたセクタ
シヤフト３に固定したセクタギヤ４をウオームナ
ツト２の外面に形成したラツク５に噛み合わせる
ことにより、ステアリングシヤフトを介してウオ
ームシヤフト１を右回定させると、ボールナツト
２が上方に移動してセクタギヤ４を時計方向に回
転させ、以つて、セクタシヤフト３を介してピツ
トマンアーム６を前方へと揺動させて図示しない
リンク機構を介して前輪を右方向へと操向回動さ
せるようにしていた。７はステアリングギヤケー
ス、８は下部カバー、９は上部カバー、１０，１
０はベアリング、１１はヨークである。

ところで前記ピツトマンアーム６は、図示しな
いリンク機構及びナツクルアームを介して左右い
ずれか一方の前輪のみに連結され、左右の前輪を
タイロツド等を介して連動させていたので、ステ
アリングホイールの取付位置を左右反転してピツ
トマンアーム６が連結される前輪が左右反転する
と、ステアリングホイールが右回転させた時に前
輪が左方向へと操向回動してしまうという欠点が
ある。従つて、従来ではステアリングホイールの
取付位置に関係なくピツトマンアームに連結され
る前輪を左右いずれか一方に特定し、あるいは、
ステアリングホイールの取付位置を左右反転する
時は逆ねじのウオームシヤフト及びボールナツト
を使用し、又は、ギヤケースを変更してウオーム
シヤフトとセクタギヤとの前後位置を反転するな
ど、大幅な改造を必要としていた。

本考案は上記に鑑みてなされたものであつて、
ステアリングギヤケース及びその内部機構を全く
変更することなく構成が簡単で小型の逆転装置を
付加することにより、例えば右ハンドル車用のス
テアリングギヤケース及びその内部機構をそのま
ま左ハンドル車用に転用できるようにした汎用性
のあるステアリング装置を提供するものである。

以下に本考案を第２図に示された一実施例に基
づいて詳細に説明する。尚、図中、従来と同一機
能を有する部分には同一の符号を付してその詳細
な説明を省略する。

即ち、本考案では、上部カバーに代えてステア
リングギヤケース７に補助ケース１２を締付固定
すると共に、該補助ケース１２内に突出させたウ
オームシヤフト１の上端に第１のベベルギヤ１３
をボルト１４で着脱自在に取り付けている。又、
補助ケース１２の上壁部分のウオームシヤフト１
と同芯線上にはヨークシヤフト１５を軸支し、該
シヤフト１５の内端に前記第１のベベルギヤ１３
と同一規格の第２のベベルギヤ１６を固定してい
る。そして、第１，第２のベベルギヤ１３，１６
を噛み合い連動させるアイドラとしての第３のベ
ベルギヤ１７を補助ケース１２内に設けることよ
り、ヨークシヤフト１５を右方向に回転させる
と、ベベルギヤ１３，１６，１７を介してウオー
ムシヤフト１が左方向に回転駆動されるようにし
ている。尚、ヨークシヤフト１５の上端（外端）
には、ウオームシヤフト１の上端から取り外した
ヨーク１１をボルト１８で取り付けているが同一
規格のヨークを取り付け、あるいは、ヨークとヨ
ークシヤフトを一体構成して該シヤフトに第２の
ベベルギヤをボルト等で取り付けるようにしても
良い。

上記の構成において、ステアリングシヤフトの
回転にともなつてヨークシヤフト１５が右方向に
回転したとすると、ベベルギヤ１３，１６，１７
を介してウオームシヤフト１が左方向に回転駆動
される。すると、該ウオームシヤフト１に螺挿し
たボールナツト２が下方に移動するので、セクタ
シヤフト３を中心にしてセクタギヤ４が反時計方
向に回動し、ピツトマンアーム６が図中右方向へ
と揺動する。

一方、ステアリングギヤケース７から補助ケー
ス１２を取り外してウオームシヤフト１の上端に
ヨーク１１を装着して第１図に示した従来例と同
様に構成すると、ステアリングシヤフトとウオー
ムシヤフト１とが同一方向に回転するのでピツト
マンアーム６が図中左方向に揺動する。

従つて、ステアリングホイールの取付位置、つ
まり、ピツトマンアームがリンク機構を介して左
右いずれの前輪のナツクルアームに連結されるか
に応じて補助ケース１２を着脱すれば、ステアリ
ングギヤケース７及びその内容品であるウオーム
シヤフト１並びにボールナツト２等をそのまま使
用できるので、ステアリングホイールの取付位置
に応じてウオームシヤフト１及びボールナツト２
等を使い分ける必要がなくなる。このために、
左，右ハンドル車のウオームシヤフト及びボール
ナツト等を共通化できるので、ステアリング装置
を安価に提供できる。

又、補助ギヤケース１２に収容された逆転機構
はベベルギヤで構成されているので、バツクラツ
シユの調整が容易であると共に、装置が簡潔，小
型化される。

以上説明したように本考案によれば、例えば、
右ハンドル車用のステアリング装置に３個のベベ
ルギヤと補助ケースとヨークシヤフトとを付加す
るのみでこれを直ちに左ハンドル車用のステアリ
ング装置とすることができるので、ステアリング
装置の主要部であるステアリングギヤケース及び
その内容物を共通化でき、量産効果を高くしてス
テアリング装置のコストを低減できると共に、部
品管理等を容易化できる。又、３個のベベルギヤ
を噛み合わせて逆転機構を構成しているので、例
えば平歯車を使用した場合に対比してバツクラツ
シユの調整が容易化されると共にその調整装置が
簡易化されるので、ステアリング装置の保守，管
理が容易化されるという付随的効果をも奏する利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部の断面図、第２図は
本考案の一実施例を示す要部の断面図である。 １……ウオームシヤフト、２……ボールナツ
ト、３……セクタシヤフト、４……セクタギヤ、
５……ラツク、６……ピツトマンアーム、７……
ステアリングギヤケース、１１……ヨーク、１２
……補助ケース、１３……第１のベベルギヤ、１
４……ボルト、１５……ヨークシヤフト、１６…
…第２のベベルギヤ、１７……第３のベベルギ
ヤ、１８……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングシヤフトに追従して正逆回転する
   ウオームシヤフトにセクタを介してピツトマンア
   ームを連動させることにより、ピツトマンアーム
   を前後方向に揺動させて前輪を左右方向に操向回
   動させるようにしたステアリング装置において、
   ウオームシヤフトを収容したステアリングギヤケ
   ースの上部に補助ケースを着脱自在に装着し、補
   助ケース内に突設したウオームシヤフトの上端に
   第１のベベルギヤを着脱自在に取り付け、ウオー
   ムシヤフトの延長線上に軸支したヨークシヤフト
   の下端に前記第１のベベルギヤと同一規格の第２
   のベベルギヤを取り付けると共に、補助ケースに
   軸支された第３のベベルギヤを介して第１，第２
   のベベルギヤを連動させることにより、ステアリ
   ングシヤフトの回転をヨークシヤフトから第１，
   第２，第３のベベルギヤを介してウオームシヤフ
   トに伝達するようにしたことを特徴とする自動車
   のステアリング装置。